銀河帝国正統政府
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「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の記事における「銀河帝国正統政府」の解説
エルウィン・ヨーゼフ2世 銀河帝国正統政府皇帝。 →#皇帝・皇族 ヨッフェン・フォン・レムシャイド 声 - 小林恭治(旧) / 真殿光昭(D) 伯爵で門閥貴族。フェザーン駐在帝国高等弁務官。後に銀河帝国正統政府の首相兼国務尚書。 白っぽい頭髪と透明にちかい瞳を持つ名門貴族出身の男性。年齢は明示されていないが20代前半のケッセルリンクより20以上歳が離れていると記されている。ルビンスキーが自治領主に就任したのと同時期に高等弁務官職に着き、以降、ルビンスキーの渾名「黒狐」に対応して、「白狐」と呼ばれるようになる。その役職上フェザーンにおり、リップシュタット戦役には参加しなかったが、旧体制の高官であることや名門貴族のプライドからラインハルトに降ることを良しとせず、そのままフェザーンに亡命する。そのまま安穏とした余生を送ることもできたが、ケッセルリンクに焚き付けられる形で、臨時政府創設の首班に祭り上げられる。ランズベルク伯らによる皇帝誘拐の成功後は同盟に亡命し、銀河帝国正統政府の樹立を宣言すると自らは首相兼国務尚書の地位につく。また事前の内諾なしにメルカッツを勝手に軍務尚書につける。結局、これを大義名分に”神々の黄昏”作戦が起こることとなり、同盟首都は陥落、最期はロイエンタール率いる軍隊に屋敷を包囲され、服毒自殺する。 藤崎版ではフェザーンの設定変更に伴い高等弁務官職自体が存在せず、当初は未登場。皇帝誘拐のエピソードにおいて、有力貴族として原作と同じくフェザーンに担ぎ出されて作中に登場し、銀河帝国正統政府の首班となる。 アルフレット・フォン・ランズベルク (Alfred von Landsberg) 声 - 塩屋翼(旧) 伯爵。門閥貴族。作中ではランズベルク伯アルフレットと記述される事が多い。貴族連合軍の一員で後に銀河帝国正統政府に属する。皇帝誘拐事件時に26歳。 詩や小説の創作を好むロマンチシズムの青年貴族。貴族達のサロンで発表していた創作物は彼らの間では好評だったというが、ラインハルトには「へぼ詩人」と評され、後にフェザーンの出版社では美文調過ぎると丁寧に酷評される。政治・軍事方面の才覚もまったくないが、門閥貴族の中では稀有なことに、ラインハルトに敵意を持たず、彼を金髪の孺子呼ばわりしないほか、平民出身のシューマッハ大佐に対しても対等な同志として屈託なく語りかけるなど、門閥貴族にありがちな尊大さや選民思想を持たず、育ちの良さからくる善良な人物として描かれる。他方で自己陶酔しやすい夢想家でもあり、善良さからくる無邪気さゆえに権謀術数的な発想とはおよそ縁が無く、自覚のないままに政治的配慮を欠いた不注意な発言をしたり、野心家たちの謀略の道具として利用される。 初登場はリップシュタット戦役での事前の作戦会議の場で、政治的配慮を欠いたシュターデンの策を声高く評価し、無自覚なままにその計画が抱える欠点を顕にしてしまう。リップシュタット戦役後はフェザーンで亡命生活を送り、自己の創作能力に対する自信から貴族連合軍から見た「リップシュタット戦役史」なる著作を執筆して生計を立てようとする。しかし、出版社から拒絶され、記録者ではなく行動者として名をなすべきだと思い至ったところでケッセルリンクの訪問を受ける。その後はフェザーンの思惑通りに、シューマッハと共に皇帝誘拐事件を引き起こし、そのまま幼帝を連れて同盟へと亡命する。銀河帝国正統政府では軍務次官に任ぜられるが、同盟滅亡後はロイエンタールに確保される前に8歳となったエルウィン・ヨーゼフ2世を連れだし行方不明となる(この逃亡期間では、シューマッハと共にルビンスキーが何らかの関与をしていることが示唆される)。 ロイエンタール叛逆事件後の新帝国暦2年に幼帝と見られるミイラ化した遺体をバッグに入れてハイネセン辺境のクラムフォルスに潜伏していたところを不審者として新領土総督府の官憲に捕らえられる。この時、精神に異常を来たしていたため、精神病院へ移送され一生を終える。