ファミリア
イタリア語とスペイン語で家族を意味する単語をfamigliaという。これからとって、家族そろってドライブを、ファミリーカー時代のクルマという期待を込めてネーミングした。
プロトタイプを公表したのは1962年秋の第9回全日本自動車ショーのとき。マツダ・ブースに、赤いボディの試作車を展示、プレートにはマツダ1000と標記していたが、これが原型だった。ファミリアの名が初めて世に出たのはそれから1年後、63年10月のことで、ファミリア800バンとして商品化したクルマが最初。半年後の64年4月、バンと同じ2ドアワゴン車を乗用タイプとしてお披露目した。エンジンは直4・OHV・782cc・42psで、4速MTにより後輪を駆動した。東京店頭渡し価格は53万8000円。さらに6か月後の10月、4ドアセダンのデビューとなった。エンジンは白いエンジンといわれた総アルミ製800cc。ホイールベースはワゴンの2140mmに対しセダンは2190mmとなった。最高速115km/hが可能と公称した。全国統一価格(北海道を除く)は、スタンダード48万8000円、デラックス54万8000円。1か月遅れの11月、2ドアセダンを追加。
65年5月、2ドア、4ドアにトルクコンバーター式AT車設定。8月、2ドアセダンのデラックスを追加。この時点での2ドアセダンの全国統一価格はスタンダードが45万1000円、デラックスは49万8000円だった。10月にセダンS発売。11月にはクーペ1000追加。2190mmのホイールベースはセダンと変わらず。直4・SOHCの985cc・68psエンジンを搭載。145km/hの最高速を公称した。タコメーターも装備し、ステアリングはウッドリム。フロントブレーキはディスクとなった。価格は64万8000円。66年3月、800ccエンジンの出力を45psにアップ。
67年1月、2ドア、4ドアの1000ccエンジン搭載車を発売。11月、2代目となるフルモデルチェンジ。新型のスタイリングは丸みを帯びた卵形ともいうべきもので、2ドアと4ドアのセダンをそろえた。このとき、新たにオリジナルというグレードをつくった。質素な外・内装をもち、ユーザーが好みのクルマに仕上げられるようにしたもので、当時としては画期的だった。2ドア車と4ドア車に設定があり、前者が36万8000円、後者は39万8000円。
68年2月、1200ccエンジンの4ドアデラックス車発売。5月には同エンジンの2ドアデラックス車を、6月にはAT車を追加設定した。7月、ロータリークーペ発売。491cc×2ローターの10A型を積み、リヤのスタイルは2ドアセダンと違うセミファーストバックだった。100psで4速MTにより0→400m加速16.4秒、最高速180km/hといわれた。東京店頭渡し価格は70万円。9月にクーペのレシプロエンジン1.2L車、翌年7月にはセダンタイプのロータリーSS、11月にはロータリーTSSなどを追加。
70年3月、一段上級の車格をもつプレスト1300を発売した。エンジンは新設計の1272cc・SOHCで2ドアと4ドアのセダン、クーペをそろえた。4月には、プレストロータリーとプレスト1000シリーズをラインアップした。新設計のPC型985ccエンジンはSOHCで最高出力62ps。1300のクーペも最高級グレードとして12月に追加設定。プレストとは急速な、手品のような、という意味をもつ。
73年8月、ロータリーの生産を中止。9月、ボディサイズをアップした3代目発売。2260mmのホイールベースは同じだが、全長は3795mmから3855mmとなり、全幅は1480mmから1540mmに広がった。2ドア、4ドアのセダンとクーペがあるのは変わらず、エンジンは1Lと1.3Lが載った。76年1月、1000の生産をストップ。2月、プレスト1300AP発売。
77年1月、モデルAP(Anti Pollution=低公害)に生まれ変わった。4代目である。3ドアと5ドアのハッチバックとなり、1.3Lエンジンは昭和51年規制に適合した。FF車にみえるスタイリングをしていたが、フロントエンジン、リヤドライブ方式のクルマだった。78年1月にマイナーチェンジ、3月に1.4Lエンジン追加、1.3L型と併売。6月、1.4Lエンジン車にATを導入。79年4月、マイナーチェンジで角型ヘッドランプを採用した。
