ペールノエル (Pere Noel)
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「七つの大罪シリーズ」の記事における「ペールノエル (Pere Noel)」の解説
エヴィリオス各地で暗躍する暗殺組織。名前は紀元前から活動していた犯罪組織「アポカリプス」の首領ペイル=ノエルが由来。中心メンバーは七人で構成された「セプト」と呼ばれる人物たちであり、それぞれ称号を持つ。 ジュリア=アベラール/一番目のサンタクロース (Julia Abelard/First Santa Claus) モチーフ:MEIKO(ジェルメイヌ=アヴァドニア) ルシフェニア共和国の貴族。最年少で初の女性大統領に就任し、民衆から絶大な支持を受けているが周囲からのやっかみも強い。レミー=アベラールの義母であり、側には常に赤猫がいる。 その実態は犯罪組織「ペールノエル」の首魁「一番目のサンタ」にして、「ジェルメイヌ=アヴァドニア」の身体を乗っ取った魔道師「アビス I.R.」。コンチータの血族の肉体であるため今までのどの身体よりも魔力に優れており、洗脳などで手にした構成員を手駒に大規模犯罪を行なっていた。一番目のサンタの正体を知る者は組織内でも少なく、殆どの場合は影武者であるメイラナが表に出ている様子。自分がかつて子供を産めなかった事から、義理の息子であるレミーに対する愛情は深く、不器用ながらも本当の息子のように接していた。リン=チャンを助けるために人を殺したレミーを「正しいことをした」と言い、「五番目の道化師」として組織に迎え入れた。 「ペールノエル」の地位を確立させるべく、フリージス財団の副総帥であるブルーノ=マーロンを組織に引き入れ、もうひとりのフリージス財団副総帥であるノブ=ニコールをレミーに殺害させようとするも、ユステア捜査官のウィルスとエインによってブルーノの過去の罪を暴かれてしまい、大統領としての信頼も揺らいでしまった。 その最中に、母の役に立ちたいという名目で快楽殺人者に成り果ててしまったレミーが、「ペールノエル」の一員として迎えたエルルカとグーミリアに射殺されるという事態が起きる。「悪食の悪魔」と契約したレミーは生きていると知りつつも、自分と「エルルカ」との運命に決着をつけるべく、本名であり素性の「イリーナ=クロックワーカー」を遂にエルルカに名乗り、メリゴド高地のペイル=ノエルの墓場を舞台に決闘を申し込む。途中から母を追ってきたレミーがグーミリアと戦い始めるも、「憤怒の悪魔」の力を借りたグーミリアによって完全に死亡。息子の死に涙を流しながら、エルルカとグーミリア二人を相手にしていたジュリアは限界であり、最後にジェルメイヌの身体を解放し赤猫の身体に仕込まれていた『BLACKBOX TYPE S』を発動させる。 異空間にグーミリアと、「ルカーナ=オクト」の身体に宿っていたレヴィアとビヒモとイブ=ムーンリットを閉じ込めたイリーナは、イブ=ムーンリットこと「クロックワーカーズ=ドール」の中に眠る「法廷の主」としての力を目覚めさせ、異空間全てのものを平等にさせ「神」を殺そうとするも、「法廷の主」の力を手中に収めていたことで「悪食の悪魔」の妨害に遭う。そして力がぶつかり合った衝撃で、イリーナは「エルルカ=“Ma”=クロックワーカー」の中のひとりとなった。ジェルメイヌ=アヴァドニア (Germaine Avadonia) モチーフ:MEIKO 500年に「ルシフェニア革命」を起こした赤き鎧の女剣士。ヴェノマニアの血を引くコンチータの子孫。508年に起きた「新生四騎士事件」でアビス I.R.との戦いで敗北し、彼女の器にされてしまった。それから100年以上時が経ち、611年にアビス I.R.ことイリーナがエルルカたちに敗れたことで、長年使ってきた身体へのせめてもの償いとしてジェルメイヌの身体を解放する。しかし、イリーナの魔力を失ったジェルメイヌの肉体は急速な老化が進み、世界警察に「ジュリア=アベラール」として発見された時には余命二ヶ月と宣告された。エインに車椅子に引かれながら100年以上経った祖国ルシフェニアの平穏な風景を見渡しながら、自分たちのやってきたことは無駄ではなかったと満足そうに微笑んでいた。 カスパル=ブランケンハイム/二番目のディーラー (Kaspar Blankenheim/Second Dealer) モチーフ:KAITO トラゲイを治めていた侯爵。マルガリータによって「gift」を飲まされて死亡した。 