ナ・バ・テアとは? わかりやすく解説

スカイ・クロラシリーズ

(ナ・バ・テア から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/28 04:34 UTC 版)

スカイ・クロラシリーズ(Sky Crawlers series)は、森博嗣小説『スカイ・クロラ』を含む、長編5作・短編集1作からなる小説シリーズである。2007年6月時点でシリーズ累計部数は50万部を突破している[1]

『スカイ・クロラ』を原作とするアニメーション映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』、同作と『スッキリ!!』のコラボレーションアニメ作品『スッキリ!!・クロラ The Sukkiri Crawlers』、ゲーム作品『スカイ・クロラ イノセン・テイセス』についても本項で記載する。

シリーズ概要

現実とはやや違う世界を舞台に、民間軍事会社 (PMC) の戦闘機パイロットをする人間が主人公の作品。物語の背景に戦争がありながら政治背景や戦況に関する説明はほとんどなく、終始淡々とした「僕」を語り手として物語は進んでいく。戦争と並んで「キルドレ」と呼ばれる存在が物語に大きく関わるが、その詳細は謎に包まれたまま、登場人物の意見が断片的に提示されるだけである。登場人物の名前は日本人風であるが、それ以外に日本を感じさせる要素は排除されている。日本という国名もその地名も登場せず、作中の食事のメニューもステーキやパイなど、特定の国との関わりを連想させないものに限られている。

シリーズは短編集を含め全6巻。ハードカバー、ノベルス、文庫が中央公論新社より刊行されている。ノベルス版の挿絵鶴田謙二

『スカイ・クロラ』は、刊行順では最初だが、作中の時系列では最後にあたる内容であり、時系列順に並べると『ナ・バ・テア』『ダウン・ツ・ヘヴン』『フラッタ・リンツ・ライフ』『クレィドゥ・ザ・スカイ』『スカイ・クロラ』の順になる。また、文庫版の帯もこの順番でスカイ・クロラシリーズを紹介している。筆者によれば、「第1巻は『ナ・バ・テア』ですので、これから読むのが普通」[2]と言うことだが、「どの巻から読んでも差し支えは無い」[3]とも語っている。

2017年2月、『スカイ・クロラ』の英語版を「The BBB」から刊行。巻末には、「『スカイ・クロラ』についての森博嗣氏インタビュー」を収録。購入者特典として、インタビューの日本語版も、The BBBにて配布されている。[4]

用語

戦争法人(戦争請負会社)
この世界で戦争を代行する会社組織で、主人公もここに所属している。いわゆる民間軍事会社(PMC)であり、多数の航空部隊[5]と自社専用の基地を運用している。作中の台詞から、会社内部に戦闘機の開発部門を有していることがうかがわれ、実態は大規模な軍産複合体のようでもある[要出典]
原作では『戦争法人』という名称だったが、映画では『戦争請負会社』に変更され、『ロストック』や『ラウテルン』など社名も登場した。
原作・映画ともに国家が編成する『正規軍』は登場せず、会社同士の戦闘に終始している。また、原作では会社間で人材の引き抜きが行われていることが示唆されている。
航空戦力以外を保持しているかは不明[6]
キルドレ
思春期を過ぎてから成長が止まり、永遠に生き続ける存在。原作では新薬の実験で偶然誕生したとされるが、それ以上の医学的な説明はなく、映画中でも詳細については殆ど言及されていない。寿命以外の点で肉体的に通常の人間と異なる点はなく、性交妊娠の能力も有する。
彼らの大半は、その能力を生かし『戦争法人』で戦闘機パイロットになるか、『宗教法人』という名称の団体に入るという。
病気や怪我がなければ寿命がないとされるが、通常の人間とは違う時間感覚や記憶を持ち、精神的に不安定な状態に陥る者もいるようである。
『プッシャ』と『トラクタ』
実際に使われている航空機用語。プッシャは推進式プロペラ機、トラクタは牽引式プロペラ機とも言う。前者はエンジンの後方に、後者は前方にプロペラを配置した航空機である。利点などの詳細はリンク先を参照。
現実世界ではわずかな例を除いて牽引式であるが、作品世界では逆に推進式が主流になっている[7]
主人公たちの搭乗機として『散香』など多数の推進式戦闘機が登場する一方、ティーチャのように、少数派になりつつある牽引式に愛着を示す人間も存在するようである。

各巻概要

スカイ・クロラ The Sky Crawlers
新しい基地から移って来たカンナミが、何度か出撃を重ねながらも淡々と日々を過ごしていく様子が描かれる。
ナ・バ・テア None But Air
作中の時系列では最も古い作品。クサナギとティーチャの出会いが描かれる。
ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven
ティーチャが去った後、その優秀な戦績から次第に会社の広告塔へと祭り上げられていく中、あくまで空に留まりたいと、苦悩するクサナギの姿と、ティーチャへの想いが描かれる。
フラッタ・リンツ・ライフ Flutter into Life
淡々と日々を過ごしながらも、あるきっかけで『キルドレ』とクサナギの秘密を知ってしまうクリタをめぐる物語。
クレィドゥ・ザ・スカイ Cradle the Sky
病院から脱走した『僕』の逃避行と、『僕』をかくまう女達を描く。キルドレという存在について初めて詳しく描写されている。
スカイ・イクリプス Sky Eclipse
短編集。主人公や時系列に統一性はない。シリーズを側面から補完するストーリーが展開される。

登場人物

スカイ・クロラ

函南 優一(カンナミ ユーヒチ)
本作の語り部であるエースパイロット。一人称は『僕』。
欠員した栗田 仁郎(クリタ・ジンロウ)の補充要員として転属してきた。
原作では無駄弾を撃たないという現実的なポリシーを持つ一方、ドッグファイト時の決め手として、ストールターン[8]を好んで使うなど両極端な戦闘スタイルのようである。
映画版では転属以前の記憶がほとんど無いが、原作では転属前の任務内容や仲間など、断片的な記憶が残っている。
草薙 水素(クサナギ スイト)
かつてエースパイロットとして高名だった基地の女性指揮官。一人称は『私』。
ノベルスのイラストではベリーショートであるが、映画版ではおかっぱ頭に変更されている。
彼女の迎える結末は原作と映画版で大きく異なる。
土岐野 尚史(トキノ ナホフミ)
函南の同僚で同室のパイロット。人当たりがよく女好き。2気筒のオートバイを所有している。
湯田川 亜伊豆(ユダガワ アイズ)
函南の同僚のパイロット。髪の毛が真っ白で、小さなレンズの眼鏡をかけている。
映画版では眼鏡はかけておらず、読み終わった新聞を丁寧に折り畳む癖がある。中盤で「ティーチャ」に遭遇し撃墜される。
篠田 虚雪(シノダ ウロユキ)
函南の同僚のパイロット。基地にいる4人のパイロットの内で最古参。非喫煙者で口数は少なく暗い風貌、いつも長袖の黒服を着ている。
映画では前髪を後ろに撫でつけており、服装は他のパイロットと変わらない。
笹倉 永久(ササクラ トワ)
腕の良い整備士。整備の傍ら、(しばしば無許可で)機体の改造や過給器などの自作をしている。草薙と古くから交友がある。
原作では草薙と同年輩の男性だったが、映画では中年の女性に変更されている。
フーコ
町の郊外にある娼館でパイロット達の相手をする娼婦
ピンク色(映画版では紺色)の短髪で胸にフクロウの入れ墨がある。ハスキィな声が特徴。
クスミ
フーコと同じ娼館で働く女性。土岐野の馴染み。
草薙 瑞季(クサナギ ミズキ)
草薙水素の妹。パイロット達の間では『水素の子供』ではないかと噂されている。
三ツ矢 碧(ミツヤ ミドリ)
草薙の部隊が移動した基地にいる女性のエースパイロット。キルドレであることについて悩み、文献を読んで調査をしている。
山極 麦朗(ヤマギワ ムギロウ)
草薙の部隊が移動した先の基地の男性司令官。
鯉目(コイメ)兄弟
山極の部下のパイロット。新技(アラギ)と彩雅(サイガ)。どちらが兄かは不明。
本田(ホンダ)
海沿いにある観測所の所員。草薙とは面識があり、基地へ向かう爆撃機を見逃した事で抗議に来た草薙を制止しようとする。
合原(アイハラ)
映画のみ登場。湯田川が撃墜されたあとに配属されたパイロットで、湯田川とそっくりな風貌と手癖をもつ。

ナ・バ・テア

草薙 水素(クサナギ スイト)
キルドレである女性パイロット。自分を『僕』と呼ぶ。口調は『スカイ・クロラ』と比べるとやや激しい。コールサインブーメラン。地上では笑うことは無く、空を自由に飛ぶことに執着している。
感情に乏しいが、他のパイロットと同様にティーチャを尊敬・敬愛しており、彼と同じ部隊に配属されたことを純粋に喜んだ。搭乗機の整備を担当している笹倉と親しい。
ティーチャ
キルドレではない『大人』の男性パイロット。本名は明かされておらず、常にコールサインで呼ばれている。本来のコールサインは本人の弁によれば『チータ』だったという。会社において永らくエースとして名を馳せるほどの優れた空戦技術を持つが、既に旧式化したトラクタ機に執着がある。草薙のある種の敬意に気づいているが、人付き合いを好まない傾向がある。
機体のカウリングに施す反射防止の黒塗りを、猫(もしくはコールサイン通り『チータ』)の顔に見えるよう加工している。
ティーチャの名の由来は、コールサインの『チータ:CHEETAH』のCとTを入替えて『ティーチャ:THEECAH』となったとされる。
笹倉(ササクラ)
腕の良い整備士。草薙の乗機を担当し、後にティーチャの担当にも抜擢される。草薙とは以前に所属していた基地以来の知り合いで、同時に転属してきた。
比嘉澤 無位(ヒカザワ ムイ)
女性パイロット。作戦後の欠員を補充するため、栗田と共に草薙のいる基地に配属になった。コールサインは『クリスマス』。ティーチャに強い敬愛の念をみせていたため、草薙は軽い懸念を覚える。パイロットには珍しく非喫煙者。
甲斐(カイ)
会社の上司。女性。本部の人間だが明確な所属は不明。女性でありキルドレでもある草薙がエースとして頭角を現した事について、指揮官の地位を用意すると話すなど、理解を示す一方で草薙を『兵器』と呼んだ。
薬田(クスリダ)
草薙の所属する基地のパイロット。キルドレであるかは不明。他のパイロット等と同様に、草薙に関心をみせる面がある。
合田(ゴウダ)
クサナギの所属する基地の司令官。
辻間(ツジマ)
パイロット。草薙の同僚。キルドレであるかは不明。比嘉澤と栗田が来る前の戦闘で戦死した。草薙はインテリ風と感じていた。
栗田(クリタ)
辻間の戦死後、比嘉澤と共に赴任してきた。名前のみの登場。下の名は不明。『スカイ・クロラ』に名前のみ登場する『クリタ・ジンロウ』と同一人物かは明記されていない。
相良(サガラ)
草薙が訪れた病院の医者。『クレィドゥ・ザ・スカイ』に登場する『サガラ・アオイ』の親戚かは不明。草薙がキルドレであることを知っている。

