貴族連合軍の軍人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 14:21 UTC 版)
「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の記事における「貴族連合軍の軍人」の解説
ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ 詳細は「ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ」を参照 アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト 詳細は「アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト」を参照 アンスバッハ (Ansbach) 声 - 井上真樹夫(旧) / 東地宏樹(D) 准将。ブラウンシュヴァイク公の腹心。 聡明な人物で、ブラウンシュヴァイク公の人間性の問題に苦慮しつつも忠臣として彼に仕える(道原版では、アンスバッハ家は代々ブラウンシュヴァイク公爵家に仕えていたとされる)。物語へはリップシュタット戦役前夜に、策を弄して公爵のオーディン脱出を成功させた腹心としてその名が登場し、その後のリップシュタット戦役では他の明敏な諸将と同じく、門閥貴族達に振り回されることとなる。本編開始以前を扱った外伝においてはクロプシュトック事件においてラインハルトとフレーゲルの仲裁をしたことがあり、実はリップシュタット戦役以前からラインハルトとは面識を持っていたことが明かされる。 リップシュタット戦役においてはメルカッツと並んで、上記の通り、門閥貴族達に振り回されることとなる。それでもブラウンシュヴァイク公に忠義を尽くすが、ヴェスターラントへの核攻撃に猛反対し、これを拒絶され、退出後に「ゴールデンバウム王朝は終わった」と愚痴を言うと、これを密告されて激怒した公爵に軟禁されてしまう。門閥貴族の敗北が決まった後に再びブラウンシュヴァイク公に頼られ、一切の恨み節なく、最良の方法として自殺を進言し、往生際の悪い彼に半ば強制的にこれを実行させる。その後、最後の忠義に彼の遺体を使ってラインハルトの命を狙うが、キルヒアイスに妨害され、代わりに彼を殺害、取り押さえられたところを歯に仕込んだ毒で自殺する。 ラインハルトの暗殺には失敗したが、半身たるキルヒアイスを殺害したことで、彼の心に大きな傷を与え、後々まで影響を及ぼした。一方でラインハルトはアンスバッハの忠誠心に美を感じており、彼への恨みは持たなかった(ただし、これはキルヒアイスの死に強い自責の念を抱いていたことも理由である)。 ノイエ版では軟禁の原因となった台詞が、ブラウンシュヴァイクを直接非難した際に発したものとなっている。 オフレッサー (Ofresser) 声 - 郷里大輔(旧) / 小山剛志(D) 装甲擲弾兵総監。上級大将。ラインハルトの元帥杖授与式の参加者では上級大将筆頭。 身長200cmに達する偉丈夫で、左頬にレーザーで切られた傷跡がある(わざと完治させなかった)。年は40代後半。戦場、特に白兵戦において多大な武勲を立て上級大将、装甲擲弾兵総監まで上り詰めた歴戦の猛者で、同盟軍からは「ミンチメーカー」と恐れられる。捕らえられても命乞いをせず、傲然とした態度を通したり、外伝では自分に取り入ろうとしたリューネブルクを「俺は金髪の孺子も嫌いだが、卿も嫌いだ」と一蹴するなど、軍人として気骨に満ちた面も見せる。もっとも、その戦い振りは白兵戦で直接流した血の量によって出世したと言われる程に常人離れした残虐なものであり、ラインハルトは「石器時代の勇者」と蔑みをこめて評し、ロイエンタールとミッターマイヤーも「人を殴り殺す為だけに生まれてきたような男」「野蛮人」などと評している。 下級貴族出身であるが反ラインハルト派で有名であり、門閥貴族に与する。リップシュタット戦役序盤、レンテンベルク要塞攻略戦において、要となる第6通路の防衛において他者の倍ほどある戦斧を自在に操り、ラインハルト軍の上陸部隊を9度(OVA版では8回)までも事実上1人で撃退する活躍を見せる。勇猛というより凶暴な戦いぶりには、討伐を命じられたさすがのミッタマイヤー、ロイエンタールも手を焼く。だが、最後は挑発に乗って落とし穴に嵌り、間抜けな形で生け捕りにされてしまう。 あえて生け捕りにさせたのはオーベルシュタインの策であり、(オフレッサーは知らなかったが)部下達は公開処刑された上で、彼だけ生かしてガイエスブルク要塞に送り帰される。結果、裏切ったと疑われてしまい、そこでようやくラインハルトの狙いを理解する。しかし、その性格上、弁明より先に手が出てしまい、ブラウンシュヴァイク公に掴みかかろうとしたところをアンスバッハに射殺される。死後、オーベルシュタインの狙い通り、オフレッサーの裏切りはほぼ確定事項となり、「(ラインハルト嫌いで有名な)オフレッサーまでもが裏切ったか」と貴族連合軍は動揺と疑心暗鬼に陥ることとなった。 なお、下級貴族出身の彼が何故ラインハルトを酷く毛嫌いしたのかは作中で特に触れられていない。 藤崎版ではレンテンベルク要塞攻略戦においてサイオキシン麻薬を使って超人的な防衛を果たしている(他の版でも薬物は使用しているがサイオキシン麻薬だとは明言されておらず、効果が違う)。 