80年6月、フルモデルチェンジ(5代目)でFFに変身した。2ドアと4ドアのハッチバック車は、人気を集めた。エンジンは1.3Lと1.5L。8月には1.5L車のXTとXLにATを採用した。9月、ノッチバックスタイルの4ドアセダン追加、1.3Lと1.5Lエンジンが選べた。81年8月、1.5LのXGにAT追加。83年1月、ハッチバック、セダンのマイナーチェンジを行い、EGI搭載機種を設けた。6月、1.5Lエンジン車のターボ仕様を追加した。
85年1月、フルモデルチェンジ、6代目に進んだ。3ドアと5ドアのハッチバックタイプと4ドアセダンというバリエーションで、エンジンは1.3Lと1.5L、駆動方式はFFだけ。1代前のタイプに丸みを与えたようなスタイリングだった。7月、1.7Lのディーゼルエンジン搭載車を加えた。10月、フルタイム4WDシステムを1.6LDOHCターボ車と1.5LOHC車に設定した。12月には、ワゴン1500を新発売。86年3月、4座席のフルオープンカー、カブリオレ設定。7月、スポルト16という1.6L・16バルブエンジン搭載車を追加。
87年2月、マイナーチェンジを行うと同時に、ラリー競技のベース車となるGT-Aを発売した。4月、フルタイム4WDワゴンを、8月にはモータースポーツ向けのGT-Aeと、バリエーションを広げた。
7代目登場は、89年2月だった。3ドアと5ドアのハッチバックタイプと、4ドアセダンをそろえた。アスティナと呼ぶ、リトラクタブルヘッドランプのスタイリッシュなハッチバック車も4月に発売した。8月、フルタイム4WDを、3ドアハッチバック車とセダンに設定した。エンジンは1.6L・NAと1.8LのDOHCターボがあった。90年2月に∞、5月にラリー専用車GT-A追加。
94年6月、フルモデルチェンジ。8代目に変わった。4ドアセダンと3ドアハッチバック車(ネオと呼んだ)があり、エンジンは1.5Lと1.8LでFFタイプ。1.3Lの旧型車も、一部を併売した。9月、ワゴンもフルモデルチェンジしたが、実体は日産ADワゴンのOEM車だった。
96年10月、新しいスタイル、セダンと同じ顔でブリスターフェンダー付きの3ドアハッチバック車を発売した。急進的スタイルのネオは輸出専用車となった。セダンも同じ時、グリル、バンパーを新デザインにし、ヘッドランプをマルチリフレクター・タイプに変えた。セダン/ハッチバックともに1.3Lシリーズを追加設定。97年6月、ワゴンに運転席・助手席SRSエアバッグ、ABS、前席ロードリミッター付きプリテンショナー・シートベルトなどの標準装備を行った。
98年6月、フルモデルチェンジ。9代目に進んだ。ボディバリエーションは4ドアセダンと新設定のSワゴンと呼ぶ2タイプで、3ドアハッチバック車とワゴン(OEM車)は旧型を継続して販売した。新型はホイールベースが従来車よりも長い2610mmとなった一方、全長は4315mmと短くなり、Sワゴンはさらに短く4200mmだった。Sワゴンのリヤシートは左右分割りクライニング、分割可倒、デタッチャブルのシートクッションなど、多彩な使い方ができた。エンジンは1.3Lをベーシックに1.5L・2種(110psと130ps)、1.8L、2Lディーゼル(NA)がそろっていた。駆動方式はFFと4WDがあり、4WDシステムにはビスカスLSD付き(1.8L車)とロータリーブレードカップリングによるタイプ(1.5L車)があった。
99年8月、Sワゴンにスポルト20追加。スポーティタイプでエンジンは2L・DOHC自然吸気の170ps、トランスミッションはマニュアルモード付きAT。2Lエンジンもマニュアルモード付きATも、ファミリアとしては史上初だった。4WD車の設定もあった。
