炭水化物制限食の歴史とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 炭水化物制限食の歴史の意味・解説 

炭水化物制限食の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 02:57 UTC 版)

アトキンスダイエット」の記事における「炭水化物制限食の歴史」の解説

太りたくないのなら、炭水化物避けなさい」と指導する食事法は奇抜でも斬新でもなく、歴史上何度も登場している。方法論がどうであれ、「炭水化物極力避ける」という点においてはバンティング初め過去様々な人物実践してきた食事法と同じである。 ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランJean Anthelme Brillat-Savarin )は、19世紀前半出版した著書味覚の生理学』( 『Physiologie du Goût』 )の中で、 「肉食動物決し太らない」 「ヒト肥満にさせるのは、日々の食事構成するデンプン質小麦粉であり、これに砂糖組み合わせれば確実に肥満もたらす」 「ヒトにおいても、動物においても、脂肪蓄積デンプン質穀物によってのみ起こる、ということは証明済みである」 「ジャガイモ穀物小麦粉由来モノ食べ始めた途端瞬く間肥え太っていく」 「デンプン質食べ物常食している動物身体には、強制的に脂肪蓄積していく。ヒトまた、この普遍的な法則からは逃れられない」 「デンプン質小麦粉由来すべての物を厳しく節制すれば、肥満防げるだろう」と明言している。 1844年フランス外科医退役軍医ジャン=フランソワ・ダンセル( Jean-François Dancel )は、肥満に関する自身考えフランス科学アカデミー発表した。その著書Obesity, or Excessive Corpulence』は、1864年に英語に翻訳され出版された。ダンセルは、 「患者が主に『肉だけ』を食べそれ以外食べ物摂取少量だにすれば一人例外もなく肥満治癒できる」 と述べている。「炭水化物避け、肉だけを食べることで肥満治癒できる」というダンセルの主張は、ドイツ人化学者ユストゥス・フォン・リービッヒJustus von Liebig )による研究根拠にしており、リービッヒもダンセルも、肉を中心に食べ食事法を信じていた。ダンセルは、 「肉ではないすべての食べ物炭素水素豊富な食物。つまり炭水化物)は、身体脂肪蓄積させる違いない肥満治すためのいかなる治療法も、この原理基づいている」 「肉食動物決し太っていない一方で草食動物太っている。カバかなりの量の脂肪のせいで不格好に見える。彼らは植物性物質(米、キビサトウキビ・・・穀物全般)のみを餌にしている」 と述べたイングランド医師トマス・ホークス・タナーThomas Hawkes Tanner, 1824~1871 )は、「『炭水化物を断つこと』こそが、減量成功させる唯一の方法である」と確信していた。肥満治療について、「減食」と「身体活動」(「運動」)を、「ridiculous」(「何の価値も無い」)と切り捨てている。 1866年ベルリン開催され内科学会にて、「人気のある食事療法に関する討論会開かれたその際ウィリアム・バンティング実践した方法が、肥満患者確実に減らせる3種類の食事法の1つとして取り上げられた。他の2種類ドイツ人医師開発したもので、方法微妙に異なるが、いずれの食事法にも共通するのは以下の2つであった。 「肉は無制限に食べてかまわない」 「デンプン質豊富なものは完全に禁止とする」 1950年代ミシガン州立大学栄養学部主任マーガレット・オールソン( Margaret Ohlson )は、過体重学生従来型飢餓食(※極度カロリー制限食)を与えた。彼らの体重はほとんど減らないばかりか、 「すっかり活気失せ空腹であることを常に意識し続けやる気無くなっている」 と報告した一方タンパク質脂肪大量に含む食事を摂らせると、平均で週に3ポンド(約1.4kg)減量し、 「食間空腹感悩まされることはなく、気分良さ満足感包まれた」 と報告した。この食事法を実践した者は、いずれも特別な努力をすることなく体重減らし空腹感悩まされることもなかった。 オールソンの教え子コーネル大学臨床教授シャーロット・ヤングCharlotte Young )は、1973年10月アメリカ国立衛生研究所開催され会議にて、食事療法に関する講演行った医者肥満について重点的に話し合う会議定期的に開くようになった1960年代半ばまでには、食事療法に関する講演が必ず行われており、それらの講演内容はいずれも「炭水化物制限する食事法について」であった。