HIV-1
HIV-1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 15:12 UTC 版)
「ヒト免疫不全ウイルス」の記事における「HIV-1」の解説
HIV-1は、塩基配列により以下の4つのグループに分類される。 Group M (Major) 世界的に分布しているウイルスの多くがグループMに属し、A、B、C、D、E(のちに組換え体であるCRF01_AEであることが判明。純粋なEは未発見)、F、G、H、J、Kの10のサブタイプ (CRF: circulating recombinant form) が存在し、15種類が確認されている。日本での感染者の主なサブタイプは、サブタイプBとCRF01_AEであり、サブタイプBがおよそ75%、CRF01_AEが20%、残りがその他のサブタイプとなっている。 Group O (Outlier) 西アフリカや中央アフリカで主に認められる。 Group N (non-M/non-O) 1998年にカメルーンでの感染者に発見された。 Group P (pending) 2009年、フランス在住のカメルーン人女性に、ゴリラ由来のHIV-1とみられる新種が発見された。
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HIV-1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/27 09:28 UTC 版)
HIV-1(英語版)のLTRは長さが634 bpで、他のレトロウイルスLTRと同様に U3, R, U5 領域に分節化されている。U3 および U5 領域は転写因子サイトとLTR活性およびウイルス遺伝子発現への影響に従ってさらに分けられる。逆転写の多段プロセスの結果として、二つのそれぞれ U3, R, U5 領域からなる同一LTRがプロウイルスDNAの両端に存在する。 LTRの端はプロウイルスの宿主ゲノムへの組み込みに関与する。ひとたびプロウイルスが組込まれると、 5′ 端のLTRはレトロウイルスゲノム全体のプロモーターとして働き、一方で 3′ 端のLTRは発生初期ウイルスRNAのポリアデニル化を助け、また HIV-1, HIV-2, SIV では補助タンパク質 Nef(英語版)をコードしている。 遺伝子発現に必要な信号の全て、すなわちエンハンサー、プロモーター(転写エンハンサーと調節エレメントの両方を持つ場合もある)、転写開始(たとえばキャッピング)、転写終結子、ポリアデニル化シグナルがLTRの内に見られる。 HIV-1 では、5'UTR 領域は機能的および構造的違いからいくつかのサブ領域に分類されている。 TAR(トランス活性化応答エレメント(英語版))はウイルスタンパク質との相互作用を通じて、転写活性化における欠かせない役割を演じる。26塩基対からなり、二次構造にバルジを持つ安定性の高いステムループ構造を形成しており、これがウイルス転写活性化タンパク質 Tat(英語版) との接点となる。 Poly A は開裂とポリアデニル化に必要で、二量化(英語版)とゲノムパッケージングの両方において働く。開裂プロセスが効率的に進行するには上流領域 (U3 領域) と下流領域 (U5 領域) が必要であるという報告もある。 PBS(プライマー結合サイト(英語版))は長さは18ヌクレオチドで、逆転写開始に必要な tRNALys プライマーに結合する特定の配列を持っている。 Psi (Ψ, Psiパッケージングエレメント(英語版))はウイルスゲノムのカプシドへのパッケージングに対する調節に関わるユニークなモチーフである。四つのステムループ構造から成り、二つ目のステムループに主要スプライシングドナーサイトが埋め込まれている。 DIS(二量化開始サイト)は多くのレトロウイルスのPsiパッケージングエレメントのSL1ステムループからなる、よく保存されたRNA-RNA相互作用配列である。DISは保存ステムと、回帰性ループにより特徴づけられる。後者は、 カプシド化に向けた二量化のためにHIV-1 RNA ゲノムとの間にキッシングループ(英語版)複合体を形成する。 転写はキャップされた R 領域の始めから始まり、U5 領域および残りのプロウイルスを通過し、通常は poly A 区間を3' LTR の R 配列の直後に追加して終了する。 HIV LTR が二つとも転写プロモータとして機能できることの発見は、あまり驚くことではない。両方のエレメントは見掛け上同一の核酸配列を持つからである。対照的に、3' LTR は転写終結およびポリアデニル化において働く。しかし、5' LTR の転写活性は3' LTR のものよりもはるかに高いことが示唆されている。これは他のレトロウイルスにおける状況と非常によく似ている。 タイプ1のヒト免疫不全ウイルスプロウイルスの転写中、5' LTR にあるポリアデニル化シグナルは無視される一方、3'LTR にある同一のポリアデニル化シグナルは効率的に利用される。HIV-1 LTR U3 領域に存在する転写配列が3' LTR 中のポリアデニル化促進に関わっていることが示唆さあれている。
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