七ッ星魔人
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「冒険王ビィトの登場人物」の記事における「七ッ星魔人」の解説
魔人の最高位、八輝星にもっとも近いのが七ッ星魔人である。ビィト戦士団が七ッ星のひとりグリニデを倒したことにより、魔賓館館長シャギーはゼノンの実弟であるビィトが兄と同様の力を秘めていると見て、ビィトを倒せば無条件に「星」ひとつを与えるという知らせを全世界の七ッ星魔人に届ける。つまり八輝星になれるという通常では考えられない破格の条件が提示されたため、七ッ星魔人どうしの争いになることが予想された。これを回避するため、ベカトルテ近海の城に一同が会し、順番を決めて一人ずつビィト抹殺を狙う争奪戦が始まる。なお、過去にこれと同様の「ゼノン戦士団を倒せば無条件に星をひとつ貰える」という争奪戦が行われたが、当時五ッ星のベルトーゼが壊滅させたという経緯がある。しかし、そのときはゼノン戦士団の生死が不明となったため、星は授与されていない。 惨劇の王者 ベルトーゼ(さんげきのおうじゃ ベルトーゼ) 声 - 石塚運昇 魔人のなかでもトップクラスの実力を有する強豪。人間、魔人を問わず強い相手と戦うことを至上の喜びとする。莫大な冥力に加え、相手の弱点や技の特徴を瞬時に看破する卓越した戦闘センスを持つ。ひとつめの星に冥力を封印する高等修練法「星呑み」を使うことも可能。 五ッ星時代にゼノン戦士団と戦い壊滅させるも、何者かの邪魔によって決着はつかず、その後は友人ノアの造った分身体(ファントム)を使って戦いを重ね、3年間で七ッ星にまで昇格する。グリニデと戦うためにレドウを訪れたところ偶然ビィトと再会し、圧倒的な力で攻めるが、クルスの助言を思い出し、クラウンシールドを武器に選んだビィトの機転によって敗北する。その後も本体はキューロック山脈の居城に座して動かず、静かにビィトと戦える日を心待ちにする。 ビィト争奪戦では四番手となる。ファントムストローク / ファントムエクスプロージョン ベルトーゼの魔奥義。黒い炎の冥力を込めた拳から放たれる強力な一撃と、それを全身から無数に放つ技。 深緑の智将 グリニデ(しんりょくのちしょう グリニデ) 声 - 大友龍三郎 知性派を自認し、策謀を好む魔人。みずからが放った魔物が発する黒煙により日光が遮られ黒く染まった大地「黒の地平」を勢力圏とする。初登場時は六ッ星だが、計画的な侵略により黒の地平の人口を十分の一に減らした功績から七ッ星に昇格する。力をむやみに誇示したりする粗暴な魔人を嫌い、とりわけその筆頭格であるベルトーゼを敵視している。3人の魔人と人間であるキッスをも配下に加えており、それぞれに逆らえば猛毒を注入される仕掛けの腕輪を忠誠の証として身に着けさせている。 知性的な言動を取ろうとつねに努めているが、本性は知性派とはかけ離れた非常に怒りやすく暴力的な性格の持ち主。精神安定作用のある秘草トラキラを液化したものに浸かり、深緑の外皮を形成することによって精神を安定させているが、その状態でさえ一度逆上すると、誰にも止めることができない勢いで暴れる。自身はその暴力的な本性を嫌っており、グリニデが嫌う暴れることしか頭にない魔人の典型とは自分自身のことで、「深緑の智将」という異名も「血塗られた獣(ちぬられたけだもの)」という本来の異名を嫌ったグリニデが自分で広めたものである。怒りをおぼえると額の角が伸び、限界を超えたとき、精神を安定させるための深緑の外皮が剥がれ、本来の姿である昆虫のような身体が現れる。魔人としての力の真価は冥力全てを身体強化に使用することによる圧倒的な防御力と攻撃力であり、その暴力的な性格により凄まじい破壊力を発揮する。 数々の智謀による功績を立て、キッスに古代魔人の遺跡を調査させることで、やがては魔賓館に頼らずにみずから魔物を生産し、さらに領土を拡げ八輝星に到達することを企てていたが、配下の魔人を次々にビィト戦士団に倒され、キッスにも反逆されたあげく、ビィトに「おまえ」呼ばわりされたことがとどめとなって烈火のごとく怒り狂い、血塗られた獣の本性を現す。激闘のすえ、ビィト戦士団の反撃によって冥力制御器官である角を折られ、死と同時に生じる冥力の暴走による大爆発の寸前に理性を取り戻し息絶える。この奇跡がビィト争奪戦の幕開けとなる。