日本における主な土石流災害とは? わかりやすく解説

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日本における主な土石流災害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 09:37 UTC 版)

土石流」の記事における「日本における主な土石流災害」の解説

人的物的な被害規模大きなもの。法令等ハード対策が変わるきっかけになったものを中心に記載する大谷崩1707年以降静岡県安倍川上流部での宝永地震による大規模な山体崩壊発生大量土砂河道閉塞し天然ダム作った昭和以降砂防工事継続されている。 鳶山崩れ1858年4月以降安政飛越地震により富山県にあった鳶山大規模に山体崩壊立山カルデラ内に土石大量に堆積した堆積した土砂大雨土石流となり流下することが繰り返されており、立山における砂防工事地震後160年以上が経過した2020年代入って続いている。 稗田山崩れ1911年長野県北部姫川流域発生した大規模な山体崩壊天然ダム形成決壊などで大きな被害出した姫川流域糸魚川静岡構造線という断層地帯であることから、断層働き破砕され岩石大量に含む土石流災害がたびたび発生しており、砂防工事続けられている。 関東地震関東大震災)(1923年神奈川県小田原市根府川流域発生地震主振動により崩壊した土砂が、約6kmを5分程度流下300人以上の犠牲者生じたとされる。。 十勝岳噴火災害1926年5月残雪期の十勝岳噴火融雪生じた大量噴火生じた火山灰混合され土石流となり富良野川美瑛川沿いを流下死者行方不明者150余りとなった十勝岳この後何度噴火したが、被害1926年のものが一番大きい。土石流流下した2河川には長年にわたり多数砂防ダム建設された。美瑛町にある観光名所青い池」はこの砂防ダム一つ貯水し池となった結果生まれた場所である。 阪神大水害1938年7月神戸市山間部中心に土石流発生六甲山砂防施設作り始めきっかけになった枕崎台風1945年9月終戦間もない日本襲った巨大台風で、特に広島県呉市土石流を含む大規模な土砂災害引き起こし、呉だけで1,000人以上が死亡したカスリーン台風1947年9月群馬県赤城山周辺中心に大規模な土石流被害発生した。特に赤城山から西に向かって流れ沼尾川流域被害大きかったアイオン台風1948年9月関東から東北にかけての洪水堤防決壊有名な台風であるが、岩手県では早池峰山周辺蛇紋岩地帯大雨大規模に崩壊し、後に多数砂防ダム建設された。早池峰山周辺1980年5月にも豪雨による斜面崩壊土石流被害があり、この時建設した砂防ダム流域被害軽減させた。 昭和28年西日本水害1953年6月九州北部中心に土石流を含む土砂災害多発した阿蘇山この年4月噴火しており、火山灰堆積していたことも土石流発生の要因となった昭和36年梅雨前線豪雨1961年伊那谷呼ばれる長野県南信地方中心に被害発生。 足和田土石流災害1966年9月台風による大雨発生した土石流山梨県足和田村現在の富士河口湖町西湖北西にあった根場集落襲い集落内の家屋のほとんどが倒壊し死者90人以上を出す災害となった。再び土石流被害が出ることが予想されたため集団移転が行われた。被災現場付近では砂防施設整備などを行ったうえで、当時の根場集落再現した野外博物館西湖いやしの里根場」として2006年開園した昭和42年7月豪雨1967年神戸市および広島県呉市中心に土石流発生した神戸市30年前阪神大水害時に建設され砂防施設によって被害軽減できた部分もあるという。 飛騨川バス転落事故1968年8月豪雨降り続く深夜国道立ち往生した観光バス車列土石流直撃しバス2台が増水した河川転落100人以上が死亡する大惨事となった国道における雨量規制による通行止めなどのソフト対策見直しが行われるきっかけになった昭和47年7月豪雨1972年7月宮崎県国鉄肥薩線真幸駅付近大規模な土石流発生周辺の住民集団移転した真幸駅ホームにはこの災害流下してきた巨大な転石展示されている。 岩木町土石流災害1975年8月青森県岩木町百沢(今の弘前市)の岩木山神社脇にある渓流深夜3時過ぎに土石流発生し住民20余り死亡 し青森県土石流災害では死者が最も多くなった。被災した集落の上は元々国有林保安林であったが、伐採され1964年スキー場作られ渓流スキー場内を通過するようになった。さらに災害発生当時山麓農道アップルロード建設発生した残土スキー場内に置かれていた。土石流直接の原因岩木山頂上付近での崩壊であったが、この残土スキー場内の地表水土石流混入し威力増大させた。また、現場渓流には砂防ダム設置されていたが近隣渓流のものと比べて配置問題があり、土石流威力十分に減衰できなかったのではという指摘がある。住民残土放置スキー場開設被害増大させたとして、国の責任問い裁判起こした敗訴している。当時洪水警報大雨警報とずれて発表されていたが、今回被災渓流のような中小渓流では大雨洪水時間差小さいとの指摘により2つ警報同時発報するように変更された。岩木山周辺では当時砂防施設整備されていたがこの災害機に加速した2013年には別の渓流土石流発生しているが砂防ダム土石受け止め下流被害は出なかった。 