刑事部
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刑事部(けいじぶ)とは、日本の刑事司法に携わる官公庁の部局の名称であり、以下のような例がある。[1]。
- 都道府県警察本部に設置され、刑事事件の捜査を行う部局。本項で解説する。
- 検察庁において捜査を実施する部局。
- 各地の裁判所において、刑事訴訟の審理を担当する部局[2]。これに対し、民事訴訟の審理を担当する部局を民事部と呼ぶ。
概要
一般に刑法犯罪に対する捜査を行う。刑事ドラマなどで一般的な「刑事」と呼ばれる職員が所属する部署。以下の通りの構成が多い。小規模な県警察では、第三課、第四課が設置されておらず、第一課が窃盗犯捜査を、第二課が暴力団犯罪を兼ねる場合もある[3]。
- 捜査第一課
- 強行犯と呼ばれる殺人、強盗、暴行、傷害、誘拐、立てこもり、性犯罪、放火などの凶悪犯罪を担当する[4]。
- 捜査第二課
- 知能犯と呼ばれる詐欺、通貨偽造、贈収賄、背任、脱税、不正取引などの経済犯罪を担当する部署である[5]。
- 警察も脱税の刑事事件捜査は可能である。担当課は、警察署では刑事課知能犯係、警察本部では捜査第二課、ただし反社会的勢力関係であれば組織犯罪対策課となる[6][7][8]。平成27年6月には、福岡県警工藤會関連事件特別捜査本部および捜査第二課が、福岡地方検察庁、福岡国税局と連携し、五代目工藤會総裁を所得税法違反容疑で逮捕している[9]。特殊詐欺は詐欺の1つとして捜査第二課が担当してきたが、暴力団を中心とした組織的な犯罪となっていることから、警察庁が2021年4月、事務を知能犯捜査部門から組織犯罪対策部門に移管[10]。各警察本部も同時期に捜査第四課や組織犯罪対策課の担当とする組織改編を行ったところがある[11][12]。
- 捜査第三課
- 盗犯と呼ばれる空き巣、引ったくり、万引きなどの窃盗事件を担当する。同じ引ったくりでも被害者が被害品を放さずに引きずられて負傷した場合には強盗致死傷事案に変わり、一課の担当になる。
- 捜査第四課
- 暴力団事犯捜査を担当する。刑事部の各部署が罪種によって担当部署が切り替わるのとは異なり、暴力団事犯であれば罪種を問わず担当する[5]。
- 警視庁は、平成15年に刑事部捜査四課と生活安全部薬物対策課などの部署を統合させる組織改編を行い、「組織犯罪対策部」を発足させた[13]。
- 福岡県警察は、平成22年に刑事部組織犯罪対策局を部に昇格させる組織改編を行い、「暴力団対策部」を発足させた。暴力団対策専門の部の設置は、警視庁に次いで全国で2例目である[14]。暴力団対策部は、それまで暴力団捜査を担当していた捜査四課など刑事部の局・課を移行し、組織犯罪対策課、暴力団犯罪捜査課、北九州地区暴力団犯罪捜査課、薬物銃器対策課の4課を設置。北九州地区暴力団犯罪捜査課が指定暴力団工藤會の犯罪捜査を担当し、暴力団犯罪捜査課は工藤會を除く県内の暴力団捜査を担当する[15]。特殊詐欺は上記のように2021年春に捜査第四課または組織犯罪対策課に担当させるよう組織改編した警察本部が増えている。
- 鑑識課
- 事件現場に残された指紋や足痕跡などの証拠物を採取する。採取された証拠物の鑑定は科学捜査研究所で行う。科捜研でも鑑定が不可能な場合には中央官庁の科学警察研究所で行う。
- 機動捜査隊
- 普段は覆面パトカーで地域を警邏し、事件が起こった場合には、初動捜査を行う。初動捜査のみで事件が解決出来ない場合は、捜査一課、捜査三課などに捜査を引き継ぐ。
各所轄警察署には同様の業務を担当する「刑事課」がある。警視庁刑事部長の階級は警視監、道府県警察本部刑事部長は警視正あるいは警視長が充てられている。
警視庁刑事部
