ピアノ協奏曲第4番
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第4番 ト短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 | Concerto for piano and orchestra No.4 Op.40 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 9分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Largo | 5分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Allegro vivace | 8分30秒 | No Image |
作品解説
4曲あるピアノ協奏曲の中では、あまり知られていない。
1917年、ロシア革命を避け、亡命したラフマニノフは、ニューヨークに移り住むことになった。晩年ロシアに戻ることを切望したラフマニノフであったが、第2次世界大戦の勃発などが原因で、それは叶うことなく、アメリカで一生を終えた。
アメリカに移り住んでからの25年間、彼が作曲した楽曲数は非常に少なく、また、その質もロシア時代のものと比較して、すぐれたものであるとは言い難い。この曲もその時期に作曲された作品の一つである。1914年に曲のスケッチを開始、亡命後10年近くのブランクを経て、1926年再び作曲にとりくみ、この曲を書き上げた。
曲は、彼に作曲をすすめた作曲家、兼ピアニストのニコライ・メトネルに献呈された。彼もラフマニノフと同様にロシアから亡命した音楽家の一人であった。
現在演奏されているものは、1938年に改作されたものである。
第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ(アラ・ブレーヴェ)ト短調 2分の2拍子
冒頭の合奏の後に、ト短調の第一主題がピアノの重音で奏される。
イングリッシュホルンの旋律に続いてピアノパートに登場するのが、変ホ短調の第二主題である。展開部と再現部にはっきりとした境はないが、第一主題や、第二主題の要素が変形、再現しながら発展をみせる。ピアノは伴奏での装飾的な役割が大きい。コーダは、アレグロ・ヴィヴァーチェで、再び冒頭の楽章を変形したものがあらわれ、最後は力強く曲を閉じる。
第2楽章:ラルゴ ハ長調 4分の4拍子 3部形式
ピアノの導入部に続き、弦楽器とピアノが交互に主題を奏しながら、静かに曲が進行する。中間部では、唐突に荒々しい楽想が顔をだす。第3部では、主題が変形された形で扱われる。最後は、ピアノのトリルを伴いながら消えるように曲をとじる。
第3楽章:アレグロ・ヴィヴーチェ ト短調 4分の3拍子
するどい管弦楽の音ではじまる導入楽想に続き、ピアノがめまぐるしい動きでかけまわる。主題がピアノと管弦楽で奏された後、三連音符による楽想が登場する。ア・テンポ・メノモッソでピアノが奏する弾むようなリズムにのせて、曲はもりあがりクライマックスを形成する。続いて静かな楽想にうつり、断片的な旋律がおり重なりながら徐々に発展をみせていく。コーダではこれまでのさまざまな要素が再現、変形されながら、最後は勢いよく曲を閉じる。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 | Konzert für Klavier und Orchester Nr.4 G-Dur Op.58 | 作曲年: 1805-06年 出版年: 1808年 初版出版地/出版社: Bureau d'art et d'industrie |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 1.Satz Allegro moderato | 20分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 2.Satz Andante con moto | 6分00秒 | No Image |
3 | 第3楽章 3.Satz Rondo - Vivace | 10分00秒 | No Image |
作品解説
この協奏曲は、ベートーヴェンの最大のパトロンで最も多くの14曲を献呈されたルードルフ大公に献呈された。
第1楽章 アレグロ・モデラート ト長調 4分の4拍子
ピアノ独奏が、オーケストラに先立ち主題を奏するという、異例の開始である。この幻想的な出だしは、ロマン派のピアノ協奏曲に大きな影響を与えた。
第2楽章 アンダンテ・コン・モート ホ短調 4分の2拍子
短いながらも劇的で深い感動を与える。弦楽器の付点のリズムとピアノの溜息音形とが対話するかのように進む。
第3楽章 ロンド・ヴィヴァーチェ ト長調 4分の2拍子
第2楽章からアタッカで、弦楽器がppで律動的な主題を始める。対照的に副次主題は、おだやかにピアノが提示する。独奏ピアノの技巧的な展開部を経て、モーツァルト風に副次主題から再現部が始まる。そして徐々にテンションを高め、一気に駆け抜ける。
