ヴァンフリート星域の会戦
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「銀河英雄伝説の戦役」の記事における「ヴァンフリート星域の会戦」の解説
宇宙暦794年/帝国暦485年3月21日~。ラインハルトがグリンメルスハウゼン艦隊所属の准将、キルヒアイスが大尉として参加。 宇宙暦794年/帝国暦485年3月21日0240分、ヴァンフリート星域にて対峙していた帝国軍艦隊と同盟軍艦隊のうち、帝国軍右翼部隊と同盟軍左翼部隊が衝突し、戦闘が開始された。ラインハルトの所属するグリンメルスハウゼン艦隊は帝国軍左翼に展開しており、ラインハルトは左翼部隊に敵の側面を攻撃させることを考えるも、老耄の人であるグリンメルスハウゼンは一向に動こうとせず、ラインハルトはただ戦況を傍観するしかなかった。 やがて艦隊戦は個々の分艦隊がバラバラに行動して相手の後背を狙って渦を巻くように移動したために敵味方が入り乱れて膠着し、結局両軍とも大した戦果を挙げられなかった。この艦隊運動をラインハルトは酷評しているが、数百隻単位の小艦隊指揮官でしかない彼には相変わらずどうすることもできなかった。 その後は膠着状態に陥った最中、ミュッケンベルガーはグリンメルスハウゼン艦隊に後方基地建設の任を与えた。その実は戦力として期待できない老害のグリンメルスハウゼン艦隊を戦略的には無用と思われた地域へ遠ざける厄介払いであった。なおミュッケンベルガーは、このころはまだ皇帝の寵姫の弟である成り上がり者ラインハルトを気にかけていなかった。衛星ヴァンフリート4=2に向かい、設営を開始しようとする同艦隊だったが、ヴァンフリート4=2には既に同盟軍が駐屯しており戦闘に至った。 帝国軍の攻撃を受けた同盟軍基地司令セレブレッゼ中将は艦隊に救援要請を発し、最も近くにいた同盟軍第5艦隊が真っ先に救援に駆けつけた。これに呼応してミュッケンベルガー率いる帝国軍本隊もヴァンフリート4=2に急行、衛星上空にて艦隊戦が展開された。艦艇数では帝国軍が上であったが航行可能空間の狭いヴァンフリート4=2宙域では数の利を生かせず、第5艦隊は単独でも互角に戦ったが、物量差を覆すことはできず、ビュコックは第12艦隊のボロディン中将に救援を求めた。 やがてボロディン率いる第12艦隊が救援に駆けつけるも、航行可能空間の狭さが災いし同盟軍も大兵力を展開できなかった。ボロディンは苦心しつつもビュコックの期待通りに狭い宙域に効果的に艦隊を展開させるが、展開を完了させる直前に後方から他の同盟軍艦隊が大挙して押し寄せてくる。同盟軍の援軍は前方の第5、12艦隊を後ろから押す形になり、ボロディンの努力もむなしく狭い空間に大軍がひしめき合って身動きが取れない状態になってしまった。戦闘では両軍の艦艇が入り乱れる中、誤射や他の艦との衝突で撃沈されるなど同士討ちが多発した。その後は互いに大きな戦果を挙げることができないまま、4月末まで戦闘がだらだらと続いた。
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