系統安定化の方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 09:08 UTC 版)
電力周波数を安定化させるためには次の2つが重要になる。 1.同期化力 系統に各電源が周波数・位相を合わせる能力 2.慣性力 系統の周波数の急変を防ぐ能力 これらの機能は同期発電機の運動エネルギーによる慣性、位相ズレによってトルクが変わることによる同期化力によって得られたが、直流を交流に変換する単純なインバーターではこうした機能が得られない。 太陽光発電などの分散型電源を増やす場合これらの機能を何らかの方法で補う必要が有る。 以下の方式が考えられる。 1.同期発電機の台数確保(マストラン)・・・同期発電機の数を一定以上確保することで安定性を確保する 太陽光などの発電量は許容範囲内に制限される。 2.動機調相機・・・無負荷の同期発電機を回しておく。回転させておくためのエネルギーロスや保守コストがかかる。 3.MGセット・・・再エネの電力をインバーターではなく同期発電機を通して送る これもコストが大きい。 4.仮想同期発電機・・・同期発電機の動作をシミュレーションする。慣性力をシミュレーションするためにインバータや蓄電池の大型化が必要。 5.系統増強・・・系統インピーダンスを改善させ同期化力を改善する。コストがかかる。 6.STATCOM・・・電圧を維持することで同期化力を改善。なお慣性力までは確保できない。
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