「江戸の牙」構成員
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剣 精四郎(つるぎ せいしろう) 本所方与力にして「江戸の牙」首領格。 伝十郎・半兵衛・見習い達からは「剣さん」、紫乃・雪からは「剣様」と呼ばれている。 武芸にも秀でており、二刀使いを得意としている。 常時隙を見せない用心深さと強い意志力・克己心を持ち、色仕掛けや買収なども通じない。 大番頭・朝比奈軍兵衛とは祖父の代からの主従関係であり、その人間性と腕を見込んだ彼の依頼を受け、自らの支配下にある本所方の部下・仲間から構成される特命捜査班「江戸の牙」を結成、その首領格に納まり、部下たちに毎回の捜査で指示を与える立場ではあるが、時に御家人ムシリの浪人(第7話、第14話、第18話)や月代の町人(第19話)に変装して潜入捜査をするなどの行動力に溢れている。 その軍兵衛の第17話での台詞に曰く「出世を望まず、妻も娶らず、命を惜しまず、天下の腐敗と闘う男」。 ただ、固いばかりではなく、人情もユーモアもきちんと解し、時には芸者遊びもするよう(第3話)で、バランスの取れた人物と見受けられる。 表向きの役職である本所方の職務、立場には大いに不満があるようだが、反面その気楽さが気に入ってもいるらしく、気の合う部下、と言うよりは仲間に囲まれて、結構楽しく日々を送っている。 仲間たち(見習い同心三人組も含めて)のことを常に気にかけ、時に優しく、時に厳しく接しながら、彼らを守ることを忘れない、悪を決して許さない正義感が非常に強い心優しきリーダーである。 趣味は釣り。本来の職務が暇であり、且つ職務柄屯所が川に程近いのをいいことに、ほぼ毎日釣り三昧の毎日を送っている。結構な獲物を釣り上げることもあり、「食費が浮いて助かる」、と勘定役の半兵衛を喜ばせてもいる。 討ち入りの際にかける襷は、襷状の数珠。その際、口上を述べるのも、首領たる彼の役目である。 第26話では、大刀の下げ緒に雪から託された御守りを下げて、最後の闘いに臨んだ。 大熊伝十郎(おおくま でんじゅうろう) 本所方屯所で居候を決め込んでいる浪人。 剣・半兵衛・兵助・紫乃からは「伝さん」、見習い達からは「居候」「あの男」「伝十郎さん」と呼ばれている。 元南町奉行所隠密廻同心。悪人達から「鬼」とまで呼ばれ恐れられていた凄腕であった。しかし、第3話の時点から二年前、密輸事件を追っている最中に待ち伏せに遭い、部下二名を殺され自身も負傷、さらにそれを「捜査上の失態」と断ぜられて職を追われ、浪人となった。その後、剣に拾われて本所方に居着いたらしい。 髷は一応結っているものの、ぼさぼさの蓬髪に無精髭、身なりはだらしなく、日がな大酒を食らってはゴロ寝してばかり、止めに腰のものは竹光、と食い詰め浪人を絵に描いたような人物。実際、金には不自由しているようで、第14話では手持ちの金が足りないばかりに剣の後を追えず、危うく同話での出番をなくすところであった。しかも、その金の無心のために、紫乃相手に嬉しそうに博打の真似事をしてみせ、彼女を呆れさせていた。 また、第16話で斬り合った際にかぎ裂きだらけになった服を、繕いもせずにその後も着込んでいた所を見ると、どうやら着替えさえ持っていないらしい。 無口かつ無愛想、暴力的とまでは言わないものの、口より手が先に出るタイプ。しかし、部下もしくは目下のものを思い遣る気持ちは強く、またその操縦法にも長けている。意気込みばかり強くてしくじり通しの見習い三人組を、舌打ちしながらもまめにフォローし、時に叱咤もしてやり(主に拳と脚で、だが)、逆説的ながらも捜査についての様々なことを教えてやっているのは、事実上本所方では彼だけなのである(他の面々は全員放りっぱなし)。 非常に義理堅い性格でもあり、その昔浪々の身を拾ってもらった剣に対して、未だ多大な恩義を感じており、任務のため、ひいては剣のためならば、「命を捨てる覚悟はできている」と真顔で述べている(第3話)。 