ブルーノ=マーロン/カイドル=ブランケンハイム/二番目のディーラー (Bruno Marlon/Kaidor Blankenheim/Second Dealer) フリージス財団の副総帥。カスパルの死後「二番目のディーラー」の地位に就いた野心家。その正体はカスパルの実父であり、本物のブルーノ=マーロンを殺し「ヴェノム=ソード」で顔を変えて成り変わっていた。ジュリア曰くマーロン一族は「敵に回すと厄介だが、味方にすると使えない」。 ノブ=ニコールを殺し自らの地位を確立させようとするも、ウィルスとエインによって自らの正体と、不倫した妻に逆上して殺した罪を暴かれてしまい、緊急逮捕された。その後口封じのためガット=クーロンに殺害される。 マルガリータ=ブランケンハイム/三番目の眠らせ姫 (Margarita Blankenheim/Third Sleep Princess) モチーフ:初音ミク カスパルの妻。その正体は「怠惰の器」であり、原罪者イブ=ムーンリットそのものである。現在はエルルカことルカーナ=オクトの身体の中に取り込まれている。イリーナが発動させた『BLACKBOX TYPE S』にエルルカ(レヴィア)と共に飲み込まれ、「エルルカ=“Ma”=クロックワーカー」の中のひとりとなった。 メイラナ=ブロッサム/四番目のシャドウ (Mayrana Blossom/Fourth Shadow) モチーフ:MEIKO(ジェルメイヌ=アヴァドニア) 本物のジュリア=アベラールの弟子。表向きにはエルフェゴート国のカルガランドの市長ジュリア=アベラールとして活動しており、メータ=ザルムホーファーを聖母として崇める信奉者である。レミーはジュリアから叔母だと説明されている。 組織の中では彼女の次に古参だが、四という数字を好みその座についている。影武者の役割通りジュリア=アベラールによく似た容姿を持つが、ガットやレミーによれば以前とは姿が違う。これは一番目のサンタクロースと同じ顔にするよう七番目の手品師に依頼したためである。なお、七番目の手品師は意図してサンタクロースとは少し違う顔に変えた。マルガリータの友人として彼女に「gift」の製法を教えた「ジュリア」はメイラナであり、一番目のサンタの影武者として活動するときは「エルルカ=クロックワーカー」を名乗っている。ジュリアが執心しているエルルカに嫉妬し彼女をトラゲイの惨劇に巻き込み、後に自らの手で殺そうとするも、グーミリアによって殺された。 レミー=アベラール/五番目の道化師 (Lemy Abelard/Fifth Clown) モチーフ:鏡音レン この時代における「神の双子」ヘンゼルの最後の転生体。 元は孤児であり、孤児院で過ごしていたところを富豪であるジュリアに引き取られた。ジュリアからは惜しみない愛情を注がれており、レミーも彼女を慕っている。ジュリアによれば実母は娼婦だったらしく、客の子どもを産んだ後真冬の河に捨てたらしい。屋敷で偶然開いていた蔵に忍び込んだ時に「赤いワイングラス」に触れており、それ以来「ネイ」という少女の声が聞こえるようになり、記憶力の悪さを何度も「ネイ」にフォローしてもらっている。 ある日ジュリアと共にサーカスを見に行ったところ、同じ孤児院出身のリン=チャンを本人の歌声によって気付くも、黒髪にそばかすの容姿だった彼女が自分そっくりの金髪の少女の姿になっていたことに驚愕する。サーカスが終わった後、用事があった母と別れひとりで帰ろうとした時に人攫いに攫われそうになり、そこを道化師(ピエロ)の恰好をした男性に救われる。人攫いたちが彼を「五番目のピエロ」と呼んでいたことから、自分の命を救ってくれた「五番目のピエロ」に恩義を抱くようになる。 ジュリアが大統領に就任した祝いのパーティで再びリンの姿を見る者ものの、今度は声が別人のものになっていたことに気付く。そして母の知り合いであるブルーノ=マーロンから彼女の後見人トン=コーパについて、何人もの孤児を引き取っては無理やり働かせて口封じに殺しているという噂を聞き、リンの身を案じてピエロの恰好でコーパ家の屋敷に忍び込む。そして再会したリンは過剰労働によるストレスで歌えなくなり、口パクがバレたことでトンが自分の代理で歌っていた子を殺したこと、そしてリンも殺そうとしていることを知る。その直後にトンが現れ、追い詰められたレミーは「ネイ」の全てを委ねなさいという声に従いトンを殺害。レミーは叔母のメイラナを頼りにエルフェゴート国のカルガランドに向かい、そこで待ち伏せていた義母と再会する。