店員・関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:52 UTC 版)
店主 声 - 諏訪部順一 洋食屋「洋食のねこや」の店主。年齢は30代半ばで、独身の男。両親を交通事故で早くに亡くしており、祖父である先代店主を親代わりに育てられ、10年前に、先代店主から店を受け継いだ。店を継ぐ以前は、高校時代に中華料理屋で修行をしていたことがあり、中華の料理人を目指していた時期がある。そのため、洋食だけでなく和食と中華料理も作ることができ、大学生の頃は喫茶店でアルバイトをしていたため、パフェなどのデザートも作れる。 土曜日は長年一人で店を切り盛りしていて、作品中でも当初は調理と配膳を一人で行っていたが、来客数の増加や加齢による体力の低下の影響もあり、作品の途中から、アレッタらを給仕(ウェイトレス)として雇い入れている。面倒見と人柄がよく、従業員のアレッタらから慕われている。 異世界の言葉は、一切理解できないが、客やアレッタとの会話は扉に付けられた魔法の鈴(後述)によって翻訳されるため支障がない。 基本的に食べられない食材というものはなく、食べるのも好き、作るのも好き、作って食べてもらうのも好き、という人物。料理の腕は、自分で料理をし食べ歩きもしている早希に言わせると「客として来ていたら気に入り、たまに食べに来るくらいには美味しい」といったあたりで、平日に雇っている料理人を含め、店では一番の料理上手でもある。酒は下戸で、あまり詳しくないため、目利きに信頼を置いているマスターに相談して頼っている。 店主の名前は不明だが、春子からは「マコくん」と呼ばれている。容姿も、黒髪であることがわかる程度で、作品中では特に言及されていない。アニメ版では、店主の容姿はアニメ用として新たに設定が描き起こされている。 ほぼ全話に登場する登場人物だが、店主が主役の回はほとんどない。彼を「主人公」として見るべきかという点について、本作品の連載初期に著者は感想掲示板の中で、話が店主ではなく客からの視点で語られることが多いという旨の読者からの指摘に対して、「異世界食堂は、基本異世界人の視点で話が動くようにしています。主役は異世界人と言った感じです」と、自身の見解を述べている。アニメ化に際しての記事では、店主のことを主人公として作品を紹介しているメディアもあれば、客や料理を主人公として作品を紹介しているメディアもある。 実は祖母が異世界人であり、クォーターであるがその事を知らない。 アレッタ 声 - 上坂すみれ 「ねこや」で給仕(ウェイトレス)をしている魔族の少女。 「ねこや」との出会いは、両親を亡くして出てきた王都で、たまたま見つけた食堂の扉に飛び込み、空腹で厨房にあった食べ物を食べて寝込んでしまっていたところを店主に見つかったというもので、今までの身の上話を聞いた店主が、「働き口を探している」というアレッタの言葉に反応したため、給仕として雇われることになる。以後、店主のことは「マスター」と呼んでいる。 読み書きが出来ないため、受けた注文は頭に入れており、金勘定はできないため、支払い時の対応は店主に任せている。最初の1年間で割った皿は5枚以下で、働きぶりは早くから店主を満足させている。 普段は王都の外れにある廃墟に住んでいたが、後にサラ(メンチカツ2世)の住居で住み込みの家政婦として雇われ(「ねこや」で面識があることが決め手になった)、平日はそちらで働いている。 髪の色は少し赤みがかった濃い金髪で、魔族の「人ならざる部分」として、耳の上のこめかみ部分に山羊のそれに似た黒い小さな角が左右一本ずつ生えている。容姿から、店主には高校生くらいに見えている。仕事着として支給されている制服は、猫のアップリケがついたエプロン付きの、普通のウェイトレス服だが、異世界の基準では、足が出すぎていてやや扇情的に見えるものなので、本人は少し恥ずかしいと思っている。 食前にはいつも、邪神への祈りを捧げるが、最後の「いただきます」以外の祈りの言葉が毎回微妙に異なる。 物心ついた頃から貧乏で、食べ物で苦労してきたため、食べ物を食べる時に夢中になってしまう癖がある。特別営業の日は3食まかないが出るため楽しみにしており、料理をいつも本当に美味しそうに食べる娘であるため、店主や早希にはそのことを快く思われている。 料理については、どれもおいしく食べるため、特に好物らしい好物として描写されているものがない。