米ソ冷戦終結 - 現在までのアメリカの経済政策
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「アメリカの経済と経済政策」の記事における「米ソ冷戦終結 - 現在までのアメリカの経済政策」の解説
1990年11月、1990年の包括的財政調整法を制定。アメリカ議会(上院も下院も民主党が多数派)は、財政赤字を削減するために高額納税者への課税率増加と、医療給付金・農業補助金・軍事費の削減により、1991-1995会計年度に財政赤字を5000億ドル削減することを目的とする、1990年の包括的財政調整法(Omnibus Budget Reconciliation Act of 1990)を可決し、ブッシュ大統領(共和党)が署名して成立した。 1993年2月、育児介護休業法を制定。アメリカ議会(上院・下院ともに民主党が多数派)は、被雇用者が育児や介護のために休暇を取得する権利を規定し、休暇取得者に対する雇用主からの不利益な扱いを禁止し、職場に復帰した時に休職時と同じ待遇を義務付ける、育児介護法休業法(Family and Medical Leave Act of 1993)を可決し、クリントン大統領(民主党)が署名して成立した。 1993年8月、1993年の包括的財政調整法を制定。アメリカ議会(上院も下院も民主党が多数派)は、財政赤字を削減するために高額納税者への課税率増加と、医療給付金・農業補助金・軍事費の削減により、1993-1998会計年度に財政赤字を5000億ドル削減することを目的とする、1993年の包括的財政調整法(Omnibus Budget Reconciliation Act of 1993)を可決し、クリントン大統領(民主党)が署名して成立した。 1993年12月、北米自由貿易協定法を制定。アメリカ議会(上院も下院も民主党が多数派)は、アメリカ、カナダ、メキシコの自由貿易を規定する、北米自由貿易協定法(North American Free Trade Agreement Implementation Act)を可決し、クリントン大統領(民主党)が署名して成立した。 1994年1月、北米自由貿易協定に加盟。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)は、アメリカ、カナダ、メキシコの自由貿易を規定する北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟した。 1994年4月、世界貿易機関(WTO)に加盟。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)は、世界貿易機関(WTO)協定に署名し、議会上院(民主党が多数派)は、WTO協定を批准した。1995年1月、アメリカ政府は、WTOの設立と同時に加盟国となった。 1997年8月、1997年の財政調整法を制定。アメリカ議会(上院も下院も共和党が多数派)は、財政赤字を削減するために高額納税者への課税率増加と、医療給付金・農業補助金・軍事費の削減により、1998-2002会計年度に財政赤字を1750億ドル削減することを目的とする、1997年の財政調整法(Balanced Budget Act of 1997)を可決し、クリントン大統領(民主党)が署名して成立した。 1997年8月、納税者の負担軽減法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、納税者に対して、17歳未満の被扶養児童の養育者、住宅購入者、遺産相続者、自営業者、教育のための貯蓄、年金受給者に対する減税を規定した、納税者負担軽減法(Taxpayer Relief Act of 1997)を可決し、クリントン大統領(民主党)が署名して成立した。 1998年5月、マイクロソフトを訴追。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)の司法省は、マイクロソフト反トラスト法違反で訴追した。 1999年11月、グラム・リーチ・ブライリー法の制定。アメリカ議会(上院も下院も共和党が多数派)は、グラス・スティーガル法を廃止し、銀行・証券・保険を兼営する総合金融サービスを自由化する、グラム・リーチ・ブライリー法(Gramm-Leach-Bliley Act)を可決し、クリントン大統領(民主党)が署名して成立した。 2001年6月、経済成長と減税調整法の制定。アメリカ議会(上院も下院も共和党が多数派)は、所得・資本所得・退職年金・教育支出・財産と贈与に対するか税率を削減する、経済成長と減税調整法(Economic Growth and Tax Relief Reconciliation Act of 2001)を可決し、ブッシュ大統領(共和党)が署名して成立した。 2001年12月、アメリカとヨルダンのFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、ヨルダン政府とともに、アメリカとヨルダンの間で商品・サービスの貿易の自由化、関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する包括的な自由貿易協定に署名した。 2002年11月、司法省とマイクロソフトが和解。連邦裁判所は司法省とマイクロソフトに和解を提案、アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)の司法省は、マイクロソフトが競争を阻害する契約を取引先に要求せず、競合企業に技術情報を公開することを勧告、マイクロソフトは司法省の勧告を受け入れ、司法省はマイクロソフトの分割要求を撤回し、司法省とマイクロソフトは和解して裁判は終了した。 2002年7月、上場企業会計改革および投資家保護法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、2001年にエンロン、2002年にワールドコムが粉飾決算で会社破綻したことをきっかけに、企業経営者に決算報告書が真実・適正であることの宣誓を義務付け、粉飾決算した場合は20年以下の禁固または500万ドル以下の罰金を科す、上場企業会計改革および投資家保護法(Public Company Accounting Reform and Investor Protection Act of 2002)、通称サーベンス・オクスリー法(Sarbanes‐Oxley Act)を制定し、ブッシュ大統領(共和党)が署名して成立した。 2002年7月、上場企業会計監視委員会の設立。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、エンロンの粉飾決算時に会計事務所が粉飾を見破れなかったことをきっかけに、上場企業会計監視委員会(PCAOB-Public Company Accounting Oversight Board)を設立し、会計事務所の登録を義務付けた。