えん‐そ【塩素】
塩素(Cl2)
常温では緑黄色の気体で特有の強い刺激臭をもち,水にわずかに溶解します(20℃で水の約2.2倍)。容易に液化できるボンベまたは特殊タンクに入れて取り扱われ,化学,製薬,金属精錬,製紙,漂白等の工場のほか,上下水道での消毒等にも広く用いられています。大気汚染防止法の有害物質(排出基準30mg/Nm3)及び特定物質
塩素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/20 08:42 UTC 版)
塩素(えんそ、英: chlorine)は原子番号17の元素。元素記号はCl。原子量は35.45。ハロゲン元素のひとつ。
注釈
出典
- ^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds (PDF) (2004年3月24日時点のアーカイブ), in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
- ^ Robert T. Baldwin (1927). “History of the chlorine industry”. J. Chem. Educ. 4 (3): 313–319. doi:10.1021/ed004p313.
- ^ 沖 久也「グリフィス講述『化学筆記』について」『化学史研究』第39巻第4号、2012年、13–20頁。
- ^ 宇田川榕菴 (1834). “元素編第二”. 遠西医方名物考補遺. 8
- ^ 日本化学会(編)『化学便覧 基礎編』(改訂4版)丸善、1993年。
- ^ 『化学大辞典』共立出版、1993年。
- ^ 『塩素白書』p10-21
- ^ F.A. コットン、G. ウィルキンソン、中原勝儼(訳)『コットン・ウィルキンソン無機化学』培風館、1987年。
- ^ 経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編
- ^ 容器保安規則 - e-Gov法令検索
- ^ 『塩素白書』p45
- ^ 毒物及び劇物指定令 昭和四十年一月四日 政令第二号 第二条 十七の三
- ^ 塩素ガス漏れ住民バタバタ 東大阪約百人が入院『朝日新聞』1976年(昭和51年)3月26日夕刊、3版、11面
塩素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 04:16 UTC 版)
塩素は環境中に普遍的に存在する元素である。土壌中には約100mg/kg含まれ、水溶性の塩化物イオンとして存在する。土壌粒子には吸着されにくく、水とともに移動する。日本では、塩化物イオンが豊富な海からの潮風で運ばれてくるため、作物の塩素欠乏はまずない。一方、海から遠く離れた大陸内部では欠乏が生じることがある。アメリカのグレートプレーンズには塩化物イオンを含む肥料によって小麦の収量が増加する地域がある。 各植物の塩素欠乏植物生育ステージや部位症状が現れる濃度サトウダイコン地上部 700 〃葉身 880〜1,800 〃葉柄 3,500〜7,000 ジャガイモ地上部 1,310 デュラム小麦地上部 1,000 春小麦出穂期の地上部 1,500 小麦、大麦出穂期の地上部 1,200〜1,400 パームヤシ第14葉身 2,500 ココヤシ葉身 6,000未満 〃第14葉身 2,500 オイルヤシ葉身 6,000未満 塩素不足の植物の葉には異常が生じる;面積の減少、萎凋、縁部の巻き上がり、黄化、ブロンジング(青銅色への変色を伴う壊死)。また、根の生育は低下する。下表に各植物の塩素欠乏の症状および発症濃度を示す。多くの塩素は塩化物イオンとして体内に存在し、遊離の無機アニオンとしての浸透圧調節やカチオンとのイオン平衡、膜電位の安定に必要とされる。これまで、130種類以上の塩素化合物が高等植物とシダから単離されている。 特に重要な塩素イオンの役割は気孔の開閉である。気孔はカリウムイオンの移動に伴う浸透圧変化によって開閉するが、カリウムイオンの対イオンとして利用されるのが塩化物イオンとリンゴ酸イオンである。塩化物イオンが多く利用できるほど、リンゴ酸イオンの必要量は減る。タマネギではこのことが重要であり、孔辺細胞葉緑体にデンプンが蓄積されないためリンゴ酸が不足し、このため塩化物イオンがないと気孔は開くことができない。また、閉じるときにも塩化物イオンは重要である。開口した孔辺細胞では、アブシジン酸などの気孔閉鎖シグナルがアニオンチャネルを活性化し、塩化物イオンとリンゴ酸を排出させる。これによって膜は脱分極してカリウムイオンを孔辺細胞から排出し、気孔は膨圧を失って閉鎖する。 細胞の伸長成長や分裂のきっかけは、細胞に塩化物イオンが流入することである。また、塩化物イオンが増加すると、先述の理由により有機酸イオンは植物成長により多く利用されるようになる。