「汚い戦争」をめぐる論争とは? わかりやすく解説

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「汚い戦争」をめぐる論争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 11:13 UTC 版)

フランシスコ (ローマ教皇)」の記事における「「汚い戦争」をめぐる論争」の解説

詳細は「汚い戦争#カトリック教会への批判」を参照 アルゼンチン1970年代から80年代にかけて軍事政権支配下にあり、汚い戦争呼ばれる大規模な白色テロ多く犠牲者発生した軍事政権により拉致拷問され2人司祭に関して当時イエズス会アルゼンチン管区長であったベルゴリオ枢機卿責任を問う声がアルゼンチン国内に存在するイエズス会司祭解放の神学賛同していたオルランド・ジョリオとヤーリチ・フェレンツは、1976年5月ブエノスアイレススラムから当時収容所として利用されていた海軍施設連行された。この施設では政治犯5,000人が殺害されている。2人はこの施設で5か月拷問などを受け、10月ブエノスアイレス郊外半裸かつ朦朧とした状態で解放された。 「汚い戦争に関する著作知られているジャーナリストのオラシオ・ベルビツキは、著書沈黙』において、ベルゴリオが先の2人貧困支援活動後援する一方で政治的左派影響受けていた彼らの社会運動に関する懸念軍事政権伝えており、2人身の危険感じベルゴリオの庇護求めた際もそれに応じなかったと主張している。しかし、イエズス会ドイツ管区は、その声明において、2人当時ベルゴリオによりイエズス会追放されたというベルビツキの記述由来する報道否定している。 このベルビツキの主張に関しては、多く異論存在する。ブエノスアイレス・ヘラルド紙の記者だったイギリス人ロバート・コックスは、ベルビツキの主張誤りではないが、当時危険な状況におけるベルゴリオの立場考慮するべきだ指摘している。コックスは、ベルゴリオは2人軍事政権引き渡すことなどはしていないが、同時に保護した声を上げることもなかったと述べている。1980年ノーベル平和賞受賞したアドルフォ・ペレス・エスキベルまた、コックス見方同意し、ベルゴリオには充分な勇気がなかったと言えるかもしれないが、軍事政権協力したことはないとの見解披瀝している。 軍事政権下国家犯罪追及している弁護士のミリアム・ブレグマンは、ベルゴリオが2人に関する裁判消極的だ批判しており、オルランド・ジョリオの家族汚い戦争犠牲者家族団体創設者は、ベルゴリオ枢機卿教皇選出に不満の色を見せている。 一方でベルゴリオの行動肯定ないし称賛する者も存在する。ベルゴリオの伝記ジェズイット』の共著者であるフランチェスカ・アンブロジェッティは、ベルゴリオが軍事政権指導者ホルヘ・ラファエル・ビデラ収容所責任者であった海軍長官のエミリオ・エドゥアルド・マセラ(スペイン語版)に面会して善処求めるなど、ベルゴリオは、当時置かれ状況でできうる限りのことをやった「英雄」であると述べている。 2005年行われたインタビューにおいてベルゴリオは、2人誘拐一報聞いて直ち行動にうつり、ビデラとマセラに2人釈放求めた答えている。ローマ教皇庁広報局長は、ベルゴリオは「独裁政権下で人々を救うために尽力し」ており、先の告発信頼できず、彼がアルゼンチン司法当局から罪を問われたこともないコメントしている。またこのような批判は、カトリック教会信用失墜狙った中傷であると主張している。 2013年には、ヤーリチ・フェレンツ自身が、「オルランド・ジョリオと私は、ベルゴリオ神父によって告発されことはない」として、ベルゴリオの責任および関与明確に否定した。ベルゴリオに助けられ人々証言記録集『ベルゴリオズ・リスト(Bergoglio's List)』が出版されている。

※この「「汚い戦争」をめぐる論争」の解説は、「フランシスコ (ローマ教皇)」の解説の一部です。
「「汚い戦争」をめぐる論争」を含む「フランシスコ (ローマ教皇)」の記事については、「フランシスコ (ローマ教皇)」の概要を参照ください。

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