警視庁においては、刑事部の所掌事務は以下の2点と定められている(警視庁の設置に関する条例(昭和29年東京都条例第52号)第10条[16])。
- 刑事警察に関すること。
- 犯罪鑑識に関すること。
組織
組織[17]
- 刑事総務課
- 庶務 - 庶務係(刑事部内、刑事総務課内の庶務)
- 会計 - 会計係(刑事部内の予算経理)
- 刑事企画 - 刑事企画第1・2係(刑事部の総合調整)
- 刑事指導 - 刑事指導第1・2係(刑事警察官の実務指導)、法令指導第1・2係(法令の研究、指導)、刑事特別捜査係(刑事部長の特命事件捜査)
- 刑事教養 - 刑事教養第1・2係(刑事警察官の実務教養、講習)、刑事統計係(刑事統計)
- 捜査第一課(捜査第一課員のみが、「S1S mpd」と金文字の入った金枠付きの赤い丸バッジを背広の襟に付けている)
- 第一強行犯捜査 - 強行犯捜査第1係(課内庶務)、強行犯捜査第2係(捜査本部の設置、連絡調整)
- 第二強行犯捜査 - 強行犯第3・4係(強行犯捜査資料の収集整備)、科学捜査第1・2係(科学捜査)
- 第三強行犯捜査 - 殺人犯捜査第1・2係(殺人、傷害事件の捜査)
- 第四強行犯捜査 - 殺人犯捜査第3・4係(殺人、傷害事件の捜査)
- 第五強行犯捜査 - 殺人犯捜査第5 - 7係(殺人、傷害事件の捜査)
- 第六強行犯捜査 - 強盗犯捜査第1係(強盗事件の捜査、暴行・傷害事件の連続犯事件の捜査、強盗事件に係る犯罪手口資料)、強盗犯捜査第2 - 4係(強盗事件の捜査、暴行・傷害事件の連続犯事件の捜査)
- 第七強行犯捜査 - 性犯罪捜査第1係(性犯罪捜査、性犯罪に係る犯罪情報収集及び分析、性犯罪捜査の実務指導)、性犯罪捜査第2・3係(性犯罪捜査)
- 第八強行犯捜査 - 火災犯捜査第1・2係(放火・失火事件捜査)
- 第一特殊犯捜査 - 特殊犯捜査第1・2係(誘拐、人質立てこもり、航空機強取事件、電話及び文書による恐喝、脅迫)
- 第二特殊犯捜査 - 特殊犯捜査第3・4係(公共交通機関での事故事件、爆破事件、爆発事故、産業災害による業務上過失致死傷事件の捜査)、特殊犯捜査第5係(特殊犯に係る重要特異な事件の捜査、特命事件の捜査)
- 第三特殊犯捜査 - 特殊犯捜査第6・7係(インターネットによる恐喝、脅迫等に係る犯罪の捜査)
- 特命捜査対策室 - 特命捜査第1 - 5係(未解決事件の継続捜査〈殺人事件については2010年5月から公訴時効が廃止されたため〉、強行犯に係る特命捜査)
- 捜査第二課
- 第一知能犯捜査 - 知能犯捜査第1・2係(課内庶務、知能犯捜査運営、知能犯捜査の資料整備、知能犯罪情報に係る捜査)
- 第二知能犯捜査 - 選挙係(選挙違反事件捜査、政治資金規正法違反捜査)、情報係(知能犯情報の収集及び管理、重要特異な知能犯事件の捜査)
- 企業犯捜査第1・2係(企業犯罪捜査)、企業犯捜査第3 - 6係(金融機関に係る知能犯罪捜査)
- 第三知能犯捜査 - 第1 - 3係(贈収賄等重要知能犯罪捜査、特命事件の捜査)
- 第四知能犯捜査 - 第4 - 6係(贈収賄等重要知能犯罪捜査、特命事件の捜査)
- 第五知能犯捜査 - 第7・8係(贈収賄等重要知能犯罪捜査、特命事件の捜査)
- 第一財務捜査 - 財務捜査第1 - 3係(企業犯罪捜査、知能犯罪に係る財務解析等の捜査)
- 第二財務捜査 - 財務捜査第4・5係(企業犯罪捜査、知能犯罪に係る財務解析等の捜査)
- 第三財務捜査 - 財務捜査第6 - 8係(企業犯罪捜査、知能犯罪に係る財務解析等の捜査)
- 第一知能犯特別捜査 - 特別捜査第1 - 6係(告訴事件調整及び捜査、詐欺・背任・横領に係る犯罪捜査、通貨及び公債偽造、不動産侵奪・境界毀損、名誉及び信用、知能犯に係る犯罪手口資料、他の分掌に属しない特別法に係る犯罪の捜査)