これらの会議のうち、5回は、1967年1974年にかけて、アメリカ合衆国と、欧州各国開催された。ヤングは、アルフレッド・ペニントンがデュポン社実践した炭水化物制限する食事法を研究し自身師匠であるオールソンの業績について、この会議発表したヤングは「体重および体脂肪減少、その割合は、食事含まれる炭水化物の量と逆相関しているように見える」「炭水化物摂取量減らし脂肪の摂取量を増やすと、体重体脂肪大幅に減った」と報告した炭水化物制限する食事法について、ヤングは 「空腹感からの解放異常な疲労感緩和満足のいく減量長期にわたる減量その後体重制御への順当さに対す評価において、いずれもすばらし臨床的成果見せた」 と述べた。 『The Principles and Practice of Medicine』の1901年度版にて、ウィリアム・オスラーWilliam Osler )は、肥満体女性に対して食べ物食べ過ぎないこと。とくに、デンプン質豊富な食べ物砂糖を減らすように」と述べている。 1907年、『A Textbook of the Practice of Medicine』にて、ジェームズ・フレンチ( James French )は、「肥満体における過剰な脂肪について、その一部食べ物含まれていた脂肪でできているが、その大部分炭水化物食べたのが原因蓄積する」と述べている。 1925年ロンドンにある聖トマス病院医科大学en:St Thomas's Hospital Medical School )のH. ガーディナー・ヒル( H. Gardiner-Hill )は、炭水化物制限する食事法を奨めており、医学雑誌ランセット』(『The Lancet』)の中で「どのようなパンであれ、4565%の炭水化物含んでおり、食パン至って最大60%に達す可能性があり、これらは廃棄されねばならない」と述べている。 1936年デンマーク医師ペール・ハンセン( Per Hansenn )は、「『制限すべきは炭水化物だけであり、身体脂肪蓄積させる作用が無いタンパク質脂肪を、空腹感じたらいつでも食べて構わない』という点が、この食事法の有利な点である」と述べた第2次世界大戦終盤アメリカ海軍太平洋を西に向かっていたころ、『U.S. Force's Guide』の中で、 「ニューギニア北東にある群島カロリン諸島では胴回り管理苦労するかもしれない」 「現地人食べている基本的な食物は、パンノキの実、タロイモヤマノイモサツマイモ、クズウコン・・・デンプン質が豊富なのであるため」 と、兵士たち警告している。 1946年初版出版されベンジャミン・M・スポックBenjamin M. Spock )による子育てについて記した著書Baby and Child Care』にて「体重増減どれほどになるかは、デンプン質食べ物をどれぐらい摂取するかで決まる」と記述されている。この文章その後50年間、全ての版で使われ続けた1963年、サー・スタンリー・デイヴィッドソン( Sir Stanley Davidson )と、レジナルド・パスモア( Reginald Passmore )の2人は、『Human Nutrition and Diabetes』を出版した。この本では、 「人気のある『痩せ方法』は、いずれも炭水化物摂取制限するのである」 「炭水化物の多いものを食べ過ぎることこそが、肥満の最大原因であり、その摂取徹底的に減らすべきである」 と記述されている。同年、パスモアは、イギリス出版されている栄養学雑誌British Journal of Nutrition』にて、以下の宣言で始まる論文共著者にもなっている。 「全ての女性は、炭水化物摂取身体脂肪蓄積させることを知っている。これは1つ常識であり、このことに異議を唱える栄養学者存在しないであろう1958年にはリチャード・マッカーネスRichard Mackarness, 19161996 )による著書Eat Fat and Grow Slim』(『脂肪食べて細身になろう』)、1960年にはヘルマン・ターラー英語版)( Herman Taller, 1906~1984 )による著書Calories Don't Count』(『カロリーは気にするな』)が出版されており、いずれも炭水化物摂取制限奨める内容である。 イギリス生理学者栄養学者ジョン・ユドキンJohn Yudkin )は、1972年出版した著書Pure, White and Deadly』の中で、「肥満心臓病惹き起こす犯人砂糖であり、食べ物含まれる脂肪分は、これらの病気とは何の関係も無い」と断じている。また、ユドキンは、「砂糖小麦粉、その他炭水化物含有量が多いもの全般禁止する代わりに、肉・魚・卵緑色野菜自由に食べてよい」と主張している。 