福音探求会(イシュ・カリオテ)
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「トリニティセブン 7人の魔書使い」の記事における「福音探求会(イシュ・カリオテ)」の解説
マスター・リベル 声 - 山下七海 年齢不明(外見年齢は10歳)、身長:146cm、スリーサイズ:B 74/W 56/H 77。元・王立リベル学園の学園長にして「大魔公」の1人。専門術式は星辰術(サモン・アストロジー)。「書庫」及び『聖櫃』は暴食(グラ)で、「テーマ」は神聖(サンクタス)。「聖(サケル)の裁定者」の通称を持つ、「天の裁定者」の一翼。福音探求会(イシュ・カリオテ)の首魁であり、風貌こそ若々しいものの口調は年老いている。かつて大魔王ディース・トリニティを地上から神曲門の世界へと追いやった魔道大戦の頃からの永きを生きている為、作中の人物の中でも最年長に近い。 星々の世界の果てに存在するという邪神の力を借り受ける魔道を修めるが、その中でも彼女が得意とするのは未来予知。これを用いて戦闘では召喚した邪神軍を的確に運用して敵を追い詰め、策謀においては無数の未来の中から望む未来に辿り着くべく方々に手を伸ばすことを可能にしている。 誰にも認識出来ないまま無限に繰り返されるループ現象を正しく知覚する程の絶大な俯瞰能力を有しているため、小説版第三巻において幾度となく繰り返されたアラタとセレスの出会いや、派生作品『リーゼ・クロニクル』においてβ時空に赴いたリーゼがクロノス・トリニティ諸共無限の時間に囚われるまでの顛末なども、全て認識しているという規格外さを見せる。 未だアラタが魔王として何の覚醒の兆しも見せていなかった幼少期からその素質を見抜いており、リベル学園所属の両親を持つ聖に彼の監視役ともしもの際の殺害役を命じていた張本人。如何なる手段を用いてでもこの世界を滅ぼし、魔王というシステムから解放された世界を作り出すべく、対魔王兵器として育成した聖をはじめ様々な手札を手中に収めている。「神聖」のテーマは、邪神を祀り、信じ、神が造ったシステムからの打開を研究し続けるが故のもの、とのこと。 その正体は現役最古参となる裁定者の一人であり、長命ゆえの老獪さや邪神軍の使役を能力とすることも合わせ、裁定者の指導者として「大司教(アークビショップ)」の称号を有している。体や魂自体は経年劣化で消滅したことこそあれ、彼女という“存在”は途方もない時間を経てなお同一性を継続している模様。物語が進む中でかつては生前のセレスと親友同士であった事も判明しており、「セレスが己の存在を対価にして大魔王に封印を施した過去を無意味にしない」という思いも、魔王討伐派閥の裁定者として活動する原動力になっている。ただし、アマナによれば裁定者の席を引退したがっているらしく、実際に作中では後継者候補としてアキオが天界に招かれている。 地上世界では主に魔力節約などの観点から「書庫」に接続しているが、本気で戦う際には『聖櫃』への接続を行い、この際は一時的に妙齢の美女の姿への変身を伴う。変身後も邪神軍の召喚という戦闘方法そのものは変わらないが、概念機構(イデアフレーム)に対する直接干渉という超高度な属性の書き換えが可能となる為、相手の魔術属性に対してピンポイントで完全無効化を行うことで絶大なアドバンテージを得ることが可能。直接戦闘こそ不得手であっても、ルーグへの強化術式や対天人特攻術式などの手札を数多く保有・活用することで、総合的には決して侮れない実力を誇っている。 新章では、「深闇の女神」の復活が近付いたことで計画を最終段階に移し、聖を贄にして対魔王兵器《黒帝焰界》を完成させる。