リチャード・マッカーネスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > リチャード・マッカーネスの意味・解説 

リチャード・マッカーネス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/27 18:30 UTC 版)

リチャード・マッカーネス
Richard Mackarness
生誕 1916年8月17日
パキスタンマーリー英語版
死没 1996年3月18日
オーストラリアモーニントン英語版
職業 医師、作家

ガイ・リチャード・ゴッドフリー・マッカーネスGuy Richard Godfrey Mackarness, 1916年8月17日 - 1996年3月18日[1])は、イギリス医師作家1958年に出版した著書『Eat Fat and Grow Slim』(『脂肪を食べて細身になろう』)でその名を知られており、炭水化物の摂取を制限し、タンパク質と脂肪の摂取量を増やす食事法を奨めている[2]旧石器時代を生きていた頃の人類が摂っていたと考えられている食事法の支持者であり、食物アレルギーに関する著書も出している[1][3]

生涯

1916年パキスタンマーリー英語版に生まれる。ランスィング・カレッジ英語版とウエストミンスター大学附属病院(The Westminster Teaching Hospital)で学ぶ[1]

1947年、マーガレット・ペリーウォーカーと結婚し、息子のパトリックを儲ける[1]

1958年に著書『Eat Fat and Grow Slim』を出版し、自身が「Calorie Fallacy」(「カロリーの虚偽」)と呼んでいるものを紹介し、タンパク質脂肪が豊富で、炭水化物の量が少ない食事(石器時代に生きていた頃の人類が摂っていた食事)を提案している[1]1863年ウィリアム・バンティング(William Banting)が出版した『Letter on Corpulence, Addressed to the Public』(『市民に宛てた、肥満についての書簡』)に触発されて、この本を執筆した[4][5]。彼は穀物砂糖を食べないよう主張した。この本は150万部以上の売り上げを記録した[6]

アレルギーの研究者で友人でもあったセロン・ランドルフ英語版から、食物アレルギーについての研究の影響を受ける[6]。マッカーネス自身は鶏卵コーヒーにアレルギー反応が起こるため、食事の席でこれらを避けたという[7]。また、砂糖のような「偽りの食べ物」が食物アレルギーを惹き起こし、これはヒトが暴力的な態度に出る原因となる、と確信していた[7]

総合診療の現場から去り、ベイジングストーク(Basingstoke)にあるパーク・プレウェット病院英語版にて、1965年から1981年まで精神分析医の助手を務める[8]精神疾患研究の現状について、環境学的な取り組みを発展させようと提案した[8]が、その考えは医療界からは受け入れられなかった[8]

マッカーネスは、臨床生態学会(Clinical Ecology Group)の創設者の1人であり、これはのちの英国アレルギー環境医学会(British Society for Allergy and Environmental Medicine)の前身である[6]。また、別の団体(The Chemical Victims Association)も設立している[1]

1996年3月オーストラリアモーニントン英語版にて、脳卒中で亡くなった[1][8]

著書

  • Eat Fat and Grow Slim: Or, Banting Up to Date (1958)
  • Eating Dangerously: The Hazards of Allergies (1976)
  • Not All in the Mind (1976)
  • Chemical Victims (1980)
  • A Little of What You Fancy: How to Control Smoking and Other Cravings (1985)
  • Chemical Allergies (1990)

出典

  1. ^ a b c d e f g Roland Hill (1996年4月4日). “Obituary: Dr Richard Mackarness”. The Independent. 2023年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月27日閲覧。
  2. ^ Roberts, Susan B; Das, Sai Krupa. (2015). One Strike against Low-Carbohydrate Diets. Cell Metabolism 22 (3): 357-358.
  3. ^ Smith, Matthew. (2015). Another Person’s Poison: A History of Food Allergy. Columbia University Press. p. 117. ISBN 978-0-231-16484-9 "Mackarness, who founded the first British National Health Service clinical ecology clinic in Basingstoke, pioneered the so-called Stone Age Diet, in the belief that humans had not evolved to consume foods, including what and milk, developed since Paleolithic times (in fact, today's weight-reduction version of Mackarness's Stone Age diet is called the "Paleo diet")."
  4. ^ Pomeroy, Ralph. (1977). First Things First: A Connoisseur's Companion to Breakfast. Paddington Press. p. 86
  5. ^ Robin Stieber (2003年9月21日). “Eat fat and grow slim”. The Daily Telegraph. 2016年2月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月11日閲覧。
  6. ^ a b c Mansfield, J. R. (1996). “Richard Mackarness”. Journal of Nutritional & Environmental Medicine 6 (3): 331–332. doi:10.3109/13590849609007259. https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3109/13590849609007259?journalCode=ijne20. 
  7. ^ a b Wolff, William. How a custard tart kills your love life. The People (January 11, 1976). p. 25
  8. ^ a b c d Finn, Ronald. (1996). Richard MacKarness. British Medical Journal 312 (7045): 1534.

リチャード・マッカーネス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 22:52 UTC 版)

痩身」の記事における「リチャード・マッカーネス」の解説

リチャード・マッカーネス(Richard Mackarness)は、1958年出版した著書Eat Fat and Grow Slim』(『脂肪食べて細身になろう』)にて、「体重増える原因炭水化物摂取にある」と明言し、「肉、脂肪食べたいだけ食べてよい」とし、穀物砂糖避けるよう主張した。マッカーネスは、ウィリアム・バンティングによる『市民宛てた肥満についての書簡』に触発されてこの著書執筆した

※この「リチャード・マッカーネス」の解説は、「痩身」の解説の一部です。
「リチャード・マッカーネス」を含む「痩身」の記事については、「痩身」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「リチャード・マッカーネス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「リチャード・マッカーネス」の関連用語

リチャード・マッカーネスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



リチャード・マッカーネスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのリチャード・マッカーネス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの痩身 (改訂履歴)、アトキンスダイエット (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS