ゴールデンバウム朝の軍人
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「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の記事における「ゴールデンバウム朝の軍人」の解説
エーレンベルク (Ehrenberg) 声 - 佐藤正治(旧) / 中庸助 → 飯塚昭三(D) 元帥。フリードリヒ4世治下の軍務尚書。門閥貴族出身。 武官筆頭だが、軍人と言うより老軍官僚と言った印象が強い人物で旧式の片眼鏡(モノクル)を付けた老人(年齢は80前後)。門閥貴族出身ではあるが公人としての自身の立場はよく弁えていると同時に毅然としており、外伝では大貴族であるブラウンシュヴァイク公に、本伝では自身の拘束に来たビッテンフェルトに、堂々と接する。その職務上、あからさまな不当行為こそしないが、その公職に適う範囲で老練に物事に対処しようとし、ブラウンシュヴァイク公に要求されたミッターマイヤーの処罰も、表向きは公務死とする策謀を企てる。また、体よくミュッケンベルガーに面倒事を押しつけ、彼からあのくたばり損ないと不満をもたれる。本伝での登場は少なく、イゼルローン要塞の陥落を受けて辞表を提出するもラインハルトのとりなしで留任したのち、リップシュタット戦役前夜、ブラウンシュヴァイク公のオーディン脱出を受けたラインハルトの指示によって拘束される。 シュタインホフ (Steinhof) 声 - 勝田久(旧) / 大友龍三郎(D) 元帥。フリードリヒ4世治下の統帥本部総長。 登場は少なく、ほとんど他の三長官との会話シーンのみである。他の者達と同じく、急進するラインハルトには反感を抱く。イゼルローン要塞の陥落を受けて辞表を提出する。ラインハルトのとりなしで留任するが、リップシュタット戦役開戦前夜に拘束される。 グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー (Gregor von Mückenberger) 声 - 柴田秀勝(旧) / 沢木郁也(D) 元帥。フリードリヒ4世治下の宇宙艦隊司令長官。伯爵家の次男。乗艦はヴィルヘルミナ。 士官学校を首席で卒業し、その後長い軍歴を誇る人物。歳は50代半ばで半白の眉と半白の頬ひげに堂々たる体躯を持ち、威厳が軍服を纏ったような風格で「皇帝よりも皇帝らしい」と評される。父は第2次ティアマト会戦で戦死した中将ウィルヘルムという武門の名家出身でもあり、帝国の高級軍人として完璧に近い履歴書を持つとまで評される。軍人としての能力はメルカッツの方が宇宙艦隊司令長官にふさわしいという意見もあったというが、客観的には無能ではないと評され、外伝の期間では少なくともミュッケンベルガーが現職にある間は帝国の勢力圏は安定していたと説明される。主としての登場は外伝であり、良くも悪くも武門の名門出身の高級軍人として、門閥貴族の横暴な横槍と共に、姉の七光りで出世していたとみなしていたラインハルトを嫌っていた。しかし、外伝の時系列上の最後のエピソードである第4次ティアマト会戦ではラインハルトに命を救われたと率直に評価して、なおも復讐を狙うフレーゲルを掣肘し、帝国要人としては珍しい、ラインハルトを認める発言を行う。 時系列上の初登場は外伝『千億の星、千億の光』のヴァンフリート星域の会戦で、前年に宇宙艦隊司令長官に就任したとある。この時、初めてラインハルトと出会い、姉の七光りで出世しているという評判から彼をよく思っていなかった(一方で歯牙にもかけない存在であるがゆえに積極的に害そうという発想もない)。もっともこの頃は、ラインハルトよりも、その上官のグリンメルスハウゼンの扱いに頭を悩ます。続く第6次イゼルローン攻防戦では彼からの作戦具申を軽んじつつもその戦理を認め採用する。その後、外伝『星を砕く者』では第3次ティアマト会戦の総司令官として登場し、この頃はラインハルトの能力を部分的に認めるようになっており、そのために彼に戦功を立てさせないために後方待機を命じるなどの態度をとるようになる(結果的には兵力温存という形になり、さらに同盟のホーランド艦隊による帝国軍の混乱状態をラインハルトに救われる形になる)。惑星レグニツァ上空戦に際してはラインハルトとフレーゲルの感情的対立を制してラインハルトを出撃させ、第4次ティアマト会戦では、フレーゲルらの掣肘を受けてラインハルトを捨て駒として扱うが、逆手に取られて煮え湯を飲まされる。しかし、ラインハルトの策に結果として救われることとなり、不本意ながらラインハルトの正しさや力量を正しく評価する。 本編での登場はアスターテ会戦後のラインハルトに対する元帥杖の授与式と、第7次イゼルローン攻防戦直後の2回だけである。皇帝崩御の際にラインハルトが司令長官となったとあるだけで、ミュッケンベルガーがいつ、どのような理由で職を辞したかは記されておらず、リップシュタット戦役との関わりも不明である。元帥杖授与式においては反ラインハルト派で知られたオフレッサーとの会話の中で、上記のようにラインハルトを認める旨を発言を行う。 OVA版ではもともと劇場版『わが征くは星の大海』の製作にあたって、原作上では不明確な部分を補うという観点からミュッケンベルガーをラインハルトの対立者としてクローズアップするための肉付けをしたという。この人物描写を維持する形で、以降の本伝中でも描写される形となって登場頻度が増し、特にその去就は、宇宙艦隊司令長官職をラインハルトに譲り勇退するという好人物となっている。また、来たる内戦に備え、自軍に勧誘するブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯に、ラインハルトを甘く見ないように警告している。以後は登場はせず、旗艦をフレーゲルに譲ったということ以外、リップシュタット戦役への関与も見られない。 藤崎版では気骨のある軍人として一貫して描写されており、特に貴族たちの争いが軍事行動に絡むことを嫌う。また、自分を超える司令官が現れるまで退役しないと公言する。原作通り第6次イゼルローン攻防戦の活躍でラインハルトを認めるようになり、彼に今後は貴族間の政治劇に巻き込まれることを警告する。続く第3次ティアマト会戦は、原作通り後方待機を命じるものの、その理由はわざと味方を害そうとする者(ノルデン)がいる艦隊を主力に組み込めば軍全体の害になるというもので、一切の反論の余地無くラインハルトに軍令を飲ませる。原作通りの傍目には理不尽な命令も、すべてはラインハルトの実力を試すものとなっており、第4次ティアマト会戦において自分を超える者と認め、彼がローエングラム家を継ぐと同時に原作よりも早く自ら退役する。 ノイエ版はOVA版と同様に、職を辞する時にラインハルトと対面して勇退する形となっており、また、リップシュタット戦役の直前には味方に引き入れようとするオフレッサーの要請を拒否し、忠告する。 クラーゼン (Klasen) 元帥。フリードリヒ4世治下の幕僚総監。 三長官職と同じ元帥号だが、幕僚総監の説明はなく、ほぼ名前だけの登場。OVA版でも顔が何回か出るだけで、台詞もなく字幕も出ない(白髭をたくわえた人物)。なお、武官としての席次はミュッケンベルガーより高い。 ゲームにおいては、セガサターン・プレイステーション版で三長官との会話シーンに参加し、リップシュタット戦役時にエーレンベルク、シュタインホフと共に拘束され引退している。パソコン版ゲームでは、元帥であることから、三長官職に就けることもできる。 オフレッサー (Ovlesser) 上級大将で装甲擲弾兵総監。 →#貴族連合軍の軍人 ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ 大将(後に上級大将)。艦隊司令官。リップシュタット戦役で貴族連合軍の実戦総司令官を務め、後に同盟に亡命。ヤン艦隊の客将。 詳細は「ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ」を参照 トーマ・フォン・シュトックハウゼン (Thoma von Stockhausen) 声 - 永井一郎(旧) / 津田英三(D) イゼルローン要塞司令官。大将。50歳。 長身で痩身の軍人。伝統的に、要塞と駐留艦隊は不仲だが同盟軍の攻撃を受けた際は互いに競い合うかたちで防衛を果たしてきた。とされており、例にもれず駐留艦隊司令官のゼークトと仲が悪い。しかし、第7次イゼルローン攻防戦において、ヤンの囮を使った策に騙され、シェーンコップ率いるローゼンリッター連隊を要塞内に引き入れてしまい、そのまま彼らに拘束され、要塞を奪取されてしまう。その後は不明。 外伝『星を砕く者』にも名前が登場しており、要塞に立ち寄ったミュッケンベルガーからゼークトとの不仲を心配されている。 ノイエ版では帝国兵に偽装したシェーンコップを部下のレムラーが疑い司令官室前で入室許可を巡って攻防するシーンが追加されたが、最終的にシュトックハウゼンがレムラーに早く入室させるように命令し、シェーンコップが勝つ展開となっている。 ハンス・ディートリヒ・フォン・ゼークト (Hans Dietrich von Seeckt) 声 - 飯塚昭三(旧) / 北沢洋(D) イゼルローン要塞駐留艦隊司令官。大将。オーベルシュタインの上官。50歳。乗艦はグルヴェイグ(OVA版)、ヴァナヘイム(ノイエ版)。 長身で筋骨たくましい軍人。伝統的に、要塞と駐留艦隊は不仲とされ、例にもれず要塞司令官のシュトックハウゼンと仲が悪い。また、典型的な軍事ロマンチシズムの持ち主で、客観的な戦略や戦術よりも威厳と体面を重んじる性格。このため、第7次イゼルローン攻防戦において、シュトックハウゼンの慎重策や、普段から嫌っている幕僚のオーベルシュタインの進言を拒絶し、ヤンの策略に嵌って要塞から誘い出される。その間にヤンに要塞を占領され、戦力の差は明らかにも関わらず、今度はこれを奪還しようと行動を起こす。