山田奈緒子
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読み - やまだ なおこ 演 - 仲間由紀恵(少女時代:塚本璃子(現・成海璃子)) 自称”超売れっ子(巨乳の)美人マジシャン“。夢はラスベガスの大ステージに立つことであり、偉大なマジシャンであった父に追いつくことを目標にマジックの道に入り上京した。得意なマジックは、トランプマジックとゾンビボール(人手や金のかかる大がかりなマジックは出来ない)。星座は蟹座。 黒門島出身(シャーマンの家系、黒津本家側)で長野在住の書道家の母・里見と天才マジシャンの父・剛三(故人)を親に持つ。黒門島関係者からは、母親ゆずりの強いシャーマンの力を受けついでいるとされている。 極めて粗忽でよく躓いて転んだり、穴に落ちる。好奇心旺盛かつ天邪鬼なため、痛い目に合うことがある。行儀も悪い。銀行口座も持っておらず、社会的な信用は全く無い。妙に見栄っ張りなところがある。倫理観は一般の人と若干異なる。携帯電話は所持していないが、かける相手がいないのでアパートの固定電話だけで間に合っている。かけてくる相手は大半が上田からで、後はたまに、実家の母・里見から掛かってくる程度である。生活が苦しいこともあるが、金銭欲が激しく時に犯罪に手を染めることもある。また、食べ物に対する執着にも凄まじいものがある。 インチキ霊能力者らと対決するのは尊敬していた亡き父が生前、超能力者、霊能力者の存在を否定し彼らのインチキを暴いていたからで、彼女はその性格と意思を受け継いでいる(正義感によるものではなく父との唯一の絆のように思っているからである)。霊能力者らと対決する際は普段と打って変わって、観察力が冴え、マジックのトリックを応用した数々のインチキな霊能力を見破っている。しかし、母のインチキ商売や論理的な問題、または黒門島絡みの事件の時には全く歯が立たない。これらの問題に関しては大抵、上田があっさり解決する。 仕事と収入・金欠病 いつも花やしきでマジックを披露しているが、観客がいないためすぐにクビにされる(帰路、通りかかった家族連れなどに指を指されて笑われるのが定番になっている)。ストーカー的な追っかけ、照喜名保がただ一人のファンである。花やしき以外では商店街などのイベントに自身で営業(売り込み)して出演させてもらっている。周囲の人には「美人奇術師協会」などと在りもしない団体に所属とごまかしている。 マジシャンの仕事がない時は居酒屋などでアルバイトをしていることもある。 収入は極めて少なく第3シーズン第1話では平成15年10月分の給料は323円であった。魯人老人ホームのアルバイトの老人達が時給560円(当時の最低賃金未満)だと知ったときは「高い」と驚いていた。 番組の冒頭で大家が溜まっている家賃の催促に来るのが定番になっている(奈緒子は大概、2,3か月分滞納している)。 上田の生命と自身の利益を天秤にかけ、利益の方を選ぶなど、その貧窮ぶりは非常に深刻なもので訪問先で出た食べ物は他人のものだろうが遠慮なしに食べまくるほど。 従って日常の食生活も侘しく パンの耳で凌いでいることが多く、それすら買うお金がない時は店の人に手品を強引に披露し、貰ってくる。「劇場版3」では、チキンラーメン を山のように買い貯めている。 上田はこれらの状況を利用し、家賃や食事をエサにして奈緒子を霊能力者の調査に駆り出している。 事件の依頼人や事件の経緯によって手に入るはずの報酬や財宝は数億円単位のものまであるが、金運のなさやうやむやな結末などによって手に入ったためしがない。 第2シーズンから金銭欲が顕著になり、上田の持ち込む話に隠された財宝、秘宝などが絡むと眼の色が変わって積極的に参加するようになる。シリーズが進むにつれ更に強欲にエスカレートし、遂には実力行使で強奪に及ぶこともある。 