*2003年3月 アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、アメリカとチリの自由貿易を規定する、アメリカとチリの自由貿易協定法(United States-Chile Free Trade Agreement Implementation Act)を可決し、ブッシュ大統領が署名して成立した。 2003年3月、アメリカとシンガポールの自由貿易協定法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、アメリカとシンガポールの自由貿易を規定する、アメリカとシンガポールの自由貿易協定法(United States-Singapore Free Trade Agreement Implementation Act)を可決し、ブッシュ大統領が署名して成立した。 2004年1月、アメリカとチリのFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、チリ政府とともに、アメリカとチリの間で商品・サービスの貿易の自由化、関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する包括的な自由貿易協定に署名した。 2005年1月、アメリカとシンガポールのFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、シンガポール政府とともに、アメリカとシンガポールの間で商品・サービスの貿易の自由化、関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する包括的な自由貿易協定に署名した。 2004年6月、シャーマン・反トラスト法の重罰化。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、シャーマン・反トラスト法の刑罰を、法人に対する刑罰を罰金1000万ドル以下から1億ドル以下に、個人に対する刑罰を35万ドル以下の罰金から100万ドル以下の罰金に、3年以下の禁固から10年以下の禁固に重罰化する、2004年反トラスト法刑事罰強化法(Antitrust Criminal Penalty Enhancement and Reform Act of 2004)を可決し、ブッシュ大統領(共和党)が署名して成立した。 2005年1月、アメリカとドミニカ共和国と中央アメリカの自由貿易協定法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、アメリカ、ドミニカ共和国、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカの自由貿易を規定する、ドミニカ共和国と中央アメリカの自由貿易協定法(Dominican Republic-Central America-United States Free Trade Agreement Implementation Act)を可決し、ブッシュ大統領が署名して成立した。 2005年1月、アメリカとオーストラリアのFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、オーストラリア政府とともに、アメリカとモロッコの間で商品・サービスの貿易の自由化、関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する包括的な自由貿易協定に署名した。 2005年12月、アメリカとモロッコのFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、モロッコ政府とともに、アメリカとモロッコの間で商品・サービスの貿易の自由化、関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する包括的な自由貿易協定に署名した。 2006年4月、アメリカとコロンビアのFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、コロンビア政府とともに、アメリカとコロンビアの間で商品・サービスの貿易の自由化、関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する包括的な自由貿易協定に署名した。 2006年4月、アメリカとペルーのFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、ペルー政府とともに、アメリカとペルーの間で商品・サービスの貿易の自由化、関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する包括的な自由貿易協定に署名した。 2006年7月、アメリカとバーレーンのFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、バーレーン政府とともに、アメリカとバーレーンの間で商品・サービスの貿易の自由化、関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する包括的な自由貿易協定に署名した。 2007年6月、アメリカと韓国のFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、韓国政府とともに、アメリカと韓国の間で商品・サービスの貿易の自由化、米を例外として関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する、投資の促進のための法律・制度を整備する、包括的な自由貿易協定に署名した。 2007年6月、アメリカとパナマのFTAの締結。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、パナマ政府とともに、アメリカと韓国の間で商品・サービスの貿易の自由化、米を例外として関税率を段階的に引き下げ最終的には撤廃する、投資の促進のための法律・制度を整備する、包括的な自由貿易協定に署名した。 2008年10月、緊急経済安定化法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、サブプライムローン問題やリーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発するアメリカ発の世界的な金融不安に対処するため、最大約7000億ドルの公的資金を投入して、金融機関の不良資産を買い取ることを定めたものである。このほか、不良資産の買い取り価格を監視するための監視委員会の設置、制度を適用する金融機関の経営者報酬や退職金の制限、経営破綻した時の預金保証上限を一時的に10万ドルから25万ドルへ引き上げ、税制優遇措置の延長などが盛り込まれている。