着陸装置とは? わかりやすく解説

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【着陸装置】(ちゃくりくそうち)

航空機装備のひとつで、着陸着艦の際に滑走路飛行甲板接す装置
ほとんどの場合車輪ランディングギア)を備えるが、ヘリコプター場合ランディングスキッド)を装備することも多い。


降着装置

(着陸装置 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/03 14:02 UTC 版)

降着装置(こうちゃくそうち)とは、航空機の機体を地上で支持する機構で、そのうち特に着陸の際の衝撃などを受けられるものを指す[注 1]着陸装置ランディングギア (Landing gear)、アンダーキャリッジ (undercarriage)、着陸脚ともいう。


注釈

  1. ^ 水上機には地上では機体を支持するが、着陸には使えない降着装置もある。
  2. ^ この中の1つにドラック・ストラット・リングがある。
  3. ^ 主脚の緩衝支柱に取付つけられており、トルク・リンクの動きを介して作動する。
  4. ^ すぐに見えるように、ピンに赤いテープが取付けられている。
  5. ^ 大型機の場合、専用の作動油タンクからエンジン駆動の油圧ポンプで高圧(約3000psi)にされて、脚を動かす選択弁やブレーキ・操縦・操向装置を経由して作動油タンクに戻る油圧系統が構成されており、脚コントロール・レバーを上下させることにより、選択弁(セレクターバルブ)のバルブ内の油路が切り替わり、シーケンス・バルブと呼ばれる、脚柱の上げ下げや脚の格納室ドアの開閉順序を制御するバルブを介して、高圧の作動油が脚に取付けられているアクチュエータに送り込まれて、脚の上げ下げや格納室ドアの開閉を行う。また、シーケンス・バルブは主脚や前脚の作動の順序をコントロールするものと格納扉(ドア)の作動の順序をコントロールするものとの2つがあり、主脚用のものには、右主脚用と左主脚用の2つがある
  6. ^ 動揺や振動などで脚が下がるのを防ぐため、脚を上げた状態でロックする機構であり、油圧式では、脚上げ時には格納室内にある機械的な2本爪を持つ機構により、脚柱側に取付けてあるローラが、上側の爪を押上げることにより、下側の爪(ラッチ)がローラを抱え込むことにより、機構そのものがオーバーセンタすることでロックが掛かるが、脚下げ時には、機構のオーバーセンタを解除してロックを外す小型のアップ・ロック解除の油圧シリンダが利用される。
  7. ^ 油圧式では、脚のドアのアクチュエータのアップ・ロックとダウン・ロックはドア・シーケンス・バルブにより行われるが、アップ・ロック解除の場合では、ドア・アップ・ロック解除の油圧シリンダが利用される
  8. ^ 脚が接地した時の衝撃により、脚が不本意に上がらないようにするため、脚を下げた状態でロックする機構であり、油圧式では、リング機構にあるジュリーストラットをオーバーセンターさせることで行うが、それを行うために、ダウン・ロック・アクチュエータと呼ばれる油圧のアクチュエータを使用する
  9. ^ 補助翼、昇降舵、方向舵、フラップなどの操縦装置。
  10. ^ 主油圧系統が故障した時にブレーキ系統の圧力の低下防止のために取付けられる。
  11. ^ 予備のための圧力とブレーキ系統に発生する脈流を吸収するための蓄圧器が取付けられている。
  12. ^ 力感覚・中立保持スプリングとそれを介して前脚柱に繋がっている索とで構成されており、前脚操向のフォローを行う。
  13. ^ 加圧(入り)とリターン(戻り)の2つのラインがある。
  14. ^ 地上での機体牽引の際に、バイパス・リリーフ・バルブにあるバイパス・レバーを手動によりバイパスの位置にセットすることにより、操向ユニット内のアクチュエータ内の左右のチャンバがバイパス・リリーフ・バルブで繋がり、前輪を手動よって操向させるためとアクチュエータのチャンバ内の油圧圧力を規定値に留める働きをする。
  15. ^ 世界最大の航空機であるアントノフAn-225では、元となったアントノフAn-124の主脚が片側10本だったのに対し、さらに増えて片側14本のタイヤを装備している。さらには前輪までダブルタイヤの脚柱を2本持つため、合計32本ものタイヤでその機体と300トン近い貨物を支えている。An-225などがボーイング747やエアバスA380のように、ボギー車輪にして数本の主脚に取り付けるようにしていないのは、本機が旅客機ではなく輸送機であり、荷物の積み卸しの利便のために低床式にしているためである。
  16. ^ これに対し、晴嵐の双フロートは実戦参加時に取り外してカタパルトで発進、帰還した機体は胴体着水し放棄するもので、創作物に登場する晴嵐が行うような発進後の空中投棄は不可能であった。

出典

  1. ^ 日本航空の子供向け解説では着陸装置全体をタイヤと説明している[1]。また、同社の一般向けコラムでは「ギア」や「車輪」と表現している[2]
  2. ^ 大分空港:小型機胴体着陸「車輪出し忘れ」 国交省発表 - 毎日新聞
  3. ^ ボーイング737、なぜ「タイヤむき出し」で空を飛ぶ? 離陸しても閉めるドアがない! - 乗りものニュース
  4. ^ 中川雅博 (2017年11月20日). “[都心上空飛ぶ羽田便、落下物・騒音に募る不安 http://toyokeizai.net/articles/-/197998?page=2]”. 東洋経済. 2018年3月19日閲覧。
  5. ^ OBJECTS2 落下物はどのくらいあるの?”. 成田国際空港株式会社. 2018年2月11日閲覧。
  6. ^ 鴨下示佳 p96
  7. ^ 室屋選手 エアレース優勝の陰に... 福島の技で0・2秒短縮 | ホッとニュース - 福島民報
  8. ^ 鳥養鶴雄 p162-164
  9. ^ 中山直樹
  10. ^ a b c 『飛行機構造』
  11. ^ エアバス、電気自走タキシングシステムの開発に参画へ
  12. ^ 鳥養鶴雄 p169
  13. ^ 鴨下示佳 p14,16
  14. ^ 鴨下示佳 p212
  15. ^ 鴨下示佳 p213
  16. ^ 出射忠明 p37
  17. ^ a b 『飛行の話』 p194
  18. ^ 『名機100』 p8
  19. ^ 出射忠明 p41
  20. ^ 『名機100』 p10
  21. ^ 『名機100』 p12
  22. ^ 鴨下示佳 p114
  23. ^ 『メッサーシュミットMe262』 p22
  24. ^ 鳥養鶴雄 p167
  25. ^ 出射忠明 p68
  26. ^ 鴨下示佳 p196-197
  27. ^ 西村直紀 p46-47
  28. ^ 西村直紀 p30-33
  29. ^ 西村直紀 p34
  30. ^ 西村直紀 p68-69
  31. ^ 『ハリアー/シーハリアー』 p81
  32. ^ 鳥養鶴雄 p165-166
  33. ^ 鳥養鶴雄 p166
  34. ^ 鴨下示佳 p111
  35. ^ a b 出射忠明 p113
  36. ^ 西村直紀 p16-19
  37. ^ 西村直紀 p120-121
  38. ^ 西村直紀 p70-71



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