天帝極法の化身となった聖をアラタと戦わせ、その敗北と消滅を以て「情」の化身であるアラタが黒帝焰界に囚われ自滅するまでの段取りを完了させた。その後、無限に等しい可能性の中からこの展開に辿り着く為に多くの準備を重ねて来た事を語り、半ば共闘関係に近い状態になっていたビブリア学園の面々とは袂を分かっている。しかし、直後に地上世界を訪れたファウナリアとマリスに聖を侮辱された際には珍しく怒りの感情を露わにしており、圧倒的な実力でファウナリアを下して見せた。自身の切り札として手塩に掛けて育てた聖やルーグには、彼女なりに情を持っている模様。 春日 聖(かすが ひじり) 声 - 諏訪彩花 / 下屋則子 16歳、身長:156cm、スリーサイズ:B 83/W 56/H 84。福音探求会(イシュ・カリオテ)のメンバーの1人。幼い頃から魔道士として目覚め、マスター・リベルの指示でアラタの監視及び万が一の場合の抹殺を命令されて派遣されていた元・王立リベル学園の魔道士。専門術式はアリンと同じ聖儀術(カオシック・ルーン)。「書庫」及び『聖櫃』は憤怒(イラ)で、「テーマ」は崩壊(ルイーナ)、創造(パルタム)、分解(アナリシス)。「アスティルの写本」と「イーリアス断章」の元々の所持者でもある。 両親が事故で他界したため、アラタの家の世話になっていたという設定だが、実のところ両親が事故死したのは聖ではなくアラタの側。この事故のショックで早期に魔王として覚醒することが無いように暗示をかけ、「両親が事故死した従妹を引き取った」という認識を植え付けて生活を共にしていた。リベル学園所属のエージェントであったアラタの父方の叔父と、同じくリベル学園に所属するその妻との間に生まれた、名実ともに血の繋がった従姉妹。世話好きで口うるさいところもある。「崩壊現象」で「無の世界」に飛ばされる寸前、アラタに伝説の魔道書「アスティルの写本」を手渡した。 現在の聖はアラタの知る聖ではなく、魔王因子をその身に宿して世界を滅ぼそうと目論む強力な対魔王兵器の化身となっている。ただし、それは存在を失って辿り着いた世界の狭間でトリニティセブンと出会った魔王が世界を滅ぼし、また世界が生まれては魔王が滅ぼすという破滅と誕生のループを幾度となく俯瞰したことで、そんなシステムから魔王候補であるアラタを救おうと決意しての行動であったことが語られる。「憤怒」を超える感情を持ちながら「憤怒」の概念を持たず、愛ゆえに世界を崩壊に導き魔王を殺すことが出来る者であるとして、その境地はリベルから「簒奪王(スルトル)」の素質と称されている。リーゼから魔術を借りる形で幾星霜の時間を耐え抜き、「深闇の女神」復活に伴い自分以外の全てが死に絶える結末を迎えては、最初からやり直すという絶望的なループを繰り返していた。 魔王因子を用いることで「崩壊」、「創造」、「分解」の3つのテーマを極めており、トリニティに達している。異空間にアラタを閉じ込めることに失敗したため、「憤怒」の顕現装束「セイタン」をまとってトリニティセブンと対決するが、魔王因子を持つアラタとリリスの「メテオ・ドラグナー」に敗れ、一時休養を余儀なくされた。 アラタには昔から好意を抱いており、聖はアラタの魔王候補としての力が無ければ、「アラタさんのお嫁さん」になるという夢を抱いていた。 アリンと同じくかつての「世界樹の巫女」セレスティアの転生体の片割れであり、実はアリンと同じようにトリニティセブンの資格と「最終起動鍵」としての能力を有している。これはどちらかが欠けても必ず魔王の伴侶になれるようにと願われてのものだが、その同一性がアラタとアリンが望郷図書館に閉じ込められた際にはネックになったことも。 本編新章において、ルーグが収集した邪神鍵と己の魂を贄とする形で、天帝極法《黒帝焰界》の化身として新生すると共に、「世界樹の巫女」としてのアリンとのリンクも途絶。