神々の黄昏(ラグナロック)作戦
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「銀河英雄伝説の戦役」の記事における「神々の黄昏(ラグナロック)作戦」の解説
宇宙暦798年/帝国暦489年8月~翌年5月。ラインハルトの魔手から救出した皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世を擁して銀河帝国正統政府の樹立を画策したレムシャイド伯らと、彼らの亡命を受け入れた同盟政府を皇帝誘拐の共犯者として懲罰を与える、という名目でラインハルトが発令した同盟への侵攻作戦。この誘拐は「ラインハルトに同盟討伐の口実を与えて取引しよう」と画策したルビンスキーの策であったが、ラインハルトはその策を見抜いて恫喝を加えたうえで、一気にフェザーンをも制圧した。宣戦布告は8月20日(銀河帝国正統政府の樹立宣言と同日)。軍内部への具体的な説明と作戦名の発表は9月19日。最終的な人事の発表は11月8日。最初の戦闘は11月20日(第9次イゼルローン要塞攻略作戦)。戦闘終了は翌年5月5日(バーミリオン星域会戦)。公式の書類上の終結は5月25日(バーラトの和約)。 フェザーン回廊に向う本隊の布陣は、 第1陣:ミッターマイヤー上級大将 第2陣:ミュラー大将 第3陣:ローエングラム元帥(オーベルシュタイン上級大将とヒルダ中佐待遇もブリュンヒルトに同乗) 及び直属艦隊:アルトリンゲン中将、カルナップ中将、ブラウヒッチ中将、グリューネマン中将、トゥルナイゼン中将 第4陣:シュタインメッツ大将 第5陣:ワーレン大将。遊撃隊はビッテンフェルト大将とファーレンハイト大将。 イゼルローン要塞への陽動作戦は、司令官がロイエンタール上級大将。指揮下にルッツ大将とレンネンカンプ大将、後詰めとしてアイゼナッハ大将が配された。なお、ケスラー大将とメックリンガー大将はそれぞれ首都防衛司令官/後方担当として残留した。 ルビンスキーの逃亡はゆるしたもののフェザーンの制圧、イゼルローン要塞の奪還、そしてランテマリオ会戦での同盟軍主力の撃破までは、ほぼラインハルトの思惑通りに進んだ。しかし、同会戦の終了間際から、イゼルローン要塞を放棄したヤンが艦隊を自由に運用して対抗し始めたため、帝国軍は圧倒的な戦力を持ちながらも補給に不安をきたして次第に不利になっていく。ラインハルトはヤンとの決戦を行うため、自分をおとりにしてヤンを誘い出し、包囲する作戦に出た。ラインハルトを戦場で倒す事が同盟存続の唯一の道であると考えていたヤンは、罠である事を承知の上でラインハルトとの艦隊決戦に赴き、バーミリオン星域で対戦した。戦闘自体は途中でミュラーの来援があったものの、ヤンが事実上の勝利をおさめたが、ブリュンヒルトが砲撃される直前、ヒルダの提案を受けたミッターマイヤーとロイエンタールがハイネセンの同盟政府を降伏に至らしめたため、戦闘は停止した。 戦闘停止後の混乱時に、ヤンはメルカッツに「動くシャーウッドの森」を託して逃亡させた。艦艇は60隻。同行者は副官のシュナイダーやポプラン、リンツ及び将兵11,820人。なお、この中にカーテローゼ・フォン・クロイツェル伍長が含まれている事が後日判明する。また、戦闘終了から24時間後の5月6日23時に、ヤンとラインハルトは史上唯一の会談に臨んでいる。 この作戦の後の6月22日、オーディンに戻ったラインハルトは皇帝に即位し、ローエングラム王朝が成立した。ミッターマイヤーは宇宙艦隊司令長官に、ロイエンタールは統帥本部総長に、オーベルシュタインは軍務尚書に就任。3者とも元帥号を授与された。それ以外の主要提督もそれぞれ上級大将に昇進したが、特にバーミリオン会戦での功績が認められたミュラーは3元帥に次ぐ上級大将の主席とされた。同盟では、ヤンが退役して念願だった年金生活に入り、フレデリカと結婚した。ビュコック、アッテンボロー、シェーンコップも退役したがキャゼルヌは辞表を却下され後方本部長代理に任じられた。ムライ、パトリチェフ、フィッシャーは辺境勤務に任じられた。ユリアンはボリス・コーネフやルイ・マシュンゴ、途中で合流したポプランらと供に親不孝号で地球に向った。
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