アカシアのフルコース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 08:03 UTC 版)
伝説の美食屋アカシアがフルコースに選んだグルメ界の食材で、微かな臭いだけでグルメ細胞が飛び出す程の旨みを持ち、食べるとグルメ細胞の悪魔の部位が復活していく。かつてグルメ界で文明開化があった場所に存在し、グルメ界の難所を乗り越えるため正しい順序と道のりで集めていく必要がある。アカシアは、全ての食材を独占しかねない危険な性質も秘めた「GOD」が「分け合う心」を持たない者の手に渡ることを恐れ、自身のフルコースメニューを全て封印した。そのため正体はごく一部の者しか知らないが、これを最大の目標として追い求める美食屋も存在する。実は地球がグルメ細胞に調理される過程において数百年に一度地表に滲み出た「旨み」であり、地球そのもののフルコースである。 エア(捕獲レベル6200)【野菜】 アカシアのフルコースのサラダ。エリア8の「食王」。一龍が入手を目指しており、この食材を捌くための特別な包丁の制作を初代メルクに依頼し、完成させた。グルメ細胞の「左腕」を制御できる。 「空気の実」とも呼ばれ、グルメ界、エリア8ののろま雨の丘に存在する「エアの巨木」に数百年に一度実る全長1500メートル以上の巨大な実でキャベツのような包皮型の食材。 実には一つの惑星を覆い尽くせるほどの空気が凝縮されており、熟して地面に落ちた瞬間に吹き出す空気は、エリア8の雲を全て吹き飛ばし、百色の虹の橋を作るといわれる。その大量の空気は、八王ヘラクレスが新たな八王を出産するのに必要とされている。触った感触は肉に近く、鉛のような重さと強い弾力性を持つ。一嗅ぎしただけで高濃度の酸素が目の毛細血管の隅々まで行き渡り、地上から宇宙が見渡せるほど瞬間的であるが視力が上がる。さらに呼吸の度に傷が治っていくうえ、食べた直後なら長時間酸素の無い場所でも数日過ごせる。 非常に繊細な食材のため、圧倒的強者が近づくとすぐに腐ってしまう。 ブルーニトロは実の中に充満している空気を少しずつ抜きながら実を冷却し、旨味を閉じ込めるという調理法を発見している。しかし、その方法では空気が抜けた分だけ旨味が無くなってしまう欠点がある。 小松が発見した調理法は、本来の旨味を引き出すため旨味を逃さないまま完全に熟して実が地面に落ちる瞬間に実の形状を保ったまま全ての空気を1箇所から一気に抜くと言うやり方である。しかし実自体が巨大な上に「超特殊調理食材」で、包丁を入れたところと別の場所から火山の噴火に匹敵する勢いで空気が漏れ出すため、調理は至難の業である。「トリコのフルコースのサラダ」に決定された。エアツリー(捕獲レベル測定不能)【植物獣類】 グルメ界のアングラの森及びエリア8に生息する実から空気を生産する特殊な巨木。また、触れた者の生命力を吸い取り、より上質な空気を作る性質も持つ。空気中の気体をランダムに生産するため、たまにその体積比がずれることもあり、気体によっては人体に重大な影響を及ぼすこともある。実は超特殊調理食材に指定されている。 アングラの森に生息するエアツリーは人間の十数倍の大きさを誇るが、エリア8に生息するタイプはアングラの森のタイプよりもさらに巨大である。 ペア(捕獲レベル6000)【猿王のキンタマ】 アカシアのフルコースのスープ。エリア7の「食寳(しょくほう)」。グルメ細胞の「右腕」を制御できる。 かつては地球から湧き出るスープだったが、大昔に猿王の祖先が源泉を飲み干し、ペアが猿王の全身に宿ったために「100Gマウンテン」に生息する八王の一角・猿王バンビーナのキンタマとなった。 通称「表裏一体の雫」と呼ばれ、通常のペアは猿王の雄が同種の雌に対する求愛目的で産声の樹に無数に飾りつけられている。より美しく輝くペアこそが強さの象徴であり、その持ち主が多くの子孫を残す権利が得られる。その莫大な栄養分の恩恵を受けてエリア7の動植物は巨大化した。飲むと神秘的な味によって身体が逆の性別になり(もう一口飲めば元に戻る)、裏の世界が見えるようになる。 この食材には「本物」と「普通」の2つの捕獲条件がある。「本物」: 猿王から直接奪取する方法。1000の型がある時間にして10秒のモンキーダンスを猿王と踊ることで二つのペアは片方は表の世界、もう片方は裏の世界に落ち、二つのペアを再び一つに合わせること。 「普通」: 産声の樹にかけているペアを手に入れる方法。同じキンタマントヒヒとの間では気に入った異性とキスすれば簡単に捕獲できるが、他の生物同士では同種族もしくはグルメ細胞のレベルが同程度の者同士で「共食い」する。 上記の様に捕獲するのはアカシアのフルコースの中でも屈指の難易度を誇る。 また調理法も難易度が高く、何もしないままであれば自然の滴下で一人前(約180g)溜まるのに約2時間かかる。「超特殊調理食材」に指定されており、調理法は複雑な上に調理に要する時間は最短でも一ヶ月と途方もない時間を要するが、小松によって一瞬で大量のスープを放出できる調理法が発見された。 アナザ(捕獲レベル7800)【魚宝】 アカシアのフルコースの魚料理。エリア6の「魚宝」。グルメ細胞の「舌」を制御でき、味が認識できなかったり、食べることすらできない食材をも食べられるようになる。しかし、調理に60万年という莫大な時間がかかり、調理工程の多くを「待つ」という時間が占め、料理人の技術を発揮する場所は限られる。