栃尾温泉土石流被害1979年8月岐阜県上宝村(今の高山市)で土石流温泉街襲った既設砂防ダム破壊され多く家屋土石に埋まるような被害受けたものの、死者は街を出歩いていた観光客3人のみであった土石堆積する際に扇状広がったことで物的被害大きくしたことから、災害後大規模な流路工整備し土石流れコントロールするように補強された、 長崎大水害1982年7月1時間に180mm以上となる日本における1時間雨量最大記録にもなった猛烈な豪雨長崎市周辺降ったことで各地土砂災害多発し200人以上が死亡した長崎市周辺はこの豪雨前にかなりの降雨量があり地盤は相当緩んでいたが、目立った災害起きなかったために住民たちの危機意識低下していたことが被害拡大一因考えられた。この災害機に気象庁記録的短時間大雨情報設定し注意を促すようになった雲仙岳噴火災害1991年以降長崎県雲仙岳では1991年6月40余り死者出した火砕流が有名であるが、堆積した火山灰流出する土石流被害頻発した火砕流犠牲者中には火砕流土石流混同し高台ならば火砕流被害は無いだろう誤解していた人もいたという。雲仙岳では1990年代後半には噴火沈静化したが、砂防工事継続されている。 平成5年8月豪雨1993年8月鹿児島市中心に土石流被害発生した姶良カルデラの縁にあるJR日豊本線竜ヶ水駅ではカルデラ外輪山となる駅裏手の斜面からの土石流停車中の列車埋没したこの際土石流発生の危険があると判断した乗務員被災前に乗客避難誘導したために人的被害はほとんどなかった一方付近病院土石流直撃した現場で15人が死亡する被害出た7.11水害1995年7月北アルプス北部にあたる長野県富山県新潟県などで集中豪雨発生し各地土石流発生し国道148号国界橋流出するなどした。 蒲原沢土石流災害1996年12月長野県北部小谷村にある姫川水系蒲原沢において、前年7月発生した7.11水害による土石流被害からの復興工事中再度土石流発生砂防ダム建設にあたっていた作業員などが巻き込まれ死傷した日本では夏場に多い土石流災害としては珍しい冬季融雪関係する災害であり、土石流発生予見きたかどうかなどが裁判争われた。 6.29豪雨災害1999年6月広島市山間部新興住宅地土石流発生し20人以上が死亡した降り方は比較短時間豪雨だったとされている。崩れやすく土石流になりやすい真砂土山間部新興住宅地における住民防災意識などが問題となった。この災害きっかけにソフト対策の要となる土砂災害防止法作られている。 水俣市土石流災害2003年7月水俣市大規模な土石流発生し19人が死亡した平成21年7月中国・九州北部豪雨2009年7月山口県中心に土石流被害発生しそのうち一か所で老人ホーム土石流れ込み入所者7人が死亡する事態となった老人ホーム病院の立地災害発生時にたびたび問題となっており、1985年長野県地附山地すべり災害93年鹿児島県土石流2016年岩手県岩泉町2020年熊本県球磨川洪水でも犠牲者発生している。 平成25年台風第26号2013年伊豆大島大規模な土石流発生し30人以上が死亡した平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害2014年99年災害同じく広島市山間新興住宅地中心に多数渓流土石流発生し70人以上が死亡する大災害となった線状降水帯による長雨土石流になりやすい真砂土急傾斜地の住宅地利用といったものが指摘されている。この年7月にも平成26年台風第8号により長野県木曽谷土石流発生、こちらは人的被害死者1人であったものの中央本線橋梁流出護岸設備大きく損傷した熊本地震2016年4月地震による斜面崩壊及び降雨などにより阿蘇山山麓山王谷川土石流発生砂防ダムの袖部が欠損流出や、ダム下流でも土砂に理没する家屋などが出た平成28年台風第10号2016年8月) 珍しい進路取り観測史初日本上陸地岩手県となった土石流被害岩手県北海道中心に発生。この災害機に市町村長発表する避難勧告」が分かりづらいとして避難指示」としてより強制力あるよう印象与える名前に変更された。 平成29年7月九州北部豪雨2017年7月洪水被害有名な災害であるが、福岡県大分県中心に土石流被害発生している。流木多さ特徴であり、砂防治水政策における流木対策注目された。 平成30年7月豪雨2018年7月広島県坂町小屋浦において石積み造りの築70年近い砂防ダム基礎残して決壊ダムが貯めこんでい大量土砂を含む土石流流下下流域死傷者出たまた、広島市でも平成26年災害受けて建設され完成間もない砂防ダム土石流直撃し破壊力減衰したもの一部ダム超えて流下したことで死傷者出している。いずれも砂防ダム完成によって安心し避難しなかった人がいと見られる事例である。 熱海市伊豆山土石流災害2021年7月静岡県熱海市渓流起点にあった大量盛土大雨崩壊し土石流となって流下渓流途中には砂防ダムがあったが、設計貯砂能力大幅に上回ったため、ダム乗り越え土石住宅地まで達したことで20人以上が死亡した施工業者事前に県と協議した林地開発許可制度許可された以上の盛土量、かつ排水設備砂防施設伐採開発により低下した森林機能代替として設置求められる)についても許可内容異なり未整備の状態であった見られている。また、中程度降雨長期間続く降り方であり、熱海市長が発表する避難指示発令の遅れも問題となった行政による開発許可出した案件土石流被害拡大させた事例には1975年青森県岩木山における土石流災害がある。

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