サイエンス・ジャーナリストゲアリー・タウブスGary Taubes )は、 「体重減らしたいのなら、炭水化物食事から排除すれば成功する。これを守らなければ減量は必ず失敗に終わる」 「炭水化物ではなくタンパク質脂肪の摂取減らした場合、常に空腹感付きまとい、その空腹減量失敗に導くであろう」 「炭水化物人間食事には必要ない。『必須炭水化物』なるものは存在しない」 と明言している。 肥満糖尿病に悩む人に向けられウェブサイト『ダイエット・ドクター』(『Diet Doctor』)の創設者であり、その最高経営責任者でもあるスウェーデン医師アンドゥリーアス・イーエンフェルトAndreas Eenfeldt )は、 「ヒト病気にさせるのは動物性脂肪ではなく炭水化物である」「今まで言われ続けてきた、『脂肪の摂取減らしたり、低脂肪食事をするように』という『伝統的な食事法』は、何の役にも立たないが、炭水化物少な食事肥満患者糖尿病患者の健康を改善できるだろう」と確信しており、「低脂肪食事は、長期的に見ても『体重減少効果がある』との証明はされておらず、食事あり方変えるべきである」との立場明確にしている。2008年スウェーデン保険福祉庁とアメリカ糖尿病協会が「炭水化物制限する食事法は肥満糖尿病治療に役立つ可能性がある」という評価をくだすも、ある5人のダイエット専門家がそれを認めなかった。イーエンフェルトはこれに対して大い疑問視した。2009年、イーエンフェルトは、スウェーデンの医療雑誌『Dagens Medicin』に、スウェーデン食糧庁による「動物性脂肪避けるように」との警告には何の根拠も無いこと、国が推奨している現在の食事内容をただちに変えるべきであるという内容記事を、12人の著者とともに共同寄稿した2011年、イーエンフェルトは著書Low Carb, High Fat Food Revolution: Advice and Recipes to Improve Your Health and Reduce Your Weight』を出版し炭水化物制限する食事法を奨めている。本書は英語で書かれスウェーデン本国ベストセラーとなり、8つ言語翻訳された。 イングランド医師ジョン・ブリッファ( John Briffa )は、著書Escape the Diet Trap』の中で、 「高糖質低脂肪食事体重を減らす効果は無い」 「カロリー制限食は、体重減らせないだけでなく、深刻な病気患いやすくなる」 「体脂肪蓄積強力に推進する要因子となるのはインスリンである」 「インスリン抵抗性は、肥満および2型糖尿病と密接に関係している」 「インスリン抵抗性は、血糖値乱高下、トライグリセライド(triglyceride, 中性脂肪値)の上昇で惹き起こされ体内発生する炎症作用原因となり、これらはインスリン大量分泌促す食べ物摂取惹き起こされる。そのインスリン大量分泌惹き起こす食べ物炭水化物である」 「食事含まれる脂肪分の摂取と体重の増加には因果関係無く、『脂肪の摂取減らせ体重減らせる』ことを示す証拠は無い」 「84時間亘って生理食塩水のみの点滴を受け続け絶食状態にあった被験者と、脂肪分だけを1日2000kcal分供給され被験者血中の状態は、まったく同じであった」 「炭水化物摂取減らし脂肪の摂取増やすほど体重体脂肪減っていく」 「食べ物含まれる脂肪分は、インスリン分泌を全く促さない以上、太る原因にはなり得ない」 「動物性脂肪摂取と、肥満および心臓病には何の因果関係も無い」 「マーガリンのようなトランス脂肪酸避けること」 「穀物栄養価極めて低い。穀物動物食べさせると、本来ならあり得ない速度脂肪蓄積していく。このことから、穀物は『食料ではなく、『飼料』と呼ぶべきである」 「『タンパク質摂取腎臓負担をかける』とする説には何の根拠も無い。体重1kgにつき、2.8gのタンパク質摂取しても、腎機能悪影響が出ることを示す証拠見付からなかった」 「タンパク質は骨の原料でもあり、タンパク質摂取増やすことで骨折リスク低下する」 「タンパク質摂取インスリン分泌促すが、同時にグルカゴン分泌誘発しインスリンによる脂肪蓄積作用緩和する」 「食欲満足させるのに最も効果的な食事呼べるものは、タンパク質脂肪が豊富で、炭水化物極めて少な食事である」 「有酸素運動体重を減らす効果は無い」 と述べている。

※この「炭水化物制限食の歴史」の解説は、「アトキンスダイエット」の解説の一部です。
「炭水化物制限食の歴史」を含む「アトキンスダイエット」の記事については、「アトキンスダイエット」の概要を参照ください。


炭水化物制限食の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 14:59 UTC 版)