- 第二知能犯特別捜査 - 特別捜査第7係(告訴事件調整及び捜査、詐欺・背任・横領に係る犯罪捜査、通貨及び公債偽造、不動産侵奪・境界毀損、名誉及び信用、知能犯に係る犯罪手口資料、他の分掌に属しない特別法に係る犯罪の捜査)
- 第三知能犯特別捜査 - 特別捜査第8 - 10係(告訴事件調整及び捜査、詐欺・背任・横領に係る犯罪捜査、通貨及び公債偽造、不動産侵奪・境界毀損、名誉及び信用、知能犯に係る犯罪手口資料、他の分掌に属しない特別法に係る犯罪の捜査)
- 第四知能犯特別捜査 - 特別捜査第11 - 13係(告訴事件調整及び捜査、詐欺・背任・横領に係る犯罪捜査、通貨及び公債偽造、不動産侵奪・境界毀損、名誉及び信用、知能犯に係る犯罪手口資料、他の分掌に属しない特別法に係る犯罪の捜査)
- 第五知能犯特別捜査 - 特別捜査第14 - 16係(告訴事件調整及び捜査、詐欺・背任・横領に係る犯罪捜査、通貨及び公債偽造、不動産侵奪・境界毀損、名誉及び信用、知能犯に係る犯罪手口資料、他の分掌に属しない特別法に係る犯罪の捜査)
- 聴訴室 聴訴第1・2係(知能犯罪の告訴及び告発事件受理、知能犯罪捜査の指導教養)
- 捜査第三課
- 第一盗犯捜査 - 第1係(課内庶務、窃盗犯捜査運営)、第2係(手口資料、窃盗等常習者の把握、盗品等捜査資料及び手配、盗品等捜査の指導、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反の捜査)
- 第二盗犯捜査 - 第3係(外国人又は集団による窃盗、盗難、遺失等に係るクレジットカード、預金通帳等を用いた詐欺に係る犯罪の捜査、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反の捜査)
- 第三盗犯捜査 - 第5・6係(窃盗捜査)
- 第四盗犯捜査 - 第7 - 9係(自動車盗、ひったくり、すり、その他の窃盗犯捜査)
- 捜査共助課(全国指名手配担当・他道府県警察との協力事務)
- 第一捜査共助 - 手配係(課内庶務、指名手配連絡調整)
- 第二捜査共助 - 捜査共助係(指名手配等被疑者の追跡捜査)、広域捜査共助係(広域重要事件手配事務)
- 鑑識課(鑑識・検視・警察犬の訓練など担当)
- 第一現場管理 - 鑑識管理係(課内庶務、鑑識機材管理)、鑑識対策係(鑑識指導、鑑識資料の収集整備、特命事件の鑑識)、現場鑑識第1 - 4係(現場鑑識)
- 第二現場管理 - 現場鑑識第5 - 8係(現場鑑識)、警察犬係(警察犬の管理運用)
- 検視 - 検視対策(調整、特命事件の検視)、検視第1 - 第3係(検視、死体取扱いの調査、身元不明者等の調査)
- 指紋 - 現場指紋係(現場の指紋の採取、選別)、指紋照合第1・2係(指紋の照合)、指紋理化係(指紋の検出)、指紋資料係(指紋原紙の管理)、現場足跡係(現場足跡、足跡等の照合及び鑑定、タイヤ痕等の採取)
- 写真 - 現場写真係(現場写真の作成)、特殊写真係(写真の特殊処理、写真鑑定)、写真資料係(モンタージュ写真、似顔絵等の作成)
- 科学捜査研究所(通称:科捜研)
- 第一法医科 - 庶務係、法医第一係(体液、組織の鑑定及び検査)
- 第二法医科 - 法医第二係(DNA鑑定)
- 物理科 - 電気係(電気事故、火災原因、声紋、その他物理学的鑑定及び検査)、機械係(機械事故、交通事故原因、銃器及び刀剣類の鑑定、痕跡の鑑定)
- 文書鑑定科 - 文書鑑定係(文書鑑定、通貨)、心理係(ポリグラフ、知能検査、性格検査、方言鑑定、その他言語心理学の心理鑑定)
- 第一化学科 - 化学第一係(ガス関係事故原因、火薬・爆発物の鑑識及び検査)、化学第二係(油類、有機溶剤の鑑定及び検査)