飲み物では、ココアを大好物にしており、何か好きな飲み物を頼める時はココアを選ぶようにしている。自身は料理はあまりできない。 亡くなった両親以外の家族として、傭兵になった兄や、結婚して家を出ていった姉がいる。 漫画版とアニメ版ではどちらも登場が前倒しされ、第1話から登場しており、原作よりも出番が増えている。 『黒』(クロ) 「七色の覇王」としての概要は「#黒(七色の覇王)」を参照 声 - 大西沙織 異世界で神として敬われている『七色の覇王』(6柱の竜)の1柱で、数万年を生きてきている。本来は黒い竜の姿をしているが、「ねこや」を訪問する際はエルフの少女の姿に変身し、店内では黒いウェイトレス服をまとっている。 普段は月に住んでおり、月面に現れた食堂の扉に関心を持ったことで「ねこや」を訪れた。本来は食事をする必要のない存在だが、そこで食べた店主の新作チキンカレーに興味を持ち、「ねこや」でチキンカレーを食べ続けることにした。 初来店後の設定はWeb版と書籍版で異なり、Web版では給仕ではなく常連の一人(あだ名は「インドカレー」)として通っていて、食事代は『赤の女王』が負担している設定だが、書籍版で給仕(兼店主達の護衛)として働くことで自ら食費を稼ぐという設定に変更されている。そのため、書籍版では出番が大幅に増えた。また漫画版とアニメ版は書籍版の設定に準拠しており、後半から給仕として登場している。 通常は無力な者を即死させるほどの闇の力を無意識に振りまくため、「ねこや」に来る時はその力を最大限に抑えており、幾人かの例外を除いて、ほとんどの客は気配すら感じていない。 給仕としては、客の表層意識から次に注文しようとしている料理を読み取って、店主に伝え、配膳しており、大部分の客はクロの気配を察知できていないため、いつの間にか料理が届いていることになるが、客たちは気にせず食べている。言葉を発することや表情を動かすことは不得手としているため、そうした通常の接客面はアレッタに任せて配膳に徹している。 意思疎通の際は、クロの声は受け手には頭の中に直接響いてくるように聞こえている。 基本的にカレーしか食べていないが、書籍版では、まかないなどで他の料理も食べている。 山方 大樹(やまがた だいき) 声 - 井上和彦 「ねこや」の先代店主。大連市で洋食屋を営む夫婦の下に生まれたが、家出して太平洋戦争終戦まで上海市で洋食のシェフを務めていたという経歴を持つ。50年前に「ねこや」を開店し、妻の暦(ヨミ)と共に店を切り盛りしていたが、10年前に心臓発作で死去。 暦が今住んでいる世界と彼女の故郷である異世界とを行き来できる魔道具を入手した際、自分たちの食堂に扉を開いて異世界の人々を客として招くことを発案したのは彼である。 「ねこや」の店主をしていた頃は、客の様子を見て、頼まれてもいない(が客は欲している)料理を出したり、引退する常連にその後の人生の助けとなる料理を出したりするような、人情味をしばしば見せている。 酒は下戸で、酒の種類については疎く、マスターが来るまでは簡易的な酒しか出せなかった。また、デザート関係も、お汁粉を除いて、得意ではなかった。 ヨミ / 山方 暦(やまがた こよみ) 声 - 井上喜久子 「四英雄」としての概要は「#ヨミ」を参照 先代店主の妻。元々は異世界における勇者の一人だったが、邪神との最後の戦いにおいて時空の狭間を通って太平洋戦争終戦直後の世界に飛ばされ、そこで大樹と知り合い、後に彼の妻となった。日本の役所では「西の大陸(役所は中国大陸だと誤認した)の生まれで、親は死んで天涯孤独の身」と申告して、書類上の問題を解消。「ヨミ」という異世界の名前は、日本ではあの世(黄泉)を連想させて不吉であるという大樹の意見に従って「暦」(こよみ)に改めた。 その後は大樹と共に、屋台から始めて、50年前に「ねこや」を開店してからも一緒に店を切り盛りし、30年前にたまたま異世界と日本をつなぐ魔道具(魔法の鈴)を骨董品として入手したことで、「ねこや」の扉に元いた異世界とつながる魔法をかけ、「異世界食堂」を始めた。10年前に大樹が亡くなったことを契機に孫(店主の兄)のところに移り住み、店の経営からも離れ、現在では特別営業の「ねこや」に顔を出すこともなくなっている。 異世界にいた頃は、自らを魔王たちを滅ぼすために作られた存在だと自認して、魔族を殺すことしか頭にないような人物だったが、異世界に飛ばされ、大樹と出会い、共に「ねこや」を切り盛りしている内に人間味のある人物へと変わっていった。 