系統学的観点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/13 22:53 UTC 版)
旁辺縁皮質としては、島皮質は比較的古い構造であると考えられている。島皮質は、味覚、内臓感覚、自律性調節 (恒常性機能とも呼ばれる) などの、基本的な生存に必要な、強く保存された様々な機能を担っている。これらの良く保存された機能に加えて、島皮質はヒトや高等類人猿のみにおいて、より高次の機能を担っている。ジョン・オールマン (John Allman) らは島皮質前部には高等類人猿特有の紡錘形神経細胞 (spindle neuron (en) ) と呼ばれる細胞が含まれることを示した。この神経細胞は前帯状皮質でも高いレベルで、高等類人猿特有に見つかっている。紡錘形神経細胞は右の島皮質に高密度で存在していた。この神経細胞は高等類人猿特有の共感や自己認識的な感情などの認知-情動処理への関与が疑われている。このことは右の島皮質前部の構造と機能が自身の脈拍を感じたり、他者の痛みに共感する能力と相関していることを示す機能イメージングの結果によって支持されている。これらの機能は島皮質の低次機能と分離可能なものではなく、意識に関する恒常性の情報を担う島皮質の役割の結果によって生じるものと考えられる。
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