ライガール・トリプラ両星域の会戦
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「銀河英雄伝説の戦役」の記事における「ライガール・トリプラ両星域の会戦」の解説
宇宙暦799年/帝国暦490年3月1日~。ヤン艦隊と、帝国軍のシュタインメッツ/レンネンカンプ艦隊との連戦。 この直前にゾンバルト少将が護衛する補給艦隊がヤン艦隊によって全滅させられたため、ラインハルトはウルヴァシーの恒久基地化の邪魔になるヤン艦隊を排除するべく、シュタインメッツ艦隊に探査を命じた。そして3月1日、ライガール・トリプラ両星域の中間にあるブラックホールの安全領域ぎりぎりに(危険宙域である半径9億6千kmから僅かに外れた半径10億kmに)ヤン艦隊が凸形陣で布陣している事を知り、本隊に連絡した。これをうけて本隊からはレンネンカンプ艦隊が援軍に赴いた。 同日21時にヤン艦隊とシュタインメッツ艦隊が戦闘状態に突入。当初は背水の陣を敷いたヤン艦隊をシュタインメッツ艦隊が半包囲する形での砲撃戦を展開していたが、翌日5時30分にヤン艦隊が中央突破・背面展開戦法を使ってシュタインメッツ艦隊の包囲陣を破り、後方に回ってブラックホールに追い込み始めた。罠にかけられたことを知ったシュタインメッツは果敢に応戦(OVA版では、「態勢を入れ替えられたのなら、また入れ替えればいい」と同じく中央突破・背面展開による反攻まで試みている)するがついに力尽き、ある程度の犠牲が出る事は覚悟して4時方向に転進(つまりヤン艦隊に横腹を見せ)、シュバルツシルト半径ギリギリをかすめて高速を得るブラックホールを利用したスイングバイ航法で脱出に成功した。しかし、その間延々と狙い撃ちにされた上にブラックホールに多くの艦艇を呑まれ、最終的に8割の損害を出した。 なお、この戦いの後、亜光速の氷塊や移動要塞やブラックホールといった、SFならではのガジェットを用いた戦いは行われていない。 シュタインメッツ艦隊との戦いの後逃走する事を考えていたヤンは、援軍がレンネンカンプ艦隊だと知り予定を変更。「戦うことなく自分からわざと後退する」という艦隊運用で心理戦を仕掛け、タイミングを計って攻勢を仕掛けた。先のイゼルローン攻略戦で後退するヤン艦隊を追撃して罠にはまったレンネンカンプ艦隊は、ヤンの読みどおり疑心暗鬼に陥って今度は後退してしまい、そこにヤンの先制攻撃を受けて潰走。同日13時にようやく秩序を回復したものの、その時既にヤン艦隊に逃げられてしまっていた。 この戦いに先立って、ヤンは元帥に昇進し、勤労意欲に目覚めたアイランズ国防委員長の承認により、ヤン及びヤン艦隊がほぼ自由に戦術と戦略を組み立てる事が出来るようになった。帝国駆逐艦乗っ取りという功績で中尉に昇進したユリアンと銀河帝国正統政府を事実上見限ったメルカッツが復帰し、キャゼルヌも中将に昇進してイゼルローンから引き続き同行、シェーンコップは中将に、フレデリカは少佐に昇進した。さらにOVA版ではモートンとカールセン、及び第14/15艦隊の残存部隊が合流している。
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