作業ミス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 08:57 UTC 版)
「広島新交通システム橋桁落下事故」の記事における「作業ミス」の解説
事故現場は県道の上(片側二車線の中央分離帯)であったため、架設用地を十分に確保できなかった。そのため部品を橋脚上で橋脚に直角方向に移動したあとで、各橋脚に取り付けるために降下させる「横取り降下工法」と呼ぶ方法を採用していた。この工法ではいったん仮受台に置いた上でジャッキ操作を繰り返しながら降下させ、最終的には橋脚上の沓座と呼ばれる台に固定するものであった。前日までに仮置きが完了しており、事故当日は3つの橋脚に置かれたジャッキを交互に降下したうえで台座に固定する設置作業をしていた。 しかし仮受台のH形鋼は3本置かれていたが、作業箇所のうち西側橋脚の南側にあったH型鋼は井桁状ではなく同方向に一列に積む作業ミスをしていた。そのため1本のH型鋼を抜いて仮受台の高さを調整するために交換作業をしていた際、荷重が不均衡になったため、橋桁の南側の底面が深さ6.6 mm、300 mmの範囲が座屈した。そのため橋桁の重量が南側に偏ったことから、主桁を支えていた3台のジャッキのうち2台が耐荷力を超えた。その結果、2台のジャッキの受け台のH型鋼がほぼ同時に座屈し、バランスを失い橋桁が半回転しながら下に落下した。 また橋桁と橋脚には吊り足場が設置しており、そこで足場の隙間を塞ぐ作業をしていた作業員1人も、ジャッキ操作をしていた作業員4人と一緒に落下した。直前に作業員が「ジャッキが異常に重たい」と発言しており座屈の予兆があったが、後述のように現場では誰も気が付かない体制であり、見逃されてしまった。
※この「作業ミス」の解説は、「広島新交通システム橋桁落下事故」の解説の一部です。
「作業ミス」を含む「広島新交通システム橋桁落下事故」の記事については、「広島新交通システム橋桁落下事故」の概要を参照ください。
- 作業ミスのページへのリンク