産業技術短期大学 産業技術短期大学の概要

産業技術短期大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/07/11 14:33 UTC 版)

産業技術短期大学
1号館(事務局・講堂)
1号館(事務局・講堂)
大学設置/創立 1962年
学校種別 私立
設置者 学校法人鉄鋼学園
本部所在地 兵庫県尼崎市西昆陽1丁目27-1
キャンパス 本部キャンパス
学部 機械工学科
電気電子工学科
情報処理工学科
ものづくり創造工学科
 材料工学科[注 1]
 構造工学科[注 1]
研究科 生産工学専攻
電気・情報工学専攻
ウェブサイト 産業技術短期大学公式サイト
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概観

正門前

大学全体

建学の精神(校訓・理念・学是)

  • 建学の精神
産業技術短期大学における建学の精神は「鉄鋼業並びにその関連産業はもとより、広くその他の産業界等の将来を担いうる学力と識見を備えた技術者を育成する」となっている[4]
  • 設立の根本理念
企業経営にはヒューマンリレーションが最も大切であり、従業員の資質を高めるには、企業内訓練(OJT)と共々高度な学校教育が必要である。そこで、産業界(鉄鋼業)自らが大学を設置して、業界の中堅技術者を育成すると共に、一般社会の優秀な青年の教育にも貢献していくことが、産業界(鉄鋼業)の繁栄にも繋がるものと確信した。この信念が設立の根本理念である[5]
  • 大学名称の由来(使命)
産業技術短期大学という名称は、「産業」を支える根幹となる「技術」を身につけた人材を短期間で育成し、広く社会に供給する使命を担っている、という観点からつけられた[1]
  • 大学名称に込められた理念
大学名称の「産業」部分には「産業社会のなかの豊富な経験と深い英知を教授」するという理念が、「技術」部分には「心豊かな人間形成と新時代の技術者の育成」を行うという理念が込められている[1]
  • 教育のねらい(教育理念)[4] 
    • ものづくりを中心として、科学技術立国をめざす我が国産業界の要望に対応した技術者教育
    • 基礎学力の充実と実学重視の工学教育
    • 教養豊かで、視野の広い社会人としての人間形成教育

学風および特色

社会人学生との共学

  • 産業界(鉄鋼業界)が設立
鉄鋼業界(一般社団法人日本鉄鋼連盟)により設立されたため、主に…新日鐵住金JFEスチール神戸製鋼所等の鉄鋼会社をはじめとする産業界から派遣された社会人(企業派遣)学生が約100名の規模(全体の約5分の1にあたる)で在学している[4][6]
  • 人間性豊かな人材を育成
「社会人学生の人生経験や企業経験と、高校卒業後すぐに入学した新卒学生の柔軟な発想の相乗効果により、お互いが人間性豊かな技術者に成長すること」を教育目標の一つとしている[7][8]
社会人学生との共学により、「授業中はクラスメイト、授業が終われば人生の先輩後輩」となり、語り合え、学びあえる環境である[9]
  • 産業技術短期大学への派遣企業(建学の精神・設立の根本理念への賛同企業)
新日鐵住金JFEスチール神戸製鋼所日新製鋼日立金属日本製鋼所愛知製鋼東洋鋼鈑大同特殊鋼中山製鋼所山陽特殊製鋼トピー工業日本冶金工業淀川製鋼所三菱製鋼クボタ不二越大平洋金属中央電気工業日本高周波鋼業新日本電工住友電気工業大阪製鐵日鉄住金ファインテック川崎重工業共英製鋼合同製鐵新関西製鐵神鋼電機JFEメカニカル住金鉱業住友精密工業台糖ダイキン工業ダイワスチール中部鋼鈑日鐵鉱業日鐵住金建材日立造船ポスコ中国鋼鉄 他多数

