セルビアの音楽 ターボ・フォーク

セルビアの音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/04 01:56 UTC 版)

ターボ・フォーク

現代のセルビアへとつながる、かつてのユーゴスラビア連邦のポピュラー音楽は、セルビア国内外で高い人気があった。その後に続くユーゴスラビア解体の混乱の時代に興り、人気を得たのがターボ・フォークであった。

新しいセルビア民俗音楽(Novokomponovana)は、土着のセルビアの民俗音楽の都市化の結果であった。その初期の頃はプロフェッショナル的に披露されるものであり、アコーディオンクラリネットを演奏に用い、ラブソングやその他の単純な歌詞を歌った(しかしながら、王党派や民主主義、反共主義をテーマとした歌詞もまた地下で命脈を保っていた)。この分野の優れた歌手たちは、国外から持ち込まれた音楽も歌いこなした。セルビア民俗音楽の主な歌手には、シャバン・シャウリッチ(Šaban Šaulić)、トマ・ズドラヴコヴィッチ(Toma Zdravković)、シルヴァナ・アルメヌリッチ(Silvana Armenulić)、ミレ・キティッチ(Mile Kitić)などがいる。後期には、ヴェスナ・ズミヤナツ(Vesna Zmijanac)、レパ・ブレナドラガナ・ミルコヴィッチDragana Mirković)などの人気歌手たちは、よりポップ・ミュージックポピュラー音楽、オリエンタル音楽やその他のジャンルの音楽の影響を強く受けるようになっていった。これが、ターボ・フォークの爆発的流行の下地となった。

ユーゴスラビア紛争の危機が続いた1990年代は、ターボ・フォークの時代であった。ターボ・フォークはセルビアの伝統的な民俗音楽や商業的民俗音楽(novokomponovana)を土台にもち、ロックンロールソウルミュージックハウスUKガラージUK garage)などの影響を受けた音楽である。ターボ・フォークはアグレッシブな速い音楽であり、その代表的な歌手にはツェツァイェレナ・カルレウシャなどがいる。リムトゥティトゥキ(Rimtutituki)のように、1990年代のセルビアで、音楽でスロボダン・ミロシェヴィッチに抗議したミュージシャンたちもいた。また、民族主義的な歌手としてはバヤ・マリ・クニンジャ(Baja Mali Knindža)が有名である。




  1. ^ 本節の主要参考サイト:St. Luke's Orthodox Mission
  2. ^ グルジア正教会グルジア聖歌など、近現代以前の正教会にポリフォニーが無かった訳では無いが、西欧から導入されたポリフォニーが東欧に影響を与えたのは近現代以降である。





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