パナソニックのテレビブランドの変遷
(画王 から転送)
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パナソニックのテレビブランドの変遷(パナソニックのテレビブランドのへんせん)では、パナソニック(旧:松下電器産業を含む)で発売された全てのテレビブランドを示す。パナソニック(ナショナル)のテレビブランドの変遷は以下である。
- 1 パナソニックのテレビブランドの変遷とは
- 2 パナソニックのテレビブランドの変遷の概要
画王(がおう)
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「パナソニックのテレビブランドの変遷」の記事における「画王(がおう)」の解説
1990年10月発売。発売当初のキャッチコピーは「画王生誕。」「BS時代の新・テレビジョン」。 「パナカラーイクス」の後継ながら同社のカラーテレビ事業30周年の節目にふさわしく、全く新しいコンセプトで発売された。ブラウン管を平面に近づけた「スーパーフラット&ブラックマスク」、従来のドームスピーカーよりも容積をコンパクト化しながらも低音域を従来以上に再生する「重トーンドームスピーカー」(29型・33型に採用)、明るさを自動調整する「カメレオンAI」などからなる新技術を多く導入した。なお1992年発売の「VS20/VS25/VTS25/VTS30シリーズ」は、特殊な亜鉛材をスピーカーコーンに塗布して音の歪みを防ぐ「ウィスカ重トーンドームスピーカーシステム」を採用している。 デザイン面では「ノイズレスデザイン」のコンセプトの元、画面両側を特殊シートで覆い、スピーカーを意識させないシンプルなデザインを特徴とした。このシンプルなデザインは「画王」シリーズだけでなく、以降のパナソニック製大型テレビのデザインアイデンティティとして受け継がれる。 さらに、当時家電業界ではタブーとされていた漢字2文字に濁点を入れたネーミングも特徴だった。津川雅彦が「画王国」の王に扮し「テレビじゃ画王じゃ!」と叫ぶテレビCMは話題を集め、そのネーミングと共に強いインパクトを与えた。このCMは「特定企業の製品が王を自称する、画王というネーミングは、そのイメージから公正な競争を阻害する」というクレームが同業者から寄せられ新聞でも取り扱われたが、結局はCMをマイナーチェンジすることで決着した(前述の「テレビじゃ〜」というコールがなくなった)。 後に漫画『わ〜お!ケンちゃん』に津川雅彦演じる「画王国」の王がモデルのガオーと言う王様が登場している。 CMには他に西岡千恵子や流石組レイナ、トウカイテイオーなどが出演し、南流石が振り付けを担当したCMソングに乗せた踊りで大画面テレビの楽しさをアピールした。西岡などが歌うCMソングはCD化(シングル『画王生誕。』『画王の国からポイポイポイ』、ミニアルバム『とっても画王な物語』)されている。 発売後の年末までに20万台、1年で約100万台を売り上げ、累計生産台数300万台を記録する大ヒットモデルとなった。多機能や高画質・高音質を盛り込みながら比較的手の届きやすい価格(衛星放送チューナー搭載の29型「TH-29VS10」で20万円を切っていた)を実現していたこともヒットにつながり、1989年に発売された「バズーカ」(東芝)と合わせ大画面テレビ市場を二分する存在となる。他のライバル機種としては「キララバッソ」(ソニー)や「帝王」(三洋電機)などが挙げられる。 バリエーションとしては43型のプロジェクションテレビ「画王43」や、前ブランドの「パナカラーイクス ARBRE」と同様に、キャビネット部にマホガニーを使用した木目調の「純木画王」も存在した。その他には25型・29型・33型といった大型のテレビデオが「画王」のブランド名称で販売されたり(小型モデルは「2SHOT(ツーショット)」の名称だった)、画面サイズが16:9の「ワイド画王」も後年に登場している。なお、ビデオデッキは「録画王」「ビデオ画王」の名称で販売されていた。こちらのCMには鈴木保奈美が出演している。なおプロジェクションテレビはアンダースピーカーを採用し・画面と台座が一体化していたため、AV機器は別売りラックを横に置く方式で収納していた(このためレギュラーサイズのブラウン管テレビより広い設置空間を必要とし、床面は機器の重さに耐えられるよう補強する必要があった)。 1991年には、初のアナログハイビジョン(MUSE方式)テレビ「TH-36HD1」が発売される。36型で450万円と非常に高価だった。また当時自社生産していた衛星パラボラアンテナもリフレクタ(反射鏡)の表面に「画王」ロゴが描かれていた(TA-BS6035/6035E/6045のみ)。 1992年発売の「TH-14JS1」は、BSアナログチューナー内蔵テレビとして当時業界最小モデルだった(本体内蔵スピーカーはモノラル)。14型のBSアナログチューナー内蔵機は本機のみで、以降のBSアナログ内蔵機は21型以上の中型・大型モデルのみとなった。 1993年には「ZS1シリーズ」としてモデルチェンジ(29型「TH-29ZS1」のみ発売)。翌1994年発売の「GF1シリーズ(TH-29/25GF1)」が画王シリーズ最終モデルとなった。 余談であるが、松下電器と提携していた韓国の亜南電子(旧・亜南電器および亜南・ナショナル)も「画王」(ただし読み方は「ファーワン(화왕)」)ブランドでテレビを販売していた。 なお「日清ラ王」の商品名はこの「画王」から拝借したものである。 25型以上の大型上位機種(VS25/20シリーズなど)は映像オフに加え「スターダスト」メニューも搭載しており、夜空で星が瞬いているかのような画面演出が可能だった(翌年以降モデルよりスターダストメニューは廃止され「映像オフ」メニューのみ存続)。 本シリーズよりチャンネル設定方法が大幅変更され、(先代「パナカラーイクス」までのアナログ選局式から)「1位と10位の数字変化に連動して画面が切り替わる選局方式」に変更(TH-14V3を除く)。これにより電波の弱い地区・環境でも目的のアナログUHFチャンネルを確実に呼び出せるようになった(本体チャンネル設定ボタンは収納式前面操作パネル内にあり、設定時は選局・音量ボタンを設定と表示書換ボタンに兼用。移動の際パネルが急に飛び出すのを防ぐ白色ロックレバーが右前面入力端子扉内に付いていた)。画面の色合い・色の濃さ・明るさ・シャープネス・黒レベル調整も(先代「パナカラーイクス」までの本体前面扉内アナログダイヤル式から)「リモコンのメニュー画面で調整する方式」へと改められている。「表示書換」では、放送の無いチャンネル数字を「0」に表示させると順送り選局時にスキップし、放送のあるチャンネルのみを映し出せるようになっている(先代「パナカラーイクス」シリーズまでは1位数字を0表示させただけではスキップできず、必ず10位数字も0表示させ「00」としなければなかったが、画王以降のシリーズは「1位数字を0表示させるだけでスキップ可能」となった)。音量表示は前作「パナカラーイクス」まではバーのみの表示だったが、「画王」以降のシリーズからは「数字とバーによる音量表示」に改められて現在に至っている。また上位機種は「サラウンドレベル調整機能」も搭載。 前作「パナカラーイクス」シリーズ以前の機種はアナログUHFチャンネルの手動設定方法が本体前面扉内にも書かれていたが、本シリーズ以降は取扱説明書のみへの表記に改められて現在に至っている。
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