ダウン・ツ・ヘヴン

草薙 水素(クサナギ スイト)
空を自由に飛ぶことに執着しており、それ以外の事には基本的に関心を持たない。ある戦闘で負傷し、甲斐に促されるまま、一時パイロットの育成のため講師の真似事をする。その後、本社で甲斐の上司であるカヤバと面会し、ティーチャとの再会を敵として果たす。
ティーチャ
キルドレではない大人のパイロット。クサナギの元上司。
笹倉(ササクラ)
腕が良い基地の整備士。ティーチャとの空戦のために、基地から出向いてくる。
甲斐(カイ)
会社の上司。本社の情報部に所属する女性。エースパイロットであるクサナギを、会社の広告塔として活動させる。
函南(カンナミ)
クサナギが入院した病院で出会った入院中の少年。キルドレである。頭部に包帯をしていて、記憶がほとんど無い。飛行機をまた操縦できるかを心配していた。後に、クサナギが講師をした部屋に彼もいた。その晩、カンナミはクサナギに、自分がよく見る夢を聞いてもらえる事を望む。その夢の内容は、『スカイ・クロラ』冒頭において、カンナミが見る夢と、ほぼ同一のものだった。
比嘉澤(ヒカザワ)
甲斐の部下。戦死した、ヒカザワ・ムイの弟。クサナギに会うために情報部へ志願した。姉と違ってキルドレではない。
杣中(ソマナカ)
YA新聞社の記者。キルドレの取材をしている。クサナギのファンを自称する。
萱場(カヤバ)
甲斐の上司。ティーチャの古くからの友人で、ティーチャの依頼によりクサナギと会う場所を用意した。

フラッタ・リンツ・ライフ

栗田 仁郎(クリタ ジンロウ)
クサナギの部下でキルドレのパイロット。自分を『僕』と呼ぶ。コールサインは『デッドアイ』。記憶力が若干乏しい描写がある。土岐野と共に作戦に出ることが多く、敵機を撃墜した日はフーコの元へ出かける。些細な縁からサガラと知り合い、あることがきっかけでクサナギとキルドレの秘密を知る。
草薙 水素(クサナギ スイト)
女性エースパイロット。自分を『私』と呼ぶ。階級は大尉。サガラの幼馴染妊娠経験により、キルドレではなくなったと、クリタに告げる。
草薙 瑞季(クサナギ ミズキ)
クサナギの妹。クサナギの母親の葬儀で、クリタと出会う。
土岐野 尚史(トキノ ナホフミ)
パイロット。クリタの同僚で、同室で寝泊まりしている。クスミの馴染客。
笹倉(ササクラ)
基地の整備士。腕が良い。会社に内緒で新しいエンジンを開発したり、パイロットに無断で機体に改造を施したりする。
ティーチャ
クサナギの元上司。機体のボンネットには黒猫のマークが描かれている。
甲斐(カイ)
会社の上司。本社の情報部に所属する女性。クサナギの元を度々訪ねる。
杣中(ソマナカ)
YA新聞社の記者。キルドレの取材をしている。クサナギのファンを自称し、クリタに接触する。
フーコ
娼婦。クリタのことを優しいと言う。
クスミ
娼婦。フーコと同じ娼館の女性。トキノのお気に入り。

クレィドゥ・ザ・スカイ

『僕』
本作の語り手。具体的に誰であるかは明言されないが、パイロットであり、自分を『僕』と呼ぶ。ラフな場外着陸により怪我をして入院していたが、脱出してフーコの元へ、次いでサガラの元へ行く。記憶の一部を喪失しているが、特定の人物は記憶している。頻繁にクサナギの幻覚を見る。幻覚のクサナギに殺されるのを幸せと感じた。物語の進行と共に、記憶が薄れてゆく。
草薙 水素(クサナギ スイト)
女性指揮官。エースパイロットとして高名なキルドレ。『僕』の幻覚のみに現れる。ソマナカの談では戦死したとされた後、復帰している。
相良 亜緒衣(サガラ アオイ)
生物医学学者。クサナギの幼馴染。キルドレのある秘密を知り、それが原因で父と兄は連行され行方不明になった。以前『僕』に銃を向けたことがある。『僕』の入院中に連絡先を教え、何かを注射した。病院へ戻らず逃亡している『僕』を匿い、味方の下へ導く。『僕』へ、「あなたはキルドレに戻った」と告げる。
フーコ
娼婦。病院を脱走した『僕』から連絡をもらい、しばらく行動を共にする。
杣中(ソマナカ)
YA新聞社の記者。復帰したクサナギ大尉を別人と断定し、エピローグに登場する『僕』をクサナギに似ていると言った。彼は、『僕』をカンナミと呼んだ。
甲斐(カイ)
会社の上司。本社の情報部に所属する女性。サガラの仲間の下で空戦に至った『僕』の下に現れる。
ハヤセ
心理学者。サガラの知人。『僕』にいくつかの質問をする。

登場兵器

ジェットエンジンや小型機向けのターボチャージャーの開発が難航しているという設定。機体は全てレシプロ機であるが、現実では主流となりえなかった推進式の航空機が多数存在する。 単発単座戦闘機の散香にもレーダーが搭載されているなど、アビオニクスはレシプロ機が第一線で活躍していた現実世界の第二次世界大戦時よりも進化している。

映画版では壁掛け薄型テレビ携帯ゲーム機、デジタルムービーカメラ、冷凍食品、対空レーダー、プローブアンドドローグ方式空中給油機アングルドデッキ方式の原子力空母などが登場しており、航空機エンジン以外の文明の水準は現実の2010年代と大差無い描かれ方をしている。また医療・生物関連については、「キルドレ」を作り出すなど現実世界よりも進歩しているようである。

ロストック機

命名規則は漢字(振り仮名は全てカタカナ)二文字の後に『Mk-B』など改良を表す英数字。映画版の機体デザインには、第二次大戦中の旧ドイツ軍機的な要素が散見される。[独自研究?]

散香に関しては、ロストック社製と言及されているが、その他については不明。

散香(サンカ)
主力の推進式エンテ型戦闘機。液冷直列8気筒エンジンを搭載し、軽快な運動性と上昇力を強みとする。作中では制空、迎撃、護衛、偵察など様々な任務に投入され、多くの改良型が登場する[9]。視界がよく、ノベルスのイラストでは現代的な枠の少ない涙滴型キャノピーで描かれている。
映画では二重反転プロペラに変更[10]され、メッサーシュミットBf109のような角張った形状のキャノピーを持つ。全体的な外観が旧日本海軍の震電と似ているが、設定資料集によれば実際に飛びそうな単発単座のプッシャ機を模索した結果である。映画公開後に、秋山工房から映画版Mk-Bの1/2スケールモデルが390万円で受注生産された[11]
染赤(ソメアカ)
双発の推進式エンテ型戦闘機。スカイ・クロラでは三ツ矢らが所属する基地の主力機、ナ・バ・テアでは正式採用前、フリッタ・リンツ・ライフでは小型爆撃機・地上攻撃機として使われている。散香よりも上昇力、上昇限度が優れ、航続距離も長い。
映画では前進翼で、散香とは違い胴体に垂直安定板を持つ。
泉流(センリュウ)
推進式の無尾翼偵察機。マークEはタンデム[12]の複座。軽量で高速なのが特徴だが、既に旧式で基地間の移動手段として登場する。
映画では三胴機で、後部座席は後ろ向きになっている。中央胴体後部に二重反転プロペラをもち、前部には大柄な八木アンテナが4つ前方に突き出している。
翠芽(スイガ)
牽引式の単発戦闘機。空冷21気筒エンジンを搭載し、速力、上昇力、火力に優れるが航続距離がやや短く、低速旋回がやや苦手。ナ・バ・テアでは主力戦闘機であるが、会社の方針転換で散香に主力の座を譲る。
鈴城(スズシロ)
名前のみ登場した爆撃機。映画版ではHe177に酷似した形になっている。
紫目(ムラサキメ)
双胴の大型爆撃機。分厚い主翼が特徴。
填鷲(テンガ)
映画版のみ登場。全翼に六発の推進式というYB-35に酷似した大型爆撃機。
空中給油機(名称不明)
映画版のみ登場。三発の飛行艇で給油方式はプローブアンドドローグ方式である。