2000年10月、セダンとワゴンのビッグチェンジがあった。顔であるフロントまわりをファイブポイントグリルの新デザインに改め、グリルのブランドマークを大型化したのに加え、内外装を大幅にリフレッシュした。ボディ剛性の向上策として高強度発泡樹脂をセンターピラーに充填、さらにサスペンション支持部の剛性アップやシャシーのファインチューニングを徹底し、操安性と乗り心地のバランスレベルを引き上げた。安全関係では全車にブレーキアシスト機構を標準装備、シートベルトも従来のロードリミッター機構に加えて、プリテンショナー機能も採用した。エンジンはセダンが1.3L・SOHCと1.5L・DOHCの2種、Sワゴンは1.5Lと2LのDOHCを搭載。いずれにもFFと4WD仕様があり、アクティブマチックもセダンのFF・RSとSワゴンのRS、スポルト20に拡大採用した。
2001年12月、セダンにも2L・DOHCエンジンを積んだスポルト20追加。同時にSワゴンのスポルト20は、ディスチャージヘッドランプや大型フォグランプの標準化などの改良を行った。RSグレードにもSパッケージを設定した。
2002年9月、Sワゴンにお買い得車を設定した。まず、S-fモデルをベースにキーレスエントリーシステム、ダークティンテッドガラス、ルーフスポイラーなどを装備したS-fスペシャル。S-4にも同内容のモデルができた。Sワゴンとセダン・スポルト20が良-低排出ガス認定取得。12月、Sワゴンにスポーツイメージを強化したスポルト20スペシャル追加。ブラックアウトのヘッドランプベゼルやアッパーフロントグリルのボディ同色化、新デザインの16インチアルミホイールなどが特色。フロントスタビライザーの径を太くし、ダンパーに多積層タイプのピストンバルブを採用するなど、サスペンションにも手を入れ、走りを際立たせたモデルとなった。
ファミリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/31 04:49 UTC 版)
ファミリアは、スペイン語・ポルトガル語で「家族(familia)[注釈 1]」、英語で「親友(familiar)」、学術用語で「科」などを意味する他、
作品
音楽
- FAMILIA - HOME MADE 家族の2007年のアルバム
- Familia (ナイトdeライトのアルバム) - ナイトdeライトの2015年のアルバム
- ファミリア (ソフィー・エリス・ベクスターのアルバム) - ソフィー・エリス・ベクスターの2016年のアルバム
- Familia (sumikaのアルバム) - sumikaの2017年のアルバム
- ファミリア (カミラ・カベロのアルバム) - カミラ・カベロの2022年のアルバムと表題曲
- ファミリア (ケツメイシの曲) - ケツメイシの2001年の楽曲
- ファミリア (D-51の曲) - D-51の2010年の楽曲
- Familia - Juice=Juiceの2021年の楽曲
映画
- ファミリア (映画) - 成島出監督の2023年の日本映画
製品
- 明治 ファミリア - 明治が販売するアイスクリーム
- マツダ・ファミリア - マツダが自社生産、または受託製造している自動車の車種
- Familiar Linux - 携帯情報端末用のLinuxディストリビューションの1つ
人名
- アレクサンドル・ダ・サグラダ・ファミリア - ポルトガルのカトリック司教
- ジェウリス・ファミリア - ドミニカ共和国出身の野球選手
その他
- 使い魔などを意味する英語(familiar spirits)、またはその略称
- ファミリア (党派) - ポーランド・リトアニア共和国の政治党派
- ファミリア (アパレルメーカー) - 児童向けアパレルブランドの展開や保育園を運営する企業
- かつて存在した日本のコンビニエンスストアチェーン。日本のコンビニエンスストアチェーン一覧#近畿地方中心参照
注釈
- ^ ポルトガル語は família 。
ファミリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 20:58 UTC 版)
「ドラゴンラージャの用語一覧」の記事における「ファミリア」の解説
魔術師の友。
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