UDIラボ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 07:19 UTC 版)
三澄ミコト(みすみ みこと)〈33〉 演 - 石原さとみ(幼少期:稲垣来泉) 主人公。物語開始の4か月前から法医解剖医であり、「三澄班」の執刀医。解剖実績は1,500件ほど。 以前は大学で法医学の准教授として内閣府のプロジェクトに関わっていた。「法医学は未来のためのもの」という意識で仕事をしている。また「生きていくこと」に強くこだわり、最大の敵は「不条理な死」としている。肉と脂っこいものを好み、朝から丼物を食すことが多い。移動棚の上には、バナナを常備している。 携帯電話としては充分に用が足りているとしてガラケーを使用していたが、第2話で、調査中の危機において有用な機能がガラケーにないために命に関わる事態に陥ってしまったことで、第3話冒頭でスマートフォンに切り替える。 元の名前は雨宮美琴で、「雨宮総合病院」院長夫妻の娘。24年前の9歳当時、母親が起こした「浦和市一家四人無理心中事件」で、ラムネと偽った睡眠薬を飲まされたが、途中で吐き出したため四人中で一人だけ生き残り、叔母の家庭である三澄家の養女となる。実の家族の事件については現在の家族以外には話しておらず、家族内では「雨宮の事件のこと」と称している。成人するまで一家心中のいきさつを知らなかったが、20歳の頃に両親の当時の不仲について夏代に明かされたことで、「雨宮の事件のこと」は「納得していないけど整理は出来た」としている。また、「練炭のエキスパート」と評されるほど、練炭による一酸化炭素中毒に詳しく、過去の自らの事件についての論文も書いている。『MIU404』第6話では、香坂義孝の2013年8月付けの検体者記録に、執刀医として名前が記載されている。 中堂系(なかどう けい)〈41〉 演 - 井浦新 物語開始の1年前から法医解剖医であり、「中堂班」の執刀医。解剖実績は3,000件ほど。 以前は「日彰医科大学」の法医学教室にいた。第1話で東海林がバツイチと言っていたが、第4話でミコトに確認された際には否定している。UDIラボにやって来ると同時に引っ越してきた部屋には帰宅することがほとんどないため、生活感がなく、UDIラボで寝泊まりする際に使っている所長室に私物が増えている。 8年前、殺害された恋人である糀谷夕希子の解剖を担当したが、関係性を明かさずに解剖したことで証拠隠滅を疑われて殺人容疑で逮捕されるものの、証拠不十分で不起訴処分となった。しかし、夕希子の遺族をはじめとして、今でも中堂が犯人と思い込み、また疑っている人間も少なくない。夕希子の口内にあった「赤い金魚」のような印を他の女性遺体からも見つけたことから、彼女が連続殺人犯に殺害されたと推測し、同じ特徴を持つ遺体を見つけて犯人を特定するために全国の不自然死のデータがすべて集まるUDIラボにやって来たため、「絶対に辞めない」と決めている。第7話終盤で、単独調査の限界を理由に、ミコトに「赤い金魚」にまつわる殺人犯特定の協力依頼をする。 「クソ」や「バカ」を多用するなど言葉遣いと態度が悪いため、組んだ者は長続きせずに辞めてしまう。物語開始地点では坂本と組んでいたが、第3話にて口癖ともいえる暴言や口汚い放言の連発に精神的ダメージを受けた坂本からパワハラとして慰謝料を求められて提訴されてしまう。また、倫理観・道徳観に欠けているところがあり、第1話では平然と公文書偽造を行い、「赤い金魚」の調査のために遺族の了承なく遺体を検案し、 第5話では解剖中止により遺体を閉じるようにとの指示に対し、「(取り出し済みの)肺を戻すとは一言も言われていない」と屁理屈を言って肺をそのまま保管して私的に調査続行した上に、巧が犯人に報復すると予測していながら止めずに情報提供し、調査に加担したミコトと共に、第6話で神倉から叱責を受けている。 