系統・流派・理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 18:48 UTC 版)
「とある魔術の禁書目録の用語」の記事における「系統・流派・理論」の解説
各宗教の術式については後述を参照。 ルーン魔術 ルーン文字と呼ばれる魔術言語を用いて行使する魔術。北欧の主神オーディンがいくつかの儀式を経て18種のルーンの使い方の知識を入手した、いくつかの使い方はワルキューレから伝えられた、などの神話があり、主に北欧神話系の術式を扱う魔術師が得意とする。 ルーン文字には魔術的な意味が含まれており、その文字を場所や物に刻印することで意味に沿った効果の術式を発動させる。ルーンは標準フサルクの24文字を基本として様々な派生パターンが存在し、文字によって効果が異なるため、攻撃から補助まで幅広い応用性がある。またルーンは文字自体が力を有した核であり、ルーンの刻印を破壊するとその魔術は効果を失う。本来、刻んだ文字に染料などで染め上げることで起動し、文字を脱色することでスイッチを切り停止させるという過程が必要な「染色と脱色の魔術」だが、現代では大量印刷したカードを使うステイルを始めとして、適時簡略化して使う魔術師が多い。場所と状況に合った最高の一文字を刻む事によって最大の力を得る、「量」より「質」が重要な魔術なので、ルーン同士の戦いでは明確に相性の悪い天敵を数で圧して倒す事は難しい。なお、派生した第2のルーンは後世に開発された「文章を読みやすくするための文学的な追加文字」でしかない文学的ルーンとされ、オカルト的価値はない。応用次第でレコードの溝を針で読み取るように、書類を書いた人間の残留思念を掘り返せる。 科学と混ぜてもさほど誤差が生じないため、上述のプリンター印刷の他、ビタミンB2の紫外線発色、レーザー研磨用工作機械、微粒子と過冷却水といった手法が登場している。ただし、安易に組み合わせると科学サイドと魔術サイドの「協定」に抵触するおそれがあり、使用を止めるよう通達される場合もある。最後のルーン 主神オーディンが入手した18種のルーンの中で、ただ1つだけ一体何のために習得したのか分からない、オーディンだけが役割と使い方を知っている伝説の魔術。オーディンの神秘の源となっている魔術だが、ルーン文字が人も神も共に使用できる以上、使い方さえ習得してしまえば人間にも使用できる。 文字そのものは他のルーンと同じく直線だけで刻めるが、刻んだ文字の溝を「染色」するのが繊細で、完成には長い時間が必要。たった1文字で「原典」に匹敵する魔術的価値が内包され、一瞬視界に入れるだけでも脳を「汚染」されて頭痛が爆発する。北欧神話そのものと同じく「浸透する宗教」の性質を持ち、惑星そのものに文字を刻む事で、世界そのものを大きく変質させる事こそが本当の力。ここで言う「惑星そのもの」とは地下6370キロメートル以上も離れた「地球の中心核」を指し、「主神にしか使えない」のは当時の北欧の人間は地球の核に干渉する術を持たなかったからとされる。ルーンが完成した段階で風景の中に溶け込んで誰にも文字を探し出せなくなり、また「原典」同様人類の技術では破壊できなくなる。 ブリュンヒルドが「主神の槍」の完成のために自動書記で中心核に刻みつけようとしていたが、彼女が神裂に敗北したために70%の段階で中断され、「槍」が砕かれると同時に連鎖破壊された。 近代西洋魔術 20世紀初頭に確立した魔術の系統。特別な才能なしに万人が平等に神秘を設計するための技術体系。「黄金夜明」が雛型とされ、その分派である「黄金」系を始めとして非常に多くの魔術師が扱い、その名の通り現代の西洋圏における主流な魔術である。 十字教の裏技的な魔術であり、聖書の記述や伝承を利用しつつも教義の矛盾や抜け道を探し、教会からは異端視されるような魔術を行使することから、「対十字教黒魔術(アンチゴッドブラックアート)」とも呼ばれる。