おそらく、本所方の面々の中で唯一の妻帯経験者。愛妻・加恵とは仲睦まじい夫婦生活を送っていたが、彼の苛烈なまでの捜査活動に対する報復として襲撃を受けた際、誤って自ら彼女を斬ってしまった。剣曰く、彼が普段竹光を持っているのは、このことが原因(第16話) 何故か舟大工の技能を持っているらしく、第3話の半兵衛の言に曰く「あの人にしか舟の修理ができねえ」とのこと。 第1話にて一人で舟を岸に押し上げている光景から、かなりの大力の持ち主と推察できる。戦闘に際しては、その大力を強調する意図があってか、両手使いの一刀流で力感あふれる闘いを行う。 第15話で、腕利きの浪人に苦戦する兵助に代わってこれを引き受け、最後に勝利した所を見ると、剣術に関しては兵助より腕が上のようだ。周りからの評価も高かったらしく、御前試合への出場経験まで持っている(第20話) 討ち入りの際にかける襷は、空色の細布。やたらと長いらしく結び目の大きさが異様に目立つ。(なぜか第9話、第11話、第12話では、薄紅色の布で襷掛けをしている)またその際、大抵着物の裾を尻っ端折りにしている。 討ち入りの直前には、事前準備として普段佩いている刀の刀身を、竹光から本身に入れ換える描写が見られる。第4話以降からは、酒好きの彼らしく、この際酒しぶきを刀身に浴びせて清めるようになった。 蛸と鶏が好物であるらしい。第12話で政吉が蛸を出した途端に居眠りから目覚めたり、第23話では普段無愛想な彼が、佐助に差し出された鶏を前に破顔する辺りに、それが表れている。 任務のあるなしに係らずちょくちょく賭場に顔を出したり、賭場で半兵衛にしつこく「後一勝負!」などとせがんでいたり(第18話)、退屈しのぎに紫乃を相手にチンチロリンをしたり(第14話)など、どうやらこれで結構博打が好きであるらしい。 金丸半兵衛(かなまる はんべえ) 本所方同心。本所方の勘定役も兼任しており、自ら「本所方の主」とうそぶいている。 剣・伝十郎・兵助からは「半さん」、紫乃からは「半兵衛さん」、見習い達からは「金丸さん」と呼ばれている。 職務柄か生来の性格なのか、とにかく金に細かい。 本所方屯所にいる際はほとんど帳簿をにらみながら算盤を弾いており、兵助とは、毎日のように金を貸せ貸さないで問答を繰り返している。 そんな彼の特技は、味覚・嗅覚が鋭く、薬学関係に造詣が深いこと。 愛想の良さ、親しみやすい風貌から聞き込みや潜入捜査も得意。 第4話ではそれらの特技を縦横に駆使し、八万両強奪事件の解決の糸口を掴んだ。 また、異常なまでの記憶力を持っており、第14話では捜査資料を探しているさぶや純に対して、その在り処に関して正確な指示を与えた上、内容を諳んじてさえ見せた。 剣もこれを頼りにしていて、第15話では20年前の伴天連盗賊の手配書について彼に質問をし、彼もまた澱みなく答えを返していた。 さらに、なぜか錠前破りの技術まで持っており、第26話では懐に隠した針金を使って牢の錠前を開けていた。 戦闘に際しては、組み立て式の仕掛け短槍で闘うが、刀も時々使い、場合に応じては短槍との同時使用(第13話)も行い、体術での投げ技も併用する(第20話) 腕自体はなかなかのものだが、どうも今一つ危なっかしい部分があり、斬り合いの際に時々危機に陥ったりもする。 討ち入りの際にかける襷は、黒い細紐。また、兵助と同じく両手に黒い手甲を着ける。 女性アレルギーの気があるようで、女郎にしなだれかかられた際にくしゃみを連発していた(第8話)。 人情に厚く心優しい面も持ち合わせており、第10話においての万三や新吉に対する接し方から、それが垣間見える。 子供にも優しく、非番の時は近所の子供達と一緒に遊んだりもしている(第26話) 嗅覚が鋭いせいか匂いに拘るようで、「いい女は匂いでわかる」と言った兵助に「どんな匂いだ?」と盛んに問い質していた(第22話) 「よさく」と言う伝書鳩を飼っている(第20話) 間 兵助(はざま ひょうすけ) 本所方同心。 