怒剛烈波(どごうれっぱ) グリニデの魔奥義。冥力によって強化された全身の筋肉を高速振動させ衝撃波の壁を放ち、周囲全域を根こそぎ薙ぎ払う。 魔人博士 ノア(まじんはかせ ノア) 声 - 堀内賢雄 「魔」と「人」双方の研究を極め尽くした七ッ星魔人。戦うために生まれたはずの魔人であるにもかかわらず、争い事を嫌っている。しばしばその実力を侮られ、今まで自分に降り掛かった火の粉を払っていたらいつの間にか七ッ星になっていたと語る。性格が正反対のベルトーゼとは友人どうしであり、ベルトーゼの分身体もみずからの手で造っている。 ビィト争奪戦は辞退し、動けないベルトーゼの代わりにカードを引く。バロンの隠された素顔を目の当たりにし、あまりに多種多様な存在である魔人とは何かという疑問を抱きはじめる。 不動巨人 ガロニュート(ふどうきょじん ガロニュート) 西方の砂漠地帯を主戦場とする七ッ星魔人。巨体で動きは鈍重だが、両腕に堅牢な盾を持ち、重力を操る魔奥義で周囲の敵の動きを封じる。その外見的な印象とは裏腹に子供じみた卑劣な性格で、ぬか喜びを嫌ってつねに周到な策を立てる。体内のブロックにはほかの魔人から奪った魔物が大量に収納されており、魔人界でも一、二を争う嫌われ者となっている。圧倒的に優位な状況から敗者の絶望する顔を眺めることに最高の愉悦を感じており、これまで苦戦を経験したことがなく、いかなるときも遊び心を捨てられない。 ベカトルテ近海のマニヨン島に集められた七ッ星魔人たちのなかで、ビィト抹殺の順番をカードで決める提案を行い、不正を仕込んで一番手を得る。ビィトたちをゲームの駒に見立て、すべての魔札と魔物を投じた罠を仕掛けたマニヨン島にクルスを人質にしておびき寄せ勝利を確信するも、キッスの機転により失敗に終わる。ぬか喜びをさせられたことに怒り、体内の重いブロックをすべて排出して、これまでとはうって変わった俊敏な動きでビィトたちを圧倒するが、途中で遊び心を見せたために隙を突かれ敗北する。死の間際、七ッ星のロディーナによって自分自身が弄ばれていたという事実を告げられ、顔面を踏み砕かれる。超重領域(グラビ・ゾーン) ガロニュートの魔奥義。冥力により、周囲に重圧をかけて相手の動きを封じる。 天空王 バロン(てんくうおう バロン) 声 - 田中秀幸 飛行能力を持ち、ベルトーゼと並ぶ武闘派魔人の筆頭格とされる七ッ星魔人。強力な魔奥義を使いこなし、肉弾戦の技量も高い。その人格は高潔そのもので、正々堂々とした戦いを好むことから、かつてバロンと戦い敗れた人間の戦士が死に際に「卿(サー)」という人間世界の称号でたたえたという逸話があり、それを面白がった魔人たちのあいだでも「バロン卿(サー・バロン)」と呼ばれている。グリニデも、バロンには美学と知性が感じられるとして一目置き、「別格」と評する。魔人どうしの争いや星の獲得には興味を示さず、強い人間と戦うことのみを好み、とくに将来有望と見た相手にはとどめを刺さず、再戦を期待して助命することも多い。過去にもキッスを捨て駒にして逃走を図ったバスターたちの命を奪いながら、その一方で仲間のために自分に立ち向かってきたキッスの勇気を認め、その命を救っており、のちの生き方に多大な影響を及ぼしている。 ただし、月に一度の「赤い月の夜」にはバロンの人格が眠りに入り、補助頭脳「ザンガ」がその肉体を支配する。バロンの頭部に宿り、強大な力を発揮する肉体を制御する存在で、バロンとは正反対の残忍な性格の持ち主。バロンは仮面をかぶり、ザンガの存在そのものを隠している。バロンの「知恵袋」「育ての親」を自称し「坊や(ボーイ)」と呼ぶが、バロン自身はザンガの「親心」のようなものを認識しつつ、それを疎ましく思っている。バロンの肉体から離れては生きられず、それゆえにバロンを最強の魔人にすることだけを生きがいとしており、欲を持たないバロンに代わり大暴れして星を稼ぎ、サンクミールに「赤い月の夜」は外に出てはならないという伝説を生み出した。 ビィト争奪戦では二番手となり、サンクミールに立ち寄っていたビィトを桁違いの実力で圧倒し、その将来性を見込んで見逃そうとするが、三番手のヒスタリオが自分の順番を得ようと介入してきたために「赤い月の夜」を迎え、ザンガに肉体を明け渡すことになる。ザンガはみずからビィトを始末しようとするが、解き放たれたボルティックアックスの「魔技」のまえに撤退を余儀なくされ、その力に恐怖し、バロンに一度だけ流儀を曲げ、今すぐビィトを殺すように懇願する。