このため、塩素を含む肥料を与えると繊維が多くなるといわれている。このような肥料は綿やイグサなどに積極的に施用され、逆に、デンプン含有率を高めることが望ましいイモ類には用いられない。 光合成にも関わる。塩化物イオンは光化学系IIの必須因子であると考えられている。ラン藻の光化学系II複合体を構成するマンガン・カルシウムクラスターの近傍2か所に塩化物イオンが結合することが明らかとなっている。さらに、V型ATPaseやアスパラギン合成酵素の活性調整に必要なことが示されている。 植物には、塩素と共有結合した有機化合物が存在する。エンドウやソラマメはオーキシンの一種4-クロロインドール-3-酢酸を持つ。4-クロロインドール-3-酢酸は、塩素を持たないクロロインドール-3-酢酸と比べて10倍以上の成長促進活性を持つが、この強力さは、塩素を含有することで分解されにくくなったためと考えられている。他にもポリアセチレンやチオフェンなどが塩素を含有する。
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塩素
出典:『Wiktionary』 (2018/11/26 14:10 UTC 版)
名詞
語源
宇田川榕菴が『遠西医方名物考補遺』、1834 で使用。[1] ← オランダ語 zoutstof[2]
関連語
翻訳
- アフリカーンス語: chloor
- アラビア語: كلور
- ベラルーシ語: хлор
- ブルガリア語: хлор m
- ブルトン語: klor m
- ボスニア語: hlor
- カタルーニャ語: clor
- チェコ語: chlor
- ウェールズ語: clorin
- デンマーク語: klor
- ドイツ語: Chlor n
- ギリシア語: Χλωριο
- 英語: chlorine *
- エスペラント: kloro
- スペイン語: cloro m
- エストニア語: kloor
- バスク語: kloroa
- フィンランド語: kloori
- フランス語: chlore m
- フリウリ語: clôr
- 西フリジア語: gloor
- アイルランド語: clóirín
- ガリシア語: cloro
- マン島語: cloreen
- ヘブライ語: כלור
- クロアチア語: klor
- ハンガリー語: klór
- アルメニア語: cloru
- インターリングア: chloro
- アイスランド語: klór
- イタリア語: cloro m
- グルジア語: ქლორი
- カザフ語: хлор
- 朝鮮語: 염소 (鹽素)
- カシミール語: chlor
- コーンウォール語: cloryn
- ルクセンブルク語: chlor
- リトアニア語: chloras
- ラトヴィア語: hlors
- マケドニア語: хлор
- モンゴル語: хлор
- マレー語: klorin
- マルタ語: klorin
- オランダ語: chloor m
- ノルウェー語: klor
- ポーランド語: chlor m
- ポルトガル語: cloro m
- ルーマニア語: clor n
- ロシア語: хлор
- スコットランド・ゲール語: clòirin
- スロヴァキア語: chlór
- スロヴェニア語: klor
- アルバニア語: hlor
- セルビア語: хлор
- スウェーデン語: klor
- タジク語: hlor
- タイ語: คลอรีน
- トルコ語: klor
- ウクライナ語: хлор
- ウズベク語: хлор
- ベトナム語: clo
- 中国語: 氯 (lǜ)
参照
「 塩素」の例文・使い方・用例・文例
- 携帯サイズの残留塩素計は塩素を比較測定する道具だ。
- その殺虫剤は有機塩素系である。
- 塗装は剥げやすいため、こすり洗いや塩素系洗剤のご利用やお控え下さい。
- 塩素酸.
- 塩素はこの方法で遊離される.
- 遊離塩素
- 塩素で消毒する
- プールを塩素で処理してください
- 塩素で処理するあるいは結合する
- 塩素消毒をした水
- 少量の塩素か塩素化合物の添加による水の消毒
- 不活性塩素の望まれる量
- (水)から塩素を取り除く
- 塩素と窒素を含んでいるいくつかの合成物のいずれか
- 英国の化学者で、電気化学の先駆者であり、要素ナトリウム、カリウム、バリウム、ホウ素、カルシウム、マグネシウム、および塩素を分離するのにそれを使用した(1778年−1829年)
- 有機化合物での塩素の付加もしくは代用
- 他の化学作用より前の塩素化
- 水(特に海水)の塩素あるいは他のハロゲン化物の量の基準
- 塩素とベンゼンから作られアーモンド臭のある無色で揮発性の可燃性液体
- 塩素をもつフッ化炭素
塩素と同じ種類の言葉
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