標準フォーマット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 06:10 UTC 版)
30分枠番組の構成はおおむね以下の通り(ここでは『マシュマロ通信』の本放送版を基本にして記述する)だが、作品によっては「実写パートとの混成」となるものもあり、下記のフォーマットと異なる場合もある。 基本的に本編(約24分)と、CM(約6分)の合計で30分となる。CMは15秒単位で制作されるため、各パートも15秒が基本単位で、警告(啓発)とアイキャッチの合計は15秒、テーマ曲は90秒(60秒・150秒)になる。 CM放送が放送法などの関連法令で禁じられている公共放送のNHKや、WOWOW・アニメ専門チャンネルなどの有料衛星放送においてもローカル局へ放送権を販売するなどの2次利用のため、上記のフォーマットを採用している。その場合、本来のCMの時間を視聴者から寄せられたイラストなどの紹介コーナーやミュージッククリップ、番組等の宣伝を加えて25 - 30分枠として放送している。 警告(啓発):5秒ポケモンショック以降、「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見よう」など、登場人物から視聴者への呼びかけがある。ポケモンショック以前の番組の再放送でも字幕が表示されるようになる。これは同事件から長年が経った現在でも、少なくとも全日枠作品ではおおむね徹底されている。なお警告パートがない作品も多く、本編冒頭の字幕で挿入する・警告自体がない(特に深夜アニメ)・CMが警告を兼ねている例もある。 常時接続の普及によりインターネット上で違法配信が問題視されるようになると、「インターネットへのアップロードは著作権法で禁止されている」旨の警告文が深夜アニメを中心に表示される(本編Aパートの冒頭で表示する場合もある)。 作品によっては「本作品はフィクションであり、実在の人物・事件とは関係ない」旨のテロップも表示されることがある。 作品のジャンルに応じた特別な警告カットやテロップが挿入されるケースもある。『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』では「ルールとマナーを守って楽しくデュエルしよう!!」というカットが表示された。 自動車の暴走描写がある『頭文字D』や『湾岸ミッドナイト』などでは「劇中の法律に違反する行為を真似しないように」などと表示される。 賭博を行う描写のある『賭ケグルイ』では「賭博行為は法律で禁止されている」旨のテロップが表示される。 登場人物の言動に差別用語やその他問題のある表現を含む場合、事前に「時代考証や作品の資料性を考慮して一部不適切な表現を含む」旨のテロップが表示される。 アバンタイトル:10秒作品によって有無が異なる。ある場合はオープニング曲の前に数分程度の本編Aパートのイントロダクションが挿入される。毎回、作品解説の同じ映像が挿入されることもある。 オープニング主題歌(オープニングアニメーション):1分30秒大半は同じ映像を繰り返し使用するが、新キャラクター・新メカが登場すると一部シーンを差し替えることもある。多くの作品はメインスタッフをここでクレジットする。 作品自体が5分前後の短編アニメの場合、放送枠の都合上などで全てのスタッフ・キャストクレジットをオープニングアニメーション(あるいはエンディングアニメーション)内に集約する場合もある。 近年の多くの作品では1クール単位で主題歌を入れ替える傾向が強い。中には毎回のように入れ替えるケースもある(エンディング主題歌も同様)。 オープニング主題歌のイントロダクションをアバンタイトルのラストシーンに被せるように挿入する演出や、最終回などでオープニング主題歌を飛ばして本編に入る場合もある。 提供クレジット:10秒放送局のアナウンサー(ローカルセールス番組の場合は各放送局ごとに異なることが多い)が読み上げることが多いが、本編のナレーションや主要キャラクターを担当する声優が提供のアナウンスをするケースも増えている(提供クレジット#出演者・声優によるアナウンスも参照)。 ローカル局の深夜アニメの場合、スポンサードネットによる放送が非常に少なく、大半が番組販売の形で放送されるため提供クレジットが省略され、背景の表示のみになることもある。 「今週のハイライト」的文章や、「局からの案内」などのテロップを挿入する例もある。 本編の放送時間の関係上などから、提供クレジットパートを省略し、Aパートの冒頭でスポンサークレジットを挿入する作品も増加傾向にある。 CM1:1分30秒作品によってはオープニング終了後、本編Aパートに入るものもある(その場合は後のCMパートがその分だけ長めに設定されることが多い)。 本編Aパート:10分Aパートの冒頭で、現在放送中の話数(助数詞)とサブタイトルが表示される。作品によっては、話数の併記がないサブタイトルのみ の場合もあれば、Aパートのアイキャッチ か、Bパートのラスト でサブタイトルが表示されることもある。中には、サブタイトルが複数回表示される作品 や特定の回のみ変更されるパターンもあり、サブタイトルが全く表示されない作品もある。 Aパート/Bパートは、定形の時間枠ではなく、おおむね合計で20分になる。作品の演出により、CMが本編にかからないように割り振るなど、時間配分は変更される。また、警告(啓発)とアイキャッチなどで増減する。 2010年頃に入ると本編中に各種宣伝テロップを挿入する作品が急増している。 アイキャッチ:5秒作品毎に大きく異なる。全く使用されない場合や、A/Bパートに番組タイトルロゴを挿入する、A/Bパートのいずれかに挿入する、演出上の意図でCMに関係なく場面転換に挿入するなど様々である。同じ映像を使用するものや、内容に応じて準備された数種類の映像を使用する。CMのないNHKやAT-Xの放送分でも挿入されることがある。 CM2:1分30秒 アイキャッチ:5秒 本編Bパート:10分 エンディング主題歌(エンディングアニメーション):1分30秒おおむ概ねの傾向はオープニング主題歌と同じであるが、毎回変わる担当スタッフや担当キャストクレジットは大抵はここで表示する。 エンディングアニメーション内に次回予告を挿入する例もある。 最終話にてエンディングアニメーション映像を新規に制作(大抵は作品の後日談か総集編的なもの)したり、専用のエンディング主題歌を用意する場合もある。 CM3:1分30秒作品によってはそのまま次回予告へ入るために省略されるか、次回予告後に回されることもある。 次回予告:30秒次回に放送される予定の映像を使用する。ただし、一部作品では本編の放送時間の関係上、先述のようにエンディングアニメーション内に次回予告映像もしくは次回タイトルを流すものも存在するほか、次回予告自体が存在しない作品もある。 近年では主にMBS製作作品の場合に改編期が迫ると新番組告知CMを放送する時間を捻出するため次回予告の放送時間を短縮したり、本編中では放送せずに正規サイズのものを各公式サイト・動画配信サイトで次回予告を公開する事例が増えている。 提供クレジット:10秒 エンドカード:5秒作品によっては有無が異なる。同じ作品でも、挿入の有無は局により異なり、局ごとに別々の例もある。また、再放送にあたって新規に制作される作品もまれに存在する。 CM4:1分20秒作品によってはエンディング主題歌を流した後か次回予告前後にCパート(短編アニメなど)やミニコーナーを挿入するものもある。 作品や放送局によっては、放送開始時刻から暫くCMを流してから本編放送開始、というケースも多く見られる。 また再放送にあたっては、再放送枠自体が通常の30分よりやや短い場合など、放送枠の都合上によりCM放送時間を捻出するためにOP・EDや次回予告、場合によっては本編の一部がカットされる事例がある。特に通常のフォーマットより本編が長めに制作された作品でこれが顕著になる。
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