主要な囚人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:01 UTC 版)
サイラス・グリサム(Cyrus Grissom) 演 - ジョン・マルコヴィッチ 天才凶悪犯で、通称「猛毒のサイラス(Cyrus "The Virus")」。39歳。殺人・強盗・誘拐など数多くの犯行を行い、人生のほとんどを刑務所で暮らしており、刑務所内の囚人を11人殺害し、暴動を起こしたり脱獄を幾度となく図ったことがある。序盤において囚人グループのリーダーとなり、ダイヤモンド・ドックとピンボールの三人で「コン・エアー」乗っ取り計画を決行。機長を自称し南アメリカに逃走しようとする。 服役中に法学の博士号など複数の学位を取得する優れた頭脳の持ち主。戦闘力も高く、カーソンシティでは乗っ取り計画の露呈にいち早く気づき自らを射殺するため接近してきた警官を逆に射殺、ラーナー飛行場では警察と州兵の部隊が迫るわずかな時間で迎撃作戦を考え,空き缶などを集めて作った簡易ジオラマを使って囚人たちに解説するなど,想定外の事態に即座に対応する冷静さも併せ持つ。 「コン・エアー」がラスベガスで墜落した後も警察の目を掻い潜ってドッグとスワンプの三人ではしご車を強奪して逃走を図るも、追いかけてきたキャメロンとの格闘の末に外していなかった手錠をはしごにはめられた状態で歩道橋に激突、工事現場まで吹き飛ばされ、大型の杭打ち機で頭部を潰されて死亡した。 ガーランド・グリーン(Garland Greene) 演 - スティーヴ・ブシェミ カーソンシティ空港で急遽「コン・エアー」でアラバマ空港に搬送されることになった連続殺人犯。アメリカ東部で37人の人間を惨殺しており、殺害した少女を助手席に乗せてドライブをした事があると言われる。また、その犯罪経歴は犯罪者や警察官の間でも有名で、護送車から「コン・エアー」の檻に入るまでの間は厳重な拘束具で拘束されていた中でもその異様な様子は拘束具を外すようサイラスに頼まれたドッグでさえも恐怖を抱き、一方でサイラスからはVIPと呼ばれたり、「あんたのファンだ」と話しかけられるなど一種の憧れを抱かれている。しかし、本編では連続殺人犯と呼ばれながらもその片鱗を見せる姿は良心が芽生える前にキャメロンに話しかけた時だけで、時折皮肉な言葉をキャメロンに投げつつも常に中立的な立場を取っている。 人物の言動からその人物の本性等を分析することができ、実際にキャメロンの言動に疑問を抱いていたビリーの言動から「彼(ビリー)は屈折した人間である」と分析している他、精神的に不安定な部分を自覚していて、ラーナー飛行場の近くにあるキャンピングカーで留守番していた少女に「自分は病気で、効く薬はない」と答えている。しかし少女はそれに対し純真無垢に「お祈りすればいいのよ」と答え、グリーンはそれをどう取ったのか、彼女を殺さずに「コン・エアー」に戻った。ヘリが墜落して囚人たちが慌てる中で彼は吞気に歌を歌っており、ドッグからは険しい顔で見られている。 「コン・エアー」墜落後は姿を見せなかったが、エンドクレジット直前に、ただ一人逃げ延びてラスベガスのカジノで大勝している姿を見せる。彼の「今日はツキまくってる」という締めの台詞で、本作は終わる。 ダイアモンド・ドッグ(Diamond Dog) 演 - ヴィング・レイムス 本名ネイサン・ジョーンズ(Nathan Jones)。元ブラック・ゲリラの将軍で、囚人グループのNo.2。シムズから渋い二枚目と評されている。全米ライフル協会の本部を爆弾で襲撃した罪で刑務所に入れられていたが、内心ではいつか自らの犯行で全米が恐れ慄く“ドッグの日”を夢見ており、サイラスの計画が完全に成功するまでの間はサイラスに忠誠を誓っている。 また、小説家としての才能を持ち、服役中に「ダイアモンドの目」という小説を執筆し、2年後にデンゼル・ワシントンを主演として映画化が噂される程の人気小説となっている。 本編終盤ではサイラスやスワンプと共にはしご車で逃走するも追いかけてきたキャメロンの乗ったバイクの体当たりによる爆発に巻き込まれ爆死した。 ベイビー・オー(Baby-O) 演 - ミケルティ・ウィリアムソン 本名マイク・オーデル(Mike O'Dell)。キャメロンと同じ独房で服役していた黒人の囚人で、ベイビー・オーという名は愛称である。