痩身」の記事における「炭水化物制限食の歴史」の解説

太りたくないのなら、炭水化物避けなさい」と指導する食事法は奇抜でも斬新でもなく、歴史上何度も登場している。方法論がどうであれ、「炭水化物極力避ける」という点においてはバンティング始め過去様々な人物実践してきた食事法と同じである。 ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン(Jean Anthelme Brillat-Savarin)は、19世紀前半出版した著書味覚の生理学』( 『Physiologie du Goût』 )の中で、 「肉食動物決し太らない」 「ヒト肥満にさせるのは、日々の食事構成するデンプン質小麦粉であり、これに砂糖組み合わせれば確実に肥満もたらす」 「ヒトにおいても、動物においても、脂肪蓄積デンプン質穀物によってのみ起こる、ということは証明済みである」 「ジャガイモ穀物小麦粉由来モノ食べ始めた途端瞬く間肥え太っていく」 「デンプン質食べ物常食している動物身体には、強制的に脂肪蓄積していく。ヒトまた、この普遍的な法則からは逃れられない」 「デンプン質小麦粉由来すべての物を厳しく節制すれば、肥満防げるだろう」と明言している。 1844年フランス外科医退役軍医ジャン=フランソワ・ダンセル(Jean-François Dancel)は、肥満に関する自身考えフランス科学アカデミー発表した。その著書Obesity, or Excessive Corpulence』は、1864年に英語に翻訳され出版された。ダンセルは、 「患者が主に『肉だけ』を食べそれ以外食べ物摂取少量だにすれば一人例外もなく肥満治癒できる」 と述べている。「炭水化物避け、肉だけを食べることで肥満治癒できる」というダンセルの主張は、ドイツ人化学者ユストゥス・フォン・リービッヒ(Justus von Liebig)による研究根拠にしており、リービッヒもダンセルも、肉を中心に食べ食事法を信じていた。ダンセルは、 「肉ではないすべての食べ物炭素水素豊富な食物。つまり炭水化物)は、身体脂肪蓄積させる違いない肥満治すためのいかなる治療法も、この原理基づいている」 「肉食動物決し太っていない一方で草食動物太っている。カバかなりの量の脂肪のせいで不格好に見える。彼らは植物性物質(米、キビサトウキビ・・・穀物全般)のみを餌にしている」 と述べたイングランド医師トマス・ホークス・タナー(Thomas Hawkes Tanner, 1824~1871)は、「『炭水化物を断つこと』こそが、減量成功させる唯一の方法である」と確信していた。肥満治療について、「減食」と「身体活動」(「運動」)を、「ridiculous」(「何の価値も無い」)と切り捨てている。 1866年ベルリン開催され内科学会にて、「人気のある食事療法に関する討論会開かれたその際ウィリアム・バンティング実践した方法が、肥満患者確実に減らせる3種類の食事法の1つとして取り上げられた。他の2種類ドイツ人医師開発したもので、方法微妙に異なるが、いずれの食事法にも共通するのは以下の2つであった。 「肉は無制限に食べてかまわない」 「デンプン質豊富なものは完全に禁止とする」 1950年代ミシガン州立大学栄養学部主任マーガレット・オールソン(Margaret Ohlson)は、過体重学生従来型飢餓食(※極度カロリー制限食)を与えた。彼らの体重はほとんど減らないばかりか、 「すっかり活気失せ空腹であることを常に意識し続けやる気無くなっている」 と報告した一方タンパク質脂肪大量に含む食事を摂らせると、平均で週に3ポンド(約1.4kg)減量し、 「食間空腹感悩まされることはなく、気分良さ満足感包まれた」 と報告した。この食事法を実践した者は、いずれも特別な努力をすることなく体重減らし空腹感悩まされることもなかった。 オールソンの教え子コーネル大学臨床教授シャーロット・ヤング(Charlotte Young)は、1973年10月アメリカ国立衛生研究所開催され会議にて、食事療法に関する講演行った医者肥満について重点的に話し合う会議定期的に開くようになった1960年代半ばまでには、食事療法に関する講演が必ず行われており、それらの講演内容はいずれも「炭水化物制限する食事法について」であった。これらの会議のうち、5回は、1967年1974年にかけて、アメリカ合衆国と、欧州各国開催された。