ラウテルン機

命名規則は英単語の後に「J2」など改良を表す英数字。映画版の機体デザインには、第二次大戦中の米英戦闘機的な要素が散見される。

開発元は不明だが、「スカイ・クロラ イノセン・テイセス」も含めると双発、双胴機の割合が多い。

スカイリィ
牽引式の戦闘機。J2がティーチャの乗機として登場する。ダウン・ツ・ヘヴンでは「空冷エンジンでガル翼」の「翠芽に似た」戦闘機がティーチャ機として現れるが、これがスカイリィなのかは不明。
映画では液冷エンジンで、二重反転プロペラやターボチャージャーらしき機構が[13]装備されている。主翼は途中から緩い上反角がついており、武装はモーターカノン1門と翼砲4門。
イノセン・テイセスでは「D」が登場。
レインボウ
スカイ・クロラで函南が最初に交戦した推進式の双発戦闘機。低速での速度は散香に勝るが旋回性能は劣る。
映画では通常型の双尾翼機。
フォーチュン
スカイ・クロラで函南の基地を空襲した爆撃機。
映画では双尾翼の推進式6発機。
クロアサン
フラッタ・リンツ・ライフで登場する6発の全翼機。両翼端に旋回銃塔がある。

既刊一覧

単行本
すべて中央公論新社より出版。透明なカバーを採用している。
ノベルス
すべてC★NOVELSより出版。表紙の登場人物や機体のイラストは、映画版と若干異なっている。
  • スカイ・クロラ The Sky Crawlers (2002年、 ISBN 4125007810
  • ナ・バ・テア None But Air (2004年、 ISBN 412500871X
  • ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven (2005年、 ISBN 412500921X
  • フラッタ・リンツ・ライフ Flutter into Life (2007年、 ISBN 4125009864
  • クレィドゥ・ザ・スカイ Cradle the Sky (2007年、 ISBN 412501003X
  • スカイ・イクリプス Sky Eclipse (2008年、 ISBN 4125010579
文庫
すべて中公文庫より出版。カバーは単行本に準じた単色のデザインと、映画版のイラストを採用した2種類が存在する。
  • スカイ・クロラ (2004年、 ISBN 4122044286
  • ナ・バ・テア (2005年、 ISBN 4122046092
  • ダウン・ツ・ヘヴン (2006年、 ISBN 4122047692
  • フラッタ・リンツ・ライフ (2007年、 ISBN 4122049369
  • クレィドゥ・ザ・スカイ (2008年、 ISBN 4122050154
  • スカイ・イクリプス (2009年、 ISBN 4122051177
英訳版
すべてThe BBBより出版。Lulu・Amazon・Apple・Koboなどの電子書店で購入可能。
  • The Sky Crawlers: Prologue, Episode 1(2016年)
  • The Sky Crawlers: Episode 2, Episode 3(2016年)
  • The Sky Crawlers: Episode 4, Episode 5, Epilogue(2017年)
  • The Sky Crawlers(2017年)巻末に「『スカイ・クロラ』についての森博嗣氏インタビュー」を収録。

映画

スカイ・クロラ The Sky Crawlers
The Sky Crawlers
監督 押井守
脚本 伊藤ちひろ
原作 森博嗣
製作 石井朋彦
製作総指揮 奥田誠治
石川光久
出演者 菊地凛子
加瀬亮
谷原章介
山口愛
平川大輔
竹若拓磨
麦人
大塚芳忠
安藤麻吹
兵藤まこ
ひし美ゆり子
竹中直人
榊原良子
栗山千明
音楽 川井憲次
主題歌 絢香今夜も星に抱かれて…
編集 植松淳一
制作会社 Production I.G(アニメーション)
Polygon Pictures (3DCG)
配給 ワーナー・ブラザース映画[14]
Golden Village Pictures
ソニー・ピクチャーズ クラシックス[15]/ステージ6フィルムズ[16]
ソニー・ピクチャーズ・ワールドワイド・アクイジションズ・グループ[17][18]
アンコール・フィルムズ
Selecta Visión
Manga Entertainment[19]
公開 2008年8月2日[14]
2008年9月3日(VIFF)
2008年9月5日(TIFF)
2008年9月23日(HIFF)
2008年10月(BIFF)
2008年10月5日(Sitges)
2008年11月21日(SIFF)
2008年11月27日
2008年12月5日[15][16]
2008年12月5日
2008年[17]
2009年
2009年4月3日(JAFF[20])
2009年5月9日(Animefest)
2009年8月12日(LIFF)
2009年9月25日(Madrid)/10月2日(Barcelona)
2009年10月24日(Sci-Fi-London)
2010年2月27日(KFF)
2010年3月4日
2010年4月23日[19]
2010年10月28日
上映時間 122分
製作国 日本
言語 日本語
興行収入 7億円[21]
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スカイ・クロラ The Sky Crawlers』のタイトルで、2008年8月2日アニメーション映画化。監督は押井守で、2004年の『イノセンス』以来4年ぶりのアニメ作品。アニメーション制作はProduction I.G戦争請負会社の日本人部隊で、戦闘機に乗って戦う若者の物語。

丸の内TOEI2渋谷東急新宿ミラノ他東急系にて公開された。日本テレビ開局55周年記念作品。ソニー・ピクチャーズが、アメリカ、カナダ、ラテンアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、オセアニアでも配給を予定している。

押井と親交の深い宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』と時を同じくして公開されるのは鈴木敏夫が同時に公開しようと提案したため。鈴木は「かたや空、かたや海、時を同じくして似たようなのが出てくる。歩みは違ってもなんだかんだでずっと接点がある押井守との友情です」と語る[22]

キャスト

スタッフ

製作

原作者の森には3年以上前からオファーがあり、押井は「僕が若い頃に読んでいた、J・D・サリンジャーの作品群を彷彿とさせる青春小説だった。『形骸化した戦争を背景にしたファンタジー』という点では、僕がやってきた事に近い」と称賛しながらも、「キャラクター一人だけの視点で物語を語る構成は、アニメーションでは技術的には可能でも、観客からは求められないし報われない」と考えていた[23]が、飛行機が綺麗な空を飛び回る映像だけでも観たいという思いから映画化が決定した。押井に監督のオファーが来た経緯は原作者の森が好きな映画に(押井作品と知らずに)『アヴァロン』を挙げたことによる。押井は自分に可能な仕事かと疑問を抱いてオファーを一旦断ったが、少し考えて気が変わり監督を引き受けた。

GYAO!で配信された予告編映像は庵野秀明樋口真嗣行定勲がそれぞれ手がけた。

脚本

「ヒーローでもなければ、悪党でもない、当たり前の男の子と女の子を等身大のままに書き切る」「人が生きて死ぬ。そういう時間の重みをストレートに感じさせる物語にしたい」ことをメインテーマとし、「今までの様な小難しい薀蓄を長々話し始める台詞は必要ではない」という判断から、押井は伊藤ちひろに脚本を依頼した[23]

脚本作業に入った当初、原作がシリーズ最終巻『スカイ・クロラ』(2001年)とシリーズ1巻『ナ・バ・テア』(2004年)の2冊までしか刊行されていなかったこともあり、映画では『スカイ・クロラ』と『ナ・バ・テア』の一部のエピソードを中心に描かれている。おおまかなストーリーや世界観は原作に準拠しているが、ラストも含めて原作と異なる設定も多い。細かな所では函南の下の名前が「ユーイチ」に変更されたり、笹倉が女性として描かれている。また前後に繰り返しの演出が見られる。

配役

主要なキャラクターの声優は1人に対し、60-70人のオーディションを行っている。草薙水素の声も同様にオーディションを行ったが決め手を欠き、最後まで決まらなかったが、別件で監督が菊地凛子と対談し、オーディションの候補に入っていなかったが、その印象からその場で出演を打診した。また、三ツ矢碧の声は脚本段階から栗山千明を想定していた。

演出手法

本作製作以前に培ってきた演出手法を封じ、『イノセンス』とはまったく違うシナリオ・演出法を持って、この映画を若者へ向けたエンターテインメント作品として作ろうと決意したという[24]

当初監督は交信中の英語の会話は、たどたどしい方がリアルだと考えていたが、声優が英語に堪能であるとわかり流暢な英語に変更されている[25]

舞台

主人公達はどこか日本とよく似た国の出身で、作中では『讀賣新聞』などが登場する。実際に読売のスタッフがデータ製作した。また、『讀賣新聞』2008年7月30日付朝刊の折込「スカイ・クロラ新聞」に、実際の紙面として作中に登場している(架空の)新聞記事が掲載された。小説での舞台設定は日本(のような国)であるが、映画ではヨーロッパとして舞台設定し、アイルランドとポーランドでロケハンを行っている。

キャラクターデザイン

ノベルス版の挿絵では草薙水素はショートヘアーだが、監督の強い要望でおかっぱ頭に変更された。これについて監督はスタッフからの反論を覚悟しており、「風になびく髪で心情を表現する」などの演出的な理論武装をしていたとのこと。しかし理由は第一に「おかっぱが好きだから」である。基本的にキャラクターデザインは西尾鉄也がゼロから担当しているが、自身が担当した『NARUTO』の絵柄に酷似しており、一部観客からはそれを指摘され、本人も否定はしていない[26]

音楽

エンディング曲は当初、川井憲次が手がけていたが、監督がイメージソングだった絢香の『今夜も星に抱かれて…』(映画の書き下ろし曲ではない)を映像と合わせて聴いたところ、より映画に力を与えると判断した為、そのまま主題歌として採用される。

作品解説

押井は「若い人に、生きることの意味を伝えたい[27]」「本作が成功しなかったら辞めると語る[28]」と語っている。

反響

劇中、少年少女の容貌を持った「キルドレ」であるキャラクターがタバコを吸う場面が複数存在する[29]。これに関して、NPO法人の日本禁煙学会は制作関係会社に対する質問状を送付した[30][31]

森自身は、「自分の作品が器になっていて、中にぴっちり僕の作品が入っている。溢れてもいないし、少なくもない」と、本作をとても気に入っているという[32]