そのため、時間がほぼ進まない魂の世界で金の調理器具を使って調理する必要がある。栗坊曰く「ネオ復活の鍵」。 ブラックトライアングルの中心の最も深い場所を泳ぎ、その跡に星屑の川が流れ、グルメ界の全海洋の旨みを絶え間なく生産しているあの世とこの世の唯一の架け橋と言える食材。その旨みを狙ってムーンを筆頭とする捕食者に追われ、ムーンから逃れるために光速を超え、裏と魂の世界の入口を作った。高速を超える際、凄まじいスピードで何度も脱皮を繰り返し、その数千の皮は旨味を保ったまま泳ぎつづけ、その中の一匹が成魚になり、数百年に一度、ブラックトライアングルの中心部に親のアナザが現れる。小松と大勢のメンバーが捕獲に向かい、食霊たちの厨房で小松によって体感時間65年で調理され、調理されたアナザから無数のアナザが溢れ出し、魂の世界への入口を閉じた。 その後、「ゼブラのフルコースの魚料理」に決定された。 ニュース(捕獲レベル6900)【肉】 アカシアのフルコースの肉料理で、エリア5の「食域の森」に存在する。無数の大きな肉塊がギチギチに集まった見た目をしている。グルメ細胞の「左脚」を制御できる。味が無く、アナザを食べて初めて美味しく食べられる上に、グルメ細胞の分裂速度が光の速度を越えて、裏の世界を使用できるようになる。 アース(捕獲レベル6100)【デザート】 アカシアのフルコースのデザート。エリア4の「グルメの園」に存在し、グルメ細胞の「右脚」を制御できる。 グルメの園に広がる花畑の根から地球中の甘味を吸い取り実る究極のデザート。地球上の全ての甘味を凝縮し、ソフトクリームのように溢れ出す。その甘み糖質は世界一で、この世にアースを上回るエネルギー源は無いと言われており、裏の世界もアースの栄養が無ければ長持ちしない。与作がアースを生やすグルメの園の花畑を再生させ、「サニーのフルコースのデザート」に決定された。 アトム(捕獲レベル7000)【ドリンク】 アカシアのフルコースのドリンクで、光才老が在り処を割り出した。エリア3の「クラウドマウンテン」のマグマが宇宙に届くまで噴火し、宇宙のあらゆる有毒物質を吸収して猛毒の滝となって流れ落ちたもの。毒を抜き取る調理は、アナザやGODに次いで高い難易度を誇る。グルメ細胞の「頭と胴体」を制御でき、グルメマターが見えるようになる。「ココのフルコースのドリンク」に決定された。 GOD(ゴッド)(捕獲レベル10000)【神格獣類】 アカシアのフルコースのメインディッシュ。グルメ細胞の「脳」を制御でき、トリコはこれを自分のフルコースのメインディッシュにすることを最大の目標にしている。 500年前、アカシアが人生の晩年に最後に発見したとされ、この世の食材の全ての頂点と言われている幻の食材。エリア2の「始まりの大陸」に生息する。 数百年に一度起こる「グルメ日食」の日に活動し、地上の旨みを回収しに出てくる化け物で、全ての生命はセンターから生まれGODに還ると言われる。自分より遥かに巨大な満月を食らう程の力を持つ(グルメ日食が起こると地球の生物は激減するのはこのためである)。本来の見た目はオタマジャクシだが、グルメ界編で最後の登場をした時は無数のオタマジャクシが合体し、巨大な蛙の姿となった。 調理するにはGODの細胞が持つ今までの膨大な食の記憶を紐解くことが重要だが、多くのエネルギーを必要とし、GOD自体も生物の命を吸い取る。数十万年前、ニトロはGOD調理に効率のいい生物である人間を発見し、四獣を使うことで人間を集め、GODを調理していたが、フローゼは一人でほとんど犠牲を払わずにGODを調理した。 あらゆる人間を虜にしてしまう食材とされ、これを手に入れれば世界中を支配し、コントロールすることも可能と言われている。実際、かつて世界中が100年以上にも渡って残酷なグルメ戦争を繰り広げていた当時、アカシアがこれを各国の首脳達に食べさせた所、その余りの美味しさに首脳達は全員が涙を流して感動すると同時にそれまで自分達が行ってきた戦争の愚かさを本能的に悟り、直ちに戦争を止めたという逸話さえある。 最終話ではIGOと再生屋協会によって品種改良、人工栽培された。 C(センター)(捕獲レベル10000)【グルメ細胞核】 アカシアのフルコースの前菜で、グルメ細胞核が溢れた純度100パーセントのグルメ細胞で、全てのグルメ食材はこのCから生まれ、常に新たな命を生み出し続けている。食べるとグルメ細胞の「心臓」を制御できる。 地球の中心部であるエリア0に存在するが、アカシアによって故意にその存在を隠され、第0ビオトープの職員ですらかつて(千代が息子を亡くした頃)はその存在を一龍から聞かされていなかった(逆に美食會はCの存在に気付いており、第0ビオトープ職員の誰かが美食會にCの情報を流したことが示唆されている)。死んだ人間を生き返らせる「究極の蘇生食材」と言われており、千代はこれを探し求めていた。 最終決戦後、ゾンゲの食運によってセンターの原液がエリア2一面に溢れ、戦いで負傷した者達を再生させた。療水(りょうすい) グルメ細胞を一気に活性化させる再生の水。アカシアの前菜、センターが地表に湧き出たものである。 一瞬で傷が治る便利なものだが、療水の湧き出る場所には八王・デロウスの子孫が棲んでいたり、その場にいるだけでエネルギーを吸い取られるため、採取は非常に困難。
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