緊急経済安定化法が可決され、ブッシュ大統領(共和党)が署名して成立した。 2009年2月、2009年アメリカ復興・再投資法(通称 景気刺激策)の制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、ARRAの主な目的は、2000年代後期の大不況に対応して、できるだけ早く雇用を維持・創出することであった。2次的な目的は、大不況でもっとも影響を受けた人々に一時的な救済策を提供し、社会基盤・教育・保健・再生可能エネルギーへ投資することであった。2009年アメリカ復興・再投資法は可決され、オバマ大統領(民主党)が署名して成立した。 2010年3月、患者保護並びに医療費負担適正化法(通称 2010年オバマケア法)の制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、自由診療を基本とする医療制度の下、当時アメリカ国民の約6人に1人が未加入の状況を改善するため、従来の個人が民間の健康保険を購入する枠組みの中で、保険会社に価格が安く購入しやすい保険の提供や既往症などによる保険摘要の差別などの禁止あるいは緩和を課し、その代わり健康保険を購入していない個人には確定申告時に罰金(追加税)を科すことで今まで保険購入をためらっていた階層に購入を促す。また、公的医療保険がカバーする範囲を拡大させた。2010年オバマケア法は可決され、オバマ大統領(民主党)が署名して成立した。 2010年7月、ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法(通称 金融規制改革法)の制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、2000年代後期の大不況を受けて、再び金融危機の再発を防ぐために制定された。主な内容は、金融危機の再発防止を目的とした大規模金融機関に対する監督強化や高リスク取引の制限、住宅ローンや学生ローン等の消費者取引の規制強化である。金融規制改革法 は可決され、オバマ大統領(民主党)が署名して成立した。 2017年1月、TPP離脱 2016年11月の大統領選挙に当選したトランプ大統領(共和党)は、就任直後、ホワイトハウスのホームページで公式にTPPからの離脱を表明した。2017年1月23日、ドナルド・トランプ大統領は「永久に離脱する」と明記した大統領覚書に署名し、TPP離脱を決定した。2017年1月30日、TPP離脱の大統領覚書に伴い、米国通商代表部はTPP離脱を通知する書簡をTPP事務局を務めるニュージーランドと日本などTPP参加国11か国に送付した。 2017年12月、2017年税制改革法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、1986年のレーガン政権以来となる大型の税制改革を実施するために制定された。主な内容は、 米国の法人税率は現行35%から21%に下がり、そのほか相続税の引き下げ、子供の税額控除拡大、企業が海外で得た利益への課税引き下げが行われた。また、オバマケアの個人加入義務が65歳未満のアメリカ人に対して無くなった。2017年税制改革法は可決され、トランプ大統領(共和党)が署名して成立した。 2018年9月、アメリカと韓国の改訂FTAの締結。アメリカ政府(トランプ大統領・共和党)は、韓国政府との間で、改訂FTAを締結した。主な内容は、米国側のトラック関税(25%)の撤廃期限を2021年から2041年に変更することや、米国の自動車安全基準(FMVSS)を満たす車についてはメーカーごとに年間5万台まで韓国の安全基準を満たすものとして韓国に輸出できるようにすることなど、自動車分野の合意事項が多く並んでいる。 2018年10月、米国・メキシコ・カナダ協定の締結。アメリカ政府(トランプ大統領・共和党)は、カナダ政府とメキシコ政府との間の交渉によって締結された自由貿易協定である。この協定は、北米自由貿易協定と比較して、米国はカナダの190億ドルの乳製品市場へのアクセスを増加し、自動車やトラックの国内生産を促進し、環境と労働の規制を強化し、最新の知的財産保護を導入する。 2020年3月、コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(通称CARES法)の制定。アメリカ議会(上院は共和党、下院は民主党が多数派)は、新型コロナウイルス感染症流行による経済悪化に対応するために制定された。CARES法は可決され、トランプ大統領(共和党)が署名して成立した。主な内容は、従業員500人未満(宿泊・飲食業の場合、1事業所当たり500人未満)の中小企業に対する雇用維持を目的とするローン提供(予算額:3,490億ドル)、自営業者やフリーランサー等の対象者の拡大と給付期間延長や追加給付による失業給付の拡充(予算額:2,680億ドル)、個人や世帯に対する現金給付(大人1人当たり最大1,200ドル、子ども[17歳未満]1人当たり最大500ドル)(予算額:2,930億ドル)、航空会社や国家安全保障上重要な企業に対するローンの提供(予算額:460億ドル)であり、総額2兆ドルを超える予算が計上されている。 2020年12月、2021年統合歳出法(通称CAA法)の制定。アメリカ議会(上院は共和党、下院は民主党が多数派)は、新型コロナウイルス感染症流行による経済悪化に引き続き対応するため、制定した。CAA法は可決され、トランプ大統領(共和党)が署名して成立した。主な内容は、個人・世帯に対する1人当たり600ドルの現金給付、中小企業に対するローン継続のローン対象項目(新型コロナ感染症から労働者を保護するための器具購入費用や、略奪・破壊行為で損害を受けた時の修理費等)と対象企業の追加、失業保険給付の延長や追加給付及び自営と雇用(給与)の双方で収入を得ている労働者を対象とした複合所得者失業給付(Mixed Earner Unemployment Compensation、MEUC)の創設であり、約9,000億ドルの予算が計上された。 2021年3月、2021年米国救済計画法の制定。アメリカ議会(上下院とも民主党が多数派)は、新型コロナウイルス感染症流行による経済悪化に引き続き対応するため、制定した。ジョー・バイデン大統領(民主党)は反対の立場である共和党の法案成立の妨害を阻止し法案を通過させる為、歳出・歳入・財政赤字の変更に関する法案を迅速に審議することを可能にする「財政調整措置(リコンシリエーション)」を利用し、成立させた。またこの予算は約1兆9,000億ドル計上され、従来の個人向け現金給付や失業手当拡充延長だけでなく、新型コロナウイルスワクチン接種を促進する為、ワクチン接種場所の増加などソフト・ハードのインフラを整える費用が含まれている。
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