鄧小平の完全復活と「二つのすべて」の否定とは? わかりやすく解説

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鄧小平の完全復活と「二つのすべて」の否定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 05:37 UTC 版)

二つのすべて」の記事における「鄧小平の完全復活と「二つのすべて」の否定」の解説

このような状況の中で、翌1978年5月当時、党の理論研究の場である中国共産党中央党校副校長兼務していた胡耀邦が、南京大学哲学教授である胡福明の論文実践こそ真理検証する唯一の基準である」に目をとめた。そして、これを特約評論員の名前で、まず『光明日報』に、次いで人民日報』と『解放軍報』に掲載させ、毛沢東思想見直し問題提起した。「二つのすべて」派は、これを「毛沢東思想の旗をたおすもの」として攻撃したが、鄧小平にとっては「二つのすべて」派に逆襲するための絶好理論的根拠用意するものであったここから彼は、大きくは国全体脱毛沢東化を進め直接的には自らを「毛沢東批判され失脚したが、誤り認めて復活許され幹部」という受け身立場から脱出させ、政治主導性奪還する闘い始めたであった。ただし脱毛沢東化といっても、正面から毛沢東批判するものでなく、あくまで「正しい、全体として毛沢東主義守れ」という前述の手紙の論旨沿ったものであった。しかし、その後表現はより直截的ものになる6月の「全軍政治工作会議での演説」で鄧は、「もしわれわれが過去いくつかの文献一字一句をなぞるだけであったら、いかなる問題解決できない。まして正しく解決するなど及びもつかないそれでは、たとえ口で毛沢東思想擁護するといくら言ったとしても、実際毛沢東思想反するだけである。」として、「二つのすべて」派を攻撃したこのような攻撃半年余りつづくが、「二つのすべて」派は無視続けた。まさにその時期、文化大革命による無数の迫害冤罪といった悲劇を受け、生産停滞生活苦にあえぐ境遇民衆壁新聞大字報)やガリ版雑誌パンフレットなどで声を上げ始めた。これらの声の多くは、文化大革命における冤罪取消し求めるもの、政治民主化要求するもの、各地幹部不正行為糾弾するものであった鄧小平闘い党中央工作会議から党11期三中全会へとクライマックス迎え同年11月から12月にかけて、これらの民衆の声は彼にとって心強い味方となった会議出席のために北京集まった地方幹部は、当時民主壁」呼びならわされていた、西単(シータン交差点北京繁華街である)近くバス駐車場長い外壁に貼られた大量壁新聞と、それに群がる市民市民によって繰り広げられる討論の輪を目にし、時代の変化感じ取った北京の春)。それは会議方向大きく影響した鄧小平3度目失脚原因となった第一次天安門事件も、民衆要求容れる形で、12月に完全に名誉回復された。 こうして後に「改革開放起点とされる中共第11期三中全会では、華国鋒ら「二つのすべて」派は力を失い、「思想解放実事求是」(事実即して真理求める)を掲げ鄧小平指導確立された。この歴史的決定舞台は、北京中心部の西にある軍事宿泊施設であり、人民解放軍総後勤部所属のホテルである「京西賓館」である。会議行われた第一会議室には、この歴史的決定行ったというプレート掲げてある。

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