- 第二化学科 - 化学第三係(薬物鑑定及び検査)、化学第四係(酩酊度鑑定及び検査、公害関係の鑑定及び検査、薬毒物の鑑定及び検査)
- 捜査支援分析センター 所長、副所長、分析官
- 第一捜査支援 - 支援管理係(庶務、捜査支援要請受付)、機動分析第1・2係(現場における画像等の収集及び分析による捜査支援、旅券等の簡易鑑定)
- 第二捜査支援 - システム第一係(捜査支援システムの運用・管理・指導)、システム第二係(捜査情報の収集及び管理、土地鑑資料の登録及び照会)、情報分析係(犯罪情報分析)、分析捜査係(現場における犯罪関連情報の集約及び分析による捜査支援)
- 技術支援 - 技術支援第1・2係(情報機器の解析及び鑑定、科学技術を活用した捜査支援)
- 機動捜査隊(初動捜査)
- 主な特別捜査本部
- 上祖師谷三丁目一家4人強盗殺人事件特別捜査本部(世田谷一家殺害事件)
- 柴又三丁目女子大生殺人・放火事件特別捜査本部(柴又女子大生放火殺人事件)
- 大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件特別捜査本部(八王子スーパー強盗殺人事件)
役職
- 刑事部長(警視監)
- 参事官(警視正)
- 課長(刑事総務・捜査第一・捜査第二課長が警視正、それ以外が警視)
- 理事官(警視)
- 管理官(警視)
- 係長(警部)
- 係長代理・主任(警部補)
- 係員(巡査部長・巡査長・巡査)
- 検視官(警視・警部)
- 科学捜査研究所長(警視)
- 捜査支援分析センター所長(警視)
- 機動捜査隊長(警視)
刑事部長
刑事部長は必要があると認めた場合、「特別捜査本部」の設置を発令することができる。特に人質立てこもり事件の際は刑事総務課に対策室を設置して全面指揮を執る。また事件によっては直接現場に赴いて陣頭指揮をとることがある。捜査第一課長はノンキャリアの警視正が就くことになっている。また、捜査第二課長はキャリアの警視正が就くことになっているが、理事官に署長経験者のノンキャリア警視を据えている。
脚注
- ^ “刑事部とは”. コトバンク. 2021年11月29日閲覧。
- ^ “裁判所の組織について”. 裁判所. 2021年11月29日閲覧。
- ^ 鈴木俊士『警察官になるための専門常識』つちや書店、2018年12月、P.42。ISBN 978-4-8069-1655-0。
- ^ 『小さな巨人』、「デタラメ」「警察の実態から乖離しすぎ」と批判噴出…所轄との対立もウソ . ビジネスジャーナル.2019年5月29日閲覧。
- ^ a b 井上裕務『警察官という生き方』、洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2011年5月、p.70、p.82。ISBN 978-4-86248-712-4。
- ^ 小川泰平『警察の裏側』イースト・プレス、2013年8月2日、p.223、ISBN 978-4-78-167092-8。
- ^ 小川泰平『ニッポンの刑事たち』講談社、2016年5月26日、p.12、ISBN 978-4-06-287015-3。
- ^ 菊池雅之『警察組織解体新書』ぶんか社ムック、2018年12月14日、p.26、ISBN 978-4-8211-6784-5。
- ^ 【報告事項】五代目工藤會総裁らによる所得税法違反事件の検挙について(暴力団対策部・刑事部) 2015年6月18日 福岡県公安委員会
- ^ “令和3年版警察白書(HTML版)”. 警察庁 (2021年). 2021年11月17日閲覧。
- ^ “県警人事 総務部長に鎌田氏、特殊詐欺捜査室を四課に(静岡)”. 中日新聞 (中日新聞社). (2021年3月13日) 2021年11月17日閲覧。