天使の力を召喚して利用する儀式魔術を得意とし、魔法陣に天使の名前を借りたり、象徴武器やタロットカードなどの霊装を使う。また、願いを叶える過程で自分たちのルールでは到達できないものがあると、チベットや超古代文明、暗黒大陸などの植民地時代に支配下にあった地域の伝承といったものに手を伸ばすことで矛盾を解決しようとする性質を持つ。 錬金術 占星や召喚と並ぶ魔術師の基本科目とされる学問。ヘルメス学の亜流であり、後期のチューリッヒ学派は特にその影響が強い。鉛(卑金属)を金(貴金属)に変える、不老不死の薬を作るといった行為は実験の手段に過ぎず、最終的な目的は世界中のあらゆる法則を完全にシミュレートするアルス=マグナと呼ばれる奥義にある。ただ、そのための呪文は完成しているものの、人の寿命の長さでは語り尽くせないことから「まだ完成していない学問」と言われている。また、「大いなる業」という「鉛のようにくすんだ人の魂を、黄金のごとき天使の魂に昇華する」術で、人間を天使へ進化させる理論も研究されている。 一方の科学サイドでは、「16世紀を中心に王侯貴族を相手に行われた詐欺行為」として認識されている。 偶像崇拝の理論 十字教や仏教の術式で用いられる理論。単に「偶像の理論」とも呼ばれる。 類感魔術の代表例で、模造したレプリカを見立てたり、似た形や役割の物を儀式に用意することで、元となった物と同様の効果や性質を得たり力を借りることができるという理論。十字架と聖十字架、天使の彫像と天使、「神の子」と「聖人」などが該当し、これによりレプリカはオリジナルの力を一部宿している。ただし、借りられる力の量はごく僅かで、伝説級の物品でもオリジナルの数%が限界である。さらに、元の「像」を歪めてしまえば理論そのものが適用されなくなり、本物との間にわずかでも魔術的な狂いが生じれば偶像として機能しなくなるため、万能とは言えない。 なお、精巧なレプリカに干渉する事で逆にオリジナルに影響を与える場合(「偶像の逆流」と呼ばれる)もあり、1巻でインデックスが使わせた回復魔術や天草式の「縮図巡礼」などそれを応用した術式も存在する。 陰陽道 東洋術式の一大流派。大陸から渡ってきた陰陽五行説や道教から派生し、平安時代に隆盛を極めた。風水、占術、錬丹、呪術、祈祷、暦術、漏刻などのさまざまな分野がある。作中では主に風水が登場し、地脈や龍脈の位置から土地の良し悪しを判断したり、地脈や龍脈を呼び込んで魔術を発動する。 カバラ ユダヤ教や十字教に関連する魔術の思想・学派の一つ。古き魔術結社「薔薇十字」がよく使った事で知られ、「黄金」のメイザースが「原典」の翻訳を行い、欧州全土に知識が広まった経緯から近代西洋魔術にも取り入れられている。作中ではしばしばセフィロトの樹と呼ばれる神・天使・人間の身分階級表の概念が語られている。また、神様が土から人間を作ったという伝承を真似て、泥や岩石を材料にゴーレムと呼ばれる複製人間を作る魔術が存在する。 ヘブライ22字があれば世界の全てを説明できるとされ、火のシン、水のメム、風のアレフという3要素、7金属による7等分の輪、12宮の12色で囲って世界を表すのが薔薇の象徴である。さらにゲマトリアという暗号法が存在し、文字に数字をあてがって、2つの文章が同じ数であれば同一の意味を持つという解析方法により、「原典」には切り取り方次第で無尽蔵に誤読が発生する。 シジル 「黄金」系魔術結社の近代西洋魔術で使われる特殊な十字架の象徴。特定パターンで配置した「薔薇」の紋様を参考にし、ヘブライ語22文字の対応表の法則に従って、線形で単語を表現したもの。見た目は一筆書きのギザギザしたライン。多くの場合は力ある十字教の天使の名前を記して「天使の力」を引き出し、物品などに封入する手段として用いられる。
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