ヘスティア・ファミリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 12:53 UTC 版)
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の記事における「ヘスティア・ファミリア」の解説
本編で主役を担う、女神ヘスティアが運営する探索系ファミリア。結成直後はヘスティアとベルのみが所属する弱小ファミリアであり、教会の隠し部屋を本拠としていた。本編6巻以降、所属する団員も増えてアポロン・ファミリアの本拠だった豪邸に移転し、新たな本拠を「竈火の館(かまどのやかた)」と名付け、エンブレムを重なりあった鐘と炎とする。アポロン・ファミリアとの戦争遊戯での勝利により入団希望者が殺到したが、ヘスティアの莫大な借金が露呈した結果、入団希望者が皆無の状態に戻る。異端児による事件の終結後、ベルがLv.4にランクアップしたため、派閥の等級がD級へ昇格する。 ヘスティア 声 - 水瀬いのり 本作品のヒロインの一人。ヘスティア・ファミリアの主神。キャラクターの設定はギリシア神話に登場する女神ヘスティアに由来し、作中においても三大処女神の一人であり、炉の女神として竈の炎を司るとされる。また、ボクっ子という設定もあり、黒髪ツインテールで身長140Cの幼い外見だが巨乳のため、他の神からは「ロリ巨乳」や「ロリ神」と呼ばれ、道行く人やバイト先の客からはマスコットキャラのように可愛がられる。 下界に来た当初は友人であるヘファイストスの下に身を寄せていたが、怠惰な生活を改めなかったために追い出され、自身のファミリアへの入団者を見つけられずにいた時に、同じく路頭に迷っていたベルと出会い、彼を眷族にしてファミリアを構える。その後は態度を改め、ファミリアの運営と生活のために幾つものバイトを掛け持ちして、ファミリアの運営に取り組む。同じく零細のファミリアを運営するミアハやタケミカヅチと親交がある一方、フレイヤには苦手意識を持っており、ロキとは取っ組み合いの喧嘩をするほど仲が悪い。下界に降り立った神々の中でも根っからの善神であり、天界では誰に対しても差別せず平等に接する人物としても知られ、神格の高さもあり神々からは一目置かれている。 神と人の違いを乗り越えてベルと相思相愛になることを夢見ており、彼が想いを寄せるアイズや彼に想いを寄せる女性を警戒する。本編1巻ではベルのために丸一日かけてヘファイストスに土下座までして頼み込み、2億ヴァリスの借金と彼女の店でのタダ働きを代償に、神(ヘスティア)のナイフを作製してもらう。本編8巻では祖父を失い一人になった寂しさの経験から、永遠を生きる自分に喪失の痛みを与えることを恐れていたベルに、神々との愛を怖がらないで欲しいと告げる。 2015年に本編がアニメ化された際に、外見のトレードマークである「例の紐」が注目され、これによりキャラクターの人気に火がつき、作者が想像できない形で本作品が周知されるようになる。詳細は「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか_(アニメ)#反響・評価」を参照 ベル・クラネル 「#ベル」を参照 リリルカ・アーデ 声 - 内田真礼 本作品のヒロインの一人。栗色の髪を持ち、およそ身長100Cの小人族で15歳の少女。元ソーマ・ファミリアの眷族。愛称はリリ。当初はベルを騙す目的で近づいたが、自分を許してくれたベルに好意を抱き、ベルを支えてゆくと決意する。ベルにとって最初のパーティメンバーであり、本編6巻の戦争遊戯に参加するために正式にヘスティアの眷族となり、派閥連合による遠征を経てLv.2へランクアップする。 誰に対しても敬称をつけて敬語で話すが、身内には皮肉や毒を吐くことがある。世間に疎い純朴な団員の中ではオラリオの様々な世故に通じており、金にはがめつく、ファミリアの会計係も務める。本編8巻ではフィンから求婚されるが、ベルを支えたいという気持ちから求婚を断っている。両親ともソーマの眷族で少なくとも3歳の時点で既にソーマの眷族となって物乞いをしていたが、6歳の時点でソーマの神酒の魔力に取り憑かれ、神酒欲しさに金儲けに目の色を変えるようになった。戦闘力の弱さから、やむなくサポーターになったが、冒険者たちに虐げられ搾取され続けたため、神酒の魔力が低下したころから冒険者を憎むようになり、ファミリアから脱退するための資金を得るために、冒険者を騙して盗賊まがいの真似までしていた。 戦闘ではサポーターを務め、直接的な戦闘は苦手だが、ボウガンやアイテムを駆使したモンスターへの立ち回りには精通している。また、モンスターも含め、自分に似た体格の対象に姿を変え、自身の能力の範囲内で相手の身体能力もコピーできる変身魔法を使用する。物語初期からパーティの参謀的な役割も果しており、物語が進むにつれ指揮官の役割を身に付けつつある。 作者によれば、リリのヘスティア・ファミリアへの加入の描写は本編2巻でベルがリリに放った台詞と対応付けられているとされる。また、作者はリリを本作における才能のないキャラクター代表として位置付けてランクアップさせないつもりであったが、編集長からの助言から、これまでの修羅場を考えると成長しないのはおかしいと考え直してランクアップさせている。 