最終話では、夕希子殺害犯が高瀬であるという決定的な証拠が見つからず、高瀬を裁くことができない可能性が濃くなっていたため、烏田と同様に橘の検死調書の改ざんをミコトに促すが、彼女が同意しないことを見越してUDIラボに退職届を置き、殺害に至ることも想定の上で宍戸を騙し、薬物を投与して証拠提出を強要する。その際、致死毒と偽って麻痺薬を注射し、宍戸の全身が麻痺し始めた頃に解毒剤と偽って毒を飲ませる。駆けつけたミコトの必死の説得により、解毒剤を渡して殺害を断念。その後、新たな証拠発見に向けた、ミコトによる夕希子の再解剖と裁判での証言を見守っている。『MIU404』第8話では堀内伸也の解剖を担当、過去の類似した猟奇殺人事件との差異を指摘し、捜査一課の担当刑事と衝突する。ただし、ドラマでは神倉によってエピソードが語られ、電話で坂本を罵倒する声のみの出演となっている。 久部六郎(くべ ろくろう)〈26〉 演 - 窪田正孝 三澄班の新人記録員。アルバイトとして雇われ、解剖時の写真撮影や解剖記録の整理業務を担っている。 祖父が開業医、父親が「帝日大学」教授、2人の兄も医者という家族構成のもと、その三男坊として当たり前のように医者になるものとして育てられたが、中学3年時に軽い気持ちで口にした「医者にはならない」という言葉に対し、父親に「医者でなければ息子とは認めない」と返されてしまい、親子であるためには医者になることが必要とされると理解して医者を目指す意義が判らなくなり、学業への熱意を失っている。3浪して「堂明大学」の医大生となってからも、医者となる意味を見いだせないまま休学を延長し続けている。 法医学関係の知識や知見には乏しく、たびたび自身の的はずれな推理を開陳することから、東海林からは「へっぽこ(探偵)」とからかわれている。第9話では、宍戸を連続殺人犯と誤推理してしまい、橘の遺体から検出されたボツリヌス菌の情報が真犯人の高瀬に伝わったことで、高瀬を殺人で有罪にできない可能性を招いてしまったりもするが、最終話では、中堂が宍戸に飲ませた毒物が「エチレングリコール」だと推測して的中させている。 自身のブログ「ニセ医学を斬る」を目にした『週刊ジャーナル』編集部の末次により、実はUDIラボの内部事情を探るために送り込まれているが、そのことをUDIラボのメンバーは知らない。 第1話終盤で、ミコトの「一家四人無理心中事件」のことを末次から知らされ、第2話では、ミコト本人から、あくまで他人事の事件としてそのときの状況を教えられている。 『週刊ジャーナル』に記事を書くこともあったが、自分の中でUDIラボの存在が大きくなったこともあり、第8話で編集部を辞める。 最終話序盤では、過去に書いた記事などから『週刊ジャーナル』への内通を神倉に追及され、情報漏洩したことを認めて謝罪した末にUDIラボを辞職。その後、夕希子の父である和有と知り合って共にUDIラボに行った際に、ミコトと共に中堂の暴走を止めに向かうことになり、ミコトが証人として出廷した高瀬の裁判も傍聴している。 高瀬の事件が解決した後には休学中だった大学に再び通い始め、法医解剖医を目指す旨を宣言した上で、改めてアルバイトとしてUDIラボの三澄班に加わることになる。 東海林夕子(しょうじ ゆうこ)〈35〉 演 - 市川実日子 三澄班の臨床検査技師。ミコトとはUDIラボ以前の監察医務院時代から面識があり、互いに気の合う同僚。 『科捜研の女』や『相棒』など、実際に放映された既存のミステリー系のテレビドラマを引き合いに出すことがたびたびある。六郎に対しては、彼の推理が外れた時に「へっぽこ」とバカにしたり、ミコトから「秋ちゃん(ミコトの義弟)みたい」と言われたことに対して「秋ちゃんはミコトの元カレ」と嘘をついたりするなど、からかうことが多い。 