事故当日とは? わかりやすく解説

事故当日

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 21:26 UTC 版)

箒川鉄橋列車転落事故」の記事における「事故当日」の解説

事故発生当日1899年明治32年10月7日、この日は南方洋上発生した台風本州接近していた。福島行きの第375列車11時に上野駅発車し特段台風影響受けてはいなかったものの対向列車との行き違いの関係で約50分遅れで宇都宮到着した。このとき宇都宮観測され風速は9メートルだったため、第375列車は運転を続けた。第375列車後部車掌証言したところによると、矢板駅発車したのは16時40分頃であった矢板駅発車後、第375列車箒川鉄橋さしかかった渡り始めたところで北西からの突風列車左側面に吹きつけ機関士後方見たところ、8両目連結していた無蓋貨車シート強風煽られ吹き飛ばされかけていた。続いて1等客車車体急激に右方向張り出したのを目視して、警笛吹鳴機関車ブレーキをかけた。機関士その際に強い衝撃感じたといい、後にこの時に貨物緩急車連結器切断したと思うと証言している。 第375列車混合列車で、機関車2両、貨車11両、その後客車4輪単車)7両を連結していた。編成は、次のとおりであった牽引機関車(イギリス・ベイヤー・ピーコック社製テンダー機関車)1両 - 回送機関車イギリスタンク機関車)1両 - 空貨車3両 - 積貨車7両 - 貨物緩急車(亥120) - 3等緩急車(ハ28) - 3等客車(ハ179) - 3等客車(ハ249) - 1等客車(イ3) - 2等客車(ロ17) - 3等客車(ハ275) - 3等緩急車ハニ107) (太字体の車両転落車両転落した車両は、以下の通り状況であった。 亥120 - 第9号橋脚傍ら転落横転し大破。 ハ28 - 亥120とほぼ同じ状態でその横に横転大破。 ハ179 - 屋根吹っ飛び車体下部構造河底埋没。 ハ249 - 第8号橋脚の約27メートル下流流される屋根残しその他粉砕。 イ3 - 第7、8橋脚中間から最初に転落25メートル下流車体下部構造、さらに18メートル先に屋根残しその他粉砕。 ロ17 - 第7号橋脚傍ら中州の上圧壊。 ハ275 - 第7号橋脚の少し先に転落、3ブロック大破ハニ107 - 前車(ハ275の上転落し大破。 事故当日の箒川平時比べて1メートルほど増水していて、貨車1両と客車7両は急流中に転落し木造客車破損ひどかった転落免れた機関車2両と貨車10両は、機関車1両のみのブレーキではあまり効かずに鉄橋から140メートルほど進行した地点でようやく停車しその時刻は17時頃だったと伝わる。第375列車機関手は機関助手に後を任せて野崎駅走り事故の一報伝えた。この事態知った野崎駅長は矢板駅あてに電報打ったが、暴風のために混線していて17時20分頃にやっと架電できた。 第375列車後部車掌事故負傷していたが矢板駅まで約3.5キロメートル道のり走り抜き矢板駅長に事故の詳細報告した通信網未発達時代のため、矢板駅から宇都宮駅連絡し、さらに宇都宮駅から日本鉄道本社事故知らせ伝えられた。 なお、10月9日になって中央気象台から発表され事故発生当日10月7日)の気象状況は、以下のとおりであった南方洋上発生した台風は、10月7日早朝には四国沖北東進みその日正午遠州灘過ぎて4時10分に伊豆半島横断しその後相模灘抜けた。このときの伊豆半島南端長津測候所では、約952.6ヘクトパスカルという極めて低い気圧観測していた。台風はさらに横須賀南方から東京湾北上する経路進み15時20分に東京 - 千葉間に上陸した16時には銚子北から鹿島灘抜けて速度増し同日22時に浦河付近から北海道上陸した。 この台風主要都市における最低気圧最大風速は、次の表のとおりである。なお、時刻最低気圧記録した時刻である。 主要都市における最低気圧最大風速地名高知和歌山横須賀布良銚子宇都宮福島時刻8:00 10:00 11:00 15:00 15:00 16:00 16:00 16:00 最低気圧hp)989.6 989.3 963.5 955.8 961.3 963.2 974.7 976.8 最大風速m/s)N27 NW14 N23 SE23 SE54 N53 NW9 NW18 この気象状況について、『続 事故鉄道史』(1995年)で第375列車事故について取り上げた佐々木冨泰は宇都宮風速意外に低いことと、その観測時刻が第375列車発車時刻にほぼ一致していることの2点指摘し、「駅長機関手ともに台風をあまり気にせず出発したことがわかる」と記述している。網谷りょういちも『日本の鉄道碑』(2005年)で同事故を取り上げ宇都宮観測され風速の件について「宇都宮駅列車抑止する理由はなく、同駅の過失はない」としている。ただし網谷は事故現場付近地形について言及し、「溝のようになって風の通り路となっている箒川橋梁が、ある一定の方角から風吹いた時に限界値上の風が生じたのだろう」と推定している。

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