受賞

DVD / Blu-ray

いずれも発売・販売元はバップ

ナビゲートDVD

本編公開に先駆けて発売された。

  • Countdown of The Sky Crawlers Count.3(1枚組・2008年3月19日発売)
    • 収録内容
      • ドキュメント「スカイ・クロラ 始動〜新生・押井守を追う〜」
      • 特報1、2
      • Special features
        • 「押井守・監督記者会見」
      • 隠し映像
    • 封入特典
      • 「スカイ・クロラ」企画書レプリカ
      • 「スカイ・クロラ」ティーザーポスターレプリカ
      • キャラクターデザイナー / 作画監督・西尾鉄也による「散香」キャラクターシール
  • Countdown of The Sky Crawlers Count.2(1枚組・2008年5月21日発売)
    • 収録内容
      • ドキュメント「スカイ・クロラ 挑戦〜新生・押井守、走る〜」
      • 劇場予告編
      • Special features
        • 「押井守・インタビュー発言集」
        • 「押井守・サンフランシスコにて大いに語る」
      • 隠し映像
    • 封入特典
      • ロストック社・名刺
      • 宣伝用プレスレプリカ
      • キャラクターデザイナー / 作画監督・西尾鉄也による「函南優一」キャラクターシール
  • Countdown of The Sky Crawlers Count.1 -Final-(1枚組・2008年7月2日発売)
    • 収録内容
      • ドキュメント&本編ナビゲート「スカイ・クロラ 誕生〜新生・押井守、進む〜」
      • 劇場予告編
      • Special features
        • 『天空人生鼎談』〜監督・押井守×脚本:伊藤ちひろ×脚本監修:行定勲〜
        • ヒーリング・オブ・「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」
      • プロモーション
        • 映画「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 2.0」劇場予告編
        • DVD「押井守 INTRODUCTION-BOX」
        • BD「攻殻機動隊 S.A.C.TRILOGY-BOX」
        • Wii専用ソフト「スカイ・クロラ イノセン・テイセス」
      • 隠し映像
    • 封入特典
      • キャラクターデザイナー作画監督・西尾鉄也による「草薙水素」キャラクターシール
    • 特製アウターケース付き

本編

下記はいずれも2009年2月25日に発売された。

  • スカイ・クロラ The Sky Crawlers DVD版(1枚組)
    • 映像特典
      • 劇場予告編
      • 押井守監督 重要証言映像集(本編後に収録)
    • 音声特典
      • オーディオコメンタリー(作画監督:西尾鉄也×美術監督:永井一男×プロデューサー:石井朋彦)
    • 封入特典
      • ブックレット「スカイ・クリエイターズ The Sky Creators」
      • 「スカイ・イクリプス」書き下ろし特注文庫カバー(押井守監督サイン付き)
    • アウターケース&デジパック仕様
  • スカイ・クロラ The Sky Crawlers ブルーレイ通常版(1枚組)
    • 映像特典
      • 劇場予告編
    • キャラクターデザイナー / 作画監督・西尾鉄也による描き下ろしリバーシブルジャケット仕様
  • スカイ・クロラ The Sky Crawlers ブルーレイ コレクターズ・エディション(4枚組、数量限定生産)
    • ディスク1:本編Blu-ray(通常版と同様)
    • ディスク2:特典DVD1
      • 本編ライカリール(制作途中の絵コンテやCG素材などで構成・再編集した本編)
    • ディスク3:特典DVD2
      • テイク・オフ〜映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」完成後ドキュメント
        • プレミア試写会 in サンフランシスコ
        • 完成記念交流会
        • ジャパン・プレミア試写会 in 国際フォーラム
        • プロモーション
        • 対談 押井守×よしもとばなな
        • トークイベント 第1部 押井守が生まれ変わる日
        • トークイベント 第2部 対談 押井守×西尾鉄也
        • 対談 押井守×鈴木敏夫
        • 公開初日舞台挨拶 東京・名古屋・大阪 弾丸ツアー
        • 公開中スペシャルトークイベント 押井守×プロデューサー石井智彦1
        • 公開中スペシャルトークイベント 押井守×プロデューサー石井智彦2
        • ヴェネチア国際映画祭
        • ヴェネチア国際映画祭 正式上映
    • ディスク4:特典DVD3
      • プロモーション・各種リール集
        • 「スッキリ!!・クロラ The Sukkiri Crawlers」
        • REMIX TRAILERS
        • 特報・劇場予告編・TVスポット集
        • カウントダウンDVD隠し映像在りどころ解説
    • 封入特典
      • スペシャル・フィギュア「押井守監修カラーリング“1/72 Scale 散香マークB bis”(押井監督監修別注37mm機関砲付)」
      • ブックレット「スカイ・サポーターズ The Sky Supporters」
      • 「スカイ・クロラ」脚本決定稿
    • 特典DVDは専用デジスタックに同梱、全アイテムを収納するゴールド・メタルボックス(押井監督自らデザイン)付き

スッキリ!!・クロラ The Sukkiri Crawlers

NTV系『スッキリ!!』1分劇場『スッキリ・クロラ』(OA 2008.7.7~8.1)

概要

映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』公開の宣伝として日本テレビ系列の情報番組『スッキリ!!』とコラボレートしたアニメーション作品。番組内の1分間、公開日前日まで放送された。

番組出演者の加藤浩次テリー伊藤葉山エレーヌを模したキャラクター達が映画の世界に迷い込み、世界観やキャラクターの紹介をするといったガイド的内容となっている。また、公開日までの日数と寺山修司押井守などの格言が提示される。全話全てブルーレイ コレクターズ・エディションの特典DVD3に収録。

キャスト

スタッフ

  • 監修:押井守
  • 脚本:川崎良
  • 絵コンテ・演出・作画:西尾鉄也
  • 仕上げ:中田祐美子、泉津井陽一
  • 撮影:泉津井陽一
  • 編集:奥野英俊
  • 制作進行:安達悠子、崔
  • 音響:西村了
  • 音響助手:菊間潤子
  • 効果:金子寛史
  • 整音:和田修
  • 協力:秋山健一、小岩井佑樹、竹内敦志石井朋彦、川口徹、飯島幸子
  • プロデューサー:黒澤亘
  • ポストプロダクション:日テレアックスオン
  • アニメーション制作:Production I.G
  • 製作:『スッキリ!!』×バップ×『スカイ・クロラ』製作委員会

ゲーム

スカイ・クロラ イノセン・テイセス
ジャンル ドラマチックフライトシューティング
対応機種 Wii
開発元 バンダイナムコエンターテインメント
アクセスゲームズ
発売元 バンダイナムコゲームス
メディア Wii用12cm光ディスク
発売日 2008年10月16日
発売未定
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
デバイス ヌンチャク
クラシックコントローラ
ニンテンドー ゲームキューブコントローラ対応
テンプレートを表示

スカイ・クロラ イノセン・テイセス』とは、原作や映画版『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』とは違った視点から描かれたWiiフライトシューティングゲームである。キャッチコピーは『僕の手がトリガを引く。そして、僕は空を舞う。』。開発はエースコンバットシリーズ開発チームであるPROJECT ACESが担当する。ゲームプレイヤーのターゲットとしては押井自身が言っているように若い頃から戦闘機にあこがれていて、最近ではゲームをしなくなった中年層[40]

当ゲームに採用された独特のシステムとしては、ボタン1つで簡単に敵の背後に付くことが出来るTMC(タクティカル・マヌーヴァ・コマンド)、2P専用の照準が表示されて戦闘のアシストが出来る2Pアシスト等が搭載されている。

月刊コミックブレイド2008年11月号よりゲーム版を元にしたコミックが上地優歩により連載。全2巻。 ISBN 978-4861276255, 978-4861276781

登場人物(ゲーム)