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 | Konzert für Klavier und Orchester Nr.4 G-Dur K.41 | 作曲年: 1767年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 5分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante | 4分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Molto allegro | 3分30秒 | No Image |
作品解説
モーツァルトのオリジナルなピアノ協奏曲は第5番からであり、1767年、11歳のときに生み出された第1~4番のピアノ協奏曲は、他人のピアノ・ソナタの編曲である。原曲は主にパリで活躍していたドイツ系作曲家のものであり、旅行中の交流によって、モーツァルトに強い影響を与えた。父レオポルトは彼らの作品の楽譜を持ち帰り、息子に協奏曲の作曲を練習させたのだろう。自筆譜には、父親の筆跡も残っている。
当時のパリはヨーロッパにおける文化的中心地であった。1760年代、各地を訪れていたモーツァルト父子がパリに滞在したのは63年11月からの5ヵ月間と66年5月からの2ヶ月間である。2度のパリ訪問を含むこの西方旅行によって、少年モーツァルトはさまざまな音楽を吸収し、作曲の幅も広げることになった。4曲のピアノ協奏曲はその成果のひとつといえよう。
各楽章の原曲は以下のとおり。
第1楽章=L. ホーナウアー、作品1-1(第1楽章)
第2楽章=H. F. ラウパッハ、作品1-1(第2楽章)
第3楽章=L. ホーナウアー、作品1-1(第3楽章)
レオンツィオ・ホナウアー(c1730-c90)はパリで活躍し、高い評価を受けていたドイツ人音楽家。ヘルマン・フリードリヒ・ラウパッハ(1728-78)は北ドイツに生まれ、サンクト・ペテルブルクで活躍した音楽家。モーツァルトと出会ったのは、ちょうどロシアを出てパリに来ていた1766年と思われる。
ルビンシテイン, アントン:ピアノ協奏曲 第4番 ニ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ルビンシテイン, アントン:ピアノ協奏曲 第4番 ニ短調 | Piano Concerto No.4 in D minor Op.70 | 作曲年: 1864年 出版年: 1872年 初版出版地/出版社: Senff |
サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調 | Concerto pour piano et orchestre No. 4 Op.44 | 作曲年: 1875年 出版年: 1877年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 I. Allegro moderato | 15分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 II. Allegro vivace | 4分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 III. Andante | 3分00秒 | No Image |
4 | 第4楽章 IV. Allegro | 7分00秒 | No Image |
作品解説
《ピアノ協奏曲 第4番》は、サン=サーンスのピアノ作品において、最も完成された曲の一つとして、高く評価されている。1875年に作曲され、同年、パリにおいて、作曲者自身によるピアノで初演が行われた。
この時期は、《サムソンとダリラ(1869‐1872)》《死の舞踏(1874)》、ベートーベンの主題にもとづく《二台のための変奏曲 作品35(1874)》など、サン=サーンスが数々の傑作を生み出した時期でもあった。
《ピアノ協奏曲 第4番》は、循環主題を用いた構成が特徴になっており、全曲を通して用いられる旋律やリズムは、音楽を構築していく上で重要な役割を担っている。ピアノのソロパートにも、ヴィルティオーゾ的な要素がふんだんに盛り込まれており、ピアニストのレパートリーとしても、広く親しまれている。
大きくは2つの楽章から成るが、それぞれがさらに2つの部分にわけられているため、実質は、4楽章構成とも考えられる。ただし、草稿では、この曲は単一楽章で作られており、休みなく演奏されるものであった。演奏に際してはそのことにも留意すべきであろう。
演奏所要時間は約30分。
第一楽章:(第一部分)アレグロ・モデラート ハ短調 4分の4拍子