大半を奈緒子が解決している一連の事件の手柄も、ほとんど教授という肩書きを持つ上田のものとなっており、上田が学者として名声と信頼を得ているのに対し、奈緒子は全くの無名である。報酬も家賃滞納分を立て替えてもらうなどで直接現金は貰っていない。 著書に「超天才マジシャン・山田奈緒子の全部まるっとお見通しだ!」(2冊目の前書きで本書は印税契約ではなく、買取だったため大してギャラがもらえなかったとぼやいている)があり、その中で奈緒子役の仲間由紀恵と奈緒子が直接対談している。「山田奈緒子」名義で写真集も出版されている。 自宅 自宅は東京都荒川区東尾久9丁目21-8池田荘202号(番地は一定ではない)。 家賃はエピソードによってまちまちであるが、「第3シーズン」では大家が1万8千円から2万1千円に値上げすると語っている。 新作スペシャルでは強制的に追い出された挙句、「劇場版2」では事件を解決している間にアパートを取り壊されてしまった。「新作スペシャル2」でオートロック式 に建て替えられた「エコメゾン・池田」に住むが家賃の滞納は相変わらずで、劇場版3ではハルにロックナンバーを変えられてしまう。 コンプレックス 貧乳がコンプレックスで、稀にではあるがテレビ出演等多くの人目につく場に出る際は見栄を張って豊胸パッドを重ねて着用する。豊胸効果があるといわれる温泉に入った際は実際に大きくなったのか嬉しそうにしていたが、その直後、従業員に「すぐに引っ込みますよ」と言われがっかりしていた。上田をはじめ見ず知らずの人からも貧乳と呼ばれることがよくある。自身も自虐ネタに使うことがある。他に水虫とウオノメにも悩んでいる。 「一夜を共にした男性はいるのか」と質問された時は、意味深な表情をして硬直した後、かなりたくさんいるとの返答をしている。 口癖・決めゼリフ 生まれつき自然に笑うのが苦手であり、表情の変化も少ない方だった。笑い方も「エヘヘヘヘ」「ウヒョヒョヒョヒョ」という独特なものである。このような笑い方は奈緒子のみならず、里見や黒門島の人間も同じ笑い方をする。 決め台詞は「お前のやったことは全部お見通しだ!」。時折このセリフは他の単語も付加され(「まるっとお見通しだ!」や「全部エブリシングお見通しだ!」など)長くなる(劇場版から)。スリット美香子に出会ってからは、「スリット」をお気に入りにしている。 突然アクシデントが発生した場合や力を込める時は「にゃー!」「うにゃっ!」などと叫び、自らの奇術で念を送る際には「くわっぱ!」「にゃむ〜っ!」といった奇声を発するのが一般的となっている。 癖や嗜好 非常に寝相が悪く、目が覚めたときに足が障子を突き破っていたり、ひどいときには映画『リング』に登場する亡霊の山村貞子のような動きで這い回ったりする。寝言も非常にうるさい上に支離滅裂な内容である。また食べ物に関する寝言も多い。これらから、奈緒子が見る夢の大半は食べ物と時代劇ばかりであることがわかる。 普段着は外出時は白系のセーターに赤いマフラー(トナカイの柄入り)、白いコートと暖色系のロングスカート(丈の異なるものを数着所有)。部屋着は安物(およそ3着1000円程度)のTシャツやトレーナー、あるいはジャージである(本人曰く、「ステージ衣装が(奈緒子基準で)一番金がかかっている」)。なお、下着はブラジャーにはフェルトペンで名前(ひらがな)を書き込んでいる。アクセサリー類は「ルビー、サファイア、ダイヤを持っている」と嘯くが実際は碌なものを持っておらず、腕時計も肝心な時に止まっていたりする。手品のトリックに使えるため、香水の小瓶は持ち歩いている。 雉汁を「うん…まずいこれ」と言いながらも笑顔で全てたいらげたり、食堂で食べた「どんぐり丼」が気に入ったり、イチゴ味のかき氷に卵黄やきゅうりを乗せて食べたり、ヒカリゴケを食べて「うまい」と言うなど、かなり変わった味覚の持ち主である。 食い意地が張っており、大食い。