アクロイヤー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 08:19 UTC 版)
元はミクロ星人だったが、生命維持用カプセルが海底のヘドロやPCBにより汚染され、悪の心と超能力がパワーアップされ歪んだ復活を遂げたという、子供向けとしては一見して非常に重い設定であるが、これは当時社会問題となっていた公害をテーマとして製作された「ゴジラ対ヘドラ」や「宇宙猿人ゴリ」の初期怪獣などと同様、時流に沿ったものを巧みに取り入れた結果ともいえる。各種自然現象を操る観念動力や人間の脳波を狂わせるテレパシーといった超能力を使用可能。初期はミクロマンが洗脳することによって正義の心を持たせることも可能と言う設定がある。この「ミクロマンの仲間にできる」という設定によってアクロイヤーを示すAナンバーではなく、ミクロマンのMナンバーが与えられており、数字もM2XXスーパーミクロマンシリーズの次の300番台から始まっている。自分たちにとっての理想郷・「アクロトピア」の建造を目論み、地球に侵攻する。また、宇宙に総統以上の地位を持つ彼らの黒幕・「アクロ大帝」という存在がいることが語られており、「小さな巨人ミクロマン」のアンゴルモアと同一の存在であることが窺えるが、詳細は不明。 悪役であり、公害が原因で誕生したという出自からすれば、前述のヘドラのようないかにも怪物然とした容貌になりがちである(事実、海外版のMICRONAUTSシリーズでは悪役はそうした傾向のデザインが多い)が、シャープなロボット然とした外見から人気も高かった。そうした外見上の印象からか、MICRONAUTSシリーズでは、「味方側」としてA30X・A31Xシリーズが登場している(ただし出荷順の関係でA31Xシリーズの「2」のほうが「1」となり、本家と逆になっている)。 ブリザード期には新たに登場した敵・星間帝王デスマルク以外のアクロイヤー軍団は、ストーリーには一切関わってこなくなる。 A30Xシリーズ(初期はM30X) 最初に発売された両手が鉄球状のデザインのもの。胴体のみダイキャスト製で、背中に5mmジョイントがあり、飛行装備のアクロウイングやバズーカ砲「バズーカA」など武器も付属。販売形式は外箱封入のブリスター梱包による単品販売。封入のカタログブックレットで語られるストーリーに登場する、没になった「緑のアクロイヤー」は後年、平成の復刻版発売時に「A304グリーンスター」として正式に発売された。分割された大腿部で脛部を挟み込むミクロマンの膝関節と違い、単一成型の簡易なはめ込み式であり、薄いリング部分が破損しやすかった。 漫画版ではビルほどの大きさに巨大化することが可能で、頭部や背中にカブトムシの角やクワガタの顎、魚の背鰭を装備することで強化されていた。 配色は胴体のダイキャストパーツのみ個別色で、非常に濃いスモークブラックで成型された両腕および両脚、頭部同様にメッキの施された腰部・両手の鉄球・足首・オプションパーツ類は共通である。A301レッドスター 個別色は赤の焼付塗装 A302シルバースター 個別色はシルバーで塗装ではなく、クロームメッキ状に処理されている A303ブルースター 個別色はメタリックブルーの焼付塗装 A31Xシリーズ(初期はM31X) アクロイヤー2。背中に大きなローター状の飛行ユニット「フライングプレーン」を備え、短剣型のアクロブレード(MICRONAUTS版では大型の剣)を持つ。外観上非常に大きく見える足の踵の部分にダイキャスト製の車輪を内蔵している。A30Xシリーズの反省からか腰と膝の関節はリベット留めとなった。付属のスパイバードと呼ばれるパーツを足と差し替え、外した足をフライングプレーンに取り付けることで特有の飛行形態を取ることができる。販売形式はA30Xシリーズと同じ。