- ^ “特殊詐欺対策室、組対課へ 県警異動名簿”. 山口新聞 (山口新聞社). (2021年3月6日) 2021年11月17日閲覧。
- ^ “警視庁の変遷(2)(平成元年~平成29年)-東京都組織沿革”. 東京都公文書館. 2018年5月8日閲覧。
- ^ 暴力団対策部が発足 福岡県警380人態勢、全国2例目 西日本新聞2010年1月5日
- ^ 人事:県警 暴対部長に山田氏 来月発足、380人態勢で捜査強化 /福岡 2009年12月23日 毎日新聞
- ^ “警視庁の設置に関する条例”. 東京都例規集データベース. 2021年12月4日閲覧。
- ^ 警視庁本部の課長代理の担当並びに係の名称及び分掌事務に関する規定
関連項目
捜査課
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 00:45 UTC 版)
「あぶない刑事の登場人物」の記事における「捜査課」の解説
吉田 春彦(よしだ はるひこ 秋山武史) / 登場作品:TV1作目から『フォーエヴァーTV』まで 階級・役職は不明。通称「ハルさん」。 風貌は強面だが物腰は柔和で、吉井と並ぶ実直な刑事である。いかなる捜査現場でも着実に任務をこなす。 テレビ第1作途中より口髭をたくわえている。主に谷村とコンビを組むが、時に大下または鷹山と組む場合もある。容疑者追跡の際にはモーターボートを操縦する場面も見せた。実家が医者と葬儀屋を営んでいるという港署随一の資産家でもある。 使用拳銃は『またまた』ではコルト・ガバメントを使用、それ以外ではコルト・ローマンの2インチ(グリップはスクエアタイプ)を使用した。 『フォーエヴァー』の撮影中は演者の秋山は直腸癌を患っており、病を押して『TVスペシャル'98』に出演したが、『THE MOVIE』は出演せずにそのまま降板し、同作公開後の1998年9月28日に永眠した。 近藤 卓造(こんどう たくぞう 中条静夫) / 登場作品:TV1作目から『もっとも』まで 捜査課長。階級は不明。通称「タヌキ」。1935年7月25日生まれで横浜市緑区川和に居住。妻と子(息子・娘)の4人家族。刑事歴30年の生え抜きで、鷹山と同じく専門は暴力犯捜査。かつては暴力団から「鬼の卓造」と恐れられていた。 テレビ1作目・第28話「決断」で明かされた経歴によると北署捜査主任、暴力犯係長を経て1980年、港署捜査課長に就任。同話での「あと4年で定年だというのに」との発言から、1990年に定年を迎えている。 管理職ゆえ、勤務中は常に署内にいる印象が強いが、テレビ1作目・第13話「追跡」では鷹山と大下の後を追うように愛媛県松山市に出張、第20話「奪還」では自ら現場に赴いたほか、第50話「狙撃」では鷹山・大下と共に銀星会本部に出向く場面がある。そして最後の登場となった『もっとも』終盤では、松村課長と共に神奈川県警本部へ出向き、銀星会と影で癒着していた警備局長・本多を追い詰めている。 問題児である鷹山・大下には手を焼いており、「大馬鹿者!」 や「鷹山ー!、大下ー!」とよく怒声を浴びせたり、あまりに命令無視が続くとやけになって「もういい!わしゃ知らん!!」と癇癪を起こして仕事を放り出すこともある。しかし、内心では二人に厚い信頼と親近感を寄せており、最後の最後には辞職覚悟で二人の動きを黙認や密かにサポートすることもあった。『もっとも』のラストで二人が銀星会ビルの爆発に巻き込まれて生死不明となった報告を受けた際は、愕然とした表情で崩れ落ちた。二人に対する二人称は基本的に「鷹山」「大下」だが、シリーズ初期には鷹山を「タカ」と呼ぶ場面も存在する。上機嫌な時には「鷹山ちゃん、大下ちゃん」とちゃん付けになる。 