リンクス/チータ
本作の主人公でプレイヤーキャラとして登場する『大人』の男性パイロット。本名は不明。ロストック社の葉離友(ハリユ)基地に配属した際のコールサインは「リンクス」だったが、ヤマサキ戦死後の後任としてクーガ隊、後にチータ隊の隊長を務めてからは「チータ」に変わる。搭乗機体の尾翼に黒猫のマークがついている。
織科 真海(オリシナ マウミ)
リンクスの次に新たに配属されたキルドレの新人パイロットの少女。一人称は「僕」。コールサインは「カイリ」。数々の作戦を通じて空戦の楽しさに魅了され、自分が輝ける場所を空に見出すようになる。使用機体は「清影」、後に「散香マーク2」。
戒田 正躬(カイダ マサミ)
クーガ隊の隊員である『大人』の若手男性パイロット。コールサインは「クロスボウ」。リンクスとは訓練生時代からの親友。ロストックのエースであるヤマサキを尊敬しており、彼に追い付くために日々腕を磨いている。仲間思いなところもあり、撃墜された仲間を弱い者と見下すウクモリに怒りを買ってしまうことも少なくない。使用機体は赤いラインが描かれた「翠芽」。
鵜久森 洸(ウクモリ コウ)
オリシナと一緒に配属するキルドレの天才パイロット。コールサインは「スプライト」。映画版に登場するユダガワと容姿が似ており、真っ白な髪の毛が特徴。「ショーとしての戦争」を徹底した合理的視野から捉えている。強さを求める傾向があり、弱い者に対して見下す場面が多い。そのためカイダから怒りを買うことになることも少なくない。使用機体は「逸波」。
物集 遠近(モズメ トホチカ)
ロストック社の情報部次席情報部長。キルドレに関わる「プロジェクト」の最高責任者であり、オリシナ達キルドレをクーガ隊に配属させる。
山先 六鹿(ヤマサキ ムツガ)
ロストック社のエース部隊「クーガ」隊の隊長であるエースパイロット。コールサインは「クーガ」。僚機を一機も失わずに帰還することを信念としており、多くのパイロットの憧れ的存在である。切岐(キリキ)での戦闘で数機の僚機を失った後にキルドレの存在を知る。椰浦(ヤウラ)での空中戦後、オリシナとウクモリにキルドレであるかを問う。しかし直後に増援してきたラウテルン社のチューリップに奇襲を受け被弾、椰浦中央にある古城に墜落し戦死した。彼の死はリンクス達に大きな影響を与えた。使用機体は黄色いラインが描かれた「翠芽」。
萱場(カヤバ)
葉離友基地の基地司令官。
アオザサ
クーガ隊の隊員。コールサインは「ジャックポット」。作戦中通信で時々実名で呼んでしまう癖がある。一方で作戦中に余計なことは考えない主義でもある。使用機体は「翠芽」。
バン
クーガ隊の隊員。コールサインは「キャスリング」。戦況解析を得意とする。アオザサとはよくギャンブルする仲。切岐(キリキ)工業プラント奪取作戦で激しい対空砲火に遭い撃墜された。使用機体は「翠芽」。
ダイバ
クーガ隊の隊員。使用機体は「翠芽」。
イシトビ
オリシナと共にクーガ隊に配属されたキルドレのパイロット。コールサインは「スカルヘッド」。坊主頭が特徴。天才パイロットであるウクモリに憧れており、常に彼を慕っている。使用機体は「清影」、後に「消宮」。
ロクロウ
オリシナと共にクーガ隊に配属されたキルドレのパイロット。眼鏡が特徴。切岐工業プラント奪取作戦で増援してきた敵機に追いかけられるところをヤマサキに助けられるが、直後に対空砲の攻撃を受け撃墜された。使用機体は「清影」。
ワタリ
切岐での戦闘後にクーガ隊に配属されたキルドレのパイロット。容姿と性格が戦死したロクロウとほぼそっくりになっている。使用機体は「清影」、後に「消宮」。
ハガミ
オリシナと共にクーガ隊に配属されたキルドレのパイロット。熱血漢のある性格。切岐工業プラント奪取作戦で激しい対空砲火に遭い撃墜された。使用機体は「清影」。
ヒロト
切岐での戦闘後にクーガ隊に配属されたキルドレのパイロット。コールサインは「ブレイクショット」。容姿と性格が戦死したハガミとほぼそっくりになっている。使用機体は「清影」、後に「消宮」。
フルムラ
ウルフラム戦後にチータ隊に配属されたキルドレのパイロット。容姿と性格が戦死したハガミやヒロトとほぼそっくりになっている。使用機体は「消宮」。
ニーヤ
淑気帽山(シキボザン)要塞攻略後にチータ隊に配属されたキルドレのパイロット。コールサインは「パスカル」。使用機体は「消宮」。
ウシオ
椰浦空中戦後に異動したカヤバの後任となる葉離友基地の司令官。モズメの部下でもある。

登場兵器(ゲーム)

ロストック機(ゲーム)

散香(サンカ)
翠芽(スイガ)
泉流(センリュウ)
清影(セイエイ)
イノセン・テイセスのみ登場。プッシュプル方式[41]の串型攻撃機。様々な武装に換装することで対空、対地、対艦攻撃とあらゆる作戦に対処できる。
逸波(イツハ)
イノセン・テイセスのみ登場。プッシャタイプの戦闘機。垂直尾翼が存在するなど散香と別系統の設計。散香以上の機動性を持つが挙動は不安定。そのためか散香に比べて生産数は少なく、一部キルドレの専用機として運用されたのみであった。
消宮(ショウグウ)
イノセン・テイセスのみ登場。空冷式エンジンを搭載した牽引式の戦闘機。軽量で機動性が高く、推進方式こそ違うものの散香と似通った設計思想の機体。
ウルフラム
イノセン・テイセスのみ登場。飛行船型空中要塞で、光投射式照準装置を搭載した主砲の火力で戦場を制圧する戦略兵器。多数の対空砲と対空機雷によって自ら敵戦闘機の迎撃が可能である。「鉄風船」とあだ名される非常に強固な装甲は戦闘機の機銃程度では損害を受けない。
トーラント
イノセン・テイセスのみ登場。三尾翼の推進式四発飛行艇。

ラウテルン機(ゲーム)

スカイリィ
フォーチュン
フィジョン
イノセン・テイセスのみ登場。双胴でプッシュプル方式の戦闘機。安定性が高く扱いやすいためラウテルン軍の主力戦闘機として多数配備される。
インシデント
イノセン・テイセスのみ登場。双発双胴で牽引式の戦闘機。最高速度と安定性を重視した設計で全ての速度域で安定した挙動を見せる。
バイス
イノセン・テイセスのみ登場。双発牽引式で、H型尾翼の戦闘機。機首に装備された5門の機銃により高火力を実現しており対地攻撃も得意としている。
チューリップ
イノセン・テイセスのみ登場。液冷単発エンジンで牽引式の戦闘機。ラウテルンでは珍しく軽量で運動性を重視した設計となっている。

キャスト

スタッフ

コミック

『スカイクロラ イノセン・テイセス(Innocent Aces)』とは、Wii用フライトシューティングゲーム「スカイクロラ イノセン・テイセス」内における、オリシナマウミがラウテルン社への転属後の生活を描く。著者は上地優歩。構成協力はあやめぐむ。話数は全12話。スカイクロラシリーズではロストック社でのストーリーが主だったのに対し、今作はラウテルン社が主体となっている。

ストーリー

契約戦闘企業であるロストック社から競合企業のラウテルン社へ転属したオリシナ。彼女はラウテルン社の嘉非流(カヒル)基地へ配属された。配属初日早々同僚のタカハシとぶつかるオリシナだったが、初任務で不慣れな双発戦闘機(機種不明)を自在に操り、8機撃墜というハイスコアを出す。任務をこなす中、当初はオリシナを認めていなかったタカハシや周りのパイロットたちもその実力を徐々に認め始め、オリシナ自身も同僚に対して心を開き始める。そんな中、偵察任務中に別の部隊から緊急の無線連絡が入るー。

登場人物

織科 真海(オリシナ マウミ)
本作の主人公で、ロストック社から競合企業であるラウテルン社に転属したパイロットの少女。一人称は「僕」。階級は「中尉」。数々の作戦を通じて空戦の楽しさに魅了され、自分が輝ける場所を空に見出すようになる。空を飛ぶこと以外には興味を示さず、その態度から部隊の人間と度々衝突する。初日の空戦で小隊のリーダーが撃墜されたため、帰還後に小隊のリーダーに抜擢される。コールサインは「カイリ(KYLIE)」。
高嘴 永侍(タカハシ エイジ)
ラウテルン社、嘉非流(カヒル)基地に所属するパイロット。強気な性格でオリシナの配属初日から彼女と衝突する。空戦においても強引な戦い方だが上手いと賞されている。階級は「中尉」。コールサインは「トゥーアップ(TWO UP)」。
雛木 真(ヒナギ シン)
ラウテルン社、嘉非流(カヒル)基地に所属するパイロット。階級は「少尉」。人一倍お人好しで律儀な性格であり、オリシナとタカハシの衝突時にはよく間を持つ。操縦や空戦の腕前に関してはお世辞にも一流とは言い難く、危なっかしい場面も見受けられる。嘉非流基地が初めての赴任地であり、当時タカハシが小隊のリーダーであったため、ヒナギのコールサインは彼が付与した。コールサインは「ポップコーン(POPCORN)」。
鶴保 縁久(ツルホ ヨリヒサ)
ラウテルン社、嘉非流(カヒル)基地に所属するパイロット。嘉非流基地ではエースパイロットに分類されるほどの腕前の持ち主である。階級は「大尉」。信心深い性格であり、戦死してパライソへ行くことに意味を見出そうとする。部屋でオウムを飼っている。オリシナがロストック社に在籍しているときに、彼女との交戦経験がある。オリシナの「ある秘密」を知っている。コールサインは「メテオラ(METEORA)」。
スノエダ
ラウテルン社、嘉非流(カヒル)基地に所属する使用人の女性。パイロットたちの身の回りの掃除や洗濯を担当する。人当たりがいい性格で、ヒナギと仲が良い。