配色は個別色のメッキパーツ部(頭部・腹部とフライングプレーンのローター部およびアクロブレード)と、白(胴体・フライングプレーン基部・足・スパイバードパーツ)と黒(腕・脚)の共通部分で構成されている。A311マッドピンク 個別色はピンクメッキ A312マッドグリーン 個別色はグリーンメッキ A313マッドブルー 個別色はブルーメッキ A32Xシリーズ 総統アクロイヤー。総統の肩書きを持つが、1人ではなく、なぜか3人いる。本シリーズより最初からAナンバーに設定された。前2シリーズにあったダイキャスト製パーツがなくなったが、パーツ組み換えによってアクロカーに変形する機能を持つ。また、体内に小さな鉄球が仕込まれており、磁石を近づけると胸の穴から見ることができた(「マグネット弾」という武器である設定)。販売形式はA30Xシリーズと同じ。配色は(A)胴体(B)胸部・アクロカー本体およびタイヤ(C)腕・脚・アクロカーリアウイングおよび座席ジョイントの3色という構成。A321デビルス (A)濃紺 (B)赤 (C)水色 A322サタンダー (A)深緑 (B)黄橙色 (C)黄緑 A323デーモン (A)赤 (B)深緑 (C)青 アクロイヤー軍団 総統アクロイヤーの側近として改造されたという設定の手下メカ。それぞれ名前どおりの動物をモチーフにしており、組み立てキットとして発売された。金属製のローラーユニットにより転がし走行できる。ABS樹脂ではなくプラモデルのようなスチロール樹脂を使っているため、ジョイントの磨耗などへの耐久性はかなり低い。ミクロマンと共通の軟質樹脂製の白い手首パーツを持つ。A321デビルスとのセット販売品「アクロイヤー軍団セット」もあった。タコロイヤー 頭部・胴体・武器の棍棒が赤、腕と脚は白 エイロイヤー 胴体・武器の棍棒は水色、両翼と腕、尾は赤 カニロイヤー 胴体と脚部キャタピラ・ブルドーザーブレード・左手ハサミはエンジ色、眼と腕・脚部フレーム・武器の棍棒は黄 U60Xシリーズ アクベーというアクロイヤーとアクロイヤー2がスクラップから生み出した手下メカという設定。マジンガーZにおけるボスボロット的な存在で、コミカルな脇役として後述のメカを加えてユニーカー軍団と呼ばれる。生まれた瞬間にアクロイヤーを見て「おかーちゃん」と呼び懐いている。アクロイヤー側では初めてのタイタン同様の磁石関節を持つ「マグネモ8」商品である。背中にブンブンヘリ(ゴム動力)を標準装備。ユニーカー軍団はシリーズ通してタイタンに準じた全品発泡スチロール梱包(外箱入り)の販売形式だった。ボディの配色は(A)ヘルメット・胴体・下腕・脛・ブンブンヘリのシャフト(B)顔・上腕・大腿・足首・手・ブンブンヘリ本体の2色構成。コミカルな設定をいかすためか、シャープな印象を与えるシリーズの標準フォーマットである頭部のメッキ処理は採用されていない。U601タロー (A)青 (B)黄 U602ジロー (A)黒 (B)赤 U603サブロー (A)非常に濃いクリアーグリーン (B)白 ユニーカー軍団 同じくアクロイヤーによりスクラップから生み出されたロボット。それぞれ名前の由来となった機械の特徴をもつ。ボディには一箇所だけ磁石関節が仕込まれていた。U601タローとのセット販売品「ユニーカー軍団セット」もあった。ライトン(電気スタンドのスクラップから誕生) 胴体・腕・キャタピラの車輪が白、上腕・顔のリング・下半身のキャタプラ基部は赤の2色構成 トケイダー(目覚まし時計のスクラップから誕生) 胴体・頭のベル・タイヤ・顔の時計の針は緑、腕・脚はオレンジの2色構成 カメラー(高級カメラのスクラップから誕生) 胴体・上腕・顔のリング・タイヤが茶色、下腕・脚のフレームがアイボリーの2色構成 U61Xシリーズ ユニーカー軍団の弟分として発売された勉強ユニーカー軍団のリーダー。名前はワルベー。