記録者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 14:07 UTC 版)
金田一耕助の関わった事件を記録、小説化しているのは、横溝正史自身をモデルとした「Y先生」「S・Y」「成城の先生」などと呼ばれる探偵小説家である。作中にこの作家の実名は一度も登場していない。 記録に至る経緯については、第1作の『本陣殺人事件』では、事件の話を聞いて作者が情報を集めて作品化したことが述べられている。『黒猫亭事件』では、その連載を読んだ金田一が作者の元を訪れて小説化を認めるくだりがあり(黒猫亭事件#作者と金田一耕助を参照)、第2作『獄門島』以降は金田一が作者に話すか資料提供したことで作品化されたものとされている。Y自身も作品中にしばしば登場し、事件現場に絡むことすらあった(『女怪』『病院坂の首縊りの家』『白と黒』など)。 また金田一耕助は事件の渦中にいた人物に事件の小説化を勧めることがある。『八つ墓村』は金田一の勧めで記録を書き始めたという形式であり、『三つ首塔』『夜歩く』では未完の記録を完成させるよう金田一が促している。一方、『七つの仮面』は金田一に真相を看破された作中人物が自殺する前に残した手記という体裁になっており、『車井戸はなぜ軋る』は主要部分が作中人物から別の作中人物への手紙で構成され、その手紙の宛先人物が金田一に真相を看破されたことを知って、自殺する前に追記を添えて金田一に送付したことになっている。他に『蝙蝠と蛞蝓』『殺人鬼』などが作中人物の一人称で語られている。
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