家庭では、仕事帰りに買い物を頼まれていたり、夫婦喧嘩の翌日に部下に当たり散らすことも多い。趣味はゴルフで、休日にはゴルフ場に通うことが通例。しかし平日にこっそり行くこともあるようで、『もっと』第8話「秘密」でそのことを気にした発言をした。 「瞳ちゃん、お茶」はシリーズにおける定番セリフの1つである。「またまた」のエンドロール内では、全シリーズ通じて唯一、近藤の発砲シーンがある。 第1話の登場からずっと口髭を生やしていたが、テレビ1作目・第39話「迷走」以降は口髭が剃られているほか、眼鏡もシルバーフレームのから黒縁のものに変わっている。髭を落とした理由は、占いにはまっている口うるさい親戚のおばさんに「課長に金運がないのはその髭のせい」などと言われたから。髭のなくなった近藤を見て田中は「課長の髭は大事な毛と同じなのに」と残念がった。 1994年10月5日、演者の中条が逝去したため『リターンズ』以降の出演は叶わないものとなったが、『リターンズ』の中では本人の声による「大馬鹿者!」のセリフを聞くことができる(生前の音源を使用)ほか名前が幾度か登場していた。『リターンズ』のEDスタッフロール冒頭、「To the Memory of 中条静夫」という字幕に哀悼の意がこめられた。また『さらば』の劇中でもその存在が大きく言及されており、EDロール冒頭では『またまた』の出演場面がライブフィルムとして挿入された。 山路 瞳(やまじ ひとみ 長谷部香苗) 庶務・巡査(「もっとも」まで) ⇒ 通信室(「リターンズ」) ⇒ 捜査課長秘書・警部補(「さらば」)。通称「瞳ちゃん」。 テレビ1作目・第4話「逆転」では大下に気があるような発言も見せた(近藤・松村両課長もそれに驚きの表情)。オフィスラブ厳禁(減俸処分になる)だったためか、厳格な父の影響か、大下への憧れの態度はいつの間にか画面上に描かれなくなったが、『まだまだ』では7年ぶりの大下との再会に涙して喜んでいる姿が見られる。 絵心があり、数話において目撃者の証言から容疑者の似顔絵を描き、捜査に貢献。 回が進むにつれ、大下や田中の無茶振りにも即座に反応するようになり、叱りすぎて声が出なくなった近藤課長の身振り手振りを言葉に翻訳できるようにもなっていた。 平素は制服姿でいることがほとんどであったが、テレビ1作目・第49話の仙台ロケでは私服と水着の場面もあった。普段は内勤で仕事をしているが、第32話「迷路」では張り込みで谷村とカップルを装ったり、『もっと』第24話では大下の用事のために、近藤課長に内緒で外出することがあった。 テレビ1作目・第41話では港署を襲撃した犯人の人質となり、生命の危険に晒されている。 両親と同居し、3人姉妹の次女である。セリフから、先述のように父親は非常に厳格であると見られる。これは長谷部自身がシリーズの監督・長谷部安春の実娘という事実を劇中に反映したものである。横浜市長の姪。 『リターンズ』からは河野の後任の交通課無線係になった。髪型もロングヘアーだったが、『フォーエヴァー』からはショートヘアーになっている。 『さらば』では町田捜査課長の秘書官を務めている。 虎井 祐輔(とらい ゆうすけ 関口知宏) / 登場作品:『リターンズ』 通称「トラ」。階級は不明。制服警官から捜査課に転属した新人刑事。 町田とよくコンビを組み、一緒にナンパしたりテレクラ通いをしていた。 自称では人間カーナビ、道に詳しいとしているが、実際は方向音痴。調子の良さは町田をも上回るもので、ポリシーを全く感じられない程。かねてから港署勤務に憧れを抱いており『リターンズ』で念願が叶った形だったが、『フォーエヴァー』では既に異動になったもよう。 使用拳銃は、かつて大下も使用していたコルト・ローマンの2インチを使用(ただし発砲シーンはなし)。 