パナカラーイクス (PANACOLOR X)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:22 UTC 版)
「パナソニックのテレビブランドの変遷」の記事における「パナカラーイクス (PANACOLOR X)」の解説
1988年発売。この年からAV機器にもPanasonicブランドが導入される。同ブランドで発売された最初のテレビとなったが、1989年までは「パナカラーイクス」をパナソニックブランドで、同サイズの「αArt」を従来通りナショナルブランドで併売していた。 21 - 33型までをラインナップに据え、翌年に本放送を開始するアナログBSチューナー(29型以上の一部機種には文字放送チューナーも併せて搭載された)と、スピーカーをテレビ本体に内蔵することでキャビネット部と一体化させたデザインやスリムな開口部を持ち、高音質・重低音再生を特徴とする「ドームスピーカー」を初めて搭載した。また地上波アンテナ入力端子は以前のVHF・UHF別々から「VU混合入力」へと改められ、UV分波器が不要となった(但しネジ式F型接栓接続には非対応。アンテナ線がVU別々の場合は市販の混合器が別途必要)。 発売当初のキャッチコピーは「大画面&コンパクト」。CMにはAV機器全般のイメージキャラクターを務めていたジョージ・ルーカスや、彼がデザインしたロボットキャラクター「スパーキー」が登場し、CM曲としてモーツァルト「交響曲第41番『ジュピター』」(第1楽章)が使用された。同時期には、ソウルオリンピックの開催に合わせた広告展開も行なわれている。 1989年には「スーパードームスピーカー」やドルビーサラウンドシステム、新開発の「NEWファインARTブラウン管」を搭載し、「ハイグレードAVテレビ」と位置づけられたXA1シリーズ(XA1シリーズのみ37型が存在した)が登場し、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の映像を使用したCMも放送された。また、同年にはデザインをよりシンプルなものへと変更し、操作系を一体化したスライドパネルを装備するXW1/X1/XS1/XV1シリーズ、「私は普通の黒いテレビとは違います」という謳い文句でキャビネット部を木目調とした「ARBRE(アルブル)」(TH-33XF1、TH-29XF1、TH-29FW1)が登場している。また「パナカラーイクス」を上回る大画面テレビとして、当時最大の43型ブラウン管を搭載した「VIP43」も存在した。これは「アルブル」シリーズと同様の木目調キャビネット、テレビ台にステレオスピーカーを内蔵、非常に高級感がありバブル期を象徴するデザインであった。またプロジェクションテレビ「GranVision43」も存在した。 1990年発売の「TH-21XV1」はAV入力に「ブリッジ接続」を採用。ビデオ入力1端子のみ前後面で直結されており、前後いずれか一方の端子からAV信号が入力されると(前後いずれか)もう一方のビデオ入力1端子からその(入力)信号が直接出力され、他機へのダビングやモニターに使用可能(後面端子にのみS映像入力端子を搭載し、右前面扉内にS映像・コンポジット映像出画切換スイッチを搭載)。但しダビング等をせず本機のみで通常のビデオ入力1映像を視聴する場合は前後いずれか一方のAVケーブルを外すか、前後いずれか一方の端子に繋いだ機器の電源を切って(電源プラグを抜いて)おかないと相互干渉により正常な映像が映らない。なおモニター出力端子も併載しており(但し映像端子はコンポジットのみ)、そちらからはビデオ入力1・2両端子に入力された信号が出力される。モニター出力端子はアナログオーディオ固定出力やテレビ出力も兼用しており、BSアナログチューナー・地デジ・BS110度CSデジタルチューナー内蔵機種では加えて「外部録画出力」も兼用している(本機チューナーでの録画中は「チャンネルロック」機能が作動するため、シングルチューナーモデルはチャンネル変更不可)。 サラウンドメニューは「ステレオ(ワイド)」・「モノラル」2種類のみ(サラウンドレベル調整機能と音声メニューは大型上位機種のみ搭載)。モノラルサラウンドを選ぶ場合はリモコンの「音声切替」ボタンで「強制モノラル再生」モードにしたのち、サラウンドボタンで「モノラルサラウンドオン」にする(外部入力画面では「ステレオ」・「モノラル」両サラウンドメニューを表示。電源を切ると強制モノラル再生モードは解除され通常のステレオ再生モードに戻る。アナログTV放送終了と共に強制モノラル再生モードとモノラルサラウンドメニューは廃止。BSアナログチャンネルは高音質放送なので強制モノラル再生非対応)。 リモコンは(今日の地デジテレビ「ビエラ」に標準装備の)「カラーボタン」を搭載していたモデルが25型以上の大型上位機種にあり、画面からの指示により4色ボタン(青・緑・赤・黄)を押すことで映像・音声メニューの細かい調節ができた。 TH-14V2の後継機として1991年に発売されたモノラルテレビ「TH-14V3」には「オン・オフタイマー」と「本体内蔵時計&時計コール」機能があり、付属リモコンには「ビデオデッキ操作ボタン」が搭載されていた(ただしナショナル・パナソニック機のみ操作可能で他社製品操作は不可。アンテナ端子はVU別々。AV入力は1系統2端子で前面優先。本機がモノラルテレビ「Vシリーズ」最終モデルとなり、後継は「Zシリーズ」へ移行)。 ライバル機種は「プロフィール・スター」「ドラマゾーン」(ソニー)「バズーカ」(東芝)「CZシリーズ」(三菱電機)など。いずれもアンプ不要のドルビーサラウンドシステムや、独自方式の高音質スピーカーを搭載していた。また「パナカラーイクス」の登場により、他社もスピーカー内蔵型が主流となった。 BSアナログチューナー内蔵機種の場合、「付属アンテナプラグは地上放送専用のためBSアンテナ入力端子への接続禁止(市販のBS対応接栓・ケーブル・分波器を別途用意する必要あり)」である旨が取説に記載されている。 なお、「パナカラーイクス」は「パナカラー」ブランドを冠した最後のテレビで、これを最後に消滅した。 小型パーソナルテレビ「ピエドラU4シリーズ(8型・11型)」は本体にロッドアンテナを搭載しており、8型「TH-8U4」は持ち運び可能な小型ブラウン管テレビとして当時業界最小モデルだった。
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