沿革

略歴

  • 開学までの経緯
日本の鉄鋼業は、第二次世界大戦1939年1945年)によって、壊滅的な打撃を受けた。しかし、終戦後、設備の近代化とともに鉄鋼業は急速に発展し、技術者不足の問題が生じてきた。そこで一般社団法人日本鉄鋼連盟は、鉄鋼業が必要とする技術者の質と量を確保するため、鉄鋼業界自らの手で2年制の私立大学を設立し、鉄鋼各社の従業員を教育することとなった(=教育訓練・OFF-JT)[10]
  • 特色ある大学の開設
こうして1962年関西鉄鋼短期大学が開学した。鉄鋼業が一丸となって開設した「世界でも類例を見ない特色ある大学」として、2年間で4年制大学レベルの技術者教育を行うことを目標に、4年制大学水準のカリキュラムが設定された。また、そのモデルとなるような施設設備と人材が用意された[11][12]
  • 人材開発センターの設立
1974年には鉄鋼業各社の従業員の「短期間」の教育のため、学園の付属機関として、人材開発センターを設立。
  • 国際社会との交流
1980年には、中国の製鉄会社からの留学生の受け入れが始まり、その後台湾韓国の製鉄会社の留学生も続き、国際社会との交流が進んだ。
  • 幅広い産業界の要請に応える
1988年、鉄鋼業にとどまらず、より幅広く産業界の要請に応えることを目的として、現在の産業技術短期大学に大学名が変更された。
  • 社会の高度化に対応
1993年度から、高度情報化社会の到来に応じて情報処理工学科を設置。2000年度から、短期大学卒業後さらに2年間学ぶことで学士の学位を取得可能な「専攻科」を新設した。2004年度から、産業社会ニーズに対応するため、システムデザイン工学科を設置した(2012年度から、ものづくり創造工学科に名称変更)。
  • 創立50周年から現在
2012年には、産業技術短期大学創立50周年記念事業を実施[11][13]
現在、産業界が設立した大学である特徴を活かした諸活動を展開している。

年表

  • 1960年 日本鉄鋼連盟に大学教育委員会が発足する。
  • 1961年 日本鉄鋼連盟総会で2年制短期大学の設置を決定する。
  • 1962年4月1日 関西鉄鋼短期大学(かんさいてっこうたんきだいがく)として開学する。以下の3学科を置く。
    • 鉄鋼科:在学者数は男子45人。[14][15]
    • 機械科:在学者数は男子125人。[14][15]
    • 電気科:在学者数は男子68人。[14][15]
  • 1964年7月1日 鉄鋼短期大学(てっこうたんきだいがく)と改名する。
  • 1969年 学科名の変更が行われる。
    • 鉄鋼科→鉄鋼工学科
    • 機械科→機械工学科
    • 電気科→電気工学科
  • 1971年 溶接構造工学科を増設する:在学者数は男子30人。[16]
  • 1974年 人材開発センターを設立する。
  • 1985年 初めての女子学生が入学する(電子工学科に7人在籍)。[14][17]
  • 1987年 機械工学科および溶接構造工学科にそれぞれ初めての女子学生が入学する(機械工学科で2人、溶接構造工学科に1人)。[14][18]
  • 1988年4月1日 学校法人鉄鋼短期大学を学校法人鉄鋼学園に、鉄鋼短期大学を産業技術短期大学に、それぞれ改名する。鉄鋼工学科を材料工学科に改組する。
  • 1990年 溶接構造工学科を構造工学科に名称変更する。
  • 1993年 情報処理工学科を増設する(在学者数は129人。うち女子55人)。[14][19]。電気工学科を電気電子工学科に改組する。
  • 2000年 学位授与機構から認定された専攻科を設置する。
    • 生産工学専攻
    • 電気・情報工学専攻
  • 2004年 材料工学科と構造工学科を改組してシステムデザイン工学科とする。
  • 2005年 10月1日をもって材料工学科と構造工学科が正式廃止される[20]
  • 2011年 ものづくり工作センター、基礎教育センターを開設する。
  • 2012年 システムデザイン工学科をものづくり創造工学科に名称変更する。創立50周年記念事業を実施する。

