【ランディングギア】(らんでぃんぐぎあ)
- 着陸脚。車輪式の着陸装置。
着陸の衝撃をやわらげる着陸緩衝装置、滑走路に接するタイヤ、減速・停止するためのギアブレーキから成る。
離着陸のほかタキシングやトーイングにも有効なため、ほとんどの飛行機や、一部のヘリコプターなどに装備されている。
使用されているタイヤには窒素ガスなどの不活性ガスが入っていることが多い。
初期の航空機では固定式だったが、これは空気抵抗の原因となるため、速度性能の向上に従い、胴体や主翼へ収納する引き込み脚が主流となった。
ただし低速の機種では、機構の簡素な固定式も現存する。
低速だが抗力の懸念される滑空機では、半没式の固定脚を供える場合が多い。
野戦攻撃機としての性格が強いA-10など、胴体着陸に備えて半没式の引き込み脚を供える機種もある。
脚の配置によって前輪式と尾輪式に分類される。
(B-52のように前後に主脚があって分類不能な機種もある)
関連:尾輪式 前輪式 ランディングスキッド
- かつてゲームソフトメーカー「タイトー」が、アミューズメント施設で稼動する業務用として開発した、飛行機の離着陸を行うフライトシミュレーター。
名称の由来は1項に由来する。
比較的操縦が簡単で難易度の低い小型機による離着陸から、ビジネスジェット、水上機や、中型・大型旅客機の着陸、戦闘機による空母への着艦、最終的にはスペースシャトルの着陸と、様々な状況をプレイする事ができる。
なお、スペースシャトルは動力が無いため、乱暴な操縦をすると滑走路まで届かずに墜落してしまう。このため非常に難易度が高い。
降着装置
(ランディング‐ギア から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/03 14:02 UTC 版)
降着装置(こうちゃくそうち)とは、航空機の機体を地上で支持する機構で、そのうち特に着陸の際の衝撃などを受けられるものを指す[注 1]。着陸装置、ランディングギア (Landing gear)、アンダーキャリッジ (undercarriage)、着陸脚ともいう。
注釈
- ^ 水上機には地上では機体を支持するが、着陸には使えない降着装置もある。
- ^ この中の1つにドラック・ストラット・リングがある。
- ^ 主脚の緩衝支柱に取付つけられており、トルク・リンクの動きを介して作動する。
- ^ すぐに見えるように、ピンに赤いテープが取付けられている。
- ^ 大型機の場合、専用の作動油タンクからエンジン駆動の油圧ポンプで高圧(約3000psi)にされて、脚を動かす選択弁やブレーキ・操縦・操向装置を経由して作動油タンクに戻る油圧系統が構成されており、脚コントロール・レバーを上下させることにより、選択弁(セレクターバルブ)のバルブ内の油路が切り替わり、シーケンス・バルブと呼ばれる、脚柱の上げ下げや脚の格納室ドアの開閉順序を制御するバルブを介して、高圧の作動油が脚に取付けられているアクチュエータに送り込まれて、脚の上げ下げや格納室ドアの開閉を行う。また、シーケンス・バルブは主脚や前脚の作動の順序をコントロールするものと格納扉(ドア)の作動の順序をコントロールするものとの2つがあり、主脚用のものには、右主脚用と左主脚用の2つがある
- ^ 動揺や振動などで脚が下がるのを防ぐため、脚を上げた状態でロックする機構であり、油圧式では、脚上げ時には格納室内にある機械的な2本爪を持つ機構により、脚柱側に取付けてあるローラが、上側の爪を押上げることにより、下側の爪(ラッチ)がローラを抱え込むことにより、機構そのものがオーバーセンタすることでロックが掛かるが、脚下げ時には、機構のオーバーセンタを解除してロックを外す小型のアップ・ロック解除の油圧シリンダが利用される。
- ^ 油圧式では、脚のドアのアクチュエータのアップ・ロックとダウン・ロックはドア・シーケンス・バルブにより行われるが、アップ・ロック解除の場合では、ドア・アップ・ロック解除の油圧シリンダが利用される
- ^ 脚が接地した時の衝撃により、脚が不本意に上がらないようにするため、脚を下げた状態でロックする機構であり、油圧式では、リング機構にあるジュリーストラットをオーバーセンターさせることで行うが、それを行うために、ダウン・ロック・アクチュエータと呼ばれる油圧のアクチュエータを使用する
- ^ 補助翼、昇降舵、方向舵、フラップなどの操縦装置。
- ^ 主油圧系統が故障した時にブレーキ系統の圧力の低下防止のために取付けられる。
- ^ 予備のための圧力とブレーキ系統に発生する脈流を吸収するための蓄圧器が取付けられている。
- ^ 力感覚・中立保持スプリングとそれを介して前脚柱に繋がっている索とで構成されており、前脚操向のフォローを行う。
- ^ 加圧(入り)とリターン(戻り)の2つのラインがある。
- ^ 地上での機体牽引の際に、バイパス・リリーフ・バルブにあるバイパス・レバーを手動によりバイパスの位置にセットすることにより、操向ユニット内のアクチュエータ内の左右のチャンバがバイパス・リリーフ・バルブで繋がり、前輪を手動よって操向させるためとアクチュエータのチャンバ内の油圧圧力を規定値に留める働きをする。
- ^ 世界最大の航空機であるアントノフAn-225では、元となったアントノフAn-124の主脚が片側10本だったのに対し、さらに増えて片側14本のタイヤを装備している。さらには前輪までダブルタイヤの脚柱を2本持つため、合計32本ものタイヤでその機体と300トン近い貨物を支えている。An-225などがボーイング747やエアバスA380のように、ボギー車輪にして数本の主脚に取り付けるようにしていないのは、本機が旅客機ではなく輸送機であり、荷物の積み卸しの利便のために低床式にしているためである。
- ^ これに対し、晴嵐の双フロートは実戦参加時に取り外してカタパルトで発進、帰還した機体は胴体着水し放棄するもので、創作物に登場する晴嵐が行うような発進後の空中投棄は不可能であった。
出典
- ^ 日本航空の子供向け解説では着陸装置全体をタイヤと説明している[1]。また、同社の一般向けコラムでは「ギア」や「車輪」と表現している[2]。
- ^ 大分空港:小型機胴体着陸「車輪出し忘れ」 国交省発表 - 毎日新聞
- ^ ボーイング737、なぜ「タイヤむき出し」で空を飛ぶ? 離陸しても閉めるドアがない! - 乗りものニュース
- ^ 中川雅博 (2017年11月20日). “[都心上空飛ぶ羽田便、落下物・騒音に募る不安 http://toyokeizai.net/articles/-/197998?page=2]”. 東洋経済. 2018年3月19日閲覧。
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- ^ 室屋選手 エアレース優勝の陰に... 福島の技で0・2秒短縮 | ホッとニュース - 福島民報
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