鄧小平時代から後鄧小平時代までとは? わかりやすく解説

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鄧小平時代から後鄧小平時代まで(1978年 - 現在)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 20:20 UTC 版)

中華人民共和国の歴史」の記事における「鄧小平時代から後鄧小平時代まで(1978年 - 現在)」の解説

鄧小平は、政治体制共産党堅持しつつ、市場経済導入などの経済開放政策取り近代化進めた1979年カンボジア大量虐殺行いベトナム国境で紛争起こした民主カンプチア政権を倒すためにカンボジア内戦ベトナム介入ポル・ポト派カンボジアから追い出した。それに対しポル・ポト派支援していた中国政府は、懲罰行為として10万人の陸上兵力により、雲南省などからベトナム北東部侵攻しベトナム戦争開始した中越戦争)。しかしベトナム予想外反抗合い大損害を出し撤退した南沙諸島西沙諸島問題絡んで中越関係冷え込んだ1988年ベトナム支配下ジョンソン南礁中国名赤瓜礁)を制圧するスプラトリー諸島海戦赤瓜礁海戦))。 1989年には北京で、民主化求め学生市民デモ六四天安門事件)が起きた。しかし、これは政府により武力鎮圧された。その一連の民主化運動犠牲者数中国共産党政府報告諸外国調査との意見違いがあるが、数百人から数十万人上るといわれている。 天安門事件後の1990年代には、江沢民政権のもとで、鄧小平路線従い経済改革開放進み「世界の工場」呼ばれるほど経済急成長した。ただ、急激な経済成長に伴う貧富差の拡大環境破壊問題となっている。また、政治民主化進んでいないとする国内外からの批判根強い政府は、中華人民共和国分裂促すような動きや、共産党一党体制維持する上で脅威となる動きに対して強硬な姿勢をとり続けている。1989年六四天安門事件への対応や2005年反国家分裂法成立などはその一例である。当時ソ連ではミハイル・ゴルバチョフ書記長によるペレストロイカにより、経済自由化のみならず政治自由化まで推し進められようとされていたが、鄧小平自由化は、経済限定されていた。1985年ゴルバチョフ北京訪れた際、世界ゴルバチョフ賞賛するとともに鄧小平改革開放路線中途半端なものとして批判した。この空気は、国内にもくすぶり共産党員中にも政治開放が必要」との声も上がるほどであったが、その延長線上で民主化要求大規模な政治運動による六四天安門事件が起こる。しかし鄧小平は、天安門広場集まった学生戦車と銃を向け「経済開放しても、共産党独裁変えない」という強いメッセージ示したソ連崩壊したのは、その2年後の1991年である。国家維持繁栄という視点からすれば鄧小平選択ゴルバチョフ凌駕したといえるその後経済開放強力に推し進めた結果国民生活水準大きく飛躍した今でも沿岸都市部と内陸農村部での経済格差大きなものがあるが、内陸部農村の生活王朝時代から貧しく電気水道もない生活を近年まで続けてきたため、現在はその当時比べれば雲泥の差のある生活を行うにいたっている。このため都市部との格差大きからといって、その格差糾弾する強い意識生まれてはこない。昨今市場経済至近に見るにつけ、民主化すればするほどに、貧富の差がなくなるどころか拡大してゆく現実国民知ってしまった。このため、かつての「民主化要求」はもはや革命動機はなっていない。 しかし、改革開放進んだ2000年代に入ると、貧困層暴動抗議デモ多発するようになった2006年において年約9件)。中国貧困層総人口13億人のうち8億人とされる。彼らは食べるのに精一杯医療費すら払うことができないまた、この頃になると官僚の腐敗急速に進み汚職だけでなく、共産党幹部自分所持している工場人民奴隷として働かせていた事例もあった。更に、建設され工場杜撰な運営によって起きている汚染され排水排煙などの問題で、企業地元当局住民との間での抗議デモ小競り合い顕在化している。胡錦濤温家宝などによって構成される中国指導部官僚の腐敗については厳しく対処しているもののそれでも腐敗は進む一方で経済格差広がる一方である。