肉体を激しく傷つけられたことでみずからの慢心と甘さを悟ったバロンは、その頼みを受けて動けないビィトの抹殺に向かう。 しかし、復活を遂げ、さらなる成長を見せるビィトとキッスを前にしてふたたび戦士としての心が目覚め、敗れても本望という心境に至ったため、見かねたザンガはバロンの精神を完全に消し去り自分だけが生き残ると称して肉体を乗っ取る。激闘の果てに、ザンガは最終奥義に頼りすぎたことが仇となりビィト自身の才牙に敗れ、バロンから離れてビィトに襲いかかったところで、目覚めたポアラにとどめを刺される。じつは自分の身を犠牲にしてバロンを生かそうとしていたザンガは、その真意を見抜いていたビィトに、バロンとの決着を委ねて絶命する。ビィトからザンガの最期と本心について知らされたバロンは、自分のためにザンガが与えた武勲である星をすべて引き剥がし、新たな道を探すべく旅立つ。天烈掌(てんれつしょう) バロンの技。掌から光とともに衝撃を放つ。相手の実力を試す一撃であり、並のバスターでは耐えられない。 ミーティアルシャイン 天烈掌を上回る、バロンの魔奥義。多数の「冥光球」と呼ばれる冥力の塊を操り、流星のごとく降り注がせる。 ミーティアルウイング バロンの最後の奥義。背中に広げられた6枚の光り輝く羽が強靭で鋭い冥力の刃となり、あらかじめ命令された対象を滅ぼすまで自動追尾し、さらに状況に応じて爆発も起こす。バロンみずからが振るう剣としても形を変えられる。 凶刃 ヒスタリオ(きょうじん ヒスタリオ) 完全不死の肉体を持つ七ッ星魔人。ふだんは寡黙で、手にしたリュート状の楽器で陰気なメロディを奏でる。自分の骨を武器に変えることができ、楽器には骨で作られた剣が仕込まれている。どれほど肉体を破壊され、かけらとなっても大地の冥力があるかぎり何度でも再生し、失った星すらも復元できる。通常は再生に時間がかかるが、冥力を大きく注ぎこむことで瞬時の再生も可能になる。また、殺した魔人や魔物をゾンビとしてよみがえらせ、自身の配下とする能力も持つ。力押しよりも自身の特性を知りぬいた狡猾で臨機応変な戦いを得意とし、「対人間」においてはもっとも恐ろしい魔人だといわれる。登場する魔人のなかでは唯一、一人称が「オレ」ではなく「俺(オレ)」と表記される。 ビィト争奪戦では三番手となる。気が短く、バロンを殺して自分の順番を得ようと執拗に迫るが、「赤い月の夜」を迎えバロンの肉体を支配したザンガによって返り討ちにあい、八つ裂きにされる。 その異名とは裏腹に本来は好戦的な性格ではなく、最初はただ「友達」を欲していた。不死の肉体を利用して勝ちつづけ、ゾンビ化して覇気を失った魔人たちを手下に加えては使い潰してきたが、そのうちにむなしさを覚え、人間に目をつけるようになる。記憶や人格を残したまま自分に従うようになったライオを一番の相棒と呼び、バロンの敗退後、ライオとともにグランシスタの城下町を襲撃し、ビィトをも「友達」に加えようとする。 空中や水中の移動も可能な万能船デストリューン号、通称「骸の幽霊船」を所有しており、船医として片腕の魔物「ドクター・ギリリ」を従えている。ヒスタリオの肉体はギリリに強化改造を施されており、ライオの変化も本来のゾンビ化能力によるものとは異なり、自身の細胞を利用したギリリの改造手術によるものである。牙流転生(がりゅうてんせい) ヒスタリオの魔奥義。自身の骨で作られた剣を楽器の鞘に収め、居合い抜きを行う。その刃は変幻自在で、繰り出すたびに攻撃が変わるため誰にも見切れないという。 小悪魔 ロディーナ(こあくま ロディーナ) 七ッ星魔人。人間の女性のような姿をしており、物腰も柔らかいが、ときおり残酷な面を覗かせる。獰猛な魔物マーグチンのシンシアをペットとしてつねに抱いており、シャギーと同様、地脈の扉を持つ(デザインは異なる)。 ガロニュートのカードにさらに細工をし、ビィト争奪戦の順番を決めるが、みずからは最後となる五番手を選ぶ。キッスを「人生を多くの魔人に左右される」と称し、興味を持つ。ミスティサークレイ ロディーナの特殊能力。印をつけた場所へ自分自身を含め自由に転送することができる。
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