事件・ニュースと訴訟
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「日本アイ・ビー・エム」の記事における「事件・ニュースと訴訟」の解説
事件・ニュースと訴訟年ニュース事件・訴訟 (日本IBMが当事者の案件。米IBMを当事者とする事案は除く)1999年 1999年、名古屋事業所から幕張事業所への転配を打診された社員が、配転命令の効力を停止する仮処分を申請した。2000年に和解が成立し、幕張へ転配となる 2001年 2001年、社長の大歳卓麻が雑誌のインタビューに答えて、人事制度における一連のコスト削減施策に関して「人事制度改革で日本の毒味役になる」「我々が毒味してみて、大丈夫そうだとなれば、日本の会社のみなさんもやりやすいんじゃないか」と発言 2004年 2004年1月11日、東京三菱銀行や八十二銀行など約20行で、日本IBM製対外接続用ミドルウェアのバグにより取引がキャンセルされる障害が発生 2004年1月26日、統合ATMスイッチングサービスにおいて、日本IBMが担当した「接続ソフト」の不具合により取引遅延などの障害が発生 2005年 2005年、ハードウエア取引の会計処理における日本IBMによるIBM社内規定の違反により、米IBMが2004年の連結決算内容を下方修正し、売上げと利益を通年で2億6000万ドル減額 2006年 2006年、会計検査院による独立行政法人情報通信研究機構に対する検査で、日本IBMが同機構からの委託研究2件に関し実際には従事していない研究員の労働時間を含め人件費を請求していたと指摘された。日本IBMは受け取った研究費の全額に利息を加えて返還した上、3年間同機構の案件への応募を自粛した 2007年 2007年2月、 株式会社アイ・エックス・アイの架空循環取引による粉飾決算に関して、大阪地方検察庁特別捜査部の強制捜査を受ける 2007年2月、ソフト開発会社のデジタルデザイン社が、日本IBMおよびネットマークス社に対し、12億円の損害賠償請求訴訟を起こしたが、2008年7月には和解が成立した 2007年3月、東京リース株式会社が、販売代金153億4100万円の債務履行と遅延利息の支払いを求め、日本IBMなど4社を東京地裁に提訴 2007年4月、ソースネクスト社が、日本IBMに対し、ホームページ・ビルダーのライセンス供与に関して契約違反として提訴した。2007年には日本IBMが、ソースネクストに対し、損害賠償請求反訴を起こした。これらは2008年7月に一部和解が成立した 2007年5月、元社員らが2002年発表の株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ設立時の会社分割による強制移籍に関して地位確認などを求めた訴訟で、横浜地裁が元社員らの請求を棄却した 2008年 2008年、神奈川県教育委員会から受託していた授業料徴収システム開発関連の個人情報が、下請社員のP2Pソフトウェアにより漏洩 2008年6月、日本IBMが主契約社であった七十七銀行のシステム開発案件の開発費用超過により、下請けであった株式会社ジェー・シー・イーが債務超過に陥り、仙台地裁で民事再生手続を開始、日本IBMに対して損害賠償請求を検討中と報道される 2008年の大規模リストラ - 2008年10月から12月にかけて、全社員を5段階に分類し、下から2番目までの下位15%の従業員、数にして1,500人を3カ月で退職させるという大規模な退職勧奨(事実上のリストラ)が行われた。日本IBMではそれまでにもリストラを必要に応じて行っていたが、2008年の場合は世界的金融危機が迫り雇用不安が拡大する中でも前年と同様の高利益を確保している会社の、正社員への大規模リストラであったため世間の注目を集めた。その中では、上司による威嚇行為や人格否定、誹謗中傷などの人権侵害を伴う「退職強要」があったとし、社員らが人権侵害を伴う退職強要の差し止めと損害賠償を求めて提訴したり、日本IBMの労働組合(JMIU日本アイビーエム支部)は、会社側が「48時間以内に退職を表明しないと解雇する」と宣告したケース、社員の家族に「ご主人を辞めさせてください」と電話してきたケースなどの存在を主張して抗議し、マスコミでも報じられた 2008年3月6日、スルガ銀行が、日本IBMに対し、「日本IBMの債務不履行によりシステムが完成せず開発を中止せざるを得なくなった」として111億700万円の損害賠償訴訟を起こした。スルガ銀行側は裁判の訴状で「日本IBM側がプロジェクトにおいて、要件定義を3回繰り返す事態に陥っていた」と主張している 。これに対して日本IBM側は、4月7日の答弁書で「失敗の責任はスルガ銀にある」とし、スルガ銀行側が主張している請負契約の締結自体も否認している 。また「要件定義の繰り返しの原因は、銀行側からの現行システム情報や要件の提示内容がプロジェクト前後で比較して大きく膨れ上がり、かつ期間中に二転三転を繰り返したため」と主張していた。2012年3月29日、東京地方裁判所はスルガ銀行の訴えを認め、日本IBMに約74億1千万円の支払いを命じると伴に仮執行も認めた。日本IBMは上告し、2013年9月、東京高等裁判所は、日本IBMの義務違反は最終合意書を交わした段階のものとして、賠償額を約42億円に減額する判決を下した。これを受けて両社は最高裁に上告したが、最高裁判所は2015年(平成27年)7月8日、両社の上告を棄却する決定を下し、東京高裁の判決が確定判決となり、日本IBMが敗訴した。 