過去の勇者たち
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「DRAGON QUEST -ダイの大冒険- の登場人物」の記事における「過去の勇者たち」の解説
スピンオフ漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王』(以下、『勇者アバンと獄炎の魔王』)では、アバンが勇者だった時代が舞台となり、アバンの活躍の詳細が描かれている。 アバン=デ=ジニュアール3世 声 - 田中秀幸 / 櫻井孝宏 かつて魔王ハドラーを倒した勇者。31歳。ダイ達の師(先生)に当たる。 マトリフ 声 - 青森伸 / 山路和弘 アバンの仲間だった大魔道士。98歳。世界最強の呪文使いと豪語し、魔法使いの呪文のみならず僧侶の呪文をも操る「賢者」と言える存在なのだが本人は断固として賢者とは名乗らない。本人いわく「言葉面が気にいらない」「いかにも偉そうで性に合わない」「ドスが効いていない」とのこと。そこで自ら「大魔道士」という誰が聞いても恐れ入るような肩書きを考え出し、名乗っている。乱暴で口の悪い毒舌家でもあり、弟子のポップ曰く「横暴が服を着て歩いている」。 ハドラー打倒後は、パプニカにて重鎮として迎えられ国王の相談役を務めていたが、彼の存在が気に食わない側近達の嫉妬を受け冷遇された。そのため、助けてもらった恩もすぐ忘れ掌を返す人間に嫌気が差し、バルジ島近くの孤島に移り住み洞窟に一人こもって生活していた。ダイたちをフレイザードから救った際も、それは気まぐれであってそれ以上は手を貸さないと言い切ったが、アバンの訃報とダイの気魄に打たれ、ダイたちに力を貸すことになる。 片手で使えるものであれば、2つの呪文を同時発動させることもできる。極大閃熱呪文ベギラゴンをも使いこなし、その威力は魔王ハドラーをも凌ぐ。総合的に見て人間としては最強レベルの魔力と魔法の技術を誇っていると言える。本人曰く「地上で1分間の魔力勝負ならまだまだ誰にも負けねえ」。 ぬるま湯にどっぷりと浸かっていたポップの未熟さに見かねて彼の師匠となり、スパルタ教育の末、ベタンやメドローアなどオリジナルの強力な呪文を授け、ポップの精神的な成長にも多大な影響を及ぼした。ポップの相談に乗る事も多く、最終的にはポップの事を「自慢の弟子」と呼び、半ば実の子供のようにも思っていた。ポップも師として尊敬しており、好敵手シグマとの決戦時には、マトリフと同じ「大魔道士」の称号を名乗った。 「魔法使いはパーティー内で一番クールでなければならない」が持論で、戦況を冷静に観察し見極める。一方では仲間を何よりも大事にする熱い面を持っている。アバンの人柄を認め「数少ない友人」だと語っており、かつてアバンをみすみす犠牲にした事を悔やんで理論上凍れる時の秘法をも打ち破れるメドローアを開発したり、13巻ではアバンを殺したと思われていたハドラーに対して強い怒りを露わにして特別サービスと称して、「オレがあの世に送ってやるからアバンに謝ってきな」と言い放っている。また、マァムの父・ロカに対しても「いいやつ」だったと認め、早過ぎた死を惜しんでいる。老齢な上に過去に自己犠牲を厭わず仲間のために禁呪法等を使った無理がたたり、体を蝕まれている。そのため強力な呪文を用いると吐血してしまい、しばらく安静にしている必要が出てしまう。 「女を泣かさない」のが主義だが、無類の女好きかつ女癖が非常に悪く、マァムやエイミへのセクハラ行為で彼女らをよく怒らせている。昔はレイラの家によく遊びに来ており、その娘であるマァムのおしめを替えたこともあるらしい。レイラとの会話から、かつてパーティーだったときにもセクハラしていたらしいことが仄めかされているが、これは親しまれることで自身に万が一のことがあった際に悲しませたくないからという見方もでき、そういう意味では彼もアバンやロカに偉そうなことは言えない。 鳥嶋和彦が風貌およびネーミングのモデルとなっており、『週刊少年ジャンプ』掲載時に「マシリト」と誤植されたことがある。 