ヴェルフ・クロッゾ 声 - 細谷佳正 赤髪で意志の強そうな眼差しのヒューマンの青年で17歳の鍛冶師。元ヘファイストス・ファミリアの眷族。自分が作製した防具を探していたベルと出会い、ベルと専属契約を結んでダンジョンに臨み、Lv.2へランクアップして念願の鍛冶アビリティを入手する。その後もリリと共にベルとパーティーを組むが、本編6巻において戦争遊戯に参加するために正式にヘスティアの眷族となる。 気前のいい職人気質な性格で、ベルの兄貴分のような存在である。ヘファイストスに尊敬や恩義以上の感情を抱き、彼女に認められる武具を作ることができた時には自分と付き合って欲しいと宣言する。ラキア王国の出身であり、10歳頃にスキルが発現し、没落した鍛冶貴族であるクロッゾ一族の中で唯一クロッゾの魔剣を作製できるようになったが、そのことで家族から魔剣の鍛錬を強要されたために嫌気がさして、ラキア王国から出奔した。 戦闘では、主に太刀を装備して前衛を担い、敵の魔力暴発を誘発させて自爆させる超短文詠唱の対魔力魔法を使用する。武器は使用者と最後まで寄り添うべきという信念から使用者を残して自壊する魔剣を憎み、当初は意地でも魔剣を鍛錬しなかった。ヘファイストスの助言により意地を捨て、本編5巻からベルを助けるために魔剣を鍛錬するようになり、本編14巻では従来にない新たな魔剣の作製に成功し、魔剣に対して少しだけ前向きな考えを持つようになる。 担当編集はヴェルフとリリのヘスティア・ファミリアへの加入を急ぐように望んだが、作者の強い意向により仲間が集結するカタルシスを表現するために、加入のタイミングが本編6巻となった。また、作者によれば、本編14巻のダンジョン内での鍛錬の場面は、ヴェルフの内面や成長の全てをさらけ出すように描かれている。 二つ名は不冷(イグニス)。 ヤマト・命(ヤマト・みこと) 声 - 赤﨑千夏 青紫の瞳で1つに結った艶のある長い黒髪を持つヒューマンで16歳の少女。元タケミカヅチ・ファミリアの眷族。ダンジョン中層で負傷した千草を救うために、ベルたちのパーティに怪物進呈した事件でベルと出会う。ベルたちへの恩を返すため、本編6巻でタケミカヅチに願い出て、1年間の期限でヘスティア・ファミリアに改宗する。ステイタスは本編4巻でLv.2へランクアップしている。 非常に生真面目で礼儀を重んじており、義理堅い性格で嘘をつくのが下手。大の風呂好きで料理が得意。タケミカヅチを父として敬愛すると同時に異性としても慕っており、多くの異性と分け隔てなく接する彼を見かけてはヤキモチを妬いている。極東の出身で孤児。タケミカヅチ・ファミリアの面々とは幼なじみであり、高貴な身分である春姫とも幼少期に出会う。「お姫様」である彼女を敬愛し、春姫の恩に報いるために神の恩恵を授かり守ることを心に決めていた。 戦闘では、あらゆる配置をこなすオールラウンダーでモンスターや味方の位置を探る優秀な探索・探知スキルを保有し、巨大なドーム状の重力結界を展開して中にいるものを押し潰す重圧魔法を使用する。 ヘスティア・ファミリアへの加入は、リリとヴェルフだけでは地味と考えた作者が、本編6巻の執筆直前に決めたとされる。アニメ第1期放送後に発売されたOVAでは、脚本家の白根秀樹が設定を膨らまし、命の温泉好きという設定がユーモラスに描かれている。 二つ名は絶†影。 サンジョウノ・春姫(サンジョウノ・はるひめ) 声 - 千菅春香 本作品のヒロインの一人。翠の瞳で金色の長髪と太い尾を持つ狐人で16歳の少女。元イシュタル・ファミリアの眷族。本編7巻でベルと出会い、殺生石の儀式による自身の消滅を承知しつつも、諦めてイシュタルたちに従っていたが、自分を救出するために奮闘するベルに物語の英雄を重ねて好意を抱き、ヘスティア・ファミリアへ改宗する。派閥連合による遠征を経てLv.2へランクアップする資格を得るものの、本編17巻時点では保留している。 礼儀正しく気品があり温和で純朴、誰に対しても丁寧にしゃべる。極東の貴族出身であり、タケミカヅチ・ファミリアの面々とは旧知の仲。幼少期は何事につけ他人に従順であり、外の世界を本でしか知ることができなかったため、お伽噺や童話を耽読しており、各物語に対する造詣が深い。11歳頃に父に勘当され、紆余曲折を経て魔法(妖術)に目を付けたイシュタルに娼婦として囲われるが、歓楽街でも自主的には何もできず、男の裸をみると必ず気絶するほどに初心であり、本人も知らないが実際には生娘である。ヘスティア・ファミリア加入後は、独り立ちの意志を示し、ファミリア内の世話係を自主的に務める。異端児の事件ではウィーネと母子または姉妹ともいえるような間柄となり、ウィーネを守るためにベートと対峙した際には一歩も引かない強さを示す。 戦闘では、直接の戦闘力は皆無であり、専ら後衛を務め、対象者のレベルを一時的に1つランクアップさせる、規格外の階位昇華の魔法を有し、遠征の前に会得した付与魔法により複数に同時発動することも可能となる。作中では強敵と対峙する際の切り札として使用される。 作者によれば、黒竜を含めて敵が強すぎることから、作中の設定では倒せない可能性があるために、作品の都合として登場させたキャラクターであるが、初めてライトノベルらしいヒロインを書けたという手応えがあったとも述べている。
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