ヤングは、アルフレッド・ペニントンがデュポン社実践した炭水化物制限する食事法を研究し自身師匠であるオールソンの業績について、この会議発表したヤングは「体重および体脂肪減少、その割合は、食事含まれる炭水化物の量と逆相関しているように見える」「炭水化物摂取量減らし脂肪の摂取量を増やすと、体重体脂肪大幅に減った」と報告した炭水化物制限する食事法について、ヤングは 「空腹感からの解放異常な疲労感緩和満足のいく減量長期にわたる減量その後体重制御への順当さに対す評価において、いずれもすばらし臨床的成果見せた」 と述べた。 『The Principles and Practice of Medicine』の1901年度版にて、ウィリアム・オスラー(William Osler)は、肥満体女性に対して食べ物食べ過ぎないこと。とくに、デンプン質豊富な食べ物砂糖を減らすように」と述べている。 1907年、『A Textbook of the Practice of Medicine』にて、ジェームズ・フレンチ(James French)は、「肥満体における過剰な脂肪について、その一部食べ物含まれていた脂肪でできているが、その大部分炭水化物食べたのが原因蓄積する」と述べている。 1925年ロンドンにある聖トマス病院医科大学英語版)のH. ガーディナー・ヒル(H. Gardiner-Hill)は、炭水化物制限する食事法を奨めており、医学雑誌ランセット』(『The Lancet』)の中で「どのようなパンであれ、4565%の炭水化物含んでおり、食パン至って最大60%に達す可能性があり、これらは廃棄されねばならない」と述べている。 1936年デンマーク医師ペール・ハンセン(Per Hansenn)は、「『制限すべきは炭水化物だけであり、身体脂肪蓄積させる作用が無いタンパク質脂肪を、空腹感じたらいつでも食べて構わない』という点が、この食事法の有利な点である」と述べた第2次世界大戦終盤アメリカ海軍太平洋を西に向かっていたころ、『U.S. Force's Guide』の中で、 「ニューギニア北東にある群島カロリン諸島では胴回り管理苦労するかもしれない」 「現地人食べている基本的な食物は、パンノキの実、タロイモヤマノイモサツマイモ、クズウコン・・・デンプン質が豊富なのであるため」 と、兵士たち警告している。 1946年初版出版されベンジャミン・M・スポック(Benjamin M. Spock)による子育てについて記した著書Baby and Child Care』にて「体重増減どれほどになるかは、デンプン質食べ物をどれぐらい摂取するかで決まる」と記述されている。この文章その後50年間、全ての版で使われ続けた1963年、サー・スタンリー・デイヴィッドソン(Sir Stanley Davidson)と、レジナルド・パスモア(Reginald Passmore)の2人は、『Human Nutrition and Diabetes』を出版した。この本では、 「人気のある『痩せ方法』は、いずれも炭水化物摂取制限するのである」 「炭水化物の多いものを食べ過ぎることこそが、肥満の最大原因であり、その摂取徹底的に減らすべきである」 と記述されている。同年、パスモアは、イギリス出版されている栄養学雑誌British Journal of Nutrition』にて、以下の宣言で始まる論文共著者にもなっている。 「全ての女性は、炭水化物摂取身体脂肪蓄積させることを知っている。これは1つ常識であり、このことに異議を唱える栄養学者存在しないであろう1958年にはリチャード・マッカーネス(Richard Mackarness, 19161996)による著書Eat Fat and Grow Slim』(『脂肪食べて細身になろう』)、1960年にはヘルマン・ターラー英語版)(Herman Taller, 1906~1984)による著書Calories Don't Count』(『カロリーは気にするな』)が出版されており、いずれも炭水化物摂取制限奨める内容である。 イギリス生理学者栄養学者ジョン・ユドキン(John Yudkin)は、1972年出版した著書Pure, White and Deadly』の中で、「肥満心臓病惹き起こす犯人砂糖であり、食べ物含まれる脂肪分は、これらの病気とは何の関係も無い」と断じている。また、ユドキンは、「砂糖小麦粉、その他炭水化物含有量が多いもの全般禁止する代わりに、肉・魚・卵緑色野菜自由に食べてよい」と主張している。 サイエンス・ジャーナリストゲアリー・タウブス(Gary Taubes)は、 「体重減らしたいのなら、炭水化物食事から排除すれば成功する。これを守らなければ減量は必ず失敗に終わる」 「炭水化物ではなくタンパク質脂肪の摂取減らした場合、常に空腹感付きまとい、その空腹減量失敗に導くであろう」 「炭水化物人間食事には必要ない。『必須炭水化物』なるものは存在しない」 と明言している。 