服役中にキャメロンの友人となるが糖尿病を患っており、サイラスたちの「コン・エアー」乗っ取り計画の騒ぎの中にインスリンの入った瓶と注射器を壊されてしまう。その後は辛うじて予備のインスリンが残るも注射器がすべて壊されたために接種できなくなってしまう。 ラーナー飛行場離陸後はサイラスが「コン・エアー」に乗っている囚人の中に警察を導いた裏切り者(キャメロン)をあぶり出そうとビショップを撃ち殺そうとした際にキャメロンを庇って自身がやったと嘘をつき、直後にサイラスに腹を撃たれてしまうが、「コン・エアー」の墜落事故から辛くも生き延び、キャメロンに見送られながら病院に搬送される。 ジョニー・23(ohnny 23) 演 - ダニー・トレホ 本名ジョニー・バーカ(Johnny Baca)。キャメロンやサイラスたちと共に「コン・エアー」でアラバマへ送還される予定だった連続強姦犯であり、警察が把握している分の被害者は23人に及ぶ。また、強姦したごとに「1人につき1つずつ体にハートのタトゥーを入れる」、「強姦した人数に合わせてジョニーの後に付く数字の数を増やしていく(23人強姦すればジョニー・「23」、24人強姦すればジョニー・「24」となる)」というルールのようなものを持っていて、本人曰く強姦した女性の数は23人ではなく正確にはおよそ600人だと言う。 サイラスたちの乗っ取り計画後は足枷を外され、直後に機内で紅一点であったビショップを強姦しようとするもキャメロンに阻止された上で「糞野郎(DVD版ではゴキブリ、原語ではcockroach)だ」と非難され、サイラスからも「息子を出したら高度の空中から外に突き落とす」と釘を刺される。その後、カーソンシティではサイラス達と共に護送官になりすまし、合流することになる囚人たちを機内へと誘導し、ガーランドの誘導も行った他、ラーナー飛行場では管制塔に上って警察が来るかを監視する役割を担い、ラーキンの連絡を受けた警察部隊が向かってくるのを発見し、サイラスたちに伝えた。 その後はサイラス達と警察部隊の銃撃戦を利用して独り「コン・エアー」に戻り、動けないベイビー・オーを尻目に檻に押し込められていたビショップを再び強姦しようとするも、再びキャメロンに阻止され、手錠で両手を檻の天井につり上げられてしまう。それが原因となって、「コン・エアー」が墜落した際の衝撃でハートの刺青をしている方の腕が肩からちぎれ、死亡した。 フランシスコ・シンディーノ(Francisco Cindino) 演 - ジェシー・ボレゴ 麻薬カルテルの御曹司で、カーソンシティでサイラスたちと合流した麻薬シンジゲートのリーダー格であり、サイラスたちの計画を裏で首謀した黒幕でもある。 スペイン語で書かれた裁判所の通知を利用してサイラスと連絡を取り合い、脱獄計画が成功した暁には多額の金を報酬として提供する条件のもとサイラスやドッグを買収して脱獄計画を立案するが、その本来の目的は自身だけが逃走することに過ぎないが、犯罪経歴の一部を知っていたキャメロンによってその目的を見透かされており、その本音をサイラスに示唆されたことで計画を大きく狂わされることになる。 前のめりに埋もれてしまった「コン・エアー」を飛行可能にして逃亡手段を確保する「プランB」のどさくさに紛れて事前に自身の手下に用意させていた小型ジェット機で自分だけ逃亡を図るも、ラーキンの機転により失敗する。事態を察したサイラス一行には「後で迎えをよこす」と弁明するも、サイラスによって燃えさしのタバコをジェット機から漏れ出したガソリンに投げ込まれ、そのまま焼殺される。 スワンプ・シング(Swamp Thing) 演 - M・C・ゲイニー 本名アール・ウィリアムズ(Earl Williams)。シンディーノと共にカーソンシティでサイラスと合流した囚人。パイロットとしての腕前を持ち、囚人の代役としていなくなったパイロットの代わりに「コン・エアー」の操縦士を任される。しかし、ピンボール曰く「田舎育ち」らしく、「コン・エアー」に搭載されていたビーコンを使用できる状態で機体から取り外す彼の行動を見て驚きの声を上げていた。 本編では操縦士及び運転士の役であるため、機内での騒動を把握していない場面があり、ラーナー飛行場では銃撃戦の最中に「コン・エアー」の離陸の準備を急ピッチで行っていたため、戦闘に関しての彼の描写はほとんど見られない。 