リンをメイラナに託した後、レミーは悪人であったトンを殺したことは正しいことだったと母に言われ、悪を倒すために母が率いる「ペールノエル」に迎えられ、かつての恩人と同じ「五番目の道化師」を襲名する。 ジュリアの命令の下、組織を裏切りリンの顔を変えた「七番目の手品師」ことユーゼット=オラを探すべく、連続猟奇殺人鬼としてルシフェニア共和国ロールド領で活動し娼婦たちを片っ端から殺害しており、その行動は実在したイギリスの連続殺人犯、切り裂きジャックを思わせる。目的のユーゼットを殺した直後、かつての「眠らせ姫」ことエルルカ=クロックワーカーが現れ、彼女と母を引き合わせた。その後、ブルーノの正体の露見で母が窮地に追いやられてしまい、自分が母の指示通りブルーノを殺せなかったことでジュリアに見限られ、或いは自分もジュリアにとって捨て駒としか思われていなかったと思い悩むようになる。そんな中、新たに「七番目の手品師」を襲名したエルルカが「幼いあなたにはまだ未来がある。だから自分と一緒に蛇国へ逃げよう。」と誘われるも、それを拒否し母やガットに報告するがエルルカたちに逃げられてしまった。この頃には「正義」と称して「ペールノエル」を邪魔する者を次々と暗殺しており、母を追い詰める世界警察のエイン=アンカーの前に現れるが、この時のエインの発言でかつて人攫いにあったレミーを助けてくれたピエロは、「本物の五番目の道化師」を追ってサーカスにピエロとして潜入していたエインであったことが判明。自分が慕っていた「正義の恩人」が自分とは逆の立場の人間であった事実を受け入れられず、エインを殺そうとするも、その直後に「八番目の狙撃手」グーミリアに胸を撃たれる。そして現れたエルルカに「悪」の道を自ら選んだレミーはもはや助けるに値しないこと、母やリンのためにという大義名分で人を殺してきたただの快楽殺人鬼だったと罵られながら意識を手放した。 しかし、「悪食の悪魔」と契約していたレミーは死ぬことはなく、意識を取り戻す。そして「ネイ」の言葉に従い母を助けるためにメリゴド高地のペイル=ノエルの墓に向かい、母ジュリアと交戦していたエルルカとグーミリアに襲い掛かる。契約者であるが故に死ぬことのないレミーは徐々にグーミリアを追い詰めるも、「憤怒の悪魔」ことセト=トワイライトの助力を受けたグーミリアの弾丸の前に今度こそトドメを刺される。死に際に自分の身体を抱えて泣き叫ぶジュリアの姿を見て、自分は息子として本当に愛されていたのだと知り満足するも、その魂は「グラス・オブ・コンチータ」に取り込まれ「墓場の主」であるバニカ=コンチータとグレーテルの転生体であるネイことアルテと共にあり続けるようになった。 ガット=クーロン/六番目のヴェノム (Gatt Coulomb/Sixth Venom) モチーフ:神威がくぽ かつて「アスモディンの悪魔」と呼ばれたガスト=ヴェノムの曾孫であり、ルカーナ=オクトの血筋を汲むヴェノアニアの子孫。サムライのような喋り方をする。表向きの顔はアスモディン国の副将軍であるが、メイラナに頼まれカルガランド市内の図書館司書としてハンネをトラゲイに誘導していた。メイラナと共に勝手にエルルカを殺そうとしたことをジュリアに咎められ、罰として雑用係として草刈りを命じられた。 その後、世界警察に囚われたブルーノ=マーロンを口封じに殺害するも、そのことが露見し追われる身となる。その後はジュリアの屋敷に残されていた「憤怒の器」を刀に変えてメリゴド高地に向かうエルルカとグーミリアに襲い掛かるも、エルルカの反撃で半殺しにされ、ロープで木にくくりつけられて「黄金の鍵」を奪われる。その後エルルカからの連絡を受けた世界警察に身柄を拘束された。 ユーゼット=オラ/七番目の手品師 (Yuzette Ora/Seventh Magician) 元ペールノエルのメンバーの娼婦。色欲の器「ヴェノム・ソード」の持ち主であり、その能力を使って占い師の傍らで顔の整形を営んでいた。元は港町に住む平凡な女性であったが、ある日ジュリアとその弟子メイラナに出会い、魔導師に憧れて彼女らに付いて行く。しかし、魔術の才能が全くなかった為捨てられ、占いで生計を立てていたところジュリアと再会し、「ヴェノム・ソード」と契約することを条件にペールノエル入りを果たした。 しかし再び自分が切り捨てられることを感じ、命惜しさにペールノエルから逃げ、娼婦としてお金を貯めた後に蛇国へ亡命しようとするが、レミーに見つかり殺される。 