合コン好きで、自らは「異性間交流会」と呼称している。月会費5万円の高級トレーニングジム「ACID SPORTS GYM」の会員であり、第6話では、同じACIDの男性会員たちの事件に巻き込まれ、一時は警視庁捜査二課に容疑者として追跡もされるが、真犯人が逮捕され疑惑が晴れる。過去に、既婚者と知らされずに5年間付き合った男性と結果的に不倫となってしまった経験を持ち、第6話の事件後には「男を見る目がない」と自覚したこともあり、「異性間交流会」への参加意欲を失っている。 坂本誠(さかもと まこと)〈50〉 演 - 飯尾和樹(ずん) 物語開始時は中堂班の臨床検査技師。 以前は大阪の監察医事務所で24年間勤務していた。ムーミン・シリーズのキャラクターが大好きで、キャラクターグッズを多数所持しており、特にムーミンのツボ押しグッズを愛用している。 中堂班に入ってから数か月の間に108回も「クソ」と言い放たれるなど、中堂の暴言によるパワーハラスメントに耐え切れなくなり、第3話では、自己都合の辞職ではなく、自身の先行きの不安から慰謝料取得の目的で中堂に対して訴訟を起こしたが、ミコトが勧める転職先の教授がムーミン好きであることで訴訟を取り下げる。 UDIラボを辞めてからも、主にミコトたちの調査で協力が必要な時などに登場しており、転職先の「明邦大学病院」まで訪ねてきたミコトと六郎に、自身が立ち会った権田原の解剖内容について、ミコトが用意してきたスノークのお嬢さんのぬいぐるみに釣られて情報提供してしまったり、ミコトに頼まれて科学捜査用ライト(ALS)を借りにきた中堂と対峙し、第3話で渡されていた誓約書を盾に中堂からの謝罪を勝ち取ったりしている。増子地区雑居ビル火災事故の焼死体の調査法解剖に当たってはヘルプとしてUDIラボに呼ばれ、自身もわざと何度も「クソ」と言ってのけるなど、中堂に対して強気に出られるようになっている。 最終話終盤では中堂班の臨床検査技師に復帰し、中堂のことは「スナフキンと思えば愛せる」としている。『MIU404』第8話では、UDIラボを訪れた警察車両の「まるごとメロンパン」号でメロンパンを買おうとして断られている。 神倉保夫(かみくら やすお)〈55〉 演 - 松重豊 所長。元厚生労働省医政局職員で、事実ではないが東海林には天下りとからかわれている。 19歳と17歳の2人の娘がいる。塩や玉露など飲食物にこだわる傾向があるものの、メンバーに味の感想を求めても素っ気ない言葉しか返されない。UDIラボが少人数精鋭のため、お茶出し・解剖のヘルプ・東海林リクエストのかりんとうの常備などの雑用も引き受けている。中堂の過去とUDIラボに来た理由を知っていて、彼による所長室の私的利用を黙認しており、態度と言葉遣いの悪い中堂も、所長にだけは敬意をもって接している。 国立の研究所として全国展開する予定だったUDIラボ設立計画が中止になりかけた際には、個人として資金面などで尽力して、物語の舞台となる1か所だけながら開設にこぎつけており、存続させるために機を見ての宣伝や売り込みは欠かさないが、自由すぎるメンバーの行動で警察庁と厚生労働省からの補助金を切られ、存続出来なくなることを危惧しながら統率している。 厚生労働省職員時代に発生した東日本大震災にて災害担当として働いた時の経験から、UDIラボで全国の歯科カルテをデータベース化し、歯の治療痕による個人識別の統合一元化を目指していたが、国営化が中止となったため潰えている。『MIU404』第8話では、UDIラボを訪れた伊吹と志摩(『MIU404』の主人公)に、中堂による追加調査の顛末を報告する。
※この「UDIラボ」の解説は、「アンナチュラル」の解説の一部です。
「UDIラボ」を含む「アンナチュラル」の記事については、「アンナチュラル」の概要を参照ください。
- UDIラボのページへのリンク