脚注

  1. ^ “押井守監督:最新作「スカイ・クロラ」を発表 宮崎駿監督に対抗意識燃やす”. まんたんウェブ. (2007年6月20日). オリジナルの2007年6月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070626042546/http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2007/06/post_1119.html 2024年12月2日閲覧。 
  2. ^ 森博嗣. “浮遊工作室 近況報告(期間限定公開)”. 2008年11月30日閲覧。
  3. ^ 森博嗣. “MORI LOG ACADEMY 2007年6月17日付け記事”. 2008年5月27日閲覧。
  4. ^ The BBB『スカイ・クロラ』についての森博嗣氏インタビュー”. 2017年2月28日閲覧。
  5. ^ 部隊は人種ごとに編成されているようである
  6. ^ 原作では空母での着艦訓練、劇場版でもアングルドデッキを備えた米国式空母が主人公陣営の母艦として描かれたが、船の所属については言及されていない
  7. ^ 原作者はプッシャの利点ついて、ブログやエッセイで何度か言及している
  8. ^ ストールターンは本来曲芸飛行の技であり、一度で仕留めなければ逆に自分が危機に陥る行為であるが、カンナミはこれをほぼ100%成功させる技量の高さをもち、他のキルドレから見ても優秀な部類に入る
  9. ^ スカイ・クロラではマークA、マークB、マークD、ナ・バ・テアではマークA2、フラッタ・リンツ・ライフではマーク7B、映画ではMk-B、イノセン・テイセスではマーク2、マークBが登場。
  10. ^ 原作ではカウンタートルクで機体が傾く描写があるため反転式ではない。[独自研究?]
  11. ^ 散香マークB 1/2スケールモデル 商品スペック”. 秋山工房. 2015年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月24日閲覧。
  12. ^ つまり、座席が前後に並んでいる。
  13. ^ 説明はされていないが、ターボチャージャーであれば原作の設定から変更されていることになる。
  14. ^ a b The Sky Crawlers (2008)”. IMDb(Release Info). Amazon.com. 2020年6月4日閲覧。
  15. ^ a b THE SKY CRAWLERS Begins North American Theatrical Run”. SciFi Japan (2008年12月5日). 2020年6月4日閲覧。
  16. ^ a b Gage(ゲージ) (2008年12月8日). “Oshii's Sky Crawlers Already Running in Los Angeles”. アニメ・ニュース・ネットワーク. Anime News Network Inc.. 2020年6月4日閲覧。
  17. ^ a b The Sky Crawlers (2008)”. IMDb(Company Credits). Amazon.com. 2020年6月4日閲覧。
  18. ^ Ryan Ball(ライアン・ボール) (2008年9月8日). “Sky Crawlers Flies at Sony”. アニメーション・マガジン. Animation Magazine, Inc. 2020年6月4日閲覧。
  19. ^ a b The Sky Crawlers”. LUMIERE(リュミエール・データベース). 欧州オーディオビジュアル・オブザーバトリー. 2020年6月4日閲覧。
  20. ^ JAFF”. 在エストニア日本大使館. 2020年6月4日閲覧。
  21. ^ “特殊映像ラボラトリー 第15回 2009年特殊映像総決算!!”. アニメアニメビズ. (2009年12月25日). オリジナルの2011年1月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110131061659/http://www.animeanime.biz/all/2009122501/ 2024年5月2日閲覧。 
  22. ^ キネマ旬報2008年8月上旬号
  23. ^ a b 角川書店刊「月刊ニュータイプ」2008年1月号「2008年 新作を語る! 僕らの願望 僕らの野望」p.61より。
  24. ^ 『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(監督:押井 守)製作決定のお知らせ”. 株式会社プロダクション・アイジー (2007年6月20日). 2007年6月20日閲覧。
  25. ^ 劇場パンフレットの解説より
  26. ^ 「WEBアニメスタイル」スカイクロラについての西尾鉄也のインタビュー
  27. ^ 鬼才・押井守、次回作を熱く語る”. 朝日新聞社 (2007年6月20日). 2007年6月20日閲覧。
  28. ^ 「この映画は生まれ変わったつもりで作りました。この作品が成功しなかったら、今度こそ辞めます」との公開初日の舞台挨拶の監督の発言。マスコミによって監督を引退するかのように記事にされているが、発言の真意は2007年6月20日(水)東京・内幸町、ワーナー・ブラザース映画試写室においての「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」押井守監督記者会見での発言「ダメだったら辞めようと、ダメだったら元の自分に戻って、相変わらずペダントリーとうんちくと、シニカルに偏った戦争映画しか作らない監督になろうとか、意固地に考えてもいます(笑)」にある
  29. ^ ただし原作者の作品には喫煙シーンが多く登場するため、スカイ・クロラに限ったことではない
  30. ^ スカイ・クロラの喫煙シーンについて
  31. ^ 同学会は5年後の2013年に公開された宮崎駿監督のアニメ映画『風立ちぬ』に対しても、喫煙シーンに対する要望書を提出している。
  32. ^ 海外のアニメイベント「TIFF 2014」(TIFF Bell Lightbox)での押井の発言
  33. ^ 世界から応募された長編映画は2429本に及び、最終審査を通過した21本中、3本が日本の作品という快挙であった
  34. ^ ヴェネツィア国際映画祭の協賛団体フューチャー・フィルム・フェスティバルが優れたデジタル技術を使った作品に贈る賞
  35. ^ シッチェス・カタロニア国際映画祭には独立したアニメーション部門がある中での出品
  36. ^ 第32回日本アカデミー賞 優秀賞”. 日本アカデミー賞公式サイト (2009年2月20日). 2025年3月6日閲覧。
  37. ^ 日本アカデミー賞アニメ部門「崖の上のポニョ」、久石譲も音楽賞”. アニメ!アニメ!. イード. 2025年4月14日閲覧。
  38. ^ 第63回毎日映画コンクール発表 最高賞に『おくりびと』”. ORICON NEWS. oricon ME (2009年1月22日). 2025年6月26日閲覧。
  39. ^ デジタルコンテンツGPにスカイ・クロラ、マクロスF、東京オンリーピック”. アニメ!アニメ!. イード (2008年10月24日). 2025年5月31日閲覧。
  40. ^ 押井守監督の最新劇場映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』がWiiで登場 『スカイ・クロラ(仮題)』映像インタビューつき”. ファミ通.com (2008年3月21日). 2008年3月21日閲覧。
  41. ^ 機体の前後両方にプロペラを配置したタイプ

外部リンク


ナバテア王国

(ナ・バ・テア から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 02:15 UTC 版)

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ナバテア王国
المملكة النبطية
紀元前168年–106年
ナバテア王国の最大版図
首都 ペトラ
言語 ナバテア語英語版
アラビア語
宗教 アラビア神話
政府 君主制
 •  168–144 BC アレタス1世
 •  140–120 BC ラベル1世
 •  120–96 BC アレタス2世
 •  96–86 BC オボダス1世
 •  86–62 BC アレタス3世
 •  62–59 BC オボダス2世
 •  59–30 BC マリシャス1世
 •  30–9 BC オボダス3世
 •  9 BC– 40 AD アレタス4世
歴史・時代 古代
 •  創立 紀元前168年
 •  オボダス1世がハスモン朝の侵略を撃退 紀元前90年
 •  ローマ帝国による征服 106年
面積 200,000 km² (77,220 sq mi)
通貨 ナバテアの硬貨鋳造英語版
現在 ヨルダン
シリア
サウジアラビア
 エジプト
イスラエル
パレスチナ

ナバテア王国は、紀元前2世紀前半頃にペトラ(現在のヨルダン西部)を中心に栄えたナバテア人英語版の王国。元来ペトラ周辺を拠点に活動していた遊牧民であったナバテア人はキャラバン貿易によって莫大な富を形成し、ペトラに先住していたエドム人を排除して定住生活を営むようになった。紀元前168年に建国され[1]、キャラバン貿易の商隊路に沿う形で領土を広げていった。紀元前63年ハスモン朝イスラエルの内戦に介入するが、共和政ローマ介入によって最終的にローマ軍にペトラ目前まで攻め込まれ、ローマの属国となった。その後、アラビア半島西を通る交易ルートは紅海を通る海上ルートが主流になっていったためペトラの商業都市としての重要性が低下し、その衰退の勢いを止めることができないまま、106年にローマのアラビア・ペトラエア属州に組み込まれて消滅した。

交易の要衝に位置していたこともあり、ナバテア王国は周辺国家との交流が盛んであったと考えられており、当時のペトラは多数の外国人が居住する国際都市であったと考えられている。王国の収入は交易による関税収入が主であり、国民の多くは隊商活動に従事していたと考えられており、そのため王政ではあったものの商業貴族の権力が強かったとされる。国境を接するハスモン朝ローマ帝国アッシリア古代エジプトなどの周辺諸国からの文化的、宗教的影響を受けた。権力の誇示のために作られた岩窟墓であるエル・カズネを含むナバテア王国の遺跡群は世界遺産に指定されている。

起源

ナバテア人は元来北アラビアを起源とする遊牧民族であり、放牧盗賊稼業ラクダを利用した貿易などを行いながら、当時エドム人が居住していたペトラを拠点に生活していた[2]。彼らは当初アラム人に起源を持つ人々であると考えられていたがその説は否定されており、言語や宗教などの証拠からアラビア人の一部族であることが確認されている[3]。彼らが北アラビアに現れる以前のさらなる起源は知られておらず、南アラビアのイエメンやアラビア半島東海岸、ヒジャーズ地方などさまざまな出身地の仮説が立てられている。その名前の類似性から、アッシリア王アッシュールバニパルに打ち破られたNabaiti族や旧約聖書に出てくるイシュマエルの子ネバヨテ(Nebaioth)との誤った関連付けがしばしば行われる[4]

ナバテア人は文字を持っていたが自身の歴史を書き残しておらず、ナバテアへの言及は紀元前30年頃にナバテアに住んだ古代ギリシアの歴史家シケリアのディオドロスによるものが最古である。ディオドロスは彼の時代からさらに300年前の情報を収集しており、王国成立前の紀元前312年にナバテア人に対して行われたアンティゴノス1世による襲撃の記録を残している。それによれば、紀元前323年のアレクサンドロス3世の死後のディアドコイ戦争において、アンティゴノス1世レバント地方を征服してペトラの北方までその勢力を伸ばしていた。ナバテアは当時からキャラバン貿易の成功により多大な富を築いており、ナバテア人はアンティゴノス1世の略奪のターゲットとなった。しかしながらギリシア軍による3度の襲撃はいずれもギリシア側に損害を出して失敗に終わり、その後アンティゴノスは他の重要案件に対応するためにアラブ地方から手を引いたとされる[4]。このディアドコイ戦争における対立に乗じ、ナバテア人はエドム人の領域を超えて自身の支配圏を広げていった[5]

紀元前4世紀前後には1万人弱だったナバテア人の人口は紀元前2世紀頃になると20万人近くに膨れ上がり、深刻な人口増加問題を抱えるようになる。この頃のナバテア人はを連れて遊牧していたことからナバテア人はアラブ史上初の馬を導入した民族であるとされ、ナバテア人は騎馬部隊によって商隊の護衛を行うことで交易の安全を確保していた[2]。もはや遊牧生活では立ち行きが難しくなったナバテア人はその頃から定住生活に移行を始め、エドム人の住むペトラに腰を落ち着けるようになり、紀元前168年にナバテア王国が誕生した。初代の王はアレタス1世[1]

歴史

古代中東の交易路。ペトラはキャラバン隊が運んできた香辛料がガザの港からヨーロッパへ運ばれるまでの最後の逗留地であった。

もともと馬を使った貿易を行っていたナバテア人の定住により、シルクロードの通商上の要所でもあったペトラは、隊商都市として繁栄を極めた。優れた灌漑・貯水機能を有し、砂漠の都市にもかかわらず水に不自由することは無かったという。交易により巨万の富を築いたナバテア王国はペトラからエドム人を排除して領域の支配を固め、一方で超大国であったローマ帝国とは対立を避けることで国を安定させた[6]。初代王のアレタス1世の時代には既に貨幣の鋳造が始まっており、広範囲な経済的、政治的自由を謳歌していた[4]