彼の発言と彼が残した「幼帝が死ぬまでの詳細な記録」によって、ミイラはエルウィン・ヨーゼフ2世と同定されたが、後にシューマッハの供述によって覆され、エルウィン・ヨーゼフ2世のその後は永遠の謎となった。また、同盟の滅亡から新帝国に捕まるまで記していた架空の日記は、エルウィン・ヨーゼフ2世の偽の亡骸を本物だと信じ込ませるほどであったので、ランズベルクにとって生涯最高の創作物であったと評される。 藤崎版では一般にフェザーン本星は存在しないことになっているため亡命はなく、帝国内にて財産の宝飾品を売って暮らしていた。皇帝誘拐でフェザーンに担ぎ出されるのは原作通りだが、秘密通路はベーネミュンデが案内役になるなど、活躍の出番が減っている。 レオポルド・シューマッハ (Leopord Schumacher) 声 - 中田譲治(旧) / 小谷津央典(D) 大佐。フレーゲル男爵の参謀。32歳。後に銀河帝国正統政府に所属し、物語の終了後にはローエングラム朝帝国軍の准将となる。 有能なビジネスマンを思わせる顔だちをした軍人。極めて有能で冷静であり、能力が正当に評価されていたとは言い難い旧帝国体制下において、平民出身だが30代で、かつ後方勤務で大佐になったという経歴を持つ。そのため、優秀な人材としてラインハルトも興味を持つほどであったが、作中では歴史の波に翻弄され、不遇な一生を送る。 リップシュタット戦役においてフレーゲルの参謀として貴族連合軍に与する。戦役の最後の戦いにおいて戦局が決した中で、なおも戦いに固執するフレーゲルに落ち延びることを勧めるが、これにフレーゲルが「滅びの美学」を標榜したため、それが単なる自分の無能を美化した自己陶酔であること、それに付き合わされる方はたまったものではないと手厳しく糾弾する。これに逆上したフレーゲルに殺されそうになるが、逆にシューマッハを慕う部下たちによってフレーゲルが射殺されて助かり、そのまま部下たちとフェザーンに亡命し、アッシニボイヤ渓谷の農地開拓事業を始める。ところが皇帝誘拐計画を立てたフェザーン政府にその実行犯役として目をつけられ、部下たちを人質に取られる形で誘拐計画に加担することとなる。その後、ランズベルク伯と共に皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世誘拐を成功させ、銀河帝国正統政府樹立後は准将に任命される。上記の通り、シューマッハ自身はあくまで部下たちを人質に取られたがゆえに渋々計画に加担しており、ランズベルク伯らと違って、これらの行為が無価値なもの、まして時代に逆行する行為と看破していた。 同盟滅亡後は、ランズベルク伯とエルウィン・ヨーゼフ2世を連れて国事犯として指名手配を受ける中で逃亡生活を送るが、本編最終盤、ルビンスキーの火祭りで負傷したことがきっかけで憲兵隊に拘束される。そこでランズベルク伯が持っていたエルウィン・ヨーゼフ2世とされる遺体が別人であること、地球教が最後のテロ(仮皇宮襲撃事件)を起こそうとしている情報を提供し、釈放される。再度フェザーンでの静かな生活を望むも、守ろうとした集団農場の元部下たちは、帝国軍の動乱に際して既に四散しており、叶わなかった。その後、シュトライトの推薦で帝国軍准将となるが、宇宙海賊との戦闘中に行方不明となったとある。 OVA版では憲兵隊に拘束された際、彼の身元を端末で検索するときに、実在のF1ドライバーであるラルフ・シューマッハとミハエル・シューマッハの似顔絵と名前が一瞬写る。 藤崎版ではフレーゲルの最期が大きく変更されたため、原作でのエピソードがない。フェザーンが存在しないため、部下たちとフェザーンへ亡命したエピソードもなく、帝国の辺境で部下たちと農業を始めたことになっている。皇帝誘拐のエピソードからは原作と同じく実行犯として作中に登場するが、動機についてはフェザーン人に脅迫されている旨のことを述べている(具体的な内容は不明)。 ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ 銀河帝国正統政府の軍務尚書。 詳細は「ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ」を参照
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