同時に「天」の属性と『聖櫃』への接続能力を獲得しており、アラタを殺害して魔王としての呪縛から解放するべく、真っ向から激突した。一対一での戦いの果てに敗北を受け入れた際には物言わぬ剣と化し、己の記憶と感情を無限の黒焰として内包し続ける「滅びの世界」という形で、遂にアラタの元へと帰り着いた。その後、アラタが黒帝焰界の世界に接続した際には、本来の人格のセレスに限りなく同調したような形で、黒焰に焼かれ続ける彼の精神に語り掛けている。 ルーグ 声 - 福原綾香 18歳、身長:160cm、スリーサイズ:B 82/W 55/H 83。専門術式は光輝術(イルダーナハ)。「書庫」は嫉妬(インウィディア)で、「テーマ」は誠意(フェイス)。加えて、魔王因子を用いて神話武装を極限まで使いこなす形で勇気(ヴァータス)、解放(ソルヴォ)のテーマを取得しトリニティに到達している。 光の速度を研究し、視認不可能な程の神速の体術で戦う福音探究会(イシュ・カリオテ)のメンバーの1人で、秘法探査員の役割を担っている。着物風の和服を身にまとい、研究の一環として世界を平面的に視る為に右目を眼帯で覆っている少女。一人称は「当機」。 戦闘中でも相手の戦闘能力を分析するほど冷静沈着な性格だが、笑いを棒読みするほど感情表現が苦手で、言葉の意味が理解できないなど天然な一面も持つ。ただし、それでもレヴィを正面から追い詰める程の戦闘能力は確かであり、「世界で二番目に強い魔道士」を自称する。体術がメインの魔道士でありながら無数の光を降り注がせる範囲攻撃や超高速移動の魔術も有しており、先に魔術を発動してから後追いで詠唱を行う順延詠唱(ポストスペル)の技術を有するなど、後述する多数の神話武装も含めてかなり豊富な手札を持っている。 トリニティセブンとの戦いで敗北した後はマスター・リベルに忘れられ、首に魔力抑制の拘束具を付けられたうえで捕らわれの身となるが、アビィス・トリニティとの戦いの最中に逃亡し、福音探求会に自力で復帰する。 お宝の類に目がなく、天空図書館から盗み出した「光穿槍ブリューナク」「光斬剣フラガラッハ」「光剣翼クラウソラス」の三種に加えて、「光魔銃タスラム」や「始祖秘宝Dionȳsos」など多くの神話武装を所有している。外伝において二代目の十二魔将・ドラグナッツォとなった果心竜貴と交戦した際には、どさくさに紛れて「死竜の鱗」を入手したが、これは後にアラタの手によって十二魔将が支配された際にドラグナッツォが蘇る触媒となった模様。飛行手段を持つため、戦闘では何だかんだと言ってレヴィに頼られることも多い。 詳細は不明なれど、光の魔道「光輝術」とは別に光の武術「光武術(サウィルダーナハ)」も修めており、眼帯を普段とは逆に左目を覆う形で付け替えることにより、食らった技をほぼ完全に模倣再現出来るようになる。 その正体は、かつて大魔道大戦の折に「神」の因子を人に付与して製造された神人(しんじん)と呼ばれる生物兵器の末裔。この特性故に、神話武装ごとに設定されている取得テーマや書庫等についての制約を全て無視する事が可能であり、破格の数の神話武装を完全に使いこなしている。また、素の戦闘能力は「天の裁定者」に劣るものの、リベルの術式によって強化を施されれば10秒間限定で裁定者クラスの力を発揮する事も可能。 生き残りが居ないとされている神人の末裔ゆえに人との触れ合いの経験が乏しく、本編開始の半年ほど前に知り合った聖は、自身にとって貴重な友人となっている。その為、地上世界を訪れたファウナリアらが聖を侮辱した際には、リベルと共に激しい怒りを見せた。
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