建国当初から近隣のハスモン朝とは友好関係にあり、セレウコス朝との対立においては同盟を結んでいたが、時代が下るにつれて敵対していった。ヨーロッパに向かうキャラバン貿易の交易路の終着点がガザの港であったため、ガザではナバテア人が強い影響力を持っていたが、プトレマイオス朝と抗争していたハスモン朝の王アレクサンドロス・ヤンナイオスは、紀元前100年頃にガザがイスラエルよりもエジプトに協力的であったとの理由でガザを包囲した。ガザはヤンナイオスに対して降伏し、ヤンナイオスはさらに領土拡大のための軍事作戦を開始してダマスカスへの道沿いにモアブ北部やギレアド、そしてナバテア王国領のトランスヨルダン北部を占領していった[4]。このヤンナイオスの拡張政策はナバテアの交易関係者を脅かしたため[7]、地域秩序の回復のため当時の国王オボダス1世はハスモン朝との戦争に踏み切り、紀元前93年頃のガダラの戦い英語版でヤンナイオスを破った。その後、ナバテア王国の影響力が増加していくことを良く思わなかったセレウコス朝はナバテア王国を攻撃したが[8]、ナバテア王国はカナの戦い英語版でセレウコス朝のアンティオコス12世を討ち取り勝利を収めた。この勝利によってオボダス1世はナバテア国民に神として崇められるようになり、ネゲヴ砂漠に彼を記念するためのアヴダト神殿が建てられた[4]

紀元前1世紀頃よりその隊商路に沿う形で領土を拡張していき、紀元前84年から紀元前62年にかけてのアレタス3世の時代にはダマスカスシナイ半島までも領土に加えてナバテア王国の最大版図を築いた[9]紀元前65年、アレタス3世はハスモン朝のヨハネ・ヒルカノス2世の要請によりユダヤの内乱に介入し、兵を送ってエルサレムを包囲した[10]。しかしながら、その翌年にグナエウス・ポンペイウス率いるローマ軍がユダヤの内戦に介入すると、ポンペイウスはナバテア軍を恫喝してイスラエルから手を引かせた。紀元前63年、ポンペイウスはヒルカノス2世を支援してエルサレムを占領し(エルサレム攻囲戦)、ヒルカノス2世をイスラエルの王位につけた後ローマへと帰還したが、ポンペイウス配下のマルクス・アエミリウス・スカウルス英語版はオリエント地方に留まってナバテア王国を侵攻した。ペトラの目前に迫ったローマ軍を前にアレタス3世は300タレントの銀を支払って和睦し、ナバテア王国はローマの属国となった[11]

紀元前9年から紀元後39年にかけてのアレタス4世の時代にはその領土をダマスカスからヒジャーズ地方までの砂漠周辺部とネゲブ地方まで広げ、メソポタミア、南アラビアから地中海にいたるほぼ全ての隊商路を掌握した。アレタス4世の娘はヘロデ朝の君主であったヘロデ・アンティパスに嫁いでいたが、ヘロデが娘と離縁してヘロデヤと婚姻したことからユダヤに侵攻してヘロデ軍を打ち破っており、この事件はイエスの洗礼を行った洗礼者ヨハネの死の原因ともなっている[10][12]。また、新約聖書コリントの信徒への手紙二にはアレタス4世がダマスカスにおいてパウロを捕縛しようと試みたことが記されており、ローマの市民権を有するパウロをローマの属国であったナバテア王国が捕縛しようとしたことから、ユダヤ人がナバテア王国において影響力を有していたと考えられている[13]。また、アレタス4世の名を記した碑文には「人民の友 (Philopatris)」と記されており、これはローマとの友好を示す「ローマの友」「皇帝の友」と対を成す言葉であることから、この時代のナバテア王国はローマとの関係が良好でなかったと考えられている[13]

西暦1世紀ごろになるとアラビア半島西域を通る交易ルートは紅海を利用した海上貿易が主流となり、一方で陸上交易路としてはペルシャ湾からシリア砂漠を越えて地中海地域へと抜ける交易ルートが活性化した[14]。そのため、パルティアハトラやシリアのパルミラなどのペルシャ湾ルート上の都市が商業都市として台頭し、相対的にナバテア王国の商業都市としての重要性が低下していった。またアラビア半島における他のアラブ部族との競争も激化していったことから、ナバテア王国の国力は次第に衰えて行った[9]。さらに、ローマ帝国はナバテア人の勢力を抑えるため、ナバテア王国に隣接するシリア属州においてデカポリスを編成している[15]。その後ナバテア王国は首都をペトラからボスラへと遷都したが衰退の勢いは止まらなかった[14]

106年にナバテア王国の王ラベル2世が死去すると、ローマ帝国はナバテア王国の主要都市であったペトラおよびボスラを征服してアラビア・ペトラエア属州へと併合した[16]。ナバテア王国の滅亡後もナバテア人の根拠地であったペトラはアラビア・ペトラエアの一都市(州都であったとする説もある[17][18])として勢力を保っていたが[9]363年に発生した大地震の影響からペトラは隊商路として機能しなくなり、陸上交易の要所としての地位をパルミラに明け渡す形で次第に表舞台から姿を消す事になる。一方で、アラビア・ペトラエア併合の直前にナバテア王国の首都となったボスラはその後、アラビア・ペトラエアの州都として繁栄した[14]。その後1812年スイス人ヨハン・ルートヴィヒ・ブルクハルトによりペトラ遺跡として紹介され、1958年からイギリスアメリカの合同調査隊がペトラ遺跡の発掘調査を実施し、ローマ時代以前のペトラについて明らかにされることとなった。

王の一覧

在位年 名前 備考
ナバテア王[10][19]
紀元前169年 アレタス1世英語版
紀元前120年/110年 - 紀元前96年 アレタス2世英語版 いくつかの情報源ではラベル1世の後継者であるとされる
紀元前96年 - 紀元前85年 オボダス1世英語版
紀元前85年/84年 ラベル1世 いくつかの情報源ではアレタス1世の後継者であるとされる
紀元前84年 - 紀元前60年/59年 アレタス3世英語版 紀元前62年にローマより王として認証される(紀元前63年よりローマの属国となったため)
紀元前62年/61年 - 紀元前60年/59年 オボダス2世 (?) 近年まで存在が不確かだった。統治期間は恐らく数ヶ月程度であったとされる
紀元前59年 - 紀元前30年 マリクス1世 ローマおよびヘロデ大王の属国
紀元前30 - 紀元前9年 オボダス3世 ローマの属国。以前はオボダス2世とされていた。
紀元前9年/8年 - 西暦39年/40年 アレタス4世英語版
フルドゥ, 王妃 西暦16年まで貨幣に肖像がみられるが、その数年後アレタス4世発行の貨幣には2番目の妃シャキラト1世の肖像があらわれるようになる
西暦39年/40年 - 西暦69年/70年 マリクス2世英語版
シャキラト2世英語版, 王妃
西暦70年/71年 - 西暦106年 ラベル2世英語版
ガミラト, 王妃
西暦106年 ローマ皇帝トラヤヌスによってアラビア属州に併合された

言語と文字

ナバテア文字の碑文(1世紀頃)。(右から「職人 šwdw 」とある)

ナバテア人の言語についてであるが、マカバイ記1および2、フラウィウス・ヨセフスの『ユダヤ古代誌』ではナバテア王国を「アラビアの王」と呼んでおり、発掘されたナバテア文字碑文の人名研究からアラビア語の特徴が顕著であるため、アラビア語の一派であったろうと考えられている(タバリーなどのアッバース朝時代以降のイスラーム圏の歴史家たちもナバテア人をアラブ人の一派であると認識していた)。彼らは帝国アラム文字の後身のひとつであるナバテア文字を使用していた。紀元前3世紀頃から紀元後5世紀頃まで、シリア北部からアラビア半島南部のイエメンまでの広い地域に多数のナバテア文字碑文群が確認されているが、これらはナバテア人の活動範囲の広がりに重なるものと考えられ、碑文群は殆どの場合、アラム語によって書かれている。

紀元前後からアラビア半島からメソポタミア、シリア全域にアラブ系の諸部族が交易や定住などで多数進出していたことが知られている。これらのアラブ系の諸勢力はもともと完全に独自の文字をもたなかったが、話し言葉は当然ながらアラビア語系であったものの、多くの場合、書き言葉としてアラム文字とアラム語を借用していたようである。ナバテア人もまた同じくアラム文字を独自の書体に変化させたナバテア文字を用い、アラム語で碑文などを書いていた。今日のアラビア文字の元となったのは、4世紀から5世紀頃にアラビア半島西岸のヒジャーズ地方を中心に用いられていたナバテア文字の一種から派生したと考えられる。特に5世紀以降からナバテア文字や最初期のアラビア文字によってアラム語ではなくアラビア語で書かれた碑文が見られるようになる。1952年にサウジアラビアのタブーク州で、イギリスのジョン・フィルビーがサムード語、ナバテア語の新碑文2500個を集めている。

その他ペトラ周辺では南アラビア文字と呼ばれる文字が多数発見されているが、どのような経緯でナバテア人に伝わったのかははっきりしていない。

政治

ナバテア王国は王制であったが商業貴族が大きな権力を持っており、どちらかというと民主政治に近かった。首都であるペトラ以外の各都市には王の代官が在住し、政を行った。また、ペトラには裁判所らしきものもあったようであり、かなり高度な統治を行っていた事がうかがえる。ナバテアは交易によって繁栄した商業国家であったため周囲の国家との交流が盛んであり、首都のペトラには多くの外国人がいたと考えられている[2]