2009年 2009年9月、福岡銀行で前年2008年に発生した、ソフトウェアシステムのバージョンアップ後のIMS(データベース管理システム)の不具合が原因によるシステム障害 に続いて、今度は日本IBM保守要員の作業ミスが原因で勘定系システムの障害が発生し、福岡銀行が日本IBMに対して損害賠償を検討中と報道される 2009年5月、株式会社エコミックが日本IBMに発注した給与計算システム開発のプロジェクト中止は、日本IBMの債務不履行であるとして係争中と報道される 2009年5月29日、社員3名(10月に1名追加)が日本IBMに対し、「退職を強要された」として、差し止めと損害賠償を求めて訴訟を起こした 2010年 2010年3月、ニイウス コー株式会社の粉飾決算事件に関して、証券取引等監視委員会の強制調査を受ける 同月末には、同社の社員が循環取引に関与していたことが判明したとの報道がなされた 2010年、雑誌「プレジデント」誌5/3号の特集「働きがい」で、 IT業界部門の働きがいワースト企業とされる (なお、2000年代初頭までは、大学生が就職を希望する企業に関する各種調査において上位にランクされていた) 2010年7月12日から13日にかけて日本郵政グループゆうちょ銀行の郵便貯金システムにおいて発生した民営化後最大のシステム障害は、IBM製磁気ディスク装置の制御プログラムのバグによる(正確にはHDDの欠陥と呼ぶのは不適切)ものとして、ゆうちょ銀がIBMへの損害賠償請求を検討中と報道される 2010年10月、神奈川県警のシステム開発に関する2003年の議事録が、インターネットに流出していることが発覚した。県警は、システム開発を委託した日本IBMの下請社員がP2Pソフトウェアで漏洩させたとして、日本IBMに削除の対応を要請したと報道される 2010年、大阪府吹田市において、基幹システムに関する日本IBMの契約不履行により7億3558万円の契約が解除され、減額の予算補正が実施された 2010年12月、ハードウェア販売の総責任者である専務執行役員が、「日本企業には、3~4世代前のテクノロジが数多く生き残っている。欧米企業であれば、せいぜい2世代前のテクノロジが残っている程度だ」「他国では、まず新製品を使ってみる」と日本企業の購買態度について発言 2010年3月18日、東京国税局の税務調査により、国税史上最高規模の4000億円を超える申告漏れが発覚し、三百数十億円の追徴税を課された、との報道がなされた。これは、非上場である日本IBM株を、米IBM、日本IBMの親会社であるアイ・ビー・エム・エイ・ピー・ホールディングス(APH)、日本IBMの間で循環取引することにより、見かけ上APHに多額の赤字を発生させて連結対象の日本IBMの巨額の利益と相殺することで納税を回避したとされたものだが、日本IBMは、あくまでも法規は遵守していると主張し、国税不服審判所に審査請求をした。2013年5月9日、東京地裁はIBM側の主張を認め、処分を取り消した。これを受けて国は上級審に控訴した。なお当事件後の税制改正において、100%子会社に子会社株を安価で売却して赤字を計上することが禁じられたため、現在では違法行為にあたる 2011年 2011年2月、社長の橋本孝之が、日本IBMとして初めて役員を含む部長以上の職位のスタッフを50名以上中途で大量採用したと発表 2012年 2012年10月、2011年に発生したオリンパス事件に関して、日本IBMのコンサルタントの関与があったと報道される 2012年11月13日、衆議院予算委員会で日本IBMの「ロックアウト解雇」に関する日本国政府の見解を質問された内閣総理大臣野田佳彦が、「もしそういうことがあるならば、それはあってはならない」と答弁 2012年8月、最高顧問の大歳卓麻が、一身上の都合による退職直前に、東京都迷惑防止条例違反容疑により警視庁により取り調べを受け、退職後に東京簡裁より罰金30万円の略式命令を受けたと報道される 2012年10月15日、ロックアウト型の即時解雇をされたとして、元社員3人が解雇の無効と賃金の支払いを求めて訴訟を起こした 2013年 2013年5月27日、2008年4月から2009年4月にかけて売掛金約1億3000万円を横領したとして、IBMビジネスコンサルティングサービスの元社員が、業務上横領容疑で逮捕された 2013年6月20日、元社員と2名の社員が、元社員の解雇は労働組合員をねらった不当な解雇にあたるとして東京地裁に提訴 2013年9月26日、相対評価による低評価の為に減給された労働組合員9人が、減給は不当であるとして東京地裁に提訴 2013年11月、野村ホールディングスおよび野村證券が、委託したラップ口座システムの開発が頓挫した責任が日本IBMにあるとして、損害約33億円の賠償を求めて東京地裁に提訴 2014年 2014年5月9日、グループ内の株取引を巡り、約3995億円の申告漏れを指摘された「日本IBM」(東京都中央区)グループが、国を相手に1197億円の課税処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は9日、グループ側の主張を全面的に認め、処分を取り消した。判決が確定すれば、1197億円に還付加算金などを加えた額がIBM側に返還される 2015年 2015年3月25日、東京国税局から約3995億円の申告漏れを指摘された日本IBMの持ち株会社が、課税処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(山田俊雄裁判長)は25日、「不当に納税額を減らしたとは言えない」として国側の控訴を棄却した。約1197億円の課税を取り消し、IBM側の勝訴とした一審・東京地裁の判断を維持し、二審も全面勝訴とした 2017年 2017年6月14日、3人の女性のYahoo!のアカウントに不正にアクセスしたとして、50歳の社員が、不正アクセス禁止法違反容疑不正アクセス禁止法違反容疑で、神奈川県警サイバー犯罪対策課に逮捕された 2017年6月28日、業績が低いとして賃金を10~15%減額したのは違法であるとして日本IBMを提訴していた社員17人が、賃金水準を元に戻し減額されていた未払い分を会社が支払うという内容で和解した
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