剣・伝十郎・半兵衛からは「兵さん」、見習い達や紫乃からは「間さん」と呼ばれている。 元養生所見廻り同心で、第22話の時点から三年前までは同職に就いており、その際に土蜘蛛一味の探索活動にも従事していた。 とにかく女が大好きで、本所方屯所にいない時はほとんど女郎屋にいるくらいだが、買うのはほとんど馴染みのおひでである。 連日の女郎屋通いのせいで、いつも金に困っており、半兵衛を拝み倒して給金の前借りを繰り返している。 しかし、支出の多さゆえそれでも追いつかず、今ではツケでおひでを買っている始末で、毎日のようにおひでに「金払え!」と言われて追いかけ回されている。 本所方屯所にまで押しかけられることも珍しくないため、この二人、今ではほとんど本所方公認の仲でそこを見込まれ、敵地の偵察のカモフラージュとして、「夫婦」と言う触れ込みで二人揃って旅行に出たこともある(第5話)。 特技は黒色火薬の製造技術を持ち、またその扱いに長けていること。 戦闘での使用(手投げ弾や手製の大筒[バズーカ砲])がその主な用途であるが、それ以外にも本所方扱いの事件の解決に一役買ったり(酒徳利に仕込んだ閃光弾・第4話)、悪人達を屋敷ごとまとめて爆殺したり(第1話、第10話)、あれこれと役立っているようだ。 火薬を用いて以外では、片手持ちの刀で斬り付ける(順手でも逆手でも使うが、逆手の方が多い)、素手で拳撃を見舞う、体術で投げ飛ばす、手裏剣を投げ付ける(第3話、第7話)などあの手この手で器用に闘うが、半兵衛同様どこか危なっかしいところがある。 第1話では半兵衛と代わる代わる危機に陥り、そのたびに互いを助け合っては「一つ貸しな」「これで帳消し」などと言い合っていた。 からくりにも詳しいようだが、第6話での佐之介のからくり火薬玉(時限爆弾)には歯が立たず、結局解体には失敗してしまった。 さらに薬学関係の知識も持っているようで、第10話では敵の見張り役を騙して睡眠薬入りの寿司を食わせ、無力化させていた。 知識ばかりでなく、忍者顔負けの体術をも持ち、それを活かして捜査対象の邸などへ忍び込んだりもする(第13話) また半兵衛同様に聞き込みなども得意とする。 討ち入りの際にかける襷は、半兵衛と共通の黒い細紐だったが、第12話以降は差別化のためか、白地に紅色の模様の入った長布を使うようになり、半兵衛と同じく両手に黒い手甲を着ける。 また、: 覗き趣味も持っており、ツケのカタにおひでのいる女郎屋で下男代わりにこき使われる羽目になった際、障子を覗き穴だらけにして、おひでに呆れられていた。 なお、第21話では「風邪をひいた」との触れ込みで、冒頭と終盤に少し顔を出しただけで事実上休業していた。 「いざという時のために」髷の中に常に火薬と導火線を隠し持っている(第26話) 橘 紫乃(たちばな しの) 本所方の面々の衣食住の面倒を見ている女性。 剣からは「紫乃さん」と呼ばれている。 本所方にあっては紅一点の美女で、見習三人組曰く「掃き溜めに鶴」。 江戸の牙の構成員としても紅一点。 女性にしかできない類の捜査(と第1話で剣が述べた)を時折担当するのみで、戦闘には基本的に参加しないが、武芸の腕もかなりのもので、いざ戦闘となれば、逆手持ちの短刀を武器に果敢に闘う。 第26話では、伝十郎の勧めで興念寺(朝比奈家の菩提寺)に身を隠し、江戸の牙で唯一人捕縛されずに済んだ。 そのため、彼らの代わりに単身蟄居中の軍兵衛の屋敷に忍び込む、脱走した彼らと共に軍兵衛・雪の救出作戦に加わるなど、八面六臂の活躍を見せた。 最後には、雪を守って三河へ同道していった。 第1話で、過去剣に恩義を受けた、と話している。 江戸の牙への参加志願の直接の動機は、それに対する「御恩返し」なのだが、その「恩義」については劇中で語られなかった。 将棋は知らないが、挟み将棋は知っている(第23話) 伝十郎に博打の真似事につきあわされたこともある(第14話)
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