また、騎馬隊を保有しており、隊商路の防衛などにあたらせていた。

産業

香料を中心とした貿易と、交易による関税収入が主収入となっており、ナバテア人の大部分は隊商活動に従事していた。ナバテア人は元来遊牧民族であったが定住化に伴い農業を行うようになり[1]ブドウイチジクなどの果樹栽培家畜の飼育なども行っていた。また、生産したブドウを利用してワインの生産も行っていた[2]

宗教と文化

ナバテア王国の代表的な建築物であるエル・カズネ

ナバテア王国の領域がエドム人の居住地であったためナバテア人はエドム人からの文化的影響を強く受けており[1]エドム人から教わった陶芸の技術を元に土器を作成するなどしていた事が明らかになっている[15]。また、シリア南部やシナイ半島を勢力下に置いていたことからローマ帝国ハスモン朝と地理的に接しており、それらの国々の文化の影響も強く受けている[9]。例えば初期のナバテア王国は彫刻などの造形技術を有していなかったが、ローマ文化の影響を受けた紀元前1世紀以降には神像などの彫刻が多数作られるようになっている[20]。建築技術においてもアッシリアヘレニズム文化などの影響を受けており、その美しさからペトラなどのナバテア王国時代の遺跡は現代でも観光名所となっている[21][22]。ナバテア王国では権力の誇示のために壮大な岩窟墓を作成しており、その代表的なものにインディ・ジョーンズ/最後の聖戦に登場することでも有名なエル・カズネがある[23][24]。そのような岩窟墓を含むナバテア王国の遺跡群はユネスコによって世界遺産に指定されている(ヨルダンのペトラおよびサウジアラビアマダイン・サーレハ、シリアのボスラ[25][26]

ナバテア人は宗教基盤として古代アラブ人の宗教観を持っており、主神としてオアシスの豊穣を司るドゥサレス(ナバテア語で「ドゥシャラ」)を信仰していた。ドゥシャラは「シャラ山の御方」という意味のナバテア語に由来し、山を神聖な物とする山岳信仰の系譜であると考えられている[25]。また、ドゥシャラの神殿には崇拝の対象としてステラと呼ばれる石の柱が置かれており、石柱崇拝としての側面も有していた[27]。その他、アッラートやマナート等のアラブで伝統的に信仰されていた神々や、クトゥバーという名のナバテア独自の神などが信仰されていた。紀元前1世紀頃になると、これらの神々はローマ文化に影響されてギリシャ神話の神々と習合されていった[28]。また、世界交易の中継地であったことからエジプトなどとも交流があり[29]、ペトラのエル・カズネにはエジプトのイシス神を象った彫刻も見られる[22]ストラボンの『地理誌』には、ナバテア人が宗教儀式として香木を焚いて太陽を祀っていたことが記されており、神殿の遺跡からも香を焚く台が発見されていることから、ナバテア王国の宗教儀式において香木が重要な役割を持っていたと考えられている[30]

砂漠の遊牧民には飲酒の習慣はなかったが、都市に定住するようになったナバテア人はワインを生産して頻繁に酒宴を行っていた。ナバテア王国における酒宴は宗教的な儀式と結び付けられ、13人1組で会食を行い酒は11杯以上飲んではならないなどの作法が定められていた。ペトラなどの遺跡ではこのような宴会用の施設が発見されている[2][31]

関連項目

出典

  1. ^ a b c d 徳永 (2012) 131頁。
  2. ^ a b c d e 小川英雄. “第1回 松戸オリエント協会セミナー 「オリエント文明と砂漠」”. 松戸オリエント協会. 2014年5月11日閲覧。
  3. ^ Maalouf, Tony (2003). Arabs in the Shadow of Israel: The Unfolding of God's Prophetic Plan for Ishmael's Line. Kregel Academic. https://books.google.jo/books?id=A0BdsFRX55cC 2016年7月8日閲覧。 
  4. ^ a b c d e Jane, Taylor (2001). Petra and the Lost Kingdom of the Nabataeans. London, United Kingdom: I.B.Tauris. pp. 14, 17, 30, 31. https://books.google.com/books?id=FcAoBq4_EnEC 2016年7月8日閲覧。 
  5. ^ Salibi, Kamal (1998). The Modern History of Jordan. I.B.Tauris. p. 10. ISBN 978-1-86064-331-6. https://books.google.com/books?id=7zdi2sCuIh8C&pg=PA10 2016年7月11日閲覧。 
  6. ^ 石関順子『遥かなる中東の風: 何者でもなく、いずこにもなく』文芸社、2006年、65-66頁。 ISBN 9784286015644
  7. ^ Josephus, Flavius (1981). The Jewish War. 1:87. Trans. G. A. Williamson 1959. Harmondsworth, Middlesex, England: Penguin. p. 40. ISBN 978-0-14-044420-9 
  8. ^ Ball, Warwick (10 June 2016). Rome in the East: The Transformation of an Empire. Routledge. p. 65. https://books.google.com/books?id=hblTDAAAQBAJ&pg=PA65 2016年7月10日閲覧。 
  9. ^ a b c d 徳永 (2012) 132頁。
  10. ^ a b c The Nabatean Kings”. Jewish Virtual Library. 2014年5月10日閲覧。
  11. ^ フラウィウス・ヨセフス. “THE WARS OF THE JEWS”. 第1巻 6章1節-8章1節. プロジェクト・グーテンベルク. 2014年5月11日閲覧。
  12. ^ 堀江洋文 (2010). “歴史的シリアをゆく : シリア・ヨルダン総合研究紀行”. 専修大学人文科学研究所月報 245: p. 106. http://ir.acc.senshu-u.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=4062&item_no=1&page_id=13&block_id=52. 
  13. ^ a b ARETAS IV”. Jewish Encyclopedia. 2014年5月11日閲覧。
  14. ^ a b c 蔀 (2002) 120-121頁。
  15. ^ a b ペトラ 歴史と文化”. ヨルダン政府観光局. 2014年5月10日閲覧。
  16. ^ 江添 (2010) 60頁。
  17. ^ 江添 (2010) 65頁。
  18. ^ ペトラ【Petra】”. コトバンク(世界大百科事典 第2版). 2014年5月11日閲覧。
  19. ^ Ross, Martha, Rulers and Governments of the World - Vol1, Earliest Times to 1491, Bowker Publishing Company Ltd, London & New York, 1978
  20. ^ 徳永 (2012) 134頁。
  21. ^ 徳永 (2012) 131、133頁。
  22. ^ a b 世界遺産ライブラリー ペトラ”. NHK世界遺産ライブラリー. 2014年5月10日閲覧。
  23. ^ 徳永 (2012) 140-141頁。
  24. ^ ヨルダン探訪 歴史と文化”. ヨルダン政府観光局. 2014年5月10日閲覧。
  25. ^ a b 徳永 (2012) 133頁。
  26. ^ イスラムの一族 千年の祈り ボスラ”. NHK世界遺産 世界遺産への招待状. 2014年5月11日閲覧。
  27. ^ 徳永 (2012) 134-135頁。
  28. ^ 徳永 (2012) 133-134頁。
  29. ^ 徳永 (2012) 142頁。
  30. ^ 徳永 (2012) 139頁。
  31. ^ 徳永 (2012) 139-140頁。

参考文献

外部リンク


ナ・バ・テア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 14:38 UTC 版)

スカイ・クロラシリーズ」の記事における「ナ・バ・テア」の解説

草薙 水素(クサナギ・スイト) キルドレである女性パイロット自分『僕』と呼ぶ。口調『スカイ・クロラ』比べるとやや激しい。コールサインブーメラン地上では笑うことは無く、空を自由に飛ぶことに執着している。 感情乏しいが、他のパイロット同様にティーチャ尊敬敬愛しており、彼と同じ部隊配属されたことを純粋に喜んだ搭乗機整備担当している笹倉親しい。 ティーチャ キルドレではない『大人』の男性パイロット本名明かされておらず、常にコールサイン呼ばれている。本来のコールサイン本人の弁によればチータ』だったという。会社において永らくエースとして名を馳せるほどの優れた空戦技術を持つが、既に旧式化したトラクタ機に執着がある。草薙ある種敬意気づいているが、人付き合い好まない傾向がある。 機体カウリングに施す反射防止黒塗りを、黒猫もしくはコールサイン通りチータ』)の顔に見えるよう加工している。 ティーチャの名の由来は、コールサインの『チータCHEETAH』のCとTを入替えて『ティーチャ:THEECAH』となったとされる笹倉ササクラ) 腕の良い整備士草薙乗機担当し、後にティーチャ担当にも抜擢される。草薙とは以前所属していた基地以来知り合いで、同時に転属してきた。 比嘉澤 無位(ヒカザワ ムイ女性パイロット作戦後欠員補充するため、栗田と共に草薙のいる基地配属になったコールサインは『クリスマス』。ティーチャに強い敬愛の念をみせていたため、草薙は軽い懸念覚える。パイロットに珍しく非喫煙者甲斐カイ会社の上司。女性本部人間だが明確な所属不明女性でありキルドレでもある草薙エースとして頭角現した事について、指揮官地位用意すると話すなど、理解を示す一方で草薙を『兵器』と呼んだ薬田(クスリダ) 草薙所属する基地パイロットキルドレであるかは不明。他のパイロット等と同様に草薙関心をみせる面がある合田ゴウダクサナギ所属する基地司令官辻間(ツジマ) パイロット草薙同僚キルドレであるかは不明比嘉澤栗田が来る前の戦闘戦死した草薙インテリ風と感じていた。 栗田クリタ辻間戦死後比嘉澤と共に赴任してきた。名前のみの登場下の名不明『スカイ・クロラ』名前のみ登場する『クリタ・ジンロウ』と同一人物かは明記されていない相良サガラ草薙訪れた病院医者。『クレィドゥ・ザ・スカイ』に登場する『サガラ・アオイ』の親戚かは不明草薙キルドレであることを知っている

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