こうした点から中国当局有効な手立て打てなければいずれ中華人民共和国ソビエト連邦同様崩壊するのは時間の問題との見方もある。「古き良き毛沢東時代戻ろう」という主張一部支持集めている。引退した中国核心ブレーン複数共産党幹部は「動乱は必ず起こる。そう遠くない将来にだ」と発言したとされ、体制内の人間たちも現在の中国危機感抱いていることが明らかとなったまた、中国共産党体制維持するために軍備増強強力に進めようになった。これについては、増大する社会不安の中、指導部クーデターを起こさせないように軍を手なずけるためだとの見方がある。 中華人民共和国は「中国」として1997年イギリスから香港を、1999年ポルトガルからマカオ返還された。 2000年代に入ると、靖国神社問題東シナ海ガス田問題上海総領事館員自殺事件など反日活動顕著化し、2008年北京オリンピックでは、チベットで暴動が起こるなど内外中国関係する事件多発した2010年9月7日尖閣諸島中国漁船海上保安庁の船に衝突し中国漁船船長逮捕するが、中国側事件発生の日から5回にわたって北京駐在丹羽宇一郎大使呼び出すなど、日本側の措置強硬に抗議9月24日船長日中外交配慮した民主党政権下日本の政治判断にて釈放された。しかしこれにより中国側日本への強硬姿勢をかえって強め暴徒化した民衆による日本企業などへの破壊行為中国各地発生した2011年入り中国全国紙光明日報」が、地方政府が行満足度水増ししているという疑惑暴露する記事掲載、「人民日報」も、地方政府中央政府無視して好き勝手な政策行っていることを厳しく批判する記事掲載した。これは一昔前中国では考えられなかったことであるとされ(言論の自由存在しないことによる)、評論家石平は、「メディア政府の関係が従来通りの「一心同体ではなくなったことの証拠」「『政府けしからんと言うのが一種風潮となった暁には体制そのもの崩壊もそう遠くないであろう」と評している。また、石平は、「新聞政府批判盛んにやるようになった背景には、党と政府支配からはみ出しつつある市場経済ネット世論発達がある。市場経済生まれつき政治的支配を嫌うものであるし、ネット上の自由奔放な批判従来メディアあり方にも多大な影響及ぼしている。日に増して高まる民衆の不満はもはや無視できない段階来ていることも大きな要因であろう」と現在の中国抱えている矛盾指摘している。 この石平評論から間もない1月24日温家宝国務院総理北京にある国民陳情受け付け国家信訪局を訪問し陳情者切実な訴え直接耳を傾けた総理陳情聞くことは中華人民共和国建国され以来初めてのことである。温は対策を取ることを約束した。これは、現在の中国社会矛盾深まりによる国民の不満や鬱積高まり首脳部無視できない状況にまでなっていることを示すひとつの根拠である。更に、2011年2月エジプト革命起き、これを賞賛し、「次は中国の番だ」「独裁倒れる」「中国人民もこのような日が来ることを期待している」「中国自由な未来実現)に協力してくれたムバラク氏感謝する」などという内容書き込みインターネット上電子掲示板相次いだ中国当局報道統制情報統制強め火消し進めると同時に中華人民共和国外交部公式サイト上に、「いかなる時も人民利益何にも勝る」という異例記事掲載した。 ただ、2011年現在中国国内では、民主化求め勢力経済的に比較裕福で、かつ高い教育を受け、政治対す関心が高い層のみであると言われており、大多数中国国民民主主義よりも、食べて行くだけで精一杯現在の生活状況改善強く望んでいると言う見方もある。 胡錦濤退任し名実ともに習近平新時代に入ると、中国外交姿勢に悪い意味で変化現れたことを指摘する声が多くなった。鄧小平は、経済発展優先させるため日本含め諸外国との対話には低姿勢で臨むこと(「韜光養晦」)をポリシーとし、それは鄧小平以降の各指導者に受け継がれてきたように見える。ところが、習近平の時代入り中国は軍の大幅な軍備増強成功したため、もう遠慮する必要性なくなった指導部判断し尖閣諸島問題などで、日本対し武力衝突辞さない姿勢見せるなど高圧的な態度を取るようになった

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