肥満糖尿病に悩む人に向けられウェブサイト『ダイエット・ドクター』(『Diet Doctor』)の創設者であり、その最高経営責任者でもあるスウェーデン医師アンドゥリーアス・イーエンフェルト(Andreas Eenfeldt)は、 「ヒト病気にさせるのは動物性脂肪ではなく炭水化物である」「今まで言われ続けてきた、『脂肪の摂取減らしたり、低脂肪食事をするように』という『伝統的な食事法』は、何の役にも立たないが、炭水化物少な食事肥満患者糖尿病患者の健康を改善できるだろう」と確信しており、「低脂肪食事は、長期的に見ても『体重減少効果がある』との証明はされておらず、食事あり方変えるべきである」との立場明確にしている。2008年スウェーデン保険福祉庁とアメリカ糖尿病協会が「炭水化物制限する食事法は肥満糖尿病治療に役立つ可能性がある」という評価をくだすも、ある5人のダイエット専門家がそれを認めなかった。イーエンフェルトはこれに対して大い疑問視した。2009年、イーエンフェルトは、スウェーデンの医療雑誌『Dagens Medicin』に、スウェーデン食糧庁による「動物性脂肪避けるように」との警告には何の根拠も無いこと、国が推奨している現在の食事内容をただちに変えるべきであるという内容記事を、12人の著者とともに共同寄稿した2011年、イーエンフェルトは著書Low Carb, High Fat Food Revolution: Advice and Recipes to Improve Your Health and Reduce Your Weight』を出版し炭水化物制限する食事法を奨めている。本書は英語で書かれスウェーデン本国ベストセラーとなり、8つ言語翻訳された。 イングランド医師ジョン・ブリッファ(John Briffa)は、著書Escape the Diet Trap』の中で、 「高糖質低脂肪食事体重を減らす効果は無い」 「カロリー制限食は、体重減らせないだけでなく、深刻な病気患いやすくなる」 「体脂肪蓄積強力に推進する要因子となるのはインスリンである」 「インスリン抵抗性は、肥満および2型糖尿病と密接に関係している」 「インスリン抵抗性は、血糖値乱高下、トライグリセライド(triglyceride, 中性脂肪値)の上昇で惹き起こされ体内発生する炎症作用原因となり、これらはインスリン大量分泌促す食べ物摂取惹き起こされる。そのインスリン大量分泌惹き起こす食べ物炭水化物である」 「食事含まれる脂肪分の摂取と体重の増加には因果関係無く、『脂肪の摂取減らせ体重減らせる』ことを示す証拠は無い」 「84時間亘って生理食塩水のみの点滴を受け続け絶食状態にあった被験者と、脂肪分だけを1日2000kcal分供給され被験者血中の状態は、まったく同じであった」 「炭水化物摂取減らし脂肪の摂取増やすほど体重体脂肪減っていく」 「食べ物含まれる脂肪分は、インスリン分泌を全く促さない以上、太る原因にはなり得ない」 「動物性脂肪摂取と、肥満および心臓病には何の因果関係も無い」 「マーガリンのようなトランス脂肪酸避けること」 「穀物栄養価極めて低い。穀物動物食べさせると、本来ならあり得ない速度脂肪蓄積していく。このことから、穀物は『食料ではなく、『飼料』と呼ぶべきである」 「『タンパク質摂取腎臓負担をかける』とする説には何の根拠も無い。体重1kgにつき、2.8gのタンパク質摂取しても、腎機能悪影響が出ることを示す証拠見付からなかった」 「タンパク質は骨の原料でもあり、タンパク質摂取増やすことで骨折リスク低下する」 「タンパク質摂取インスリン分泌促すが、同時にグルカゴン分泌誘発しインスリンによる脂肪蓄積作用緩和する」 「食欲満足させるのに最も効果的な食事呼べるものは、タンパク質脂肪が豊富で炭水化物極めて少な食事である」 「有酸素運動体重を減らす効果は無い」 と述べている。

※この「炭水化物制限食の歴史」の解説は、「痩身」の解説の一部です。
「炭水化物制限食の歴史」を含む「痩身」の記事については、「痩身」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「炭水化物制限食の歴史」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

炭水化物制限食の歴史のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



炭水化物制限食の歴史のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのアトキンスダイエット (改訂履歴)、痩身 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS