2011年問題 (日本のテレビジョン放送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/27 01:46 UTC 版)
2011年問題(2011ねんもんだい)では、日本のテレビジョン放送における2011年の地上アナログテレビジョン放送の放送終了ならびに2003年12月から開始されていた地上デジタルテレビジョン放送への完全移行に関する事項、またそれに伴い生じた問題について述べる。
注釈
- ^ 地上デジタル音声放送は2011年3月に試験放送を終了した後、本放送を見送る形で計画は中止され、AMラジオ放送に関しては地アナ放送廃止で空いたVHF-LOWバンドを利用したFM補完放送の促進へと方針転換された。
- ^ アメリカ合衆国では2009年6月13日に停波したが、それに先立ちデジタル対応テレビへの買い換えが困難な低所得者層に対しデジタルTV変換コンバータ購入用としてUS$40のクーポンを配布した。日本もこれに見習ったものである。しかしながら、地上デジタル放送への移行に受像機の変更だけでなく、地域や建物次第では新たなアンテナ設備(工事費を含めて数万円)も必要となるがこのことは「デジタルへの移行」自体よりさらに少数の理解しか得られていない。実際、「デジタルへの移行」は何となく理解して新しい受像機に買い換える時に「地上デジタル放送対応」製品を購入したもののアンテナその他までには理解が及ばず、実際には従来のアナログ放送を新しい受像機で受信しているだけなのにも拘らずデジタル放送を視聴していると信じ込んでいる例も報告されている。
- ^ 岩手県では宮城県、福島県とともにアナログ放送終了が延期されたが放送範囲内でテレビ受信に関して直接の被害がなかったことから、そのまま2011年7月24日をもって閉局した。
- ^ 一例としては、アナログ放送は共聴設備でしか受信できないのに地上デジタル放送は受信できるため、自腹でUHFアンテナと工事をしてくれる家電量販店などの業者を頼まなければならないというもの。
- ^ 東日本大震災のため、2011年3月11日から4月23日までは自粛していた。
- ^ 「岩手、宮城、福島では、アナログ放送の終了が延期になりました。」のアナウンスと広告テロップが挿入された。
- ^ NHKは常時、民放は夜7時から11時台までの番組の冒頭にそれぞれ表示していた。
- ^ NHKの4:3製作番組と14:9サイズの放送を継続する大河ドラマ、民放におけるCMやテレビショッピング、4:3製作された放送局に著作権のない外部制作番組、独立UHF局における再放送番組を除く。
- ^ 沿岸部にあるCATV局の津波被災、地デジ共同受信設備の津波による流失、被災者支援に時間を割かれ地デジ普及活動が困難であることなどによる。なお、岩手・宮城・福島の地上波テレビ放送局にはアナログ機器維持管理のための費用を半額補助することにしている。
- ^ 佐渡島の高千局のリパックは2012年10月15日に実施された。
- ^ 茨城が2012年3月30日、徳島・山口が2012年8月31日、秋田が2012年12月28日、岩手・熊本が2013年2月28日、島根が2013年3月15日を以て、ブロック拠点へ統合された。また宮城は2012年5月1日より「東北」へ名称変更された。
- ^ NHKでの進行フォーマットは2011年7月24日に被災県以外で放送されたものと同じだが、進行は仙台局の谷地健吾(2011年7月24日放送分は鈴木菜穂子)が担当した。
- ^ テレビ放送完全デジタル化によって空いた従来のアナログテレビ帯域は、普及が著しく電波容量が逼迫している携帯電話などの用途へ転用されることが国の方針により決定された。(アナログとの混信防止のため)地デジが暫定的に使っている53〜62ch帯(60MHz分)はアナログテレビ放送が終了すればVHFと共にTV以外の用途へ転用され、地デジTVチャンネルは13〜52chのローバンド(低域)帯及びミッドバンド(中域)帯へ集約される(53~62ch帯を使っている地上デジタル中継局はアナログ終了後に一部局のチャンネル変更あり)。よって東日本大震災被災県(岩手・宮城・福島)における地上デジタル化(アナログ放送終了)猶予期間は最長でも2012年7月24日までしか設定できなかった。完全地上デジタル化の猶予期間中は岩手・宮城・福島3県の地上波テレビ局(NHK盛岡・IBC・TVI・MIT・IAT、NHK仙台・TBC・OX・MMT・KHB、NHK福島・FTV・FCT・KFB・TUF)に対してアナログテレビ放送維持に必要な機器(テレビマスター及び各送信所にある送信機器・アンテナ)保守管理費用の一部を総務省が助成することとした。
- ^ これまでアナログTV電波を送出していた電波塔のうち(地デジ送信塔が従来のアナログとは別の場所に設置、中継局統廃合により地デジ中継局設置非該当、施設老朽化などの理由で)地デジ・AMラジオ・FMラジオ・マルチメディア放送の送信設備と自社・他社による無線中継基地のいずれも引き続き持たない施設は殆どが解体されている。なお従来の地アナTV電波送信塔は各局が個別に設置していた場合が多かったが、地デジTV電波塔は当該地域にある各局が(中継局一カ所毎に)一つの塔・局舎を共用し、そちらへ各局送信アンテナを集中取付する方式を採用(NHKと民放全局の共同使用またはNHK単独使用・民放全局共同使用のパターンがほとんどである)。これにより従来のアナログ時代より建設費・保守管理費の大幅削減が可能となった。
- ^ アナログ放送の番組終了ブルーバックの後に10秒間のブラックバックが表示され、事実上それにテロップ表示した形。
- ^ ケーブルテレビ局によっては、前倒しで終了した局がある一方、4月中まで延期した局もあった。
- ^ もっとも、デジタル完全移行によりNHK Eテレにおける時報の放送も2011年7月23日正午(高校野球地方大会中継を行った一部地域除く)が最後だった。
- ^ 2000 - 2003年に発売されたBS・110度CSデジタルチューナーは搭載している(最初期は110度CSなし)が、地上デジタルチューナーは搭載していない機器を含む。
- ^ ただし、携帯用の小型テレビなどで外部AV入力や外部アンテナ入力を備えない物は継続使用ができない。
出典
- ^ シニア層は要注意!これからが本番「地デジ詐欺」にだまされるな! 日経トレンディネット 2006年6月20日
- ^ 北海道池田町・いけだ議会だより かけはし(平成23年1月15日発行分)
- ^ 岩手県盛岡市・ウェブもりおか『テレビ都南廃止のお知らせ』(2007年4月2日掲載)
- ^ 岩手県盛岡市・ウェブもりおか『テレビ都南の廃止に関するQ&A』(2007年4月2日掲載)
- ^ 集合住宅での地上デジタル放送対策は?【地デジ再入門2】- デジタル - 日経トレンディネット
- ^ 総務省『都市受信障害共同受信施設で受信する場合』[リンク切れ]
- ^ 「アナログ放送終わります」テレビ画面に常時字幕へ - asahi.com、2008年4月18日。[リンク切れ]
- ^ アナログ放送終了計画(改訂版)PDF - 全国地上デジタル放送推進協議会、2009年4月
- ^ アナログ放送終了計画(第3版)PDF - 全国地上デジタル放送推進協議会、2010年4月]
- ^ “「アナログ放送終了リハーサル」実施地域の決定”. 総務省、リハーサル推進委員会 (2009年4月6日). 2009年4月13日閲覧。
- ^ “石川県珠洲市で停波リハーサルを実施”. Impress Watch (2009年4月6日). 2009年4月13日閲覧。
- ^ “地上デジタル放送用「簡易なチューナー」購入に係わる公募” (PDF). 総務省テレビ受信者支援センター (2009年9月3日). 2011年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月10日閲覧。
- ^ 読売新聞東京本社版、2009年9月14日 13S版2面。
- ^ 地デジ:アナログ放送の画面上下が黒い帯に 7月5日から - 毎日jp、2010年4月22日。[リンク切れ]
- ^ “地上デジタル放送:石川・珠洲で一足先にアナログ停止”. 毎日jp. (2010年7月24日). オリジナルの2013年5月1日時点におけるアーカイブ。 2010年7月24日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 計画停電でアナログ放送停波 関東と山梨・静岡の一部 - asahi.com 2011年3月17日。[リンク切れ]
- ^ 山梨日日新聞2011年7月18日[リンク切れ]
- ^ “アナログ停波は2011年7月24日の正午 12時間前倒し”. asahi.com. (2009年4月24日). オリジナルの2009年4月26日時点におけるアーカイブ。 2009年4月24日閲覧。[リンク切れ]
- ^ アナログ放送終了計画(改定版)地上デジタル放送推進に関する検討委員会(第46回)資料(2009年4月23日開催。PDF)
- ^ 総務省 情報通信審議会 「地上デジタル放送の利活用の在り方と普及に向けて行政の果たすべき役割」第六次中間答申(2009年5月度開催)の資料70ページ目に記載(2009年6月2日web公開。PDF)
- ^ 平成23年12月1日(アナログ停波の121日前)の地デジ周知広報テレビ番組等の放送予定(総務省東北総合通信局) (PDF)
- ^ 平成23年12月22日(アナログ停波の100日前)の地デジ周知広報テレビ番組等の放送予定(総務省東北総合通信局) (PDF)
- ^ 『一部デジサポの閉所のお知らせ』(プレスリリース)総務省テレビ受信者支援センター(社団法人デジタル放送推進協会)、2012年1月27日 。2012年3月1日閲覧。[リンク切れ]
- ^ アナログ放送サービスおよびケーブルインターネットサービス終了のお知らせ - 鹿児島光テレビ、2008年8月4日。[リンク切れ]
- ^ テレビ東京・2月は全番組で地デジを推進!!地デジ7チャン強化月間
- ^ テレビ東京・7月は全番組&データ放送で地デジ推進 子供たちにも地デジ推進
- ^ 日本再建のため行革を推進する700人委員
- ^ 読売新聞、2008年11月28日 13S版 2面記事。
- ^ アナログ放送、来年6月停止 - 読売新聞、2010年6月14日。[リンク切れ]
- ^ 2011年1月3日付、読売新聞 朝刊2面
- ^ “7月1日から画面にアナログ停波告知 NHK、人物や文字にかぶせ”. 産経新聞. (2011年1月20日) 2011年1月21日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “アナログ放送、沖縄全県で停波実験 1月末に民放3局”. 朝日新聞. (2011年1月24日). オリジナルの2011年1月29日時点におけるアーカイブ。 2011年1月24日閲覧。[リンク切れ]
- ^ NHKリリース
- ^ アナログテレビ放送の停波について NHK広報局、2011年7月25日。
- ^ BSデジタル完全移行について WOWOW公式サイト
- ^ 地デジ難民対策必要 衆院総務委 梅村氏が現状訴え しんぶん赤旗、2015年3月20日
- ^ ITmedia『区域外再送信問題、いよいよ決着へ』
- ^ 予測できた「地デジ特需」終了 テレビ巨額投資の謎: 日本経済新聞
- ^ 地デジ化で視覚障害者困惑「国策のためにテレビから置き去りにされ寂しい」 スポーツニッポン、2011年7月11日
- ^ 地デジ「聴ける」受信機発売=視覚障害者向け、2社が今夏にも 時事通信社、2012年3月29日[リンク切れ]
- ^ 完全地デジ化は2011年7月で終わりじゃない
- ^ 地上デジタルテレビジョン放送局チャンネル変更予定表 (PDF)
- ^ 東北3県、地デジ延期へ 総務省調整 - 東京新聞、2011年4月8日。[リンク切れ]
- ^ 岩手・宮城・福島、被災3県の地デジ化延期へ - 読売新聞、2011年4月8日。
- ^ 乾達 (2011年3月16日). “東日本大震災:テレビ停波63カ所 中継局被災、ラジオも2カ所”. 毎日新聞 東京朝刊 (毎日新聞社). オリジナルの2012年7月13日時点におけるアーカイブ。 2011年3月16日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “【東日本大震災】東北3県の地デジ延期へ 総務省、震災影響を考慮”. フジサンケイビジネスアイ. (2011年4月8日) 2011年4月8日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “東日本大震災:被災地は衛星放送で地デジ視聴可能に”. 毎日新聞社. (2011年4月7日). オリジナルの2012年7月14日時点におけるアーカイブ。 2011年4月7日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 日本経済新聞、2009年12月2日 13版4面。
- ^ AVウォッチ(2010年5月14日付)・ケイオプティコムリリース
- ^ AVウォッチ(2010年9月7日付)・オプティキャストリリース
- ^ 全国初の「デジアナ変換」サービスを開始、四国の3CATV事業者が7月14日から順次スタート:ITpro
- ^ 平成生まれのQAB
- ^ デジアナ変換サービスがまもなく終了! 地デジ移行最終局面 AV Watch(大河原克行)、2015年1月27日(2023年2月27日閲覧)。
- ^ 北海道内ケーブルテレビのデジアナ変換サービス終了予定日 - アナログテレビ受信機のデジタル対応をお急ぎ下さい - - 総務省北海道総合通信局(2015年1月13日リリース・2015年1月16日閲覧)
- ^ デジアナ変換が4月末で“混乱なく”完全終了。テレビはどれだけ売れた? - AV Watch
- ^ 総務省|放送政策の推進|デジアナ変換(平成27年4月30日までに、全て終了しております。)
- ^ デジアナ変換サービス実施事業者
- ^ 「Gガイド.テレビ王国」 Myepgプレミアムサービス終了のお知らせ 2011年7月3日閲覧。
- ^ テレビ朝日データビジョン-『ADAMS-EPG』サービス終了のお知らせ 2011年7月3日閲覧。[リンク切れ]
- ^ JCNのデジアナ変換のお知らせより
- ^ “番組”. 西軽井沢ケーブルテレビ. 2024年6月3日閲覧。
- ^ “協和ビジョン 配信チャンネルのご案内”. 協和ビジョン CATV軽井沢. 2024年6月3日閲覧。
- ^ 地上放送の完全デジタル化の達成~地デジ難視対策等の完了 総務省 2015年6月24日
- ^ 難視聴対策完了で、地上放送完全デジタル化達成 AV Watch 2015年6月24日
- ^ 総務省審議会『アナログTV用安価チューナーを』 - YOMIURI ONLINE、2007年8月2日。[リンク切れ]
- ^ イオン、4980円地デジチューナー 需要に応え“国内差安値”投入 - フジサンケイビジネスアイ、2009年9月5日。[リンク切れ]
- ^ 西友が4750円の地デジチューナー発売 イオンより安価に - ITmedia、2009年9月17日。
- 1 2011年問題 (日本のテレビジョン放送)とは
- 2 2011年問題 (日本のテレビジョン放送)の概要
- 3 完全移行前後の問題
- 4 アナログ放送終了へ
- 5 移行後の問題
- 6 一部での移行延期
- 7 移行対策の終了
- 8 関連項目
- 2011年問題_(日本のテレビジョン放送)のページへのリンク