本編終盤ではサイラスとドッグと共にはしご車を奪って逃走、運転を任されてキャメロンたちとカーチェイスを展開するもラーキンの放水攻撃に遭い、カジノ前に停車していたリムジンに衝突した勢いで車外に放り出されてしまう。カーチェイス後は会話するシーンで仰向けで咳込む姿があり、生きていることは確認できるが、その後の彼はどうなったかは不明である。 クレイジー・ビリー(Crazy Billy) 演 - ニック・チンランド 本名ウィリアム・"ビリー・ベドラム"ベッドフォード(William 'Billy Bedlam' Bedford)。元々は普通の亭主だったがある日、自宅で妻の浮気現場を目撃しており、そのまま車を発車させ、妻の実家に押し入り、彼女の両親、姉妹挙句の果てには犬まで皆殺しにした罪で服役している大量殺人鬼。その残虐性から裁判で5回の終身刑判決を受けている(アメリカの刑法には併合罪の観念はなく、全部の刑事処分がそのまま累積され、よって100年以上の懲役刑判決が下る例もある)。「コン・エアー」内ではサイラスやドッグと同じ個人用の檻に入れられ、キャメロンとベイビー・オーから「お似合いだ」と笑われて以降は彼らに嫌悪感を抱き始める。 その後、ドッグが「コン・エアー」の荷物室で見つけたサングラスをかけて現れたのを見て、キャメロンの目的を知るために荷物室のキャメロンの荷物を物色し、キャメロンの仮釈放通知書を見つけ、彼が仮釈放の身であることを知ると同時に追いかけてきたキャメロンと荷物室で格闘するが、格闘の拍子で外れたパイプがキャメロンに蹴り飛ばされた勢いで背中から突き刺さって死亡する。 ピンボール(Pinball) 演 - デイヴ・シャペル 本名ジョー・パーカー(Joe Parker)。放火と強盗の罪で服役していた囚人で、サイラスとドッグと共に「コン・エアー」乗っ取り計画を実行した一人。明るく人をからかうのが好きな性格で、計画実行直前まで自分の隣に座っていた囚人をからかっていた。 離陸後はサイラスとドッグが隠し持っていた針金で手錠を外したのを確認してから胃袋に隠してファルゾンの監視の目を逃れた携帯パックに入った油とマッチ棒を使い、隣の囚人の体に発火させて計画を始動させた後にビショップから檻の鍵を奪い、サイラスとドッグを解放して乗っ取りに成功する。乗っ取り後はカーソンシティで降りる囚人の確認と椅子に手枷・足枷で動けなかった囚人たちを解放し、事件発生では激情したシムズに人質にされるもビショップを盾にしたサイラスがシムズを射殺したことで九死に一生を得る。 その後、カーソンシティ空港では護送官に扮し、「コン・エアー」に搭載されていたビーコンをアンクル・ボブの空中観光用飛行機の中に忍ばせるが、そこで観光用飛行機の整備をしていた女性に見つかり長々と世間話を聞かされている間にハイジャックに気付いた警察から逃走するため「コン・エアー」が離陸を始めてしまい、必死に乗り込もうとするも機体の着陸装置に巻き込まれて死亡する。彼の遺体は着陸装置の異常を調べに来たキャメロンとドッグに見つけられ、キャメロンにマジックペンでラーキン宛てのメッセージをシャツに書かれて放り出され、地上の街の交差点で信号待ちをしていた乗用車のボンネットに直撃、死体袋に入れられて搬送される。 サリー=キャント・ダンス(Sally Can't Dance) 演 - レノリー・サンチャゴ 本名ラモン・マルチネス(Ramon Martinez)。カーソンシティから「コン・エアー」に乗った囚人で、オネエ口調のオカマ。ラーナー飛行場到着後は近くの民家を物色して女物の衣服を見つけて着替え、離陸後は"Sweet Home Alabama"の曲に乗ってダンスを披露している。その後、空中戦の中で操縦室に入ろうとしたキャメロンに飛びかかるも歯が立たず、拳で殴られそうになった後に気を遣われて平手で倒される。「コン・エアー」墜落後はカーリーらと共に警察に逮捕される。この時に"彼"を捕らえるために銃を向けた警官から「お嬢さん(原語ではlady)」と呼ばれる。
※この「主要な囚人」の解説は、「コン・エアー」の解説の一部です。
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