母の初恋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/30 00:53 UTC 版)
『母の初恋』(ははのはつこい)は、川端康成の短編小説。全5章から成る。母の初恋の人に引き取られた娘が、密かに彼を慕いながらも、別の男のもとへ嫁いでゆく悲恋の物語。亡き母の恋が神秘な力で娘の生をくぐって伝わってゆくという主題で、妻子持ちの男と若い娘の実らない恋が潔く描かれている[1]。ヒロインである「純潔な少女」は、川端の全作品をつらぬく主題の象徴ともなっている[1]。川端自身は第4章(母の死の章)に愛着を持ち、「そこのところの少女は可愛く、少し涙をこぼしながら書いた」としている[2]。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 三島由紀夫「解説」(『夜のさいころ』浪漫新書・トッパン、1949年1月)。「『夜のさいころ』などについて」(『狩と獲物』要書房、1951年6月)。三島27巻 2003, pp. 129–133に所収
- ^ a b 「あとがき」(『正月三ヶ日』新声閣、1940年12月)。評論5 1982, p. 595に所収
- ^ a b c 「解題」(小説7 1981, pp. 591-)
- ^ 「あとがき」(『川端康成選集第9巻 高原』(改造社、1939年12月)。評論5 1982, pp. 567–662
- ^ a b c d e f g 高見順「解説」(愛する 2006, pp. 223–230)
- ^ a b c 「後姿」(「父母への手紙」第二信)(文藝時代 1932年4月号)。小説5 1980, pp. 181–232、作家の自伝 & 1994-09に所収
- ^ a b 「第三章 千客万来の日々――満州行」(秀子 1983, pp. 75–156)
- ^ a b 川嶋至「『伊豆の踊子』を彩る女性」(上・下)(北海道大学国文学会 国語国文 第18・19号、20号、1961年3月、12月)。「第三章 精神の傷あと―『みち子もの』と『伊豆の踊子』―」(川嶋 1969, pp. 65–111)
- ^ 川嶋至「『母の初恋』論のための序章」(苫小牧駒澤短期大学研究紀要 第2号、1966年11月)。「『母の初恋』をめぐる一つの推論」(北海道大学国文学会 国語国文研究 第36号、1967年2月)。「第五章 ひとつの断層―みち子像の変貌と『禽獣』の周辺―」(川嶋 1969, pp. 158–199。森本・上 2014, pp. 399–340
- ^ a b 福田淳子「母の初恋」(事典 1998, pp. 297–298)
- ^ 「カバー解説」(愛する 2006)
- ^ a b c d 「第三章 恋の墓標と〈美神〉の蘇生――自己確立へ 第五節 〈美神〉の蘇生『母の初恋』」(森本・上 2014, pp. 398–414)
- ^ a b 「第三章 恋の墓標と〈美神〉の蘇生――自己確立へ 第七節 新しい〈美神〉『故園』と『天授の子』」(森本・上 2014, pp. 450–472)
- ^ 田中保隆「故園」(作品研究 1969, pp. 189–204)
固有名詞の分類
- 母の初恋のページへのリンク