「ラーメン10杯食べると無料」というイベントで苦しそうではあったが、10杯食べ切ったことがある。 大家が購入したピラニアの精力剤を上田が牛乳に混ぜて飲ませた時は奇妙な雄たけびを上げ、次郎号に乗らずに目的地、御獅舞村まで自力で並走している。その後もしばらく体力を持て余して牛のように足で地面を搔いたり、意味もなく上田に体当たりなどをしている。 時代劇が好きで、お気に入りは暴れん坊将軍。暴れん坊将軍観たさに夜めざめてテレビを探しに単独行動をとったり、旅館で見られるチャンネルに暴れん坊将軍が無いことを嘆いたりする。「劇場版」で暴れん坊将軍しか放送されていないという糸節村を訪れた際、「一生住みたい」と興奮していた。他に水戸黄門も好きなようで寝言によく出てくる。 字は母親に似ず、かなり汚い。「字が下手なので」と履歴書の代筆を奈緒子に頼んだ人物が彼女の字を見て、「やはり自分で書きます」というほどである。 国語力がなく、奇妙な当て読みをしては上田から突っ込まれている。「劇場版2」では、「筐神」の「筐」を当て読みすることすらできなかった。また、専門用語や外来語(いわゆる横文字、カタカナ言葉)が読めず覚えられない。 人間関係 友人と呼べる存在はおらず、友達は飼っているカメとハムスターのみ。滞納した家賃の代わりにカメを取り上げられた際は本気で慌てていた。「劇場版ラストステージ」ではすべて死んでしまったらしく、仏壇代わりの小テーブルに遺影を飾り、線香をあげている。 上田はもちろん、矢部やその部下からも邪険に扱われ、訪問先でも専ら、上田のおまけ扱いにされる。宿泊時も個室は与えられず、上田と同室にされる(仕切りをしても寝ぼけて上田の方に転がってゆくので意味がない)。 上田の存在は当初は邪魔でしかなかった(勝手にアパートに上がり込んだり、仕事の妨害までされている)が、家賃滞納や生活苦から金蔓的に考えるようになった。アパートを追い出された際は彼のマンションに居候をさせてもらおうとする。シリーズ後半では上田に殴る蹴る等の暴行をはたらくことも珍しくなくなった。恋愛感情のようなものを感じさせる場面もあるが、進展はない。 矢部からは常にインチキマジシャン呼ばわり(里見までそのとばっちりで罵倒されている)され、犯罪者扱い(実際、犯罪を犯しているケースもある)までされることがあるが、上田が行方不明になった時は行動を共にしてくれた。だが奈緒子が窮地に陥いると、あっさり見捨てられている。 両親に対してはマジシャンであった父を尊敬し、写真を定期入れに入れ持ち歩いている。母里見に対しても普通の母娘のようにお互い離れていても健康を気遣うような関係であったが黒門島と関わることになって、若干変化が表れている。また里見が怪しげなビジネスを始めてからは引いたような態度になっている(利益のお裾分けがないことに立腹)。 大家は前述の事情から大の苦手で姿を見ると慌てて物陰に隠れようとする。家賃を催促されるとゲシュタルト崩壊のような状態 になることもある。 今まで対決した一部の霊能力者たちからは(特に黒門島絡み)、上田とはいずれ敵どうしになるとほのめかされたり、黒門島のシャーマン「カミヌーリの血が流れている」と称されている。 基本的に人をだますことは苦手でマジシャンとしては不向きである。時には生活苦から詐欺行為をはたらくことがあるが成功して金を手にしたことはない。 はやみねかおるの小説『帰天城の謎』では、中学2年生の夏休みに上田と出会っているが、姓を(悪筆もあって)「土田」と誤読した上に「ジロ(さん)」というあだ名で呼んでいたため名前を憶えていなかった。城跡のある踊螺那村出身の藤原先生に誘われ帰天城主鬼ヶ谷一族にまつわる伝説の謎の解明と埋蔵金の探索に熱意を見せる。また同作の語り手でもあるが註釈という形で誤謬や主観にツッコミを入れられている。
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