本人の台詞によれば「ブロキーナと並んで世界で一番有名な老人」。まぞっほとは、かつて同じ人物に師事していた兄弟弟子。最終決戦で黒の核晶の爆発寸前に、偽勇者一行が先んじていたオーザムの柱に駆けつけ、まぞっほが師匠の元から夜逃げして以来という再会を果たした。配備されたモンスター(ジャミラスの姿をしている。名前は不明)をメドローアで消し飛ばすも、負担が大きすぎて核晶を凍結させるだけの余力がなかったため、まぞっほに活を入れ見せ場を譲った。最終決戦後は、偽勇者たちの面々から金品を巻き上げており、彼らにとって頭の上がらない存在になっている。『勇者アバンと獄炎の魔王』 パプニカ王国のヨミカイン魔導図書館で、本の罠にかかり本の中に閉じ込められていた。魔王ハドラーが地上に侵略する前から本の中に閉じ込められていたので、ロカと出会った後に話を聞くまで、魔王の侵略を知らなかった。魔導図書館でロカたちの協力を得て元の姿に戻り、魔導図書館を支配していたガンガディアを重圧呪文ベタンで撃退・撤退させる。そして、ロカとアバンたちを気に入って仲間になった。後に、サババでのハドラーとの戦いの後に、故郷であるギュータへアバンたちをルーラで案内する。 〔技〕 ほとんど全ての系統の攻撃呪文・補助呪文・回復呪文が使用可能(作中で見せたのはごく一部)。以下は一例(オリジナル呪文や出典のあるものなど)。極大消滅呪文メドローア 重圧呪文ベタン 瞬間移動呪文ルーラ 飛翔呪文トベルーラ ブロキーナ 声 - 水島裕 「拳聖」と謳われた、世界最強の武闘家。年齢不詳の老人男性。マァムやチウの格闘の師匠である。ロモスの山中に隠れ住み、武闘家に転職したマァムに武神流拳法を授けた。修行を終えたマァムと、彼女を追うチウが旅立った後は、布袋を被った変装で「ゴーストくん」や「ビーストくん」として弟子たちの行き先に現れ道化を装いつつ見守る。世間ではあまり知られていないが、かつてアバンの仲間としてハドラーと戦ったこともある。そのため知己であるロカとレイラの娘マァムが弟子入り志願に来た時のことを「あの時ほど運命を感じたことはなかった」と感慨深く述懐している。 基本的には真面目なのかとぼけているのか分からないお茶目な性格で、ロカを熱湯風呂に入れる、チウに「ワシにも同じバッチ作って」と言う他、しばしばジョークを発し、「おしりぴりぴり病」「ひざがしらむずむず病」「くるぶしつやつや病」「土ふまずぺたんこ病」などの謎の持病を患っていると言っては、無駄な争いを避けたり、弟子入りを断る方便に使っている(その際に必ず咳き込むが、「何故その病気で咳を…?」とマァムやチウらに心の中でツッコまれている)。しかしその実力は本物で、ヒムからは「格闘の教科書みたいな戦い方」と絶賛され、ラーハルトにも「あれほどの動きを身につけているとは」と驚かれている。もっとも、本人にはアバンと出会うまで自分が有名人になっている自覚などなかった模様。 老いてなお武闘家を名乗っているだけあって戦闘能力は高く、知識も高く、敵の弱点を瞬時に見抜く、粘液で裂孔拳を封じられたマァムにメラを放てと言う、「凍れる時の秘宝」や呪文にも詳しいなど博識でもある。全力を出せばバーンの肉体を使用したミストバーンをも圧倒するほど(マァムには「ミストバーンでなければ一撃で終わっていた」と言われている)。ただし肉体は既に全盛期を過ぎてしまっているため、全力を出せる時間は1分ほどしかない。 名前の由来は「武道の翁」から。『勇者アバンと獄炎の魔王』 原作設定の通りに、ネイル村近くに住む老師として登場。アバンに、大地斬習得のきっかけを与えた。 〔技〕以下のほか武神流の技・奥義(猛虎破砕拳等)も使えるはずだが作中では見られなかった。閃華裂光拳に関しては、原作では使われなかった(対戦した相手がザムザの時はマァムに任せ、ミストバーンや超魔ゾンビになったザボエラという使っても意味がない相手だったという事もある)が、スピンオフ『勇者アバンと獄炎の魔王』にて使用された。