捨てられた学生服が混じっているため学ラン姿である。作ったのはアクベーだが自分たちより出来が良かったため生まれてすぐに反逆しライバルとなった。アクベー同様磁石関節を持つ。子分たちは各々が文具として機能するようになっており、自分も鉛筆削りを背中にしょっている。また、磁力関節付きのドライバーがセットになっている。商品名は「応援団ワルベー」となっている。配色は(A)ヘルメット・胴体・下腕・脛・武器であるドライバーパーツ、(B)顔・上腕・大腿・足首・手・背中のランドセル=鉛筆削りパーツの2色構成で(B)は白で統一されている。アクベー同様頭部のメッキ処理は採用されていない。U611ブンタ (A)青(B)白 U612カンタ (A)赤(B)白 U613ケンタ (A)黄(B)白 勉強ユニーカー軍団 ワルベーの手下メカ。前述のユニーカー軍団に対して、文具内蔵というコンセプトから全体に大型化している。ボディの磁石関節はユニーカー軍団の1箇所に対し、頭と両腕の3箇所に増えている。「『勉強』ユニーカー軍団」の名が示すとおり、各々が文具としての機能を持ち、テープンは「テープカッター・ドライバー」、ドコジャーは「メジャー・マグネットゲーム・筆立て」、アクベーBは名前どおりアクベーを模した形状で「消しゴム・鉛筆キャップ・鉛筆削り・筆立て」、ゴセンチンは「鉛筆削り・筆立て・コンパス・消しゴム・雲形定規」を内蔵している。なお、テープンとゴセンチンの2種は通常バージョンに加え、成形色や顔のシールを変更した「女の子バージョン」が発売されている。テープン 帽子・上半身・下腕・タイヤが黒、顔・上腕・下半身・タイヤホイールが黄の2色構成 ドコジャー 帽子・胴体・タイヤがこげ茶、腕・頭部底面・側面筆立て・胴体内部・タイヤシャフトが朱、頭部・胴体正面カバーがクリアーの3色構成 アクベーB ヘルメット・上半身・下腕・タイヤシャフト部が青、顔・上腕・タイヤが黄、頭部鉛筆削りが黒の3色構成 ゴセンチン 上下胴体・下腕・足が黒、顔・上腕・脚・足のタイヤが黄、胴体内蔵の雲形定規がクリアーの3色構成 テープン(女の子) 帽子・上半身・下腕・タイヤが赤、顔・上腕・下半身・タイヤホイールが白の2色構成 ゴセンチン(女の子) 上下胴体・下腕・足が赤、顔・上腕・脚・足のタイヤが白、胴体内蔵の雲形定規がクリアーイエローの3色構成 A35Xシリーズ アーデンと呼ばれる異星人。外見はアクロイヤーとよく似ているが、おうし座アルデバラン星系からやってきた侵略者。アクロイヤーに協力するが、本来は故郷の恒星が赤色巨星となるので移住先を探して地球にやってきたという設定。ビニール製のマントが付属した。販売形式はA30Xシリーズと同じ。平成に入ってからの復刻版発売時にカラーバリエーション(とそれに伴うキャラクター設定)が一気に増えた。配色はA30Xシリーズを踏襲したもので、胴体のダイキャストパーツのみ個別色、黒で成型された両腕および両脚、軟質ビニールシートの黒いマント、頭部同様にメッキの施された腰部・手・足首・オプションパーツ類は共通である。A351ヘルダー 個別色は赤の焼付塗装 A352レイカー 個別色はシルバーで塗装ではなく、クロームメッキ状に処理されている A353バルガー 個別色はメタリックブルーの焼付塗装 復刻時に追加されたメンバーは以下の通り。 A354ダイガー 個別色は黄の焼付塗装 ※トイザらス限定販売の3体セットのうちの1体 A355ブルター 個別色は緑の焼付塗装 ※トイザらス限定販売の3体セットのうちの1体 A356ライザー 個別色は紫の焼付塗装 ※トイザらス限定販売の3体セットのうちの1体 A357ガイザー 個別色は白の焼付塗装 A358ファイガー 個別色はオレンジの焼付塗装 A359ギルダー 個別色はガンメタルの焼付塗装 A350ルキファー 「ミクロナイトMC7フレイムハイパー」とセットで『ハイパーホビー』誌上で限定通販されたもの。 