マルガリータ=ブランケンハイム/エルルカ=クロックワーカー/七番目の手品師 (Margarita Blankenheim/Elluka Clockworker/Seventh Magician) モチーフ:巡音ルカ(ルカーナ=オクト) ユーゼットが務めていた娼館のオーナー。マルガリータことイブ=ムーンリットを取り込んだエルルカであり、その影響で足が不自由になり車椅子に乗っている。ユーゼットが死んだ後、レミーに自分が「三番目の眠らせ姫」だったと名乗り、ジュリアと再会する。その後彼女の下に付くのに新しい姿になったからという理由で、「七番目の手品師」を名乗るようになる。 実際は人格の主導権は「エルルカ」の方にあり、「怠惰の悪魔」を取り込んだことで固有能力である催眠術が使えるようになるも、力は大幅に弱くなり一定時間経つと効果が切れてしまう。また、エインたちにブルーノ=マーロンの正体に繋がる手がかりを残したのも彼女である。その後ジュリアが大統領としての地位が弱まった後、レミーに一緒に逃げようと誘ったが、レミーはジュリアに告発した為翌日から消息を絶った。しかしグーミリアに撃たれて死の淵に立ったレミーの前に現れ、快楽殺人者と成り果てたレミーの「正義」を否定していた。 その後、ジュリアこと義妹イリーナから果たし状を受け取りメリゴド高地に向かう途中、襲撃していたガット=クーロンを返り討ちにし、彼から奪った「黄金の鍵」をグーミリアに託す。そしてイリーナとの戦いがはじまり、グーミリアがジュリアを追ってきたレミーを殺害したことで決着がつくものの、イリーナが発動させた『BLACKBOX TYPE S』に飲み込まれてしまう。そこで本来の「双子神の姉レヴィア」の姿になり、自分が「エルルカ=クロックワーカー」を憑代に蘇った際に転生のルールで「レヴィア」としての記憶を失ったこと、「エルルカ=クロックワーカー」の身体に残されていた記憶から自分が「エルルカ=クロックワーカー」であるとずっと思い込んでいたこと、そして僅かながらに「レヴィア」としての記憶もあった為に自分(エルルカ)が地神エルドの友人であったと思い込んでしまったこと、そしてイブ=ムーンリットを取り込んだことで本来の記憶を取り戻したことを、イリーナやグーミリアに明かした。そして「法廷の主」の力を発動させたイリーナに対抗するべく攻撃をしかけようとするも、乱入してきた「悪食の悪魔」の力とイリーナの力もぶつかりあい、巨大な力のぶつかりあいの結果、「レヴィア」「イリーナ=クロックワーカー」「イブ=ムーンリット」の魂が融合し、新たな人格「エルルカ=“Ma”=クロックワーカー」が生まれた。 グーミリア/八番目の狙撃手 (Gumillia/Eighth Sniper) モチーフ:GUMI(グミナ=グラスレッド) エルルカの弟子であり、七人しかいなかった「セプト」で新たに「八番目」の称号を得た。エルルカの催眠術にかけられており、ジュリアたちを敵と認識しなくなっている。 しかし実は催眠は「エルルカがマルガリータを取り込んだことを忘れる」ということしかかけられておらず、実際は自分の意志で彼女に従っていた。レミーを射殺した後、エルルカがガットから奪った「黄金の鍵」を託され、イリーナとの決闘に挑む。その途中でジュリアを追ってきたレミーと交戦になり、「契約者」であったレミーを殺すことが出来ず徐々に追い詰められていく中、「黄金の鍵」に宿る「憤怒の悪魔」ことセト=トワイライトの呼びかけを受け、「セカンド・ピリオド」時代の記憶がない精霊のグーミリアは自分を知る「憤怒の悪魔」の呼びかけに戸惑うも、一度きりの契約という言葉を信じる他なく、セトの力を借りてレミーにトドメを刺した。 その後、イリーナが発動させた『BLACKBOX TYPE S』に飲み込まれ、神殿で本来の姿のイリーナ、レヴィア、ビヒモ、イブと対面する。そこでエルドから「エルルカ=クロックワーカー」の正体を知らされていたこと、レヴィアが記憶を取り戻したらミカエラと共に再び封じるよう厳命されていたことを打ち明けるも、師匠として慕う「エルルカ」を裏切ることはできなかったと涙ながらに語った。そして力のぶつかり合いで異空間が不安定になりグーミリアはビヒモや「黄金の鍵」に宿っていたセトと共に冥界に飛ばされてしまう。神であるビヒモと違い、生きたまま冥界に飛ばされてしまったグーミリアは『heavenly yard』に行くことができず、このままでは瘴気に蝕まれてしまうため、セトと融合しいつか来る師匠レヴィアを冥界で待ち続けることを選択した。
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