貴族界の人々、資本家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 05:40 UTC 版)
「オルフェウスの窓」の記事における「貴族界の人々、資本家」の解説
アントニーナ・クリコフスカヤ 第二部から登場していたアナスタシア・クリコフスカヤの姉、クリコフスキー公爵家の長女。 性格は妹とまるで異なり、プライドが高くて見栄っ張り。若い頃ミハイル・カルナコフに、貴族としてのプライドを傷つけられた過去がある。また成人後もひと悶着あったところへ憲兵隊長である夫の部下として潜入した彼に、正体を知っていたがために脅迫され、苦境に陥る。ミハイル殺害を試みるが、いつのまにか彼を激しく愛するようになる。しかし、アナスタシアとは違い、彼の行おうとする革命を理解することがまったく出来ず、同志に彼が奪われないよう、アナスタシア救出の直前に睡眠薬を盛って図らずも妹の救出を失敗させてしまい、ミハイルともども破滅を迎えた。 アレクサンドル・ストラーホフ サンクトペテルブルク音楽院出身の音楽家でドミートリィのライバルであった。 自らが狙っていた宮廷楽団の次期コンサート・マスターの地位をドミートリィに奪われたことに激しく嫉妬していたところ、ユーリィ・プレシコフからドミートリィが革命活動に手を染めているとの情報を得、これを官憲に密告してドミートリィを処刑に追い込んだ。この結果、コンサート・マスターの地位を手に入れ、功績として伯爵にも叙せられた。公爵家の娘で自らのヴァイオリンの弟子であるアナスタシアと婚約し、自分の寛大さを見せつけるためにドミートリィの遺品であるストラディヴァリをプレゼントするが、彼女の姉アントニーナから、アナスタシアがドミートリィの弟アレクセイを愛していたことを知らされ、激しいショックを受ける。アナスタシアへの愛と苦悩のあまり、結婚式で自らがミハイロフ兄弟を破滅させた張本人であることを彼女に告げ、彼女を苦しめる。 後にユーリィが生きていたことと、アナスタシアが彼ら革命勢力の一派と結託していることを知り、憲兵隊に潜入していたミハイルに密告したが、帰宅の馬車内で革命勢力に関する情報の拡散を危惧したミハイルにより暗殺される。 ウスチノフ 工場を経営している資本家で、一見恰幅の良い好々爺に見えるが、実は腹黒い人物である。当初は議会制民主政を目標に皇帝の専制を打破するため、アルラウネらメンシェビキと共闘していた。貴族の身分欲しさにアレクセイに娘・シューラとの結婚を持ちかけるが、拒絶された経緯を持つ。後にケレンスキーを中心とする人民救済委員会のメンバーとなるが、彼らは資本家に都合の良い政治を目指したに過ぎず、人民の味方ではなかった。ユリウスがロシアに初めてやってきた時に出会った人物であり、彼がそのことを記憶していたため、ユリウスを苦境に陥れることになった。 シューラ ウスチノフの娘で、我儘な性格。アレクセイに執心し、片思いをしていたが、アレクセイがユリウスを愛しているため自分に振り向いてはくれなかったことを知り、嫉妬した彼女は、父の立場を利用して民衆を扇動。復讐のためアレクセイの実家・ミハイロフ家を民衆に襲撃させ、ミハイロヴァ夫人らを死に至らしめる。なお、ロシア人の「シューラ」という名は、「アレクサンドル(男性の場合)」または「アレクサンドラ(女性の場合)」の愛称である。
※この「貴族界の人々、資本家」の解説は、「オルフェウスの窓」の解説の一部です。
「貴族界の人々、資本家」を含む「オルフェウスの窓」の記事については、「オルフェウスの窓」の概要を参照ください。
- 貴族界の人々、資本家のページへのリンク