シュターデン (Staaden) 声 - 村越伊知郎(旧) / 村松康雄(千) / 水内清光(D) 元士官学校教官。アスターテ会戦ではラインハルトの幕僚で中将、リップシュタット戦役では貴族連合軍に与している。 ナイフのように細身でシャープな印象を与える40代半ばの参謀型の軍人。豊富な戦術理論の知識を持ち、戦術家として一定の能力を有するが、理論と現実に乖離がある場合、理論を優先してしまう傾向がある。士官学校時代の生徒であったミッタマイヤーは「理屈倒れのシュターデン」と呼ばれていたと述べている。弁舌も立つが、ラインハルトからは無能きわまる饒舌家と評される。道原版では野心家という側面も描写されており、リップシュタット戦役では軍事の最高指揮官となったメルカッツにライバル心を抱いていた様子が描写される。 本編での初登場はアスターテ会戦で、この時はラインハルトの幕僚である。帝国軍の約2倍という同盟との兵力差や包囲されかかっていることから、他の幕僚と共に撤退を進言する(特に彼は他の幕僚を代表しており、理屈を重ねて主張する)。だが、ラインハルトはこれをまったく取り合わず、大胆な戦術で大勝利を収める。結果として、ラインハルトに戦術家として泥を塗られた形となり、また読者にはラインハルトが傑物であることを示す役割となっている。加えて同じく幕僚であったメルカッツと異なり、戦後もラインハルトの才能を評価しなかった。 リップシュタット戦役では門閥貴族派に与し、貴族連合軍に階級は大将として参戦する。事前の作戦会議においてメルカッツの計画に一部修正を加えるという形で首都攻略を提案し、これは理論上極めて有効な戦術であったが、大貴族同士が主導権を争っている貴族連合軍では政治的に実現が不可能であり、メルカッツ(OVA版ではシュナイダー)から内心で現実感覚に欠けると評される(実際にすぐに貴族同士で牽制しあい不採用となった上に彼らの信頼関係にヒビを入れる形となる)。その後、血気盛んな青年貴族らに押される形で、彼らを率いて先陣を切ることが決まる。そして戦役の初戦となるアルテナ会戦でミッタマイヤー率いる艦隊と交戦に入ることになり、彼の機雷源の策や意図的な情報漏洩に対して戦術論に基づいて慎重に事を進めようとする。しかし、痺れを切らした形式的には配下のヒルデスハイム伯らに促される形で不本意ながら、挟み撃ちにする策を立て兵を動かす。しかし、ミッタマイヤーに策を見破られ、ヒルデスハイム伯の戦死と艦隊の7割損失という大損害を被ってレンテンベルク要塞に撤退する。なお、この撤退命令に関しては各版で多少異なる。原作:ミッタマイヤー艦隊に背後を突かれ、ラインハルトの本隊が到着した時には既に撤退していた。後に要塞で拘束された際に「病室のベッドに横たわったまま」と怪我をしていたことが示唆される(いつ怪我をしたのかは不明)。 OVA版:戦闘の直前から胃痛を患っている描写があり、原作と同じくミッターマイヤー艦隊の急襲を受けた時に、自艦が損傷したタイミングで吐血し、撤退を決める。外傷的な負傷はしていない。その直後にストレッチャーに乗せて運ばれるのを最後に登場せず、去就は生死を含めて不明。 道原版:ミッターマイヤーの急襲以外に、味方の予想外の動きやラインハルト本隊の到着の報など、戦術理論外のことが起きすぎてパニックを起こし、撤退を決める(そのため無傷である)。要塞陥落後の拘束時は姿を隠すように毛布を被って震えている。 藤崎版:ヒルデスハイム艦隊の全滅を知り撤退を決めるが、直後に戦術理論を無視してまでの機動戦を駆使するミッタマイヤー艦隊に追いつかれ戦死する。 ノイエ版:ヒルデスハイム率いる別働隊の通信途絶を受けて同隊の壊滅を察し、艦隊戦力の半分を失っては勝ち目は無いと判断して、レンテンベルク要塞への撤退を決める(このため無傷)。 拘束後の去就は不明。ただし、道原版ではガイエスブルク要塞陥落後の捕虜引見の際に登場し、「こんなことはありえない」と放心して呟くのみで早々に退出させられる。ノイエ版でも捕虜引見のシーンで一瞬だけ登場するが、セリフも無く退場させられる。 レオポルド・シューマッハ (Leopord Schumacher) →#銀河帝国正統政府 ラウディッツ (Rauditz) 声 - 徳弘夏生(旧) / 松田修平(D) 中佐。ウェーゼル狙撃兵大隊所属。 キフォイザー星域会戦に参加するも、指揮官のリッテンハイムの味方の後方部隊を攻撃してまでの遁走による大敗の中で、何とかガルミッシュ要塞に帰還する。そしてゼッフル粒子発生装置を懐に忍ばせた状態で、下半身を失って戦死した部下・パウルス一等兵の死体を担いでリッテンハイムの部屋に趣き、その死体を投げつけて彼を糾弾する。その直後にブラスターで射殺されるも、上記のゼッフル粒子に引火することによって、侯爵もろとも爆死した。OVA版では爆弾を起動させて自爆死する。また藤崎版では原作同様ゼッフル粒子を用いるが、同席していたサビーネの発砲により彼女も巻き込んで殺す。
※この「貴族連合軍の軍人」の解説は、「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の解説の一部です。
「貴族連合軍の軍人」を含む「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の記事については、「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の概要を参照ください。
- 貴族連合軍の軍人のページへのリンク