土竜昇破拳 閃華裂光拳 回復呪文 指一本での薪割り 木の実を弾き飛ばしてぶつける ロカ 声 - 三宅健太 マァムの父で、アバンの仲間だった戦士。カール王国の年長の騎士達がハドラー軍侵攻で全滅したため、若くして騎士団長に就任した。アバンとは幼馴染の親友。アバンと出会った当初は、そののんびりとした優男ぶりに疑問を抱いていた。ハドラーがカールを襲撃した際、勝手に行方をくらませたアバンを軽蔑し、「お前との仲もこれまでだぜ」と考えたが、それは魔王軍を同士討ちさせるための「毒蛾の粉」を精製するためであった。突如として隠していた実力を発揮して、ハドラーを撃退したアバンの必殺技(未完成状態のアバンストラッシュ)に希望を見出し、彼と共に打倒ハドラーの旅に出る。直情的な性格で、「一生女なんか好きにならない」「結婚することがあったら国内を裸で走り回る」と語っていたが、最終的には天使のような美しいレイラと恋に落ち、二人の間にはマァムが生まれた。シリーズ開始時点では故人(亡くなった経緯については、一切描写がされなかった)。 マトリフの台詞によれば、マァムの持つ怪力は父譲りとのことであり、下記のスピンオフではその怪力ぶりが発揮されている。『勇者アバンと獄炎の魔王』 第1話から原作設定の通りに、カール王国の騎士として登場。アバンの最初の仲間として旅に同行する。ヨミカイン魔導図書館での戦いで、師のコバルトから教わった「豪破一刀」を完全に会得する。 両手剣・斧・素手による殴打など怪力重視の戦いを行うが、反面鈍足であり、レイラのピオラで補っている他、土砂崩れの岩をどかしたり、3人まとめて運び出すなどで活躍している。 人々を惹きつける魅力がある。 主な技は豪破一刀。 レイラ 声 - 上村典子 / 折笠愛、小松未可子(若かりし頃) マァムの母でアバンの仲間だった僧侶。33歳。ロカの妻で、ネイル村の出身。魔王ハドラーと戦うアバンとロカが偶然村を訪れた際に彼らの力になりたいと、押しかけでパーティに加わったらしい。その冒険途中にロカの子(マァム)を身ごもり、パーティは一時解散となっている。魔王を倒した現在は、故郷のネイル村でマァムと共に暮らしていた。ダイやポップと共に戦いたいと思っていたマァムを、笑って後押しした。 顔はマァムとよく似ている。また、マァムの母親だけあってマァムに負けず劣らずのプロポーションの持ち主(下記のスピンオフでは、そのナイスバディぶりが発揮されている場面がある)であり、マトリフと再会した時に「マァムは若い頃のお前に体つきが似てきた」とからかわれている。また、過去の回想にロカと一緒に登場した際は、「こんな女に惚れるわけがない」と意地を張られた際は、睨みつけて黙らせるなど、気の強さを見せている。 マトリフには「エロねーちゃん」と呼ばれていた。 アバンと共に魔王と戦ったほどの実力の持ち主ではあるが、現在では完全に引退しネイル村に留まっている。『勇者アバンと獄炎の魔王』 2話から、原作設定の通りにネイル村の僧侶として登場。パーティーに加入するまでの詳しい経緯などが描かれている。また、スピンオフでアリアムという父親が登場(詳しくは#ネイル村関係者を参照)。 当時は村最強の人物で、猛者や荒くれ全員を黙らせるほどの力を持ち合わせており、通称「影女」と呼ばれる盗賊を兼ねて、魔の森に足を踏み入れた人々を物を奪わずに追い払っていた。これは教会側が止めているにも関わらず魔物退治に行っては返り討ちにあってボロボロで帰って来るので教会の仕事が増えるのを見かねての行動である。 幼い頃、ピオリムの呪文を契約していたが使えていなかった(影女として戦う決意をしたときのみ、それが無意識に発動していた)。後に、魔導図書館で、作中では古代の呪文とされるピオラの契約を行い、ピオラを使用可能となる。 〔技〕 真空呪文(バキマ)、回復呪文(ベホマ・ベホイミ)、解毒呪文(キアリー)、ピオラ/ピオリム、ハンマースピアによる打撃攻撃 〔技(影女として)〕短剣二刀流による斬撃で敵側も戦術の大幅変化に戸惑う。
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