佐伯 真理(さえき まり 島崎和歌子〈「リターンズ」〉、実田江梨花(現・中江里香)〈「フォーエヴァー」〉) 庶務 (階級は不明)。それぞれ『リターンズ』と『フォーエヴァー』のみの登場。 水嶋 修一(みずしま しゅういち 佐藤隆太) / 登場作品:『まだまだ』 巡査、新人刑事。ITに関する知識に長けており、難解なプログラムでも不自由なく解読する。足も速く、大下に世代交代を予感させた。 鷹山・大下不在となった横浜港署の検挙率を上げていたエースでもあった。過去の事件は全てデータベース化し、そこからプロファイリングして犯人を追い詰める捜査方法を取っていて、町田に其の都度報告するが相手にされなかった。また、鷹山・大下の行動パターンもデータベース化しようとしていた。 その正体は美咲涼子と同じ犯人グループの1人で、クライマックスにて自殺。その直前の「生まれ変わったら大下さんの後継者になります」との発言から、当初は"おっさん"扱いだった大下に対し、行動を共にしていた間に敬意を抱いた様子。 使用拳銃はベレッタM92F。 鹿沼 渉(かぬま わたる 窪塚俊介) / 登場作品:『まだまだ』 巡査、新人刑事。銃器関連の事になると目の色を変え、話出したら止まらない銃器マニア。射撃も凄腕であり、対物ライフルも使いこなす。 水嶋と共に港署の検挙率向上に貢献。水嶋同様過去の事件のデータをもとにプロファイリングして犯人像を導き出す手法が得意で、昔ながらの捜査方法にあからさまな嫌悪感を示す。話し方も今時の若者口調で吉井・田中ら大先輩にもタメ口を使う。 しかし水嶋と同様に、彼の正体も美咲涼子と同じ犯人グループの1人であり、クライマックスで鷹山に射殺される。 使用拳銃はグロック17。 佐伯 佳奈(さえき かな 原田佳奈) / 登場作品:『まだまだ』 庶務。町田から「瞳ちゃん、お茶」と言われ「私、佳奈です」とふくれっ面で不満を示す。 岸本 猛(伊藤洋三郎) / 登場作品:『リターンズ』、『フォーエヴァーTV』、『フォーエヴァーMOVIE』『さらば』 『リターンズ』より少年課刑事として登場。演ずる伊藤は前作まで警ら課・井沢巡査を演じており、鈴江の実質的な後任となった。 『さらば』では捜査課に異動しており、ベテラン刑事として、かつての吉井のように現場を指揮することが多い。 津久浦(池田努) / 登場作品:『さらば』 新人刑事。本編中では目立った活躍はないが、小説版では張り込み中にディーノ・カトウに拉致され、警察を誘き寄せるための人質に利用される。 保谷(松浦慎一郎) / 登場作品:『さらば』 津久浦と同じく新人刑事。覇気に欠ける性格。
※この「捜査課」の解説は、「あぶない刑事の登場人物」の解説の一部です。
「捜査課」を含む「あぶない刑事の登場人物」の記事については、「あぶない刑事の登場人物」の概要を参照ください。
「捜査課」の例文・使い方・用例・文例
- 梶は,警察の捜査課で活躍していたが,病気の妻,啓子(原田美枝子)の看病をするため,6か月前に仕事をやめた。
- 刑事の雪(ゆき)平(ひら)夏(なつ)見(み)(篠(しの)原(はら)涼(りょう)子(こ))はかつて警視庁捜査課に勤務していた。
- 日本橋警察署に勤務する刑事の加賀恭一郎(阿(あ)部(べ)寛(ひろし))と警視庁捜査課に勤務する加賀のいとこの松(まつ)宮(みや)脩(しゅう)平(へい)(溝(みぞ)端(ばた)淳(じゅん)平(ぺい))はその事件の捜査を開始する。
- 警視庁捜査課の刑事,伊(い)丹(たみ)憲(けん)一(いち)(川(かわ)原(はら)和(かず)久(ひさ))はその殺人事件の捜査を開始する。
- 雪(ゆき)平(ひら)夏(なつ)見(み)(篠(しの)原(はら)涼(りょう)子(こ))は北海道警察から警視庁の捜査課に戻ってきた。
- 捜査課のページへのリンク