輸血 ( blood transfusion )
輸血
【概要】 一度体外に出した血液の全成分、あるいは一部分(=成分)を再度血管内に輸注すること。他人の血液の場合は同種輸血、自分の血液なら自己血輸血という。血液の凝固を防ぎ、保存薬を加えた液が入っているプラスチック製の袋に採取をする。輸血を必要とする患者が、不足している成分を輸血することを成分輸血といい、有効利用につながる。機械を使って特定の成分だけを採取することがある(連続成分採血装置)。
【詳しく】 輸入血に依存していたことが薬害HIVを発生したとの反省にたって、新血液法を施行した。新血液法には安全な血液の国内自給、政府による需給計画、国民の協力、医療機関の適正使用などが規定されている。 輸血の副作用は沢山ある。多種類の免疫反応、感染症伝播、鉄沈着、輸血後宿主対移植片病など。技術進歩でかなり安全にはなったが、未知のもの、わかっていても不可避のもの、致死的なものもある。このため安易な輸血を行わず必要不可欠なものに限ることが大切である。また輸血療法にはインフォームド・コンセント(十分な説明と納得上での同意)が不可欠である。
輸血感染
【概要】 輸血用血液の中に感染に十分な量の病原体が含まれていれば感染症が発生する。細菌のように採血時の汚染で保存中に増える場合と、病原体をもっている人からの採血が原因である。
【種類】 マラリア、バベシア、梅毒、エルシニア菌、肝炎(A、B、C、D、G型)ウイルス、HIV-1、HIV-2、HTLV-1、HTLV-2、サイトメガロウイルス、EBウイルス、パルボウイルスB19、その他がある。プリオンも感染するかもしれないが報告がない。肝炎ウイルス感染について言えば30年前の50%が現在の0.1%以下まで低下した。現在のHIVの遺伝子検査(NAT)をすり抜ける低濃度のウイルス感染は、数年に1例以下と推定される。
【詳しく】 感染症の排除には、問診、検査そして血液の処理がある。問診では、危険を自覚した供血者の自発的な供血辞退に頼ることになる。抗原検査、抗体検査、NATなど鋭敏なスクリーニング検査の導入で非常に安全になった。もちろんNATのウインドウ期間は完全にゼロにはならない。検査していない病原体は排除できない。血漿分画製剤は様々な物理的化学処理を行う。血球製剤の品質に影響を与えずに不活化処理する技術は一部で実用化している。
【輸血とエイズ】 献血で陽性とわかったものの中に、エイズ検査目的と推定されるものがあった。もしNAT陰性の時期であれば感染したかもわからない。他人の健康を危険に陥れる行為である。
ブラッド・トランスフュージョン
(Blood transfusion から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 16:16 UTC 版)
ブラッド・トランスフュージョン(英語: blood transfusion)は輸血の意味の英語。
- 1 ブラッド・トランスフュージョンとは
- 2 ブラッド・トランスフュージョンの概要
輸血
(Blood transfusion から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/18 02:58 UTC 版)
輸血(ゆけつ、英語: Blood transfusion)とは、血液成分の不足を自他の血液から補う治療法のこと。血液を臓器のひとつとしてみれば、最も頻繁に行われている臓器移植であるといえる。輸血の提供者はドナー(英: donor)ないしは供血者と呼ばれる。
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