変奏曲形式によっており、最初に弦楽によって示される主題(循環主題A)が二つの変奏をみせる。のちに現れる主題とともに、これらの主題は「循環主題」として曲に統一を与えている。第一変奏部分では、弦楽とピアノで交互に変奏が繰り返される。第二変奏部分は管楽器が加わり、より華やかな変奏になる。同じ主題でも、その性格が、光の当て方によってさまざまに変化しているのが面白い。コーダは次の部分への推移部としての役目をおっている。
(第二部分)アンダンテ 変イ長調 4分の4拍子
3部形式。幻想的な導入部分につづき木管で奏されるのが循環主題Bである。ピアノとクラリネットで交互に演奏されるのが副主題にあたるの循環主題Cで、これら3つの主題が中心となって曲を形成していく。
第二楽章:(第一部分)アレグロ・ヴィヴァーチェ ハ短調 4分の2拍子
スケルツォ的な性格をもっている。おどけたように下降するピアノに、管弦楽が応答する第一主題。第二主題は8分の6拍子、循環主題Aがリズミカルに変形されたものである。ユーモアがあり、管弦楽とピアノの内面的活気に満ちたやりとりが魅力的な一曲。コーダが経過部の役割を果たし、第二部分へと続く。
(第二部分)アンダンテ 4分の4拍子―アレグロ ハ長調 4分の3拍子
この第二部分はアンダンテとアレグロにわけられている。アンダンテは、三分程度で、アレグロへの序奏部的な性格をもっている。循環主題Cのフーガ的な展開をみせ、循環主題Bが想起されたのち、ピアノの華やかなカデンツァとなり、アレグロを導く。
アレグロにおいても循環主題が活躍する。第一主題は循環主題Bを変形させたもので、非常に明快で印象に残る旋律である。第二主題は循環主題が用いられたものではないが、はぎれのよいリズムは曲に活気を与えている。巧みな展開の手法に加え、この曲においてはピアニストのヴィルティオーゾ的な見せ場が沢山ちりばめられており、非常に華やかで楽しめる。サン=サーンスの作曲家としての、またピアニストとしての力量が感じられる一曲である。
エルツ(ヘルツ):ピアノ協奏曲 第4番 ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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エルツ(ヘルツ):ピアノ協奏曲 第4番 ホ長調 | Piano Concerto No.4 in E major Op.131 | 作曲年: 1843年 初版出版地/出版社: Schott, Benoit, Ricordi |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 アレグロ・モデラート Mov.1 Allegro moderato | No Data | No Image |
2 | 第2楽章 アンダンテ・カンタービレ Mov.2 Andanta cantabile | No Data | No Image |
3 | 第3楽章 ロシアのロンド:アレグロ Mov.3 Rondo russe: Allegro vivace | No Data | No Image |
フィールド:ピアノ協奏曲 第4番 変ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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フィールド:ピアノ協奏曲 第4番 変ホ長調 | Piano concerto No.4 H.28 | 作曲年: c1812⇔14年 出版年: 1814年 初版出版地/出版社: St Petersburg |
チェレプニン:ピアノ協奏曲 第4番(幻想曲)
ピアノ協奏曲第4番
「ピアノ協奏曲 第4番」の例文・使い方・用例・文例
- ピアノ協奏曲
- その曲はピアノ協奏曲に編集された。
- 6月21日の本選で,上原さんはチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」とラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏した。
- そのとき,彼女は偶然,ラヴェルのピアノ協奏曲を聞き,自分と千秋(玉(たま)木(き)宏(ひろし))が舞台でその曲を一緒に演奏している姿を想像する。
- 千秋は彼女がショパンのピアノ協奏曲を演奏するのを見るためにはるばるプラハまで行く。
- 内田さんはクリーブランド管弦楽団と共演したモーツァルトのピアノ協奏曲の演奏で最優秀器楽ソリスト演奏(オーケストラとの共演)賞を受賞した。
- 浅田選手は,ショートプログラムではショパンのノクターンのうちの1曲,フリーではラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に合わせて演技すると述べた。
- フリーについて,浅田選手は「私はラフマニノフのピアノ協奏曲がとても好きです。」と述べた。
- 翌日のフリーでは浅田選手はラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」に合わせて滑った。
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