個別色・ゴールドメッキの他、通常は黒い腕・脚がクリアー、頭部・足首・手のメッキパーツもゴールドメッキとなっている。 A37Xシリーズ アクロイヤーアマゾン(別名アマゾン総統)。軍団の実権を握ったアーデンが総統アクロイヤーを改造・強化したという設定。Aナンバーは360番台を飛ばし370番台となっている。総統アクロイヤーのボディを流用したリデコ品で、新規設計の頭部が透明樹脂により異様に大きく成型され、背中に派手なカラーリングの風車状の羽を背負う。これにより羽に張られたシールの部位によって大きく表情が変わるギミックを有する。旧総統アクロイヤーの体内に小さな鉄球が入った「マグネット弾」のギミックは廃され、タイタンスペースナイト同様の前面に5mmジョイント穴が設けられたシルバーメッキの共通パーツが配された。また、セットには10cmサイズのソフトビニール製の手下怪人がそれぞれ付属する。その頭部の大きなスタイルはミクロマンと比べ異質だが、頭部が大きくなったアマゾン総統とのバランスはよい。販売形式は発泡スチロール梱包で表面に透明窓が設けられたものだった。ボディの成型色はカラフルな3色構成だったA33Xシリーズとは異なり、主人格にあたるアーデンA30Xシリーズを踏襲したシンプルなもので、(A)不透明な胴体、(B)透明な頭部&ドリル状の槍の個別色1系統2色、それ以外の黒で成型された両腕・両脚背中の風車状の羽や腹部のシルバーメッキパーツは各人共通となっている。A371ブルーアマゾン総統 (A)紺 (B)クリアーペールブルー 手下怪人「ムシケラー」(昆虫型で薄青成型+メタリックブルーの吹付塗装、バックルは赤塗装) A372レッドアマゾン総統 (A)赤 (B)クリアーペールレッド 手下怪人「トカゲラス」(トカゲ型でオレンジ成型+ゴールドの吹付塗装、バックルは緑塗装) A373グリーンアマゾン総統 (A)緑 (B)クリアーペールグリーン 手下怪人「ウロコマン」(半魚人型で緑成型+ゴールドの吹付塗装、バックルは緑塗装) A38Xシリーズ アクロイヤーのリニューアル版。Aナンバーも新規扱いに380番台なっている。主な変更点は、カラーバリエーションがメタリックカラーから原色になったこと、銀メッキから黄色になったことと、アーデンのような軟質ビニール製のマントが付属したこと。販売形式は先代を踏襲したA30Xシリーズと同じもの。A381ファイアスター 個別色は赤の焼付塗装 ※A301レッドスターとほぼ同一 A382アーススター 個別色は黄の焼付塗装 A383スカイスター 個別色は青の焼付塗装 ※A303ブルースターとは違い、メタリックブルー塗装ではない デスマルク それまでのミクロマンシリーズではつけられていた個別のナンバーはつけられなかった。ミクロマンというラインアップでは最終となる敵役。赤ボディと青ボディの2種類が発売されているが、ナンバーだけでなく個別の名前もついておらず、別個体という設定なのか定かではない。付属の戦闘機と合体することが可能で、この形態でデスキングと合体することができた。当時のアニメの影響を強く受けており、後頭部から手首と足につながる動力パイプがある。星間帝王デスキングの手下という設定。販売形式はミクロマンパンチと同じく発泡スチロール梱包(上蓋付きで透明窓はなし)。ボディの成型色は胴体・脛が個別色で、腕・大腿の黒および頭部・足首のシルバーメッキパーツ、頭部から伸びる軟質樹脂の動力パイプはメタリックグレーで共通。オプションの戦闘機パーツはそれぞれ逆の色を採用している。デスマルク 赤ボディ 個別色は赤。戦闘機は青。 デスマルク 青ボディ 個別色は青。戦闘機は赤。
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