無駄な血を流したくないヤンから撤退するよう勧告されるが、これを侮辱と受け取って「全艦突入して玉砕し、以て皇帝陛下の恩顧に報いるあるのみ」と返信し、駐留艦隊全艦に要塞への突入を命じる。しかし部下を強制的に道連れにしてまで自身の軍事ロマンチシズムを展開するその行為がヤンの怒りを買うこととなり、座乗する旗艦諸共”雷神のハンマー”の直撃を受け"消滅"した。 外伝『星を砕く者』にも名前が登場しており、要塞に立ち寄ったミュッケンベルガーからシュトックハウゼンとの不仲を心配されている。 アントン・ヒルマー・フォン・シャフト (Anton Hilmer von Schaft) 声 - 有本欽隆(旧) 技術大将。科学技術総監。56歳。 工学と哲学の博士位を有し、指向性ゼッフル粒子の開発責任者として有名な人物。しかし、それ以外に特に功績がなく、技術力より政治力に長け、それによって6年に渡り科学技術総監の役にあった。さらにフェザーンと繋がり、密かに軍事機密を漏洩して金銭を受け取っていた。 ラインハルトが帝国の実権を握り、綱紀粛正される中、フェザーンの思惑もあって焦りから、ガイエスブルク要塞を移動してのイゼルローン攻略を進言する(第8次イゼルローン攻防戦)。戦後、ラインハルト、フェザーン双方から用済みとみなされ、フェザーン側から流された汚職や横領の証拠によってケスラーに逮捕され失脚した。 シュターデン (Staaden) 元士官学校教官。アスターテ星域の会戦はラインハルトの幕僚で中将、リップシュタット戦役は貴族連合軍の大将。 →#貴族連合軍の軍人 フォーゲル (Fogel) 声 - 松尾貴司(新) / 藤原貴弘(D) 艦隊司令官。中将。アスターテ会戦におけるラインハルトの幕僚。 物語冒頭のアスターテ会戦においてメルカッツやシュターデンと共に登場した高級軍人の一人。実際の戦いにおける描写は一切なく、人物像や力量は不明である。アスターテ会戦後も登場することはなく、エルラッハと異なり、戦死したかも不明である。 劇場版第2作では、ロイエンタールからエルラッハと共に人数合わせの足手まといと評されている。 アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト 少将(後に中将)。艦隊司令官。リップシュタット戦役で貴族連合軍の指揮官となり、敗戦後はラインハルトに仕える。 詳細は「アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト」を参照 エルラッハ (Elrach) 声 - 佐藤正治(旧) / 屋良有作(新) / 楠見尚己(D) 艦隊司令官。少将。アスターテ会戦におけるラインハルト麾下の指揮官。 物語冒頭のアスターテ会戦においてメルカッツやシュターデンと共に登場した高級軍人の一人。ヤンが指揮権を握った第4艦隊との戦いにおいて後背を取られ、ラインハルトの命令を無視して敵前回頭を行ったために、同盟軍の砲撃をまともに受けて撃沈され戦死する。 シュムーデ (Schmude) カストロプ動乱における討伐軍の司令官。階級は不明。 私兵を集めて公然と帝室に敵対し始めたカストロプ公領に最初に派遣された討伐軍の指揮官。非正規軍ということもあって軽視していたこともあり、惑星に強引に着陸したところを奇襲され戦死する。 OVA版では設定変更に伴い、アルテミスの首飾りと同じ防宙システムによって艦隊が全滅し、戦死したことになっている。 道原版ではマクシミリアンと通信を交わすシーンがあり、反射ビーム衛星兵器によって全滅させられる。 レムラー (Lemmler) 声 - 秋元羊介(旧) / 松田健一郎(D) イゼルローン要塞司令室警備主任。中佐(ノイエ版では少佐)。 第7次イゼルローン攻防戦において要塞内に潜入したシェーンコップに要塞司令官のシュトックハウゼンを人質に取られる。その際、司令官は死よりも不名誉を恐れると発言してシェーンコップに諦めを促すも、当のシュトックハウゼンが死を恐れて逆に降伏を命令してきたため、諦めて捕虜となる。OVA版ではその後にシェーンコップらの不意をついて要塞のコンピューターをロックしたため少し時間を稼ぐことに成功した。 ノイエ版では登場が増えており、司令室前でシェーンコップを怪しんで心理戦を繰り広げる。しかし、焦ったシュトックハウゼンに促されて正体を暴くに至らず、司令室に入室させてしまう。その後はシュトックハウゼンを人質にとるべくシェーンコップが駆け出した所をその正体に感づき、前に立ちはだかってブラスターを発砲するが避けられ、逆にシェーンコップによって左腕に万年筆を突き刺されて怯み、その隙にシュトックハウゼンを人質に取られてしまった。 ゲッツ (Goetz) 声 - 平野正人(我) イゼルローン要塞艦隊の士官。『わが征くは星の大海』のオリジナル人物。 イゼルローン要塞のクラブでラインハルトを中傷していた所、ルイとウィンと殴り合いの喧嘩に発展。キルヒアイスが喧嘩に仲裁される。
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