好物は大樹との思い出があるロースカツ定食(とんかつ定食)で、「ねこや」がある側の世界に来て最初に食べた食べ物でもある。大食らいでもあり、「ねこや」でロースカツ定食ライス大盛りを頼む常連はいないため、暦が来店した際、店主は注文から暦の来店を察することができた。 家事は、掃除や洗濯は得意だったが、料理については先代店主が作ったほうがおいしいからということで、ほとんどしなかった。 特別営業の日は、来店する時は表の扉から入るが、店を出る時に表から出ると故郷の異世界と繋がる可能性があり、夫と一緒に居た世界で死にたいと決意しているため、裏口から出るようにしている。 山方 早希(やまがた さき) 店主の姪(兄の娘)。料理人になって店を持つことが夢で、20歳になったのを機に、土曜日限定で「ねこや」のアルバイトを始め、調理の助手と給仕を兼任して働いている。 以前は曾祖母である暦と同居していたが、面接のため「ねこや」を実際に訪れるまでは、土曜日の特別営業のことを知らなかった。大学に入ってからは家族と離れて暮らしている。 同僚のアレッタとは打ち解けた関係となるが、調理に加えて計算ができ、会計も任されているので、どちらもできないアレッタにとってはコンプレックスを感じさせる存在でもある。 特別営業で訪れる客たちからは、西大陸の山国の人間を思わせる顔立ちをしていると思われている。 作品に登場するのは遅いものの、著者はアレッタが登場したのと同時期に「料理人を目指す姪」の存在を明らかにして、いずれ登場することを予告していた。 書籍版では第6巻に登場と遅かったため、web版での台詞や登場シーンも他のキャラクターに振り替えられていることがある。 店長 声 - 鈴村健一 ねこやビルの1階にあるケーキショップ「フライングパピー」の店長。菓子職人だった親から店を受け継いだ2代目。ねこや店主とは歳も同じで幼馴染として育ち、大学時代には一緒に喫茶店の厨房でアルバイトをしていたこともある。両親が忙しく、子供の頃から「ねこや」によく食事に来ていたため、土曜日の特別営業を自然と知る事となった。大学生の頃にバイク事故を起こして半身不随になりかけた時は、先代店主が客から入手した異世界の薬で奇跡的に回復することができた。 「ねこや」にはデザートを卸しており、毎回パウンドケーキを食べていくセレスティーヌを得意客としてサービスとしてお土産を店主を通して渡す事もあり、またシアに頼まれて毎週クッキーアソートの大缶を買うアレッタのことも得意客と考えていて、試作菓子の試食を頼むことがある。「ねこや」の従業員が商品を買う時は従業員向け割引価格で販売している。 マスター ねこやビルの2階にあるバー「レオンハート」のマスター。生来の酒好きで、以前は東京の酒類メーカーに勤め、日本全国と世界各地を飛び回っていたが、20年以上前に肝臓を壊して酒を呑めなくなったことを機に、会社の早期希望退職に応じて退職し、地元に戻ってねこやビルで「レオンハート」を開店した。 ねこやビルで店を開くことにしたのは、「ねこや」の先代店主がつまみの出前を請け負ったことが決め手になった。 酒に詳しく、店主の相談に応じるほか、以前の伝手を使って色々な酒を調達してくる。土曜日の特別営業を知っている数少ない人物の一人。 酒を飲めなくなったためもあってか、春になると、夕食としてアサリの酒蒸しを「ねこや」に注文することにしている。 なお、マスターには愛読している漫画があるが、その漫画は『BARレモン・ハート』のことで、「レオンハート」という店名も同作の「レモン・ハート」に影響されて命名している。 春子(はるこ) 同じ商店街にある、中華料理専門店『笑龍』の主人の妻。ある事情から、店主のことを息子のように思っている。夏華という娘がいる(いた)。 木村 将太(きむら しょうた) 同じ商店街にあるパン屋「ベーカリーキムラ」の一人息子。高校1年生。店の跡を継ごうと修行に励んでおり、毎朝「ねこや」にパンを卸しにきている。 アレッタに淡い恋心を抱いており、毎週土曜に顔を合わせる事を楽しみにしている。アレッタのことは外国からの留学生だと思っていて、角も髪飾りだと思っている。 八代目 同じ商店街にある蕎麦屋「竹林庵」の店主。
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