官僚の腐敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 22:35 UTC 版)
しかしこのような平和な時代も、ラメセス3世の治世の晩年になると終末を迎え始める。内政の綻びが生じてきたことの好例として、「人類史上最初のストライキ」があげられる。王墓造営に従事する職人たちの給与は、現物(エンマー小麦・大麦など)で、宰相の責任によって毎月28日に次月の分が支給されることとなっていた。しかし、支給日より20日遅れたり、時には2カ月分が一機に支給されるなど、配給の仕組みが杜撰になってしまったのである。このことに対して当然不満を持った職人たちは仕事を放棄してトトメス3世葬祭殿の背後に座り込み、速やかな支給を要求した。 この事態の原因は、国庫の収入が不足したことではなく、官僚の腐敗によるものだとされる。通常宰相は上下エジプトにそれぞれ一人置かれるが、この時は宰相タアがどちらも兼ねていたのである。老齢となったラメセス3世は体力の衰えにより政治面に気を配ることができず、役人の中で汚職が横行したとされる。
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