  1. ^ a b c d e f g 『産業技術短期大学大学案内2010』(産業技術短期大学、2009年)
  2. ^ 『兵庫県唯一の工科系短期大学』兵庫県教育新聞記事(2007.6.11)
  3. ^ 『平成22年度第三者評価』財団法人短期大学基準協会(2011.3.24)より。
  4. ^ a b c d e f g 『産業技術短期大学大学案内2014』(産業技術短期大学、2013年)より。
  5. ^ 『平成25年度産業技術短期大学自己点検・評価報告書』(産業技術短期大学、2013年)
  6. ^ 『実践経営哲学』(PHP研究所、1978年) 業界挙げての人材育成の必要性について、本著では、「事業は人なり」、「経営においては、まず何よりも人を育てていかなければならない。単に仕事ができ、技術が優れている人ではだめで、『人間として社会人として立派な人』を育てなければ企業として発展しない」という考え方が述べられている。
  7. ^ a b c d 『進学辞典2010』(リクルート、2010年)
  8. ^ 『産業技術短期大学年次報告書』(産業技術短期大学、2009年)より。
  9. ^ 『産業技術短期大学大学案内2000』(産業技術短期大学、1999年)より。
  10. ^ 『メイド・イン・ジャパン-日本製造業変革への指針-』ダイヤモンド社(日本インダストリアルパフォーマンス委員会編、1994) 本著では、製造現場における知識創造と人材の多機能育成政策・綿密な能力開発策のひとつとして、「企業内選抜を経て中堅技術者への昇進に結びつく産業技術短大への派遣」が採りあげられている(=オフ・ザ・ジョブ・トレーニング・OFF-JT)。
  11. ^ a b 『産業技術短期大学五十年のあゆみ』(学校法人鉄鋼学園産業技術短期大学、2012.4.25)より。
  12. ^ 同著では、「鉄鋼業自らが大学を設立して業界の技術者を養成するとともに、一般社会の優秀な青年の教育にも貢献していくことで、社会とともに鉄鋼業の繁栄を目指す」という高い志と壮大な根本理念が明らかにされている。
  13. ^ 50周年記念式典は、2012年10月27日に尼崎市総合文化センター(アルカイックホールオクト)及び都ホテルニューアルカイックにおいて、約400名の関係者を招いて行われた。
  14. ^ a b c d e f 出典:『全国学校総覧
  15. ^ a b c 昭和38年度版p30より
  16. ^ 昭和47年度版p43より
  17. ^ 昭和61年度版p65より
  18. ^ 昭和63年度版p67より
  19. ^ 1994年度版p79より
  20. ^ 平成23年度『全国短期大学高等専門学校一覧』149-150頁より。
  21. ^ a b c 『産業技術短期大学大学案内2012』(産業技術短期大学、2011年)より。
  22. ^ 電気電子工学科では、卒業後に実務経験をつめば第二種および第三種電気主任技術者が取得できる。第二種電気工事士の筆記試験および工事担任者の一部筆記試験が免除される。第二級陸上特殊無線技士および第三級海上特殊無線技士が卒業後に申請のみで免許される。
  23. ^ 『空飛ぶ円盤 人命救え』神戸新聞記事(2013.1.12)
  24. ^ 『名車ロータス EVに変身 産業技術短大生ら』産経新聞記事(2013.12.11)
  25. ^ 『米軍断念 飛んでみせます』読売新聞記事(2013.12.11)
  26. ^ 『空飛べ 命の円盤 災害時 フワリ救援 産業技術短大』毎日新聞記事(2013.12.13)
  27. ^ 『英国の名車 EVに改造 産業技術短大生ら』読売新聞記事(2013.12.18)
  28. ^ 『災害救助舞い上がれ 産業技術短期大学 垂直離着陸機 進む開発』産経新聞記事(2014.3.9)
  29. ^ 一例としては、「Ene-1 GP SUZUKA」(鈴鹿サーキット)に参加し、大学・高専・専門学校部門で優勝している(2011.8.7)。ソーラーラジコンカー耐久レース(サンシャイン松山)に参加し、一般部門で優勝している(2011.8.20)。サイエンス・インカレ(千葉)に参加し、空飛ぶ絨毯(じゅうたん)プロジェクトが特別賞を受賞している(2013.3.2)
  30. ^ 、「ヒト型ロボットコンテスト」では、学生が奨励賞を受賞している(2011.11.6)。
  31. ^ 2009年9月13日には、同窓会45周年記念祝賀会が、大学講堂において開催された。
  32. ^ 『産業技術短期大学年次報告書』産業技術短期大学(2009)
  33. ^ 『尼崎観光ガイド』尼崎市(2012)
  34. ^ 『尼崎担う人材を 産業技術短期大学』毎日新聞記事(2009.3.29)
  35. ^ 『産業技術短大 卒業生に無償授業』毎日新聞記事(2010.5.7)
  36. ^ 『産業技術短大 地元OB無償再教育』日刊工業新聞記事(2010.5.11)
  37. ^ 『新型風車を開発-産業技術短期大学 新型風車の試作機を公開』朝日新聞記事(2002.2.16)
  38. ^ 『都市型の風力発電機開発-尼崎工業会と産業技術短期大学』神戸新聞記事(2002.2.16)
  39. ^ 『風力発電システム 産業技術短期大学 尼崎市役所で実証』日刊工業新聞記事(2009.7.14)
  40. ^ 『小学生殺到 産業技術短期大学が工作教室』日刊工業新聞記事(2009.7.24)
  41. ^ 『産業技術短期大学年次報告書』産業技術短期大学(2011)
  42. ^ 『産業技術短期大学年次報告書』産業技術短期大学(2009)
  43. ^ その他「住友金属工業和歌山製鉄所開所70周年祭」など。
  44. ^ 『村野工高と産技短大連携』読売新聞記事(2010.6.30)
  45. ^ 『「高大一貫」で技術者養成』神戸新聞記事(2010.6.30)
  46. ^ 『鉄鋼学園 産業技術短期大学 創立50周年』鉄鋼新聞記事(2012.10.26)
  1. ^ a b c d 学生募集は2003年度入学生で最終。2005年10月1日をもって正式廃止。
  2. ^ 『私立大財務ランキング』週刊東洋経済記事、東洋経済新